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ネロは、牢を尋ねた。 (a13) 2023/09/21(Thu) 21:22:10 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡/* お疲れ様です。しまむらです。 生殺与奪の権をに握ってくれるんですか!? やったー! いまいまこちらで考えていたことと照らし合わせると以下の選択肢になります。 というのも警察に悪行が知れ渡った以上、その大小にかかわらず今までに協力したギャングとしては、 ヴィンセンツィオは一秒でも早く始末隠蔽しないといけない存在であるため…… 元々瀕死寸前まで破壊するつもりだったので、それを汲んでのぷらんになります。 今のところエンディングの打診というか交流自体あんまりないですね。 @留置所から出された際に小規模な犯罪グループに拉致されかけたところを拾って殺し合いをする 損耗率0〜10% 逃亡パートの後で生殺与奪が挟まります。 A貴方を尊敬するノッテの下っ端に拉致拷問されている途中で介入して持ち出して殺し合いをする 損耗率20〜40% ある程度落とし前はつけておいたほうがプレイヤーの溜飲が下がるかなと B当初こちらが考えていたパターン 上と状況は同じ 損耗率90% 痛い目にあって欲しいならこちら 最初から生殺与奪の権を握れる あと殴り合いしてから拷問で帳尻合わせるパターンもなくはないけどなところ。 上記の通りとっとと死んでもらわないと困ると考えるモブが沢山いるのと社会的立場を失っているので、 殺し合いの結果に関わらず後ろ楯がない状態だと島内にいられるとほぼほぼ確実に死ぬだろうなと考えています。 何か聞きたい事や希望などあればお申し付けください〜。 あと多分それなりにグロくなるのでしたような描写が苦手でしたら先に内容お伝えすることもできます。 (-264) 2023/09/21(Thu) 21:23:04 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ/* わーい!プロの(?)尋問楽しませて頂きます〜、よろしくお願いします! ほんとは沢山あったけど今回の件を察知していたので、 それに際して隠したor処分した感じだと思います。 錠剤3〜4錠、アンプル1本あれば多い方かな〜? 効果の程は先に挙げた物からお好きにお選びくださいませ。 ラベル等は貼ってないのでカンターミネに聞くか、 まあ投与すれば効果出るのでわかるみたいな感じで……。 なお全部カンターミネが服用した場合、 最終的にはオーバードーズで血を吹いて気絶するかと思います。 後遺症の類は……長期的な物はないと喜ばしい、くらいでしょうか。 一時的な症状ならなんでもござれと言った所です、よろしくお願いします。 あっじゃあ折角だからお呼び出しくらった感じで そちらから開始して頂けると……! そこまでの扱いに関してもお任せします〜 (乱暴にとか、普通にとか、逆に丁寧に等……) (-265) 2023/09/21(Thu) 21:25:18 |
【影】 傷入りのネイル ダニエラ……。 身体を起こす。重いんだ。これは。 結局、中身は何なんだろう。 「……。」 また眉間に皺が寄るのに気付く。 持ち帰る間の、墨を落としたような心地がにわかに思い出された。 あれから、別に状況は何ひとつとしてよくなってはいない。 寧ろ悪くなっているはずだ。 …現実だけをただ見つめれば、もうこの手の中には何も残っていやしない。 (&3) 2023/09/21(Thu) 21:28:58 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ──疑わなかったのか、と。 その言葉が耳に届いたとき、声を詰まらせた。 考えたことがないわけじゃなかった。 男はこの世の掃き溜めで生きていた。 十分に薄暗い世界を知っている。 或いは、だから、と考えたことはあっただろう。 それでも己に伝えないのならと明らかにはさせなかった。 もしそうだとしても、言いたくないのならと尋ねなかった。 じゃあ、これは、そう。 知らなかったじゃなくて── ── 知ろうとしなかった 、のではないかと。だん。 「────い゛ッ!?」 [1/2] (-266) 2023/09/21(Thu) 21:48:17 |
ニーノは、ならば、その罰が下るように。 (c12) 2023/09/21(Thu) 21:48:32 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ痛み。 殴られたときのそれじゃなく。 蹴られたときのそれとも違う。 ペン先が皮膚を裂き、抉り。 先にある手骨を割った痛み。 「ぁ、? っ、せんぱ、……ぃ、なんで、」 いたい、いたくてたまらない。 吹き出る汗も滲む視界も、熱から来るものではない。 男は貴方を見た、怯え切った瞳にその笑みを映した。 「……ッ、ゃ、やだ、ごめ、なさ」 嗚咽を堪えて謝罪を形にしたのは条件反射のように。 それでも遠ざかろうと身を引く。 熱と痛みでろくに入らない力で、ペン先が突き立てられた手を引こうとする。 ──逃げなきゃ、と、思って どこかに どこに? [2/2] (-267) 2023/09/21(Thu) 21:50:15 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「僕が彼の教育係だったんだ、新人のときね」 「信頼っていうか……」 「…………まぁ、懐かれてるかな」 どこまでも犬を相手してるような言い方だけれども、間違ってはいまい。 いいよと言うまで待てをする。そんな忠実で元気な犬のような男だと思う。 じゃれつかれて僕が折れるところまで含めて。 「ていうか、牢屋の中になんで飴なんて持ち込んでるんだよ。自由すぎ」 ダメ出し返しだ。 ▼ (-268) 2023/09/21(Thu) 22:04:09 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「取り返しつかないことされるのは困るな。 一緒に……、か。 二人で逃亡してどこか外国で生きる、とかかい?」 それも良いかもしれない。 別に、警察に対して崇高な志があるわけでもない。 憂いを払う必要はあるけれど、それも含めて不可能ではないはずだ。 「キミのプランは知ったことではないけど……はぁ、先が思いやられるよ。 だって、ずっと大人しくここに居る気なんてないって言ってるように聞こえるしね。 僕が悪いみたいに言うけど、元凶はキミだよ」 それでも、これはずっと繰り広げられていたチキンレースを終わらせるきっかけになるんだろう。 「それに、別に放置だってしてないさ。 どこでも良いから連れて行けって言われたから、僕の部屋でゆっくり寝かせたし。 ……そこまで、直接的なことは……言ってないけど。 けど、僕がアイツを裏切ることは絶対に、ない」 住む世界が違うなら、一方的な幸だけ与えるつもりだったけど。 僕が傷つくことで、アイツが傷つくなら、僕はそれを許してはならないから。 それなら、僕の方がその手を引っ張るしか、ない。 そういう答えに、やっとたどり着いたのだ。 (-269) 2023/09/21(Thu) 22:05:58 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 歌い、歌わせた カンターミネ「知らねえよ。 見栄っ張りで意固地なとこはそうかもしれねえけどさ。」 男がみんなそうかと言われれば肩をすくめる。 ある程度はそうかもしれないし、そうでないかも。 「なるほどな。アンタらしいや。 俺は先生のこと、恨んだりしねえよ。 アンタは殴られたから殴り返しただけなんだから。 俺の方が恨まれると思ってたくらいだぜ。」 息を吐いて。 けれどこれで終わった訳じゃない。 「こんな法律、長くは続かないさ。 戦おうとしている奴もいる。 市民の反発なんて言わずもがなだ。」 「さっきの話。 もしお互い無事だったら、その時は付き合うよ。」 貴方だったからこそ、だろう。そう言えたのは。 そうして貴方を、警察署まで連行する事となる。 とはいっても…きっと、途中で貴方と別れて この男もまた、同じ場所へと連行されることになるのだ。 貴方の、友人の手で―― (-270) 2023/09/21(Thu) 22:13:57 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 徒花 テオドロ――かちゃり。 牢の鍵が開けられ、よく見知った男が中に入ってきた。 幼馴染ではない、あなたの同期だ。 「やぁ、テオドロ。 ここの居心地はどうだい?」 皮肉は努めて明るく言うものの、その表情は重い。 僕を危険から遠ざけると言ったその矢先に、なんで先にこんなところに入れられてるのかと、憤っているのかもしれない。 (-271) 2023/09/21(Thu) 22:14:29 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード「おう、もちろんいいよ。お使いのご褒美」 フィオレにもあげるんだ、と紙袋の中身を貴方に渡す。 簡単な個包装はしてもらったので安心。 貴方に頼んだコーラを受け取って交換の形とした。 「甘いもんはエネルギーになるからな。 踏ん張りどきだろ。多分……」 「上が居なくなると俺達下っ端も忙しくなるからな。 なんとかやろうや。愚痴なら聞くし」 受け取ったコーラのペットボトルはすぐに開栓された。 プシュ、と爽やかな音。 「出来ることが少ないってのは歯痒いけどな……」 (-272) 2023/09/21(Thu) 22:17:45 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ少し、考える。 男は、数人の知人から自分の身を大事にしろ、傷つくな。と約束をさせられている。 黒眼鏡と話した時は、その約束通り牢の外から話しかけた。 危険の心配などないテオドロのところでは、牢の中に入っていった。 ――さて、あなたはどうだろうか。 犯したとされる罪を思えば大層な犯罪者で危険だけれども。 男にとってはまだ、直属の上司だ。 信じられないという思いは強く、惑わされる。 だから男は、牢屋の格子というバリケードは、あなたとの会話の間に置きたくはなかった。 「……まさかこんな所で会わなきゃいけないとは思いませんでした、警部」 ――その鍵に、静かに手をかける。 (-273) 2023/09/21(Thu) 22:22:04 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ「ああ、なるほど。やっぱ似たような事言ってるわ。 傷の自慢したがり、だったかな向こうは……」 きっと、やはりどこかで似ているのだろう。 それはある種の、『筋』の通し方なのだ。たぶん。 「生憎、恨むほど――まあいいや」 長々と話す事でもあるまい。 互いに恨まず、互いに憎まず。 終わったらメシでも食いに行こう、それでいい。 「よし、んじゃさっさとこのトンチキな騒ぎが 収まる事でも祈っておくとしようぜ。 ……あ、お代はそっち持ちな!」 カンターミネは、最初から誰も信じていない。 それゆえに、カンターミネは誰の事も恨みはしない。 たったひとつ―― 『ダニエラに手を出す』というタブーさえ、侵さない限り。 故に、手錠で繋がれたその手を、別れ際のあなたに振った。 何を奢るか考えておけよー、そんな風に投げかけて。 (-274) 2023/09/21(Thu) 22:25:11 |
カンターミネは、手を振る。手錠の鎖が音を立てた。 (c13) 2023/09/21(Thu) 22:26:48 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡「……今日の旦那は違う厳しさがあるなあ」 ああ、そろそろ自分も誤魔化せなくなってきた。 中途半端な意見も選びきれない不透明な物も、今ここでは不必要なのに。 「俺のしたいことは 今日ここにいる あんた が、どうしたいかを聞くことだ」今の貴方は過去か、今か、未来か。 自分もどこを見て居るんだと問われた、あの無貌の美少女に。 「確かに、旦那からしたら選ぶ義理も事情もないのかもしれん。 でも流石に自分のシマを荒らした犯人に一言も言及がないのは違和感がありすぎるぞ。 ……選べるようなものじゃないって思ってるか、知っていて放置しているんじゃないか?」 もう間違えでもいいから口を止めず前に進むことしか考えられない。 真実の言葉を引き出す為に素直な言葉をぶつけていく。 消えないでくれとその背中を見ているだけだった。 本当に何もわかってなかった、分からないままだったことを知る為に言葉を紡いだ。 (1/2) (-275) 2023/09/21(Thu) 22:46:44 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ腕の中の友人は、今は弟と同じ。 ぎゅう、と回された腕の力が強くなれば薄く笑った。 もしかしたら幼い頃会っていたかもしれない。 逃げ回るように生きた幼年期のどこかであなたと会えたなら、自分はきっと今のような生き方をしていないのかもしれない。 例えば、一緒にマフィアになって。例えば、共に警察として。 結局はもしも話、なのだが。 「……オレの力に?」「頼もしいな」 後輩にも頼る事はあるのだ。きっと弟にも頼る事がある。 弟にしか頼れない事がある。 「家族っぽいこと……ってなんだ?一緒に寝るとか? それはちょっといいな」 「いいね。色々やろう。オレ、やりたいな……」 無邪気な笑顔と向けられた視線に、 こっちもいつも通りの笑顔を返した。 あの時の笑みは、あれきりだ。 何かが変わった。どう変わるかは、わからないけれど。 家族への憧憬、もう手に入る事のないと思っていた夢の断片。 今、確かに貴方の形をして共に居る。 「……グラスホッパー、頼むかぁ」 そろそろ少し酒も抜けたろ、なんて笑って。 これから起こる事なんて、今はまだ知らないで。 (-276) 2023/09/21(Thu) 22:48:09 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡「今のあんたの中には何も見えない」 「アリソン・カンパネッロの面も、 その名前を”使ってた”奴が何も意見がない?」 「悩んでることなんてそれだけだ。 頼りに来たのは確かだ、それでも凭れ掛かりに来たんじゃない。 俺のやりたいことはあ! あんたと、ノッテファミリーの為になることを選ぶことなんだよ」 こんなでかい案件を、明日には牢屋にぶち込まれるかもしれない自分が一人で考えてたまるか。 これは、傲慢なんだろうか。 貴方に無理やり何かをさせようとしているのだろうか。 それをさせてくれた貴方がいるのも、止めようとしてくれた貴方がいたのも知っている。 それにしても、今聞いた台詞。 昨日の俺が幼馴染に言った言葉と全く同じで気味が悪くなったな。 「……どうでもいいならどうでもいいって言ってくれ。 そうしたらこの話は終わりで、茶を飲んでパン食って帰るだけだ」 やけっぱちになりながら吐き出せば、自分の分のロゼッタを眺めて態とらしく苦い顔をした。 (-277) 2023/09/21(Thu) 22:55:54 |
【秘】 徒花 テオドロ → 花浅葱 エルヴィーノ「……」 不思議と。牢の中にいた男の表情は穏やかに見えた。 両の手は背の裏に置きつつ、 寛ぐとまではいかないもののゆったりとしていて。 「今の外よりかは悪くない気もしますね」 そんな皮肉を返す気力も残っているようだった。 「……この世の警察というものは…… なかなか難儀ですね、本当に」 (-278) 2023/09/21(Thu) 23:04:03 |
【影】 傷入りのネイル ダニエラ「………。」 考えないようにしていたことが、すうと脳裏を横切っていく。 バッグの隣に膝を抱えて、ミントブルーの瞳を伏せた。 日差しが傾き、窓から差し込む赤い光に照らされる。 小波の音が聞こえる気がした。 瞼が少しずつ、重くなる。 そういえばここ数日は、あんまりしっかり眠れていない。 波の音に紛れ、歌声も聞こえるような気がしてきた。 髪を撫でる手が、ひとつ、ふたつ。…みっつ。 そして。 … … ……寝息が、微かに聞こえている。 膝を抱えていた手がゆっくり、ことり、と床に落ちた。 (&4) 2023/09/21(Thu) 23:06:05 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 徒花 テオドロ「……そんな事を言ってるくらい元気なら、心配して損したかな」 肩をすくめて、あなたの隣に座った。 あなたとは、向かい合うよりも隣で同じ方向をずっと見てきたから、その方が僕らの関係にはあってるだろう。 「外は混乱してるよ。 警部とキミのことは流石に……現場に与える衝撃が、大きすぎた、から」 (-279) 2023/09/21(Thu) 23:22:28 |
【秘】 門を潜り ダヴィード → 渡りに船 ロメオ「頑張った甲斐がありますよ。 今はもちろん、皆が力を合わせるべきなんですが」 それはそれとして労われることは素直に嬉しい。 渡された中身をしっかりと両手に持って、ひとまず匂いを楽しむ。 「皆の帰る場所を守るって大事な仕事です。 いつも通りにやりましょう、焦らずに。 俺も、頑張るんで」 いつも通りに振舞うことを自分に許す。 拭えない恐怖や不安を持ちながら、好きな人と笑い、好きな物を食べることを許す。 大切な人が今なお暗い牢獄にいても、その人の帰還を笑顔で迎えるために、自分を大切にすることを許す。 ボンボローニを一口食む。 味覚はとっても正直なもので、甘味は疲れた体に染み渡った。 (-280) 2023/09/21(Thu) 23:30:15 |
【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 無敵の リヴィオある日の警察署。 あなたのデスクに近寄る女の姿がある。 「……リヴィオさあん。」 ゆるり。間延びした声に、周囲の空気が弛緩する。 思えば女の様子がおかしかったのは、あの日1度きり。 あとは変わらぬ気怠さとともに、毎日職務に向き合っていた。 (-281) 2023/09/21(Thu) 23:36:34 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ「――あっははははは!」 ソファに沈み込んだ体がくつくつとした笑いで揺れる。 悲痛、義憤。そうしたものを滲ませるような態度を目の前にして、男は笑った。 嬌声めいた声を上げて、見たこともないくらいに大口を開けて。 侮蔑と呼ばず何と呼ぶか、そういう態度だ。仮にもマフィアを相手取ってのものではない。 恐れを知らぬような尊大は、ソファに体を預けるように力を抜いた。 「金のためだとでも言えば、お前は安心して怒りを抱けるかもな」 本当のことを口にする気のない軽口が向けられる。まともに取り合うつもりはないらしい。 こうして目の前を訪れ洗い浚いに己の罪を明かしたというのに。 そこで、終わる。理由、言い逃れをひけらかすわけでもない。 貴方の前に怒る理由だけを放り出して、男は目を細めて貴方を見上げる。 「殴るか? 別にいい、気が済むまでやりゃあいい。 今更誰に何をされたところで、俺は何とも思わん」 もしもその退廃を蠱惑と称するのなら、そうも見えるかもしれない。 誘うように低い声を転がし、貴方の涙や吐き気を軽々に扱って笑い飛ばす。 非道な人間であるとはっきり決めつけられたならば、 貴方の体も油を差したように動き始めるんだろうか。 「殺すか?」 抑揚のない声だった。当たり前に、ぽろ、と溢れたかのような。 そういう末路が当然と――覚悟ではなく、両手両足を投げ出したかのような諦念と共在するのだ。 貴方の目の前にあるのは、歩いて息をするだけの唯の死体、掃き溜めの痰壺だ。 からっぽの器に失うものもなければ、恐れるものもあるはずもない。 何も持っていないのだから、当たり前のことだ。 (-282) 2023/09/21(Thu) 23:40:20 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 傷入りのネイル ダニエラ下手人―― ニコロ・カナールは 丁度カンターミネの移送を終えたところだった。 そこは牢屋から上の階層へ上がった通路で 彼以外の所員は、通達やら何やらで居ないところで。 貴方がやってくるなんて、まだ思っても居ないように 何かを考えるように、そこにいるだろう。 (-283) 2023/09/21(Thu) 23:46:51 |
【秘】 徒花 テオドロ → 花浅葱 エルヴィーノ「心配させないようにしてるんですよ」 そのくらい察せませんか?などという嫌味が、 態度の裏に隠されていた。手前にあるのは気遣いだというのに。 「……啖呵は切ったものの、 その後の警部から出てくるものがアレだと思うと、 まるで俺が道化みたいに思えてきますね……」 「怒りや恨みはないものの、 過去が風化したわけでもなかったから。 考えることが山積みです……言いましたっけ。 俺とアリーチェが臓器売買の為に捕まったことがある話」 (-284) 2023/09/22(Fri) 0:01:58 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 暗雲の陰に ニーノサルタナレーズンとピスタチオを練り込んだデニッシュを手に店を出る。 夕日を浴びて街に馴染んだ公園を見て懐かしむように目を細める様子は、 いつかの記憶を思い出しているかのようにも見えた。 ベンチに浅く腰掛けてなるべく視線のよく通うようにしながら貴方の言葉を聴く。 ひとたび問いかけに突き当たるまで、話し終えて満足するくらいまで。 そこに作意はない、おそらくは。長い睫毛が、相槌の代わりに何度も合わせられた。 「うん。……うん」 「いま、かつての実効支配があった時代とは違って、 大きなマフィアのファミリーも富裕層めいた暮らしをするものではなくなっている。 みかじめを払わなくとも殺されるようなことは殆どないし、 大手を振ってメディアが彼らと取り上げられるくらいに、力は小さくなった。 それでも彼らを恐れる人は多い。彼らを取り締まる方法は今も常に新たにされている」 大きな手の中に包まれたデニッシュは、ひとかじりもされないまま小麦の匂いを漂わせる。 朝も早く閉まるのも早いパン屋の商品は、朝日の中ほど芳しいわけではないが。 秋めいた枯れた芳香と相まってどことなく郷愁を抱かせるような、そういう匂いだ。 「けれども、彼らを取り締まるのはあくまで市民の為だ。 弱く、力を持たない人々が自由に生きることのできる社会を作るために、 今回の法案や、私みたいなマフィア対策部署の人間がある。それは、其れ以上ではない。 だから、何も力を持たないひとびとを怯えさせるような方法を振りかざすのは、 私は……間違っている、というふうに感じている。 みながどう思うかは、それぞれに違うだろう。だからあくまで一つの、参考にしておくんだよ」」 貴方の言葉を聞き、己の考えをゆっくりと話す目は。貴方を慈しんで心配するようなものだった。 変わらない、ずうっと。小さな貴方を、保護するもののように愛している。 後ろから見守って、歩き出す勇気が足りなかったり道を迷う時に、 そっと支えるように傍にある――そういう、穏やかな顔だった。 (-285) 2023/09/22(Fri) 0:08:24 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ本当に貴方のせいで牢屋に行ったのだとしても。 恐らくこの男は変わりない。 だってそうなる事は貴方が居ようが居まいが 最初から覚悟していて、分かり切っていた事。 「うるせえ。他が使えないんだから仕方ないだろ。」 なんて飄々と嘯いて見せるのも今この時だけ。 「はは、悪いな。 忘れてはやるが、もう遅い。」 この手はとっくに、罪を犯している。 必要のない裁きを下して、人を牢送りにして まだなお、続けようとしているのだから。 「アドバイス、感謝するよ。 何、その内話そうとは思ってるんだ。 アイツ、なんか抱え込んでそうだし。」 ワインを一口。 しっかりとした風味を楽しんで、喉に送る。 「でももっと守りたいもんが出来ちまって。 そっちの方も気がかりだな。」 貴方と同じようにグラスを置いて、ため息一つ。 (-286) 2023/09/22(Fri) 0:08:42 |
【秘】 無敵の リヴィオ → 傷入りのネイル ダニエラいつもなら鏡を見てばかりの男も、 今日は書類に向き合って少しだけ忙しなく見える。 勿論、君の姿が見えたなら笑顔を見せて。 「…おや、ダニエラ君じゃないか。 丁度君に会いに行こうか悩んでいたところだった」 そう言いながら懐から取り出すのは、 近くのパン屋のフォカッチャ2つとお水。 飲み物は何が好きかを考えていたら迷い迷って。 結局、当たり障りのないものを選んでしまった。 押し付けるために差し出して、 受け取って貰えたなら満足そうに。 「……っと、すまない。 君の用件を先に確認すべきだったね」 (-287) 2023/09/22(Fri) 0:08:52 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ貴方が此処まで来るにあたって、見知った顔とはすれ違わなかった。 留置所の一角、周りは空き部屋だらけ。人がいればすぐにわかる。 隣をすり抜けたものがあったとすれば見覚えもない一般職員で、 誰ぞに聞いても名前の上がるような――まあ、立場ある警察官でもマフィアでもないもの。 此度の法案でどこが浮足立とうと名を挙げ連ねられたりはしない無名の誰かくらい。 ぱたぱたと、知らない顔が貴方の視線から逃れるみたいに駆け足気味に留置所を上がっていく。 そんな冷たい廊下を抜けた先に、男の居所はあった。 罪状を思えばいっそ、デスクの前よりもこの場所のほうがいっそうにふさわしい。 「……まだ君は、私を警部と呼ぶんだな。 何か用事かな、ああ。そういえばデスクの上の書類はそのままか。 今度こそ仕事を押し付けられでもしたのかい、エル」 貴方を見れば、寝台に座り込んだ男はゆっくりと顔を向けた。 以前と変わらない穏やかな表情は、差し込む光のせいか僅かばかり翳りがあった。 或いは。光の内でしか貴方が垣間見る機会がなかっただけで、元からこうだったか? 特異な拘束もされていない男は両手両足を投げ出し、何の動きもなく貴方を待つ。 足の先には、やけにぱっと目立つ赤いルージュ・カザックが彩られていた。 わずかに。湿ったような生っぽい匂いが香った。 気づいたように男は口元を拭って、かすかな汚れが残っていたのを消した。 (-288) 2023/09/22(Fri) 0:24:28 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 徒花 テオドロ「前にアリーチェに少し聞いた覚えはある」 とはいえ、込み入った話に深入りするのを避けてたから、あまり詳しくは聞いてない。 エルヴィーノとは、そういう人間だった。 深入りしたら大事になるから、その人に不幸が訪れて、何処かにおいていかれるから。 だからいつも冷淡で、そっけない。 そういう態度を長年取っていたけれど、こういう逮捕が始まって本当に、肝が冷えたのだ。 「……臓器売買……え、まさかそれって」 流石に皆まで言えないが、上司の顔が脳裏に浮かんだ。 (-289) 2023/09/22(Fri) 0:49:11 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ見覚えもないような一般職員に、首を傾げながら男はここまで来ていた。 それはそうだろう。 なんの関わりもないのに、慌てて逃げるような、そんな様子を僕に見せてたんだから。 冷たい廊下を、ゆっくりと歩いて見たあなたの顔は落ち着いたものだっただろう。 「僕は警部以外の呼び方を知りません。 それに……刑が決まるまでは推定無罪。呼び方を変える理由もないです……まだ」 ――かちゃり。 鍵を空けて中に入った。 微かに香る何かが、あなたに近づけば鼻をくすぐって、わずかに眉をひそめる。 「……? 今、何かしてましたか?」 きょとり。首を傾げて。 「警部の仕事そのものは僕にはできませんよ。 ……でも、書類仕事は確かに回ってきてますね」 (-290) 2023/09/22(Fri) 1:04:20 |
【秘】 徒花 テオドロ → 花浅葱 エルヴィーノ「確証はとれていませんが。 俺たちを助け出したのは警察ではなくマフィアでした。 ……つまりは、そういったものですら敵対している手合い」 「十中八九、20年も裏の市場を牛耳り続けた…… 彼の手引きだとしたら全ての筋が通ります」 同じ顔を浮かべては、 これまでの因果に対し恨み言を吐きたい気分ではあった。 「今の警察は大混乱でしょうね。 無理矢理にでもそれを纏められる人材であろう、俺がそこにいられないことがこんなにも口惜しい」 人を抱え込めば抱え込むほどすぐに限界が来てしまうことを知っていたから、嫌味な言動で遠ざけていた不器用な自分の適材適所を漸く悟るとは思わなかった。 似た者同士の顔を見遣れば、また苦笑いが零れた。 (-291) 2023/09/22(Fri) 1:15:21 |