[　帰ってきて、と呼ばれた気がした。
　　 急激に意識が持ち上がる感覚がある。

　　 頬に何かあたたかなものが触れ、
　　 私は、ぱちぱち、と目を開ける

　　 凄くにぎやかな場所にいる。
　　 それが最初に感じたことで、
　　 状況を整理するために、
　　 私は周りを見渡そうとした
　
　　 この感覚はもう慣れたもの。
　　 ………そう、ここまではいつも通り、　]


　

　


[　私は、わたしと愛智くんの間で、
　 どんな話があったのかは知らない。

　 だけどひとつ覚えていることがある
　 私は、わたしに、託したはずなのに>>2:14
　 こうすれば苦しまないんだ、って、
　 私が、消えれば解決するはずだったのに、

　 でも、私わたしは、ここにいて


　　　　　　　　　　　　]

　

　


[　私の言葉に、黙って相槌を打ってくれる
　 その仔細を、聞くこともない。>>56

　 悟っちゃうよね。

　 ああ、そうか、
　 愛智くんはもう、知っているんだ。って。　]


　

　


[　怒るよ。悲しむよ。>>2:121

　 愛智くんにすべてを話して、
　 きっと、さよならを告げたんだ、って

　 私一人をこの世界に残して、
　 わたしは、消えてしまったんだ、って


　]

　

　


[　私は、わたしで、
　 わたしは、私だった。

　 立場が逆だったとしても、
　 私は、同じ選択を、選んでいた。

　 同じなの。
　 だって、ふたりでひとりだったから　]