人狼物語 三日月国


225 秀才ガリレオと歳星の姫

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【墓】 エウロパ



   
胸が痛い。
頭が痛い。

   溢れる涙を止められないままに
   私はふらつきながらも走り出して。
   学校の敷地の外にある森へと行ってしまう。

   
   ひとりになった私は
   力が抜けたようにその場に座り込む。


   だめだ、これでは前と同じことをしてしまう。
   ぼんやりとそう思いながらも
   昂った感情を抑えることなんて出来なくて
   周りの景色に雪がちらつき始める。

   抑えなきゃ、あの時みたいに深呼吸して……。


  
(+19) 2023/10/04(Wed) 14:41:54

【墓】 エウロパ



   …………どうして、
   君は何も教えてくれなかったんだろう。
   恋人がいるなら、そう言ってくれてたら。



   落ち着けるはずがなかった。
   心の中を示すかのように風が吹き荒れて
   着けていた青い花の髪飾りが遠くへ飛ばされる。


  
(+20) 2023/10/04(Wed) 14:43:30

【墓】 エウロパ



   
抑えなきゃ、という思いより

   もうどうでもいいかも、なんて
   自棄になる気持ちが勝って
   風も雪も勢いを増していく。


   立っていられないほどの風に
   吹き飛ばされて、思いっきり頭を打って
   血と魔力が混ざって流れ出てしまう。


   意識が朦朧としてきても、
   まだ、魔力の流れを抑えられず。


 
(+21) 2023/10/04(Wed) 14:44:49

【墓】 エウロパ



   こんな状況になっても考えているのは
   自分の身の安全なんかじゃなくて。


   
「ユスティ、私は君のことが―――。」*


  
(+22) 2023/10/04(Wed) 14:45:47

【墓】 ユスティ



   自分の言ってることが滑稽なことは
   自分でも良くわかっている。

   力を持つことが罪では無いのなら
   なぜ自分はここまでエウロパに嫉妬し
   彼女に冷たく当たっているのか。


   力を正しく扱わないという糾弾ならまだしも
   持つ力そのものへ向けている悪いのは自分なのだ。

   みっとなく劣等感を剥き出しにして
   守りたいはずの子を突き放して
   ユスティもまた、人間としての器はもろかった。



(+23) 2023/10/04(Wed) 18:47:06

【墓】 ユスティ



   寮に戻るとユスティは一人腕を抑える。

   流れた魔力が外に出ようと血管を巡り
   その流れは痛みとなって襲いかかる。

   ルームメイトがいると勉強に集中できないと
   無理を言って一人部屋にしてもらったおかげで
   この無茶がバレることは無いはずだ。

   人知れず時間をかけて、修復していけばいい。



(+24) 2023/10/04(Wed) 18:48:26

【墓】 ユスティ




   彼女には決して悟られるな。


         この心は決して知られてはならない。



(+25) 2023/10/04(Wed) 18:49:10

【墓】 ユスティ



   ただ人知れず守れ。

      それが隣に立つ資格がない者の
      せめてもの心遣いというものだ。


(+26) 2023/10/04(Wed) 18:49:39

【墓】 ユスティ



   それからしばらくは
   ユスティはポケットに手を入れて過ごしていた。

   先生には事前に話は通して
   態度が悪いと言われないように伝え
   素行不良を疑われないように。

   それでも手の心配までしてくるのは


            たった一人だけだった。


(+27) 2023/10/04(Wed) 18:50:59

【墓】 ユスティ



     「何が?ボクなんかには
      水漏れの後始末すら出来ないとでも?」


(+28) 2023/10/04(Wed) 18:51:25

【墓】 ユスティ



   他の生徒にはなんのことか分からないように
   心配そうにしているエウロパに吐き捨てると

   ユスティは見向きもせずに立ち去った。
   この問題には、エウロパを関わらせないように。


            彼女が自分を責めないように。



(+29) 2023/10/04(Wed) 18:52:13

【秘】 教師 モモイ → エウロパ




      「だめよ。打ちなさい。」


(-8) 2023/10/04(Wed) 18:58:40

【秘】 教師 モモイ → エウロパ



   エウロパにとっては嫌なことだろうと
   それを察するどころかこうして声に出されても
   モモイはやめようとはしない。

   魔法から逃げてはならないのだと
   エウロパに強く示すため、頑なに。


   放たれた魔法は敵意を微塵も感じられず
   ゆらゆらと指先に集まった魔力は
   ただ前へと向かってくる。

   たかだか氷塊なんて
   先生のモモイにとっては簡単に
   受け止められる程度のもの。


(-9) 2023/10/04(Wed) 19:00:13

【秘】 教師 モモイ → エウロパ



   寒気がするわ。

   私に対しての攻撃意思がないのなら

   ここまでのものを放ってなお
   あなたはまだ本気では無いのでしょう?


   
(-10) 2023/10/04(Wed) 19:00:58

【秘】 教師 モモイ → エウロパ



   強者を前にして口角を上げたモモイは
   その氷塊の真正面に立ち、片手で受け止める。

   強大な魔力は御する器が小さければ崩壊する。
   それは大人も子どもも例外ではなく
   受け止める者のさじ加減ひとつで
   目に見える実害は大きくなるだろう。



(-11) 2023/10/04(Wed) 19:01:49

【秘】 教師 モモイ → エウロパ



   モモイの腕が凍りつくと
   その腕は身体からちぎれて床へと転がり落ちる。


(-12) 2023/10/04(Wed) 19:02:31

【秘】 教師 モモイ → エウロパ



    「これが貴女の質問への答えよ。」


(-13) 2023/10/04(Wed) 19:03:33

【秘】 教師 モモイ → エウロパ




   片腕となったモモイは
   凍りついた自分の腕を拾う。


    「制御というものはね。
     成功のためにするものではないの。

     いつか大切な人を傷つけないために
     自分の大切なものを守るために

     取り返しがつかないような
     失敗をしないために必要なのよ。」


   そうエウロパに説くモモイの顔は
   どこか憂いに満ちていた。


(-14) 2023/10/04(Wed) 19:06:03

【秘】 教師 モモイ → エウロパ



   「私の教えを誰よりも守り
    大切なものを守ろうとしているあの子なら

    貴女の抱える問題にも
    答えを導き出してあげられるかしれないけれど。」


(-15) 2023/10/04(Wed) 19:10:15

【秘】 教師 モモイ → エウロパ



   モモイは凍りついた手をそのままに
   部屋を後にしようとする。

   この腕は魔法で元に戻せるから
   明日には何事も無かったように
   元の生活に戻るだろうけれど

   エウロパにこの講義の真意が届いたか
   それは彼女にしか分からない。**


(-16) 2023/10/04(Wed) 19:10:39

【墓】 ユスティ



   秀才という名の凡人は忙しい。

   授業を真面目に受ければ
   昼に休憩している暇などなく
   直ぐに屋上で新たな魔法の練習に取り掛かる。
   毎日がその繰り返しだ。


   ましてや恋人などと>>+11
   うつつを抜かしている余裕などない。>>+12

   彼女が見たのはまやかしか
   はたまた悪意の塊なのだろうか。>>+13



(+30) 2023/10/05(Thu) 8:26:52

【墓】 ユスティ



   人の姿に変化することは
   この学園では難しいことでは無い。

   専用の魔法薬さえ作れれば
   誰でもできてしまうことなのだ。

   しかし似せられるのは見た目と声だけ
   その言葉も、信念までもを
   模倣することなど決して出来ないだろう。


(+31) 2023/10/05(Thu) 8:27:15

【墓】 ユスティ



   それでも彼女が本物と見紛うのは
   それほどユスティの解像度が高いのか
   悪意の正体は決して遠くは無いところに…


(+32) 2023/10/05(Thu) 8:27:44

【墓】 ユスティ



   晒される悪意の臭いには気づかず
   ユスティは屋上で一人魔法の鍛錬に励んでいた。

   まだ一度も成功していない空間転移の魔法は
   未だに成功の兆しは見えない。>>0:7

   焦ってもしょうがないと頭の中では理解出来ても
   いざ成果が得られないと焦燥が募っていくのは
   今に始まったことではなかった。


(+33) 2023/10/05(Thu) 8:29:29

【墓】 ユスティ



   なにかが足りない。
     魔力だけでは無いなにかが。


           だが自分には何が足りないのか
             考えても答えは出ないまま。



(+34) 2023/10/05(Thu) 8:30:57

【墓】 ユスティ



   心の乱れは魔法にとって毒だ。
   心を落ち着かせようと座って深く息をする。
   このメンタルコントロールが
   魔法の制御のもっとも効果的な方法だった。

   しかしどうにも落ち着かない。
   自分の気持ちとは無関係に
   どうやら外が騒がしくなっていたせいだ。

  
(+35) 2023/10/05(Thu) 8:31:47

【墓】 ユスティ



   声を辿り、視線は森へ
   その先で起きているのは

               まるで災害だ。


(+36) 2023/10/05(Thu) 8:32:06

【墓】 ユスティ



   空が黒に染まっていく。

   森を中心に嵐のように風や雪が舞う
   不自然な雲に覆われたその森は
   もはや誰も近づけないほどに荒れていた。


   その正体に気づけないはずがない。
   それは幼い頃に見た、異常気象。
   彼女と袂を分かった時に見た、涙。



(+37) 2023/10/05(Thu) 8:32:46

【墓】 ユスティ



   ユスティは走り出す。

   走ってはいけないはずの廊下を駆け抜け
   一目散に後者の外へと向かうと
   既にそこには先生や他の生徒が集まっていた。

   どうやら風が強すぎて近づけないようだ。

   魔力が次第に弱まっていくのを感じる中、
   今は一刻を争うというのに
   何も、どうすることも出来ないと往生していた。



(+38) 2023/10/05(Thu) 8:33:41

【墓】 ユスティ



   「どいてください。
      あなた達では足でまといです。」



(+39) 2023/10/05(Thu) 8:35:09