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【墓】 エウロパ胸が痛い。 頭が痛い。 溢れる涙を止められないままに 私はふらつきながらも走り出して。 学校の敷地の外にある森へと行ってしまう。 ひとりになった私は 力が抜けたようにその場に座り込む。 だめだ、これでは前と同じことをしてしまう。 ぼんやりとそう思いながらも 昂った感情を抑えることなんて出来なくて 周りの景色に雪がちらつき始める。 抑えなきゃ、あの時みたいに深呼吸して……。 (+19) 2023/10/04(Wed) 14:41:54 |
【墓】 エウロパ …………どうして、 君は何も教えてくれなかったんだろう。 恋人がいるなら、そう言ってくれてたら。 落ち着けるはずがなかった。 心の中を示すかのように風が吹き荒れて 着けていた青い花の髪飾りが遠くへ飛ばされる。 (+20) 2023/10/04(Wed) 14:43:30 |
【墓】 エウロパ抑えなきゃ、という思いより もうどうでもいいかも、なんて 自棄になる気持ちが勝って 風も雪も勢いを増していく。 立っていられないほどの風に 吹き飛ばされて、思いっきり頭を打って 血と魔力が混ざって流れ出てしまう。 意識が朦朧としてきても、 まだ、魔力の流れを抑えられず。 (+21) 2023/10/04(Wed) 14:44:49 |
【墓】 ユスティ自分の言ってることが滑稽なことは 自分でも良くわかっている。 力を持つことが罪では無いのなら なぜ自分はここまでエウロパに嫉妬し 彼女に冷たく当たっているのか。 力を正しく扱わないという糾弾ならまだしも 持つ力そのものへ向けている悪いのは自分なのだ。 みっとなく劣等感を剥き出しにして 守りたいはずの子を突き放して ユスティもまた、人間としての器はもろかった。 (+23) 2023/10/04(Wed) 18:47:06 |
【墓】 ユスティ寮に戻るとユスティは一人腕を抑える。 流れた魔力が外に出ようと血管を巡り その流れは痛みとなって襲いかかる。 ルームメイトがいると勉強に集中できないと 無理を言って一人部屋にしてもらったおかげで この無茶がバレることは無いはずだ。 人知れず時間をかけて、修復していけばいい。 (+24) 2023/10/04(Wed) 18:48:26 |
【墓】 ユスティそれからしばらくは ユスティはポケットに手を入れて過ごしていた。 先生には事前に話は通して 態度が悪いと言われないように伝え 素行不良を疑われないように。 それでも手の心配までしてくるのは たった一人だけだった。 (+27) 2023/10/04(Wed) 18:50:59 |
【墓】 ユスティ他の生徒にはなんのことか分からないように 心配そうにしているエウロパに吐き捨てると ユスティは見向きもせずに立ち去った。 この問題には、エウロパを関わらせないように。 彼女が自分を責めないように。 (+29) 2023/10/04(Wed) 18:52:13 |
【秘】 教師 モモイ → エウロパエウロパにとっては嫌なことだろうと それを察するどころかこうして声に出されても モモイはやめようとはしない。 魔法から逃げてはならないのだと エウロパに強く示すため、頑なに。 放たれた魔法は敵意を微塵も感じられず ゆらゆらと指先に集まった魔力は ただ前へと向かってくる。 たかだか氷塊なんて 先生のモモイにとっては簡単に 受け止められる程度のもの。 (-9) 2023/10/04(Wed) 19:00:13 |
【秘】 教師 モモイ → エウロパ寒気がするわ。 私に対しての攻撃意思がないのなら ここまでのものを放ってなお あなたはまだ本気では無いのでしょう? (-10) 2023/10/04(Wed) 19:00:58 |
【秘】 教師 モモイ → エウロパ強者を前にして口角を上げたモモイは その氷塊の真正面に立ち、片手で受け止める。 強大な魔力は御する器が小さければ崩壊する。 それは大人も子どもも例外ではなく 受け止める者のさじ加減ひとつで 目に見える実害は大きくなるだろう。 (-11) 2023/10/04(Wed) 19:01:49 |
【秘】 教師 モモイ → エウロパ片腕となったモモイは 凍りついた自分の腕を拾う。 「制御というものはね。 成功のためにするものではないの。 いつか大切な人を傷つけないために 自分の大切なものを守るために 取り返しがつかないような 失敗をしないために必要なのよ。」 そうエウロパに説くモモイの顔は どこか憂いに満ちていた。 (-14) 2023/10/04(Wed) 19:06:03 |
【秘】 教師 モモイ → エウロパ「私の教えを誰よりも守り 大切なものを守ろうとしているあの子なら 貴女の抱える問題にも 答えを導き出してあげられるかしれないけれど。」 (-15) 2023/10/04(Wed) 19:10:15 |
【秘】 教師 モモイ → エウロパモモイは凍りついた手をそのままに 部屋を後にしようとする。 この腕は魔法で元に戻せるから 明日には何事も無かったように 元の生活に戻るだろうけれど エウロパにこの講義の真意が届いたか それは彼女にしか分からない。** (-16) 2023/10/04(Wed) 19:10:39 |
【墓】 ユスティ人の姿に変化することは この学園では難しいことでは無い。 専用の魔法薬さえ作れれば 誰でもできてしまうことなのだ。 しかし似せられるのは見た目と声だけ その言葉も、信念までもを 模倣することなど決して出来ないだろう。 (+31) 2023/10/05(Thu) 8:27:15 |
【墓】 ユスティ心の乱れは魔法にとって毒だ。 心を落ち着かせようと座って深く息をする。 このメンタルコントロールが 魔法の制御のもっとも効果的な方法だった。 しかしどうにも落ち着かない。 自分の気持ちとは無関係に どうやら外が騒がしくなっていたせいだ。 (+35) 2023/10/05(Thu) 8:31:47 |
【墓】 ユスティ空が黒に染まっていく。 森を中心に嵐のように風や雪が舞う 不自然な雲に覆われたその森は もはや誰も近づけないほどに荒れていた。 その正体に気づけないはずがない。 それは幼い頃に見た、異常気象。 彼女と袂を分かった時に見た、涙。 (+37) 2023/10/05(Thu) 8:32:46 |
【墓】 ユスティユスティは走り出す。 走ってはいけないはずの廊下を駆け抜け 一目散に後者の外へと向かうと 既にそこには先生や他の生徒が集まっていた。 どうやら風が強すぎて近づけないようだ。 魔力が次第に弱まっていくのを感じる中、 今は一刻を争うというのに 何も、どうすることも出来ないと往生していた。 (+38) 2023/10/05(Thu) 8:33:41 |