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【秘】 路地の花 フィオレ → 暗雲の陰に ニーノ「……フレ、ッド」 涙を拭おうと上げた手に、あなたの指が触れる。 触れられる。歪む視界。 抱き締める代わりに、怪我をしてないことを確認して。 ぎゅ、とその左手を握った。高い体温が伝わってくる。あなたには、濡れた手が冷たく感じてしまったかな。 ごめんね。守ってあげられなくて。 気に病ませたくなくて、口には出さなかったけれど。 「……、っ、うん…」 「すぐ、また会えるように……するから、待ってて……」 名残惜しいけど、ずっとここにいればそれこそ捕まってしまうかもしれない。 あなたの手をもう一度握ってから、そっと離して。 笑顔を見せる。見せる、努力をした。 そうしたのなら。後ろ髪を引かれる思いで、この場を後にするのだろう。 またすぐに明るい場所で会える、そう信じて。 (-278) 2023/09/25(Mon) 2:15:23 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ「愚問だな。」 は、と男は息を吐いて笑った。くるり、指先でペンが踊った。 それは酷く演技じみた仕草だった。この男らしからぬ、大仰な仕草。 視線の動きはペン先から貴方へ。金色は軌跡を作り、その大きな瞳を見返した。 「向いているわけがないだろう。」 ぴしゃり。そう言い切る。 「マフィアごときを慕う人間が。」 「その善悪もわからないお前が。」 「警察に向いているはずがない。」 男は、身内に甘いたちである。 身内には。では、身内でない者には。 そうでないと断じたものには、さて。 それが今、貴方の見ている顔だった。 ────男の言葉は。 もしかしたら、貴方の背を突き放し。 家族の方へと歩み出す、 僅かな一助になるものだったかもしれない。 例えそうだったとしても、 それは男の意図したものではない。 ▽ (-287) 2023/09/25(Mon) 3:09:35 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ「そうだ。聞きたいことがあったんだ」 くるり。くるり。ペン先が回る。 誇示するように回る。 機嫌よく舞い踊る。 「お前、マウリツィオ・ベトゥッラという男マフィアを知らないか」 「ずっと探してるんだが尻尾を出さない」 「それとネロ。二人ともお前より背が低かったな」 「知らないか?」 「ああ」 「それと、誰だったか」 「お前くらいの背丈の女マフィア」 「花の匂いがする奴だ。知らないか」 回る。 誰かの、顔は。 浮かんだだろうか。 (-288) 2023/09/25(Mon) 3:10:38 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → リヴィオ見たことが、ある。 その表情を、見たことがある。 言えないことを裏に隠している人の。 それでも転び出てしまった本当を示す顔。 覆われてしまうだろうか。 そうしたら分からなくなってしまうかもしれない。 一呼吸の時間を祈るように待っていた。 そうはなってほしくなくて。 どうか、どうか、と。 そうして──言葉は届いた。 [1/2] (-314) 2023/09/25(Mon) 10:34:05 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → リヴィオ「……よかったぁ」 落とした声は心底安堵した響きを抱いていた。 眦を下げ笑んだ顔は未だ、貴方への信頼を示していた。 男は一歩開いた距離を見つめる。 詰める術は存在しない、けれど。 「せんぱい、あのさ」 左手を動かした。 自然右手も動くから走る痛みに一度声が詰まった。 だとして伸ばした。 鉄格子の先に、一歩には満たなくとも。 「うそがあってもいいよ」 「言えないことがあっても」 男だってそうだった。 でも貴方もそうだとするなら。 憧れは変わらない、抱く色が少し変わるだけで。 「……それでも、だいすきだ」 貴方があの日手渡してくれた信頼と勇気は、 輝きを無くさなかったんだ。 「来てくれてありがとう、リヴィオせんぱい」 [2/2] (-315) 2023/09/25(Mon) 10:36:22 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → favorire アリーチェ「そっか。……アリーせんぱいは優しいなあ。 誰かを責めるのって、怖いことですよね。 オレもうまくはできないから、気持ちわかるな」 伏し目がちな視線に気が付けば、すり、すり、と。 そう零すのは悪くないことなのだとその手を撫でた。 そういえばこんな状況だからか、怖くはないな。 「……オレはさ、騙したり、騙されたり。 悲しいこともあるけれど、必要なときもあるんだろうなって思ってて。 なんというか……優しさで、誰かを騙すこともあると思ってるんです。 相手が大切だからこそ、良い夢を見せたり。 どうしても譲れない何かがあって、自分を酷く見せたり」 「オレは多分ダニエラさんに騙されて、嵌められた。 でもそうだとしてもきっと、そこにあったのは悪意だけではなかったんだろうなって」 言葉はどれほどの意味があるだろうか。わからないが。 自分を責める貴方の心が、少しでも落ち着きを取り戻し今を見つめられればいいと思っていた。 すぐじゃなくてもいいから。少しずつ。 「…………そっか、拷問に」 「……うん。 そういうの聞いてたらオレも猶更、早く撤回されないかなって気持ちになってきました。 自分だけしか見えてなかったけれど、こうしてアリーせんぱいだったり、せんぱいの大切な人が苦しい状況にあるのはいやだから……」 「穴は……その内塞がると思うから、大丈夫!」 ぐっと拳を握ろうとして、だめだった。痛かった。呻いた。 (-317) 2023/09/25(Mon) 11:06:27 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → corposant ロメオ「それも悪くないのかも。 いらっしゃいませって一緒にするし、パンも焼けるかな」 返す言葉は冗談交じりのそれだった。 或いはと過るものは一度隅に置き。 その手から食べさせてもらうパンは、こんな状況なのに一人で食べるよりもおいしい気がする。 それでも、貴方の溜息を聞けば食事の手も止まるのだろう。 「センパイ……? ……イレネオせんぱいって、捕まってたんだ」 ぽつ、と落ちる。それさえも知らなかった。 「……わかんない。 拷問されて酷い怪我してる人、いるって聞いたけれど。 やったのがせんぱいかどうかまでは……」 確かめていない。 そこまでを紡いでから、貴方をじいと見つめた。 言葉を聞きながらようやくに男は、もう一つも勘付き始める。 気が付くにしては遅く、そうして今までなら目を逸らしていただろうが。 ……そうしたことを悔いたばかりだ。 「…………あの、ろーにい」 「……ここ、もし、出られたらさあ」 踏み込みたい、けれど、場所が悪い。 だから、代わりにと。視線が落ちた。 「ナイショ、教えて欲しい……」 (-321) 2023/09/25(Mon) 12:00:58 |
【秘】 corposant ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ「アハ、いいな。やろうぜ。 新しいメニューの案出しとかも楽しいぞ」 ふ、と二人で並んで仕事している姿を想像して笑う。 そんな光景が現実になるなら、なんて平和なんだろうか。 「おう。オレの貰った情報が正しけりゃ、 A.C.Aに睨まれてお縄になってる」 「ふうん……成程なあ。そうか」 それを聞いて、目を細めて考える素振りを見せた。 瓶底眼鏡は他の牢の方を向く。 本人から直接聞くか。そうしよう。 「ん?」 その思考も声を掛けられれば戻って来る。 どうした? と、首を傾げて貴方を見て。 「…………」 その言葉を聞いて、ああ、と思った。 そうか、気づかれたか。隠し通せる訳はない。 けれど同時に、いいやと思った。 貴方ならそれでも、受け入れてくれるだろうと。 だからロメオは頷いた。貴方の顔を真っ直ぐ見て、真摯に。 「うん。……言うよ、必ず」「待ってな」 (-326) 2023/09/25(Mon) 12:18:52 |
【墓】 暗雲の陰に ニーノ>>+51 黒眼鏡 「別にそこを心配しているわけじゃないし……」 とはいえ貴方に保証されるのは悪い気はしない。 暴れはしないがされっぱなしも感じるところはある。 無意味に寄せた頭をぐりぐりとしていたが、 額を小突かれると「いて」と声を漏らした。 「……その理論でいくと男にはなれたってコト? なんだ、でも、別ににいさんでもそうなんだ」 「ならちょっと安心したけどさあ……」 泣かせてしまうことへの罪悪感はあれど。 貴方だってそうしてしまうことが多くあるなら安堵するような。 でも、最後のはいただけなかった。 「オレはオレが泣かせたねえさんの涙の責任は取るけど。 にいさんがねえさん泣かせたときは自分で責任取れよ」 「代わりになんかは泣き止ませません。 なんなら一緒に抗議しに来る」 #収容所 (+58) 2023/09/25(Mon) 13:04:56 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 口に金貨を ルチアーノ一瞬並んだ指摘が何のためのものか呑み込めなかった。 その間にスープは運ばれてきていたので、そちらはしっかり飲み込んでいたわけだが。 その内に理解して、ああ、なるほどと。 「大人らしさの秘訣? 教えてくれるんだ、面倒見いいな」 出たら試してみようかと思って、ありがとうと笑った。 やっぱりいい男だなって感じる。 にいさんと似ていて、それでも少し違う感じの。 「ピーピー泣くのは……昨日で終わった。 ずっと泣くのも疲れたし、あんまり向いてなかった」 「あはは、にいさん、散々な言われよう。 二人の良いところだけ取りたいな。 言って、オレももう小さい子どもじゃないから。 ここからは限度があると思うけど」 はぁ、と息を吐いた。何かが嫌だったとかではなく。 単純に気分を切り替えるような、貴方の話しぶりが軽いものだったから。 気が楽になる心地がした。皿の底ももう見え始めている。 「鉄格子越しなのがなんか勿体ないね。 オレ、ルチアーノさんと話すの好きだなって思う」 (-334) 2023/09/25(Mon) 13:06:13 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ「…………あはは」 はっきりと言い切られた。 それはいっそ清々しい程だった。 だから痛みに呻くより先に。 笑いが漏れる。 「そっかぁ」 瞼を伏せた。 そうとしか返事をしなかったことも。 抱いた感情も、紛れもない真実だった。 牢から出た先のことは分からない。 それでも一つ、いま。 指針は得た。 [1/2] (-335) 2023/09/25(Mon) 13:10:14 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ後は其方が飽くまで。 或いは己が限度を迎えるまで。 ペン先が回る度にひくりと身体を跳ねさせ。 痛みの波の中を揺蕩うだけ……の筈だった。 尋ねられる、貴方が探すマフィアの所在。 ひとり、ふたり──そして、さんにん。 「────」 最後の一人を聞いた瞬間、目を瞠った。 男はそれだけは守らなくてはいけなかった。 瞳の中で揺らいだ驚愕の色はすぐに変わる。 眉を潜め、貴方を睨み付ける中にあるものは。 「…………知って、どうする」 剝き出しの、明確な敵意だ。 [2/2] (-337) 2023/09/25(Mon) 13:11:24 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ男はそれが好きだった。 貴方の怯えが好きだった。 これは尋問の形を取った楽しい遊び。 嬲っていい他者を踏みつけにして踊る舞台の上。 でなければ、いくら真面目な人間でも完遂出来はしない。 男はそれが好きだった。 貴方の怯えが好きだった。 だから。 その顔は、不愉快だった。 ▽ (-339) 2023/09/25(Mon) 13:29:30 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノだん! それを予見していたなら避けられたかもしれない。 二撃目。今度は先程よりも少し上、手と手首の丁度境目あたり。 ペン先は硬くとも、本体自体は骨より柔い。二度も全力を込められたそれはそろそろ割れて、男の手にも僅か刺さった。 顔を顰める。 細めた目を向ける。 「知っているんだな。」 「言え。」 逆らうことは許されない。 断固とした口調は、そう告げる。 (-340) 2023/09/25(Mon) 13:29:42 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → corposant ロメオ「新しいパン考える? あはは、楽しそう。 オレがたくさん食べて培ったパンパワーを発揮するとき……」 なんて軽口を言える程度には、心が落ち着いてきていることに安堵した。 ジュースをまた一口貰いながらもせんぱいの追加情報には成程と納得をする。 しかし、自分も捕まっていたのにあんな態度だったのか……? だからこそだったのかと考える最中に気が付きはしない。 貴方が今、何を決意したのかなんて。 今の己にとって大切で、わかることといえば。 「…………」 向き合い投げかけられた視線が真っ直ぐなもので。 貴方は確かに頷いてくれた、ということだ。 顔を上げれば少し安堵したように笑った。 「……待ってる」 「やくそく」 そうして理解する。 きっとずっと、ちゃんとぜんぶを知りたかった。 他の誰からではなくて、貴方の口から、ちゃんと。 そうと鉄格子越しに差し出したのは、左手の小指。 (-341) 2023/09/25(Mon) 13:34:40 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ「っぅ゛」 鮮血が舞った。 熱の籠った頭に怒りさえ昇れば、避けるまでに思考は回らなかったけれど。 だからこそ先程とは違った、這い上がる恐怖を上回る激情が其処に在る。 「ぃ、……わない」 鼓動は煩い、痛みに汗が落ちる。 涙が滲む、それでも、ぎらついた眼光はそのまま。 貴方を映している。 「いうもん、か」 男が先程まで怯え続けていたのは、ただそれだけでは覚悟を持てなかったからだ。 己が身を守りたいだけの発想では逃げることしか考えられない。 だから逃げたかった、助けて欲しかった、されど。 この身よりも余程、大切な存在を挙げられたのならば。 「ぜったい、」 「アンタには、教えない」 僅か血の滲む貴方の手を、男は強く掴んだ。 それは変わらず、手折ってしまうには容易い力で。 けれど今までで一番強い、反抗の意志。 (-344) 2023/09/25(Mon) 13:51:37 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ男の求めを拒否するのであれば。 その頬に平手が飛ぶだろう。片手を半ば固定された状態では避けることも難しいかもしれない。 難しいだけだ、努力すれば或いは。 「言え。」 「どれだ。」 「マウリツィオ・ベトゥッラか。」 「ネロか。」 「あの女か?」 男は、何も掴んではいない。 だから出来ることは、貴方を痛めつけることだけ。 そうして貴方が根負けして、囀るのを待つことだけ。 (-350) 2023/09/25(Mon) 14:03:11 |
【秘】 corposant ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ「おう頼むぞ、パンパワーなら多分お前の方が上だわ。 きっとより良いパンが生まれる」 そんな風に軽口を合わせて笑う。 こんな内容じゃ、看守だって目くじらを立てないだろう。 久々のこんな会話が心地よかった。 早く皆解放されたらいいのに。 こんな場所に捕まってやる義理、一つだってないのだから。 「うん。約束」 「絶対」 差し出された小指を、自分の小指と絡めた。 しっかりと結んで、ゆびきりげんまん。 「いつか言わなきゃと思ってた。いい機会だ」 そうぢて貴方がそれでも受け入れてくれたなら、 ちゃんと隠していたことを謝ろう。 それからまた、家族でいよう。友人でいよう。 ──貴方がパンを食べ終わる頃、ロメオはまた口を開く。 「絶対に助けは来る。絶対だ」 「それまでもう少し辛抱してて。オレ、待ってる」 (-351) 2023/09/25(Mon) 14:04:37 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 法の下に イレネオ平手が飛べばぎゅっと目を瞑った。 ペン先で抉られるのとは違う鋭い痛みが走る。 こわい。 湧いたそれを抑え付ける、不要だ。「……っいわない、っていってるだろ!」 「アンタ、知ったらぜってぇ碌なことしないじゃん!」 「ケホッ」 いきなりの大声は乾いた喉には刺激だった。 咳き込みながらも睨みつける瞳は変わらないまま。 熱がどっと上がる心地がした、頭がぐらつく。 「家族に、こんなことされて堪るか……ッ!」 (-358) 2023/09/25(Mon) 14:28:32 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ家族、と聞いて。 男は。 口の端を、歪めるように。 笑った。 これまでで一番歪な笑みだ。 「────お前たちが」 手がペンを離れる。貴方の首に伸びる。 正確には襟首だ。何も殺す気はない。 「お前たちのようなものが」 逃げられないならそのまま掴む。 ぐ、と強く力を込めて。 乾いた喉は更に詰まるだろう。 「家族を語るな」 否定。 強い、強い。強い、否定だ。 何がそれほど男の逆鱗に触れたのか。 それはこれまでで一番強い感情。憎悪に似た瞳の炎。 貴方の息を詰めた男は、追い打ちをかけるようにその頭を、揺さぶる。 (-365) 2023/09/25(Mon) 14:46:37 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 路地の花 フィオレ熱い指先に触れる雫は冷たくて、胸が痛む心地がした。 頬に流れるそれを拭えない代わりに、忘れないように。 指先が離れる頃にはぎゅうと掌を握り込む。 「……ねえさん」 するから、という言葉が引っかかる。 けれど今この場で深く踏み込むことは難しいし、恐らく危険だ。 無理に浮かべてくれようとした笑みに少しばかり眉を下げながらも。 「…………無理は、しないで」 「おねがい」 言えることといえばそれぐらいしかなくて、それでもそれしかないから形にする。 去って行く後ろ姿を見送った、牢の奥。 今ここにいるのが己で良かったと。 貴方が去ってくれて良かったと。 肌に冷たさを教える涙を裏切ってしまうような安堵を抱く。 この地獄の淵に夜明けはあるのだろうか。 今はまだ、何も分からないけれど。 ……でも、なんとなく気が付いている。 朝が来たとしてきっと、多くが変わるのだろう。 貴方も、自分も。 そうだとしても、ひとつ、ずっと変わらないもの。 心の内に咲き続ける、貴方が植えた愛の花弁を。 確かめ、なぞるように瞼を落とした。 (-385) 2023/09/25(Mon) 16:47:33 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → corposant ロメオ「より良いパンを生む〜」 同じ軽さの言葉が返ってくるのがこちらも心地よかった。 此処が牢獄の中だなんて一瞬、忘れてしまいそうになる程。 底にばかり落ちていた心が普段の暖かさをふと思い出した頃。 差し出した小指に返る、同じぐらいの体温に瞳を細めた。 ゆびきりげんまん。 「……うれしい」 どうか覚えていてくれたらいい。 きれいじゃなくても構わないのだと伝えたこと。 貴方のお陰で直にお腹は膨れて、そうして終わりが近いと分かればどうにも。 ……さみしいな、でも。 「……うん」 「待ってて、それまでちゃんと折れずに、がんばるから」 子どもじゃないから駄々は捏ねない、こくりと頷く。 それでも貴方が居なくなってしまう前に。 すこしだけ間を開けてから、不意に尋ねた。 「あのさ」 「……困ったことがあったら言いな、のやつ」 「有効期限ある……?」 何やらいつかの言葉を掘り返してはそんな聞き方をする。 まるでその内それがあるのが分かってるみたいに。 (-396) 2023/09/25(Mon) 17:29:50 |
【墓】 暗雲の陰に ニーノ>>+63 黒眼鏡 「あるだろ」 あるだろ。即座にツッコんだ。 色恋から離れて生きてきた男は、兄との価値観の違いを痛感して呆れた様子で溜息を吐いた。 「そうやって結論付けたら何でも良いと思ってない……?」 「つーかフィオねえ泣かせておいて (※仮定です) めんどくせえじゃねえ」 どん。 手が離れた辺りで軽く肩に頭突きして、また溜息。 まあでも大分と、そう。 いつも通りの会話ができた気がして安心した。 自分の移動もそろそろ近いだろうから、よいしょと立ち上がりながら。 「…………」 「……なあ、にいさん」 最後にと、貴方を見下ろしてひとつ尋ねる。 「クロスタータ、嬉しかった?」 #収容所 (+64) 2023/09/25(Mon) 17:30:25 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ歪む笑みを認めた、次の瞬間には。 「ッ、ぁ」 襟首を掴まれる。 喉が更に詰まる。 強い、強い力で。 「ぅえ、ゃ、め、っ」 脳が揺れてきもちわるい。 はきそうだ。 まともに物を捉えられない視界がそれでも一瞬。 強い感情に揺らめく炎を見た。 認められない何かがあるのだと知る。 だとして、それだけは。 それだけは、否定されて堪るものか。 自由になった両腕を動かす。 痛むのを構わず両の手を握り込む。 そうしてぶんと振るい、その頬を横殴ろうとした。 ……その結果、もし解放されたとて。 ぐらつく視界に耐え切れず、椅子から転げ落ち崩れるだけだが。 (-398) 2023/09/25(Mon) 17:39:36 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ余程侮っていたか、油断していたか。 或いはそれだけ頭に血が上っていたのか。 貴方の一発を男は食らった。素の威力。引くことの体力の低下と痛み、手錠の不自由さ。足すことの、手錠そのものの硬さによる衝撃。 結果として威力はそれなりのものになっていただろう。 実際、大きな音がしたはずだ。貴方にとっては小気味いいものだったかもしれないし、違ったかもしれない。 それでも。 男は貴方を離さなかった。 ぎり、と歯を食いしばり。口の中が切れたのか、血交じりの唾をぺっと吐いて。 それでも目を逸らさない。それでも貴方を離さない。 「奪ったのはお前たちだ」 「壊したのはお前たちだ」 「それが家族だと? 反吐が出る」 それは、貴方の知らない話。 あなたには知りようがない話。 この国の、50年前の話。 さて。 軌道の圧迫による酸欠。 加えて激昂による血の巡り。 更に元からの体調不良。 くらりと視界が強く傾くかもしれない。 さもなくば────そうなるまで、男は、離さない。 (-402) 2023/09/25(Mon) 17:56:30 |
【秘】 corposant ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ結んだ小指は離れる。 まさかここに自分も入るわけにも行かないのだから、 自分は帰らなければならなかった。 大丈夫。自分は覚えている。 どんな自分でも貴方はきっと受け入れてくれる。 名残惜しさは残るが……やる事がある。 「よし。それじゃあお互い頑張ろうぜ。 もうひと踏ん張りだから」 そう言って、立ち去ろうと背を伸ばし。 「……無期限。回数無制限」 「いつでも言いな。」 ふ、と笑って爪先を廊下の向こうへ向ける。 引き留められなければそのまま歩きだすだろう。 (-404) 2023/09/25(Mon) 18:12:11 |
【秘】 favorire アリーチェ → 暗雲の陰に ニーノ「……そんなことないわ。 ちゃんと真実を受け止められる力が弱いって事で…… ……でも、共感してもらえるのは、嬉しいな」 頼りない先輩でごめんね、と、撫でられる手に僅かに力を入れて、苦笑する。 あまり元気はなかったけれど、貴方の言葉一つ一つを大切に聞いていく内、とある言葉にハッと顔を上げる。 「……優しさで、騙す。良い夢……」 それは大切な人がよく自分達に使ってくれていた手法で。 何かの糸が繋がったかのように意識が明瞭になり、続く貴方の言葉もわかりやすく、聞き取れる。 「……そう、そうね。表面上の行為だけを見て、目を逸らしていたら、大切な物は何一つ見えてこない、わよね……」 「騙されて嵌められた事から目を逸らしていたら、そこに込められた感情さえも蔑ろにしてしまう……」 「ありがとう、ニーノ。わたし、全然大事なものが見えてなかったみたい。でも……もう、大丈夫。幼稚な感情で自分の目に蓋をして、全部見ないようにするのは、やめるわ」 それで傷付かないのは、結局自分だもんね。 心からの感謝を貴方に告げた。 「あっ、ニーノも無理はだめよっ、 痛い?痛かったよね、よしよし……」 傷口に触れて痛くないように親指の付け根あたりをそっと摩って。 「……本当にありがとう。このまま牢に戻されてたら、ずっとこの事ばっかり考えていたかと思うから、ニーノに話せてよかったわ。……何か相談事があればいつでも呼んでね。私も少しでも力になりたいから……」 勿論、今でも。と、笑う。 (-410) 2023/09/25(Mon) 18:50:29 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 暗雲の陰に ニーノ「後で無理やりにでも会える機会作ってみるか? 無駄に集まれそうな場所があるなら、……まー。 起きてたら姿見せてやるよ」 誰か程ではないが。誰か以上かもしれないが。 男は酷く無気力で動かなくなるタイミングがある、そのときは頑張れないかもしれない。 いい男を見せられる時と見せられないとがあると、これもまた正直に告げた。 「ずっと格好つけれるやつなんて早々居ないってことだな。 ニーノも頼ったり甘えるのは悪いことじゃあない。 ……バランス良く、いざという時に駆けつけられる男になればいいさ」 身分も気にせずやりたいことを貫けるようなそんな奴になって欲しい。 最後の一口だと言いながら差し出したスプーンも特に遠慮なく。 自称甘ったれは少しでも貴方が元気である時間が続けばそれで良いと思った。 落ち込んだらまた見に来ればいいだろうから。 (-423) 2023/09/25(Mon) 20:56:28 |
【秘】 リヴィオ → 暗雲の陰に ニーノ死んでしまえと声がする。要らないものだと声がする。 ずっと呪いのように見続ける夢の中で女の声が響いてた。 本当の自分は要らないもので、嘘の自分にも疲れきって。 全てを壊して、楽になりたかったんだ。 本当は全てが終わったその時に、 終わらせよう と考えていた。だから君との未来の約束は、果たされないはずだった。 ▼ (-456) 2023/09/25(Mon) 23:40:24 |