人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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リヴィオは、痛みには慣れている。本当に恐ろしいのは──。
(a12) 2023/09/28(Thu) 0:08:50

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-45
「私もそうであってほしいと願ってるわ。
 世界を救うヒーローになったって、泣く子はいて。
 それは大体貴方のそばにいる子になってしまうからそれが心配。
 そういう人がいないならまあ、たまには、ね」

地味に遠回しな「いい人はいるの?」と聞いてきている。
最もいたとしてその人が泣くタイプかは未知数だけど。

「……そう。……リハビリ、大変だっていつも聞くわ。
 少しでも友人として支えになれるかはわからないけど……
 弱音を吐きたくなったら、いつでも使ってね。聞くから」

以前のアリーチェなら確かに落ち込んで、私達のせいで……なんてしょぼくれていた姿を見るのは明らかだった。
それが、どうしたことか。何か心境の変化でもあったのか、
成長する"何か"が起こったのか。少しだけ強くあった。

「……そう、こればかりは難しいわね。
 私個人の意見だと、エルヴィーノには警察に残って欲しいけど…

 ……あら、でも朝食べて行かないと体力もつかないわ。
 腕が動きにくいならせめて体力はつけておきたいじゃない」
(-54) 2023/09/28(Thu) 0:10:48

【秘】 Commedia ダヴィード → Il Ritorno di Ulisse ペネロペ

>>-51

うげ。

 ……あんまり沁みないやつがいいです」

そうしてまた、無理なことを言った。

一切の希望を捨てて進んだから、今の幸せがある。
その幸せが薄氷の上にあって、いつかぱちんとはじけて消えてしまうようなものであっても。
それを守ってくれた人間がいるから、自分はぬくぬくと温められていたと気付いてしまったから。

「覚えてますとも。俺は、俺がしたいことをします。
 俺の大好きな、大切な人たちを言い訳にしなくても。
 死ぬほどやりたいことがあったんです、ずっと」

「だから――
 
 これからもファミリー帰る場所のために働きますよ」

Bau bauバウバウ、と小さな鳴き真似が口から洩れた。
思ったよりは似ていた。

愛する家族の姿形がすこしばかり変わったからと言って、間違える犬はいない。
だってそれは、『貴方』なのだから。
(-55) 2023/09/28(Thu) 0:35:12

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-48 

「あの老害は俺を一体どうしたいんだ」

頭を抱えた、どうしてこんなことを教えたのだろうか。
俺になにか恨みでもあったのか?と言いたくなるような仕打ちだ。
よくもまあ、ここまで。本当に理解をしていて困る男だ。

「……
こんな噛まれ方をして抱かれた事がある

「……
名前を言え


言ったらかえって良いぞ、と。
同時に、言うまで帰るなとシンプルで分かりやすく笑顔を向けておねだりをした
(-56) 2023/09/28(Thu) 1:36:38

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → favorire アリーチェ

>>-54

「僕に何かあって泣くヒロインの話かい?」
「……そんな子はキミくらいでしょ。残念ながら僕のヒロインではないけどね。
 ……まぁ、ヒロインかはともかく―――――……いや、なんでもない」

言いかけて、止まる。
それはあたかもそういう存在が居ると言ってるようなものだが、あまり不確かなことは言いたくなかった。
少なくとも、頭に浮かんだ人物が泣く所は想像できない。

「はは、キミが元気づけてくれるのはありがたい。
 それにしても……随分様子が変わったね。クロスタータでおどおどしてたのが嘘みたいだ。
 僕としても職は失いたくないけど……ま、リハビリ次第かな」

今、右手を失うわけにいかない。
男の目的はまだ、何一つ果たされていないから。
そんな事を考えながら、右手に力を入れてみた。
―――まだ何一つ動かすことの出来ない手だが、痛みという感覚だけはある。
自分の手はまだちゃんと腕に、肩に繋がっている。
それがわかるだけ、今は十分なことなんだろう。

「食事の方は……
まぁ、退院するまでに少し胃を強くしておこうかな


ある意味、肩のリハビリより努力がしづらい難題だった。
(-57) 2023/09/28(Thu) 1:51:48

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

>>-56

「……ええと……」

これは怒っている。
笑顔だけど、怒っている……気がする。
言ったらどうなるというんだろうか。……主に、後輩が。

彼がこれまでやってきた事を、何一つしらない男は、流石に言いづらそうに視線を彷徨わせた。
流石にこの件で喧嘩しに行く、なんてことはないと思いたいのだが。

「ぼ、僕が頼んだ、ことだから」
「意識が落ちるまでしてくれたら、薬も酒もなしに寝れるんじゃないかって…………だから」

彼は何も、悪くないからね?
と、できる限りの念を押して。
仕事にだけは行かねばならぬと、ぼそぼそと小さな声で名前を告げた。

「イ……イレネオ・デ・マリア……僕が教育係をしてたひとつ下の後輩だよ」

「ひどく見えるかもだけど、本当に心配をしてくれただけだからね」

これは大分頑張って庇っていた。可愛い後輩のために。
あなたからしてみれば、その名を聞けば思う所はきっとあるだろう。
だが、男から見た彼は、ただの大型犬であった。
この意識の差を埋めるのは、かなり困難なハードルだ。
(-58) 2023/09/28(Thu) 2:09:55

【秘】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ → Commedia ダヴィード

>>-55

「そいつは無理な相談だな」

なんとも薄情なこたえを返して、笑う。

斯くして、一切の希望を捨てた後に残ったのは
決意と幸福のかたちであった。

たとえそれがどんなに儚いものであろうとも、
たしかに今そこにある事には変わりない。

そして、それを守ろうとする者が居る事も。

「良い返事だ」

そう言ったのはあなたのこたえにだか、鳴き真似にだか。
何れにせよ、確かな事は。


勲章に箔が付けば、それはきっと
忘れられない思い出になるだろうということ。
(-59) 2023/09/28(Thu) 2:26:34

【人】 路地の花 フィオレ

>>38 ロメオ

「……」

そうなのかもね、なんて言葉を口にしようとして。
結局は開いた口からは何も発さずに、クッションに頬を埋めている。
いやな気持ち悪さだけが、ぐるぐると頭の中を回っていた。

「分かんないわよ……」
「……もしかしたら、……ううん、」

何でもない、とやはり言葉を飲み込んだ。
私が間違えているのかも。とか。本当は、もっと確かめるべきことがあったのじゃないかとか。
全部、全部。今更だ。

「これで、子供たちの未来が救われればいい…」
「もう、誰もいなくならなければいい」

ロメオ、とあなたの名前を呼んで。
後部座席で両手を広げている。寂しい時の、合図だった。

#BlackAndWhiteMovie
(50) 2023/09/28(Thu) 2:27:52

【秘】 路地の花 フィオレ → アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡

にまにまと笑いながら話を聞いている。
言いづらそうな理由なんて知らなかったから、ただあなたが珍しい顔を見せてくれるから。
楽しくなってしまって。

「そんなことがいいの!
 アレの腕の中、凄く安心するんだから」
「ね、約束よ。ちゃんと叶えてよねっ」

ホッとしたように息を吐いて、笑みを返す。
こういう反応はやはり、あなたに甘えているからなのだろう。
年下らしいと感じるかもしれない。
あなたとの未来を、疑問なく信じている。

「ん……ふーん、ふふっ」
「好きじゃない、それは大好きだって言うの!
 嬉しいな、アレがそんなに私のこと考えてくれてたなんて」

そんな顔しなくてもいいのになんて言いながら、頬を染めて笑う。
いつもじゃれ合っているきょうだいが、いつになく褒めてくれたのだ。
可愛がられている自覚はあったけど、言葉にしてもらえるのはまた違ったうれしさがあった。

「私も、アレのこと大好きよ」
「だから、早く出てこれることを祈ってるから」

かしゃん、と牢に手を置いた音が小さく響く。
触れられない。
だから、触れられる場所に早く戻ってきてくれますように。

「じゃあ、そろそろ行くわね。
 フレッドが何も怪我してないといいけど……アレも、これ以上怪我しないようにね」
(-60) 2023/09/28(Thu) 2:49:03

【独】 リヴィオ

終幕へと向かう頃、収容所内は人が減り、
残されているのは怪我人やそれに付き添う者達。
ここで怪我人がいるというのもおかしな話だが、
許されてしまっていたというのがここの真実。

しかし、それも今日で終わりだ。

これ以上、ここに雨は降らない。雲は太陽を隠さない。
晴れやかとは言い難いことも多く、多く起こるが、
それでも、空の明るさはこの街を照らしていくのだろう。

男もまた、そんな街の様子を翠眼に映し、
光差す空を眺めるはず──だった。

(-61) 2023/09/28(Thu) 3:12:10

【独】 リヴィオ

痛みが体を支配する。
体が熱くて、
寒くて、
息をすることが苦しい。
目を覚ましているのなら、そう感じていたはずだ。

目を、覚ましていたのなら。

夢を見る。何年もずっと、ずっと、俺に付き纏う夢。
ここ最近は頻度が増して、満足に眠れない夜を過ごした。
だから今日も、同じように起きてしまえたなら。
それなら、その方がきっとまだマシだったのかもしれない。

『要らない』『要らない』『あんたなんか要らない』
『死ね』『死んじゃえ』『産まなきゃ良かった』


どこか怯えるように体を丸めたのは、
きっと誰も、その場には誰も見ているはずもなくて。
精神的にも肉体的にも疲れ果てていた男は、
小さく苦痛の声を漏らし、震えるように熱い吐息を零す。

『…本当に必要とされていると思ってる?』
『そんなの嘘』『全部嘘』
『誰があんたを肯定するの?』『嘘に縋って馬鹿みたい』
『さっさと死んで』『幸せになるなんて許さない』


これはきっと、俺の心で。否定するばかりの、俺の心で。
分かっているのに足掻けなくて、止まらなくて。
逃げたい死にたいひとりは怖いここに居たくない苦しい痛い恐い怖い


(-62) 2023/09/28(Thu) 3:13:53

【独】 リヴィオ

爪のない右手が、床を掻く。
白に滲む赤はやがて床を汚し、線を残す。

それでもまだ、目を覚まさない。覚ませない。
起き方を忘れてしまったかのように、
夢の中に囚われている。囚われ続けている。

しかし、男にとって幸福だと言えるのは、
この場に、男に手を伸ばすものがいないことだった。

そのはず、だった。

誰かに迷惑心配はかけたくないんだ。
…俺なんかの為に、その心を割いて欲しくない。
やっぱり心は簡単に変えられない。変えられるはずがない。

だけど。


「   」

誰かに求めた救いが、音にならずに消えていく。
それでもこれはきっと、確かに救いを求める"声"で。
…もう一度、指先が床を掻く。
零れる吐息は、苦痛の入り混じるものだ。

きっと、そんな自分を表に出すのは今回限りで。
誰にも見せたくない見せられないリヴィオひとりの人間の姿だった。

…夢を見る。この悪夢から抜け出すにはきっと。
自分自身ひとりの力では、到底難しい話だった。
(-63) 2023/09/28(Thu) 3:14:20

【秘】 アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ

くそー、なんて悪態をつきながら、
はいはい、と手を振った。

「全く、今お前を抱き寄せられないのが残念だよ」
「約束約束。叶えるから」

     ――嘘。


珍しく嘘をつく自分に顔をしかめて、
けれどかつて、腕の中にあった体温は本物だった。
それを確かめるように、自分の腕をさすって、

「大好きね、……まー、そうかもな、うん」

その言葉を口にすることが、正しいのか。
自問と自戒が渦を巻いて、普段はくるくると回る口を重くする。

そうしているうちに、格子が音を立てる。
届かない手をこちらに伸ばす女に、
もう
届かない笑みを返して。

「おー。俺もそう祈ってるよ。
 お前も無茶すんなよ、怪我も。あーそれともし金とかないってなったら、俺の口座にはいってるから。あれ、非常用。ちゃんと使えよ!」

はよ行け行け、なんて手ぶりをしながら、あれこれつけたしで放り投げる。手が触れられないなりにあなたを気遣う言葉をいくつも取り出して、


「帰り。車気を付けな」

──見送った。いつものように、いつものようにはできずとも。
(-64) 2023/09/28(Thu) 5:53:10

【秘】 新芽 テオドロ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-11

「避けられなかったなら仕方ありませんね。
 少なくとも……今回の俺が咎められることではない」

視線に気づけば、見せびらかすように片手を胸の前に掲げる。
指先には残らず包帯が巻いてあり、骨が折れたものもあるのか固定具が付けられている指もいくつか見えるだろう。

「この忙しいのに人員の欠けや身体の不自由で、
 普段に比べて著しく効率が落ちている。全く面倒です」

「全体の最適ばかりを気にしていた俺と、
 他人の幸福ばかりを気にしていたあんた。
 自分勝手な我々に与えられた罰……とすら思えてきますね」

己を疎かにすればいつか負債が返ってくる。
あまりにも当たり前のことを、忘れていたように思える。
文字面以上に深刻には受け止めておらず、浮かべる表情は気楽なものだったが。

「ま、それでもやっぱり、
 命と取り返しのつかないほどでもない肉体があるだけマシで。
 俺たちはまだ後戻りできる場所にいたともいえる」

「だからこれからは……俺はあんたと違って夢を見ませんが、
 エルヴィーノの健康くらいは願ってやりましょう。
 覚悟してください。その身体は何から何まで健全から程遠い」

願うなどと言っておきながら、
その実はやはり自分が世話を焼く気満々でいる。言葉だけでも相手を想うことが言えるだけ進歩はしているだろう。
(-65) 2023/09/28(Thu) 6:06:05

【秘】 路地の花 フィオレ → 新芽 テオドロ

逮捕された人たちが解放されてから、暫く経って。
落ち着いた頃合いにメッセージがひとつ。
よく知るところとなった女からのものだ。

『Ciao,テオ』
『夜、どこかで時間取れない?ゆっくりお話したくって』

『何か飲みたいものとかあれば持って行くわ』
(-66) 2023/09/28(Thu) 7:29:00

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 新芽 テオドロ

>>-65

「キミも十分酷い怪我じゃないか……。
 捕まる時に無茶をしたのかい? それか、違法な取り調べか」

男は拷問が行われていたことなど一つも知らない。
心配気な表情であなたを見上げて息をつく。

「そうかもしれない。
 これが罰なら、甘んじて受けるしかないなぁ」

それでも幸を願わずにいられないのが、浅葱の瞳を持つ男だ。
願うだけじゃ足りないから、これからも他人に幸を与えようとするのだろう。
それでも、これまでよりは幾許かは、自分の身やその他の事も気にするようになるはず。
巡り巡って大事な人が不幸になってしまうなら駄目だということを、学んだから。

「はは……健康を得るには寝るのが大事なのはわかってるんだけど。
 どうしてもなら本当に僕を寝かしつけてもらうしかない気がするよ。
 ……や、本当にそんな事はしなくて良いんだけど……、まぁ、僕もキミの回復と幸を祈っておくよ」

寝かしつけの何かを思い出して、一つ咳払いをして。
ただ祈るをすると告げる。
あなたはきっと幸を自ら掴んでいくタイプだと、今なら尊重することが出来た。
(-67) 2023/09/28(Thu) 8:02:29

【秘】 オネエ ヴィットーレ → favorire アリーチェ

「ふふ、ごめんなさいね。
 つい、昔からの癖で………」

スラムで生きてきた頃は、弱みを見せないように。
孤児院に居た頃は、心配させないように。
院長であった頃は、遠慮させないように。
常に元気に振舞う必要があったものだから、
ついつい染みついてしまった"大丈夫"の癖。
…これからはちゃんと弱さも見せられるよう、
少しずつ頑張っていきたいなと思う。

「えっ!?捕まってたの!?
 大丈夫!?怪我は!?酷い事されなかった!?」


そうしてあなたから零れた言葉を聞けば、
牢の中ではほとんど意識が朦朧としていたヴィットーレは
それはもう慌てて、貴方に寄り詰めようとしてベッドの上で
よろけたりしたことだろう。
怖かったわね……なんて眉を下げて労わる様は、
やっぱり昔から変わらないお兄ちゃんの姿だ。

そんな顔も、貴方からの打ち明け話にはぴし、と固まる。
貴方にはいつも柔らかな表情を見せていたヴィットーレも、
この時ばかりは渋い顔をして。

「……マフィアは優しい世界じゃないのよ。
 昨日まで喋ってた人は死ぬかもしれないし、
 マフィアってだけで酷い事もされるかもしれない。
 酷い仕事だってたくさんしなきゃいけないの。
 アタシは………反対だわ。」
(-68) 2023/09/28(Thu) 8:15:27

【秘】 幕の中で イレネオ → アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡

「は?」

予想外の騒音・・というのは人の意識を奪うものだ。
突然の哄笑に男は目を丸くした。それからぱちぱちと瞬きをする。見事な口上への拍手と同じ。しかしそれもまた、同じだけ。

表情はみるみる険しくなった。
侮られたという激昂が面を染める。
がたん。
何度目かの立ち上がる音。襟元の締まる感覚。

「口を閉じろ。」
「俺はマフィアとは違う。お前たちとは違う、」
「同じにするな!」

それは男にとって侮辱であり、侮蔑であり、屈辱であった。
暴力を好む野蛮人だと思われるのも、悪党と形容されるのも、マフィアと同様に扱われるのも、何もかも。
(-69) 2023/09/28(Thu) 8:40:45

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

「あはっ」

身体の下に震えを感じて男は笑った。やっぱり愉快そうだった。声ばかりは無邪気だった。
悪意なく他者を貶める、幼い子どものする笑い声だった。

一通り満足したらしい瞳が貴方の表情を確かめる。
悔しそうな様は心地いいらしい。偽物の上下関係を確かめるような暫しの間があるだろう。さて、と次の行動を考えつつ、最初の目的に立ち返る間だ。
この間は隙である。
離れた空間を利用して頭突きをするなり、自由な足で蹴飛ばすなり​─────反撃をするなら、通るだろうが。
(-70) 2023/09/28(Thu) 8:51:05

【秘】 アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡 → 幕の中で イレネオ

「なにが違えんだよ、言えよ、ほら定義してみろ、学校出てんだろ!?」

ぎりぎりと締めあげられながらも、かはは、と哄笑を続ける。

「おめー法律によって許可はされてない暴力を
 抵抗できない相手にふるってるよなァ、
 相手を脅してよォ」

「お前が一番知ってんだろ?
 ヤってんだからさぁ」

それは間違いなく侮辱であり、罵倒だ。
──そして、事実だ。


「何が違う・・か、
 何が同じ・・か、
 ちゃんと確かめろ、今、なあ!」
(-71) 2023/09/28(Thu) 9:09:38

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ

「……うるさい。随分ご機嫌なようで」

まったく目の前の男は突然口が回る。最悪の気分であろうに、一体どうしてそんなにその威勢を保てるのか。
本当に殺しておけばよかったと思うのはこの先に予知できる破滅の音のせいだろうか。

知ることが好きだ。先がわかることは安心する。
大事な人が知らない場所で死なれるのが嫌だった。
いなくなるぐらいならなら、この手で、目の前で死んでいなくなって欲しい。
何故こんなに執着してしまったのか身体を重ねたからなどではない、と思っている。
ならばやはり、少なからずこの目が貴方をただの悪人と捉えていないからであるのだが。
この感覚は説明できるものではないし、理解されるとも思えず終ぞ口に出されることはなかった。

溢れんばかりの情報を、大雑把に勘だけで見通してきたここ数年間。
ただただこの男が、理由もない大悪党だとは思わないという理由だけで。
本当に今更な感情に振ってくる言葉も途中まで考えられず、最後に漸く顔を上げた。

(-72) 2023/09/28(Thu) 9:18:15

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ

「死体……?」

ヘタれた子供と呼ばれた男はうっそりと目を細めた。
それは彼の周りの人間は知らない顔であることを、また彼自身も知ることではない。

「…………」

万が一が起きたその時。
黒眼鏡も、ボスも、必要なのは生死の判断だろう。
もしかしたら死体を傷めつけられたりするかもしれない。
死者を冒涜する人間も晒し者にする存在もいるかもしれない。
自分はそんなことはさせたくはないし、させるつもりもなかった。

「わかった。
 必ず見つけてあんたの墓の常連になってやる」

自分以外が簡単に知ることもないようなその場所に、一体どんな意味があるだろう。
貴方にとってもその墓を懇意にする事実がどういったものをもたらすかもわからない。
しかしまるで望んだ物を手に入れたような様子でルチアーノという男は貴方にうすく笑いかけていた。
(-73) 2023/09/28(Thu) 9:21:56

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

息を整えている間に
貴方の方も手が止まって、考えているのが伺えた。

――今だ


頭を軽く振りかぶって
その額へと頭突きを喰らわせようとする。

当たり、怯んだのであれば
少しでも自分の身体から距離を取らせるべく
右足で腹を狙って蹴り飛ばそうとするだろう。
(-74) 2023/09/28(Thu) 9:25:20

【秘】 Commedia ダヴィード → Il Ritorno di Ulisse ペネロペ

>>-59

いやだあ、と情けない声が上がった。
そんなことを言っても治療行為に抵抗など出来るはずもなく、ぎゅっと眉間に皺を寄せて耐えることになるのだろう。
ずるずると座席からずり落ちながらそんな未来を予想した。
本当に嫌だ。


「ん」

いつもより数段気の緩みきった返事を添えて、決意表明は終わり。
あとは貴方が車を走らせるままに外の景色を眺めていることだろう。

忘れられない思い出は、忘れたくない思い出にもなった。
この幸せと痛みを抱えて、子どもはまたすこし大人に近づいたのだった。
(-75) 2023/09/28(Thu) 9:31:24

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → リヴィオ



もう一度、貴方の指先が床を掻いた時。
触れた熱は少し暖かく、柔らかい物であった。

その夢に入り込むのは――眠る猫の姿。
誰にも触れられずただ無防備に、静かに眠っている。


「――呼んだか? リヴィオ」


貴方がその重たい瞼を開ければ、横になっている一人の男が世界に映りこむ。
男は幾回にも渡り残された赤い線も気にせず横たわり、眠そうな顔で似通った海の色を見つめていた。
血のにじむ手の下にも違う形の片手が滑り込まされていて、再度の床への傷は掠れるものとなっただろうか。

「お前まで子守唄が必要かね。
 ……俺もシエスタは好きだがなあ、そろそろ帰る時間だぞ」
(-76) 2023/09/28(Thu) 9:41:54

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-58
「……ほお。お前が、頼んだ。
 そんな噛み方をして、答えた奴が」

「…………イレネオだあ?? あのガキ」

「心配しただけでこんな噛み痕もキスマークつけてるなら
 随分この町はもっと性犯罪が頻発しているだろうなあ!
 お前、そいつを庇ってるんじゃねえぞ! 少しは文句を言え!
 首まで隠す羽目になるのは仕事の支障にしかならないだろ。
 それと、善意で強姦して許されるなら警察はいらねえ!
 お前らは何処で働いてる、鏡見てから仕事するんだな」

結局怒った。

「さっさと出ていけ、馬鹿野郎。……ああ最後に」
二度と黒眼鏡に会うんじゃねえぞ!


先程流そうとした思考が戻ってくる。
誰しも自分の信じる姿でいることなどない。
疑って過ごすべきだ、だから一番に気にかけるべきだった。
この幼馴染はちっとも信頼できない不用心な人間で。
マフィアなんかと関わるべきじゃない大事にしなければいけない存在だったと。

男のくせに、とため息を吐いて牢の出入り口に向かって追い払うように手を振った。
此処から出てからも話すことが多すぎる、そう考えながら。
(-77) 2023/09/28(Thu) 10:06:14

【秘】 幕の中で イレネオ → 傷入りのネイル ダニエラ

男は信じている。
自分の信じる、正義を信じている。
それは酷く盲目的な様だ。酷く独善的な様だった。
この世で正しいものはひとつだけ。それは法である、という排他的な思想。警察とはそれに従うものであるという圧倒的な従順さ。
それがこの男を構成するほとんど全てだ。
全く全て、ではなく。


瞳に浮かぶのは暴力への高揚ではない。単に苛立ち。誇りを傷つけられたことへの厭悪。

「お前のような人間を」
「一時でも警察仲間だと思った俺が、馬鹿だったよ。」

そこからは。
肉を撲つ音。
骨の軋む音。
貴方に器具を握らせる声。
共同作業・・・・だ。自らの爪を剥がさせたり。
それでも貴方は笑っていただろうか。
血と汗と涙に塗れても笑っていただろうか。

少なくとも、きっと。
男はきっと、笑っていたんだろう。
(-78) 2023/09/28(Thu) 10:13:19

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → favorire アリーチェ

「俺はルチアーノだ。
 はじめましてだなあ……友人の妹分だと聞いている。
 様子を見てやりたかったんだが、結局こんなところで話すことになるとは夢にも思わなかったね」

どうして男と二人きりで危機感が緩むのやら。
随分と気を許されているようだが今は気にかけることをやめた。
大事なのは無事に貴方がこの牢獄の迷宮から抜けることが出来るかだ。

「あの二人は大したこと……ないだろうー。
 これは一種の信頼でなあ?
 ここを出たら一緒に酒を飲みにでもいくさ。
 それで――」

「誰を探したいんだ? 俺が手伝ってやろう。
 丁度外に出る準備は整っているんだ、その連れも一緒に出ればいい」

さて、目の前の彼女は何処と繋がっているのやら。
やり残した冤罪の証明を自分自身でしなければいけない。
(-79) 2023/09/28(Thu) 10:30:43

【人】 corposant ロメオ

>>50 フィオレ

ちらとバックミラー越しに目を合わせた。
滅入った顔にかつての焔火の面影はない。
片眉を上げる。どうしたものか。

「フィーオレ……引き金は引かれたんだ」
「ケジメ付けに来たんだろ。
 あんまり落ち込んでちゃ撃った相手に失礼だぞ」

呼ばれた名前に振り返り、ああ、と意図に気付いて。
ドアを開けて後部座席に回れば、
「ほい」と優しく抱き締めようとした。

「泣きたきゃ泣きな〜」
「落ち着くまでこーしてていいから」

ぽんぽん、と背を穏やかに叩いては擦って、
安心させるために、いつもよりも落ち着いた声のトーンで。
自分が焚き付けたものだから、ちとばつが悪いのだ。


#BlackAndWhiteMovie
(51) 2023/09/28(Thu) 10:31:31

【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ

口元が“N”の形を作った
────お前たちは違うNotte siete diversi.
それはこれまでも繰り返されてきて、これからも繰り返される否定。


しかし、その唇から音が発されることはなかった。
絡め取るように回される腕。それから柔らかい感触。
しまった、と思った時にはもう遅い。内側の粘膜にまで触れられ​、それが口付けであると遅れて知る。
勝ち誇ったようなターコイズが近くで細まった。のを、見て。


男は、

その首を絞めた。



何よりもまず嫌悪。背筋から項までが総毛立つような不快感。その次に焦り。何かが仕込まれてやしないか・・・・・・・・・・・・・という恐怖。油断した。まずかった。マフィアとはそういう生き物だ・・・・・・・・・・・・・・
舌に噛み付くなんてそれなりの高等技術は思考に及ばない。まず飛び出すのは手。片手で貴方の首を押さえつけて絞めあげ無理矢理引き剥がそうとする。これは男の腕力だ。通常なら負けることはないだろうが。
(-80) 2023/09/28(Thu) 10:56:12

【人】 口に金貨を ルチアーノ

>>49 ニーノ

「ヴィトー、……そうか。あいつが」

本当に、嫌な予感が当たってしまった。
だけど今ここに死体はない、周りが騒いでいる様子もない。
つまり彼はまだ生きていて、彼女は殺し損ねたか何かを仕込んだか。

少なくとも――その引き金を引いたのは確かなのだろう。

「……すまんなあ、ニーノ。止められんかった」

また男はあなたに謝った。
悪くもないのに、ただ謝った方が楽になれる気がして。
それは起こるのがわかっていたかのような表情で、諦めたような、それでも物悲しそうなものであった。

「旦那のことは諦めるんだなあ。
 あの音で撃たれて騒ぎがないってことは
 もう何処かに逃げてるか、誰かに匿われてる。
 行き場所は分からんが、……俺たちが探すから心配するなあ。
 無事なら病院に直ぐ運ばれるだろうよ」

「それよりもなあ、ニーノ。今お前は誰に何を言ってやりたい。
 ちゃんと決めんとならんだろ、俺はそれの手助けをしてやる」

「また一人で泣いてお家に引きこもるつもりか?」

#BlackAndWhiteMovie
(52) 2023/09/28(Thu) 11:06:12