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【秘】 竹村茜 → 人魚姫 透 静「……透、楽しいのそれ」 泳ぎの練習をしに来たら、やはりというかかちあった。 水着姿で憮然と、水に入りながらアヒルを凝視するあなたに声を降らせた。 ぷかぷかとアヒルが波に揺れる。 (-222) 2021/11/03(Wed) 21:24:44 |
【秘】 人魚姫 透 静 → 竹村茜「 ……あ」 ぱしゃ、と水中から顔だけ出し。 「うん、楽しい」 「泳ぐ、遊ぶ、いいこと。アヒル、ゆらゆら」 ……プールに浮かぶアヒルとアノマロカリスを、只々つつき回している。 (-227) 2021/11/03(Wed) 21:32:42 |
【秘】 竹村茜 → 人魚姫 透 静「ふぅん……」 ここは風呂場か。 そう言いたげに、シオンの放った周囲に浮かんだり泳いだりしているそれらを眺めている。 「泳ぐこと、本当に好きなんだなぁ。エンジョイ勢って感じ」 (-229) 2021/11/03(Wed) 21:53:38 |
【秘】 人魚姫 透 静 → 竹村茜「エンジョイ? 好き、うん……」 「あなた、は。泳ぐの、好き?」「好きだから、泳ぐ?」 こて、と小さく首を傾げた。 世の他を知らぬ青年は、そうなのだろうと思い込み疑わない目をしている。 (-233) 2021/11/03(Wed) 22:01:08 |
【秘】 竹村茜 → 人魚姫 透 静「好きだからってわけでもないっていうか」 ふ、と力を抜いて天井を見る様に浮かぶ。 「内申のためとか評価のためって目的があって、水泳は手段。特別好きってわけじゃないかも。 人より得意だから、何となくやってるだけで」 そのきらきらとした瞳に、水面のように揺れるそこに、小さな石ころを投じるように言葉を投げた。 (-235) 2021/11/03(Wed) 22:13:23 |
【秘】 笹原絵莉 → 竹村茜「えっ…… 死…… ? マジ?」想像以上に事態は重く、声色に焦燥が混ざる。 「早いとこ解決手段見つけなきゃじゃん。……吸っとく?」 (-239) 2021/11/03(Wed) 22:19:08 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「……盛ってきた奴も知らなそうだったしなぁ。 下手に放置すると飢えで苦しむし、本当に面倒くさい」 トマトジュースや肉類、自分専用の薬を飲むことで対処はできるが、生血と違ってがぶ飲みドカ食いしなければならず効率が悪い。 「……いいの?」 とはいうものの、断る理由はなかった。 (-242) 2021/11/03(Wed) 22:27:57 |
【秘】 人魚姫 透 静 → 竹村茜貴方の言葉に、青年は理解を示そうとした、 ――が、実行には移せず、静かに俯く。 「手段」「……、……」 「……特別好きは違う、けど得意」 子供が大人の言葉を呑み込み、理解しようとするように、 単語を切り離して、繋げて復唱する。 「でも、泳ぐ? 泳がないといけない ?」「そう、だとしたら、大変」「たぶん」 評価も価値も、青年の思考にすら浮かんでいないものだった。 不明瞭で理解の及ばないそれを、 彼自身は、なんとなく大変なものだ、と認識したようだ。 (-243) 2021/11/03(Wed) 22:27:58 |
【秘】 笹原絵莉 → 竹村茜「そか。血、どっかからもらえないかな……そりゃそのうち治るのが一番なんだろうけどさ」 そういえば献血ってクールタイムあるんだっけ、思い出そうとしてやめた。 「うん、もう十分調子いいし」 (-246) 2021/11/03(Wed) 22:32:48 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「血液の成分があれば代用できるから微量なら薬で何とかなったんだけどね。 治ってくれないと楽じゃないからなぁ……。 ……じゃあ貰うけど」 他の人の暴走と比べて、自分のそれは慢性的だ。我慢すれば何とかなるから気づきを得られにくい。 多くを喋りたがらない性分もあって、こうして手を差し伸べられるのは正直なところかなり助かっている。 「首で良い?」 そう聞きながら、あなたを抱き寄せた。 (-269) 2021/11/03(Wed) 23:38:57 |
【秘】 竹村茜 → 人魚姫 透 静「……そう、泳がないといけない。 私にとって水泳は楽しいだけのものじゃない。楽しくないわけじゃないけど……楽しむものではないから。 透みたいに、楽しいって思えることが少なくて。そういう意味では羨ましいな」 得意だから、評価を取りやすいから。打算と妥協でやっているスタンスの自分は、彼にとっては異端だろう。 理解は示さなくていい、無理にこねくりまわさなくていい。純粋な彼には似合わない。 「そういう人もいるってことだけ覚えておけばいいよ」 (-270) 2021/11/03(Wed) 23:42:49 |
【秘】 笹原絵莉 → 竹村茜「良いよ。けど……なんで首がいいって分かんの? 確かにそういうイメージあるし、一番効率がいいかもって思うけど、他人の首筋に歯を立てるって躊躇とかないカンジ?」 そう言いながらも身を委ねる。恐怖を緩和するために、抱きしめる。 (-272) 2021/11/03(Wed) 23:45:30 |
【秘】 人魚姫 透 静 → 竹村茜「……ん、……うん。 わかった、あなたのこと、憶えた」 そういった人というよりは、貴方自身のことを記憶した、と言わんばかりに、じっと数秒見つめてからまた近くの玩具へと意識を向け始める。 「……自分、みたいな人、少ない」「多分そう。そんな感じ、する」 「あなた、みたいな人の方が、多いのかな」 「そうだとしたら、とても大変。 体育祭、大変が、いっぱい……」 (-279) 2021/11/04(Thu) 0:03:08 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「こうして逃げられないように噛めるし、吸う側は楽かもって思って。 吸血鬼みたいでしょって言えば大抵の人は首を差し出してくれるからイメージの問題っていうのもある。 だから躊躇いも別にないかな。血を流させすぎたら…って最初は思ったけど熟知してるし」 つい、とあなたの細い首を撫でる。両手で押さえる様に添えてから肩を撫でる。 血液の効率考えたら寒いときに温める場所……二の腕か腿が良いと思うんだけどさ。 そっちの方がマニアックすぎてなんか抵抗ある」 吐息が大気を震わせる。耳に囁くように口元を押し付け、唇で何度か首筋に口付けをした刹那。 ガリッ 、と皮膚を貫き、躊躇いなく牙を突き立てた。 (-280) 2021/11/04(Thu) 0:06:00 |
【秘】 竹村茜 → 人魚姫 透 静「大抵はそんな感じだと思うよ。透みたいに心の底から…なんて人、そう多くないよ。 私みたいに打算的か、ただ一時お祭り騒ぎに浮かれてるだけで持続なんてしない。 例えば競技に出るから水泳するって言っても、一か月持てばいい方だもん。そのあと持続するかは分からない」 「大変……だけど、それでも楽しむ人は多いんだと思う。この準備期間だってそういう人はたくさんいる。 大変なのが楽しいっていうのもあるものらしいよ。知んないけど」 (-283) 2021/11/04(Thu) 0:10:35 |
【秘】 笹原絵莉 → 竹村茜「熟知って、もう何人もこういうことしてんの? すっご」 感心して見せる。 「いや首、人間の急所だし、 本音いうとすごい怖いんですケド…… 」首に柔らかいものが当たる。少しくすぐったくて、身をよじる。じっくり弱らせられて、追い込まれるような気分。思わず吐息が漏れてしまう。 「 んっ!! 」首に穴が開き、熱い血液が流れだしていく。荒げた息は徐々に静かに。まだまだ慣れそうにない。 (-285) 2021/11/04(Thu) 0:19:52 |
【秘】 人魚姫 透 静 → 竹村茜「そ、っか……」 「……なんか変な感じ」 ぽつりと浮かんだ違和感に呟き、こぽ、こぽと一度泡を吐く。 「大変、楽しい?」 「大変なのが苦手、じゃない人もいる? 不思議。 あなた、は不思議なこと、いっぱい知ってる。すごい……」 ……首を傾げ、少しずつ変な方向へ転がっていく思考をそのままに、 貴方のことを尊敬の滲む声で讃え始めた。 (-286) 2021/11/04(Thu) 0:21:04 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「高校に上がってからは絵莉が初めて。ふざけて血を吸う真似をしてたら何となく覚えちゃっただけ。 人数も多くないよ。片手で数えられるくらい?」 「急所って言っても、一番大事な場所は突き刺さないようにしてるから。 暴走してたりしたら、どうだったかは分からないけど」 こくこく、と喉を鳴らす。首に開いた穴から流れる命の雫を受け止める。 舌先で首筋を押し付けるようにして飲みやすくしてから――一頻り飲み続けた。 「……絵莉の、やっぱり飲みやすくて良いかもしれない」 (-289) 2021/11/04(Thu) 0:33:40 |
【秘】 竹村茜 → 人魚姫 透 静「案外、ヘンなのだらけだよ。私からすれば透だってヘンな感じはする」 「大変だから楽しい、そういうのだっている。意味不明でしょ。準備していたり苦労していたり。 そのあとに待っている達成感みたいなものとか、喜ぶ顔が見たいとか、そういうのが欲しいっていう人もいる。 ……まあ先輩だから」 お茶を濁すように、ゆっくりと周囲を泳ぐ。 (-292) 2021/11/04(Thu) 0:37:48 |
【秘】 笹原絵莉 → 竹村茜「片手っていっても、変な子もいるもんだね。あたしも人のこといえないですケド」 「じゃあ薬飲まされた直後とかほんとにヤバかったんじゃんね?」 落ち着くまで待っていなかったら、危なかったかも。 忌避感を覚えるどころか、どこかうっとりとしてしまって、これも異能による力なのだろうか。 「そなんだ。健康的だとそうなんのかな」 (-295) 2021/11/04(Thu) 0:44:40 |
【秘】 人魚姫 透 静 → 竹村茜「んー……大変が楽しい、よくわかんないけど、 悪いことじゃない気はする。誰かが喜ぶなら、もっといいこと」 「先輩はすごい、憶えた」 新たな知識を得て、尊敬の心が若干増した。 きらきら……。 「このアノマロカリス、乾かさないと。 自分、は陸に、出るけど……先輩は、水の中、居る?」 言いながら、共に泳いでいた玩具を自身の頭上に乗せつつ。 (-296) 2021/11/04(Thu) 0:45:33 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「ほとんど子供の遊びみたいなものだったから」 「……それもそうかも。一日中誰もいないところに閉じ込められていたから被害は出なかったし。 部屋に戻されてたら問答無用で襲ってただろうから……まあ結果的に助かってるのかな」 牙を離し、まだ少し流れそうになる血液を舌で舐めとる。熱い吐息と爛々とする瞳を隠すようにそうしたまま。 魅了に類する異能の影響で、恍惚とさせる側面もあるのかもしれない。 「若い女の子の血だからとか。処女の生血は美味しいっていうけど」 (-297) 2021/11/04(Thu) 0:53:57 |
【秘】 竹村茜 → 人魚姫 透 静「私も分からない。でもそういうのがいるっていうのは分かってるから。 褒めても何も出ないからね」 ぷかぷかと水面に体を一度沈めてから立ち上がる。 「……もう少し水の中にいる。行っておいで」 (-299) 2021/11/04(Thu) 0:55:44 |
【秘】 笹原絵莉 → 竹村茜「随分と過激な遊びじゃんね」 笑みを見せられるくらいに余裕は出てきた。 「知らんとこで命拾いしてたわ。こわ」 抱きしめる力が強くなる。魅了と恐怖、いずれにせよ獲物を興奮させて、興奮すれば血の巡りも良くなるものだと納得する。 「 急に処女だって判定されてんじゃん 。ヤッバ、わかんのそれ? アハハ」 (-302) 2021/11/04(Thu) 1:00:50 |
【秘】 人魚姫 透 静 → 竹村茜「何も出なかった。……褒めたらなにか出ることある? それも不思議」 「……うん、またね」 水泳部同士、また泳ぐ姿は見れると思ったのだろう、 ざぱりと人魚は陸へ上がって、更衣室へと向かっていった。 (-304) 2021/11/04(Thu) 1:04:54 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「子供は時に怖いもの知らずな生き物になるのよ」 抱き締められる力が強くなる。怖がっているのは目に見えて分かっていた。 こんなこと、付き合わせるのもきついだろうに。 「いやわかんないけど。あてずっぽうだし適当言ってる。 処女しか吸わないとかそんなこだわりないし、味の違いもよく分からないから。映画にいる吸血鬼はそういうのが好みなんだって。 絵莉がそうでもそうでなくても、たぶん美味しいって言ってるよ」 (-314) 2021/11/04(Thu) 1:41:37 |
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