【人】 薬屋 テレベルム[こう寒いとこれ以上粗末な住居を寒いものにはしたくないが つい一刻前訪れた客が動物臭さに眉を寄せた事を思えば 現況が自由に出入りする店の換気をせざるを得ない。 雪のはらつく窓を半分開ける。 がたつく窓の鍵は錆つきが目立ち、開く際に些かコツも要るが 慣れてしまえば困るものでは無かった。 聖歌隊と呼ぶには曲選が流行をいくものだから不釣り合いで 半分酒でも入っているかのような歌声を聞き>>8 すこしだけ、今は昔の過去を過ぎらせる。 陽光の反射した青と金の境目の海原を眺めながら 浜辺で妹が伸びやかな声で奏でる音色が好きだった。 それから、隣で竪琴を静かに弾くのも。 ――平穏を尊ぶ日常、音色を愛する時間が、今は遠く。] (238) 2021/12/09(Thu) 13:00:17 |
【人】 薬屋 テレベルム あまり長く出歩くのは嫌だぞ俺は。 ……さすがに表の方の住居だろうなあ。 [雪景色――とまでの積もり方はしていないにせよ、 温暖な時期に比べて視界は悪い。 猫の首輪に住居の有無は分からず。 いっそ邏卒にでも押し付けようかと悩むところ。 唯一のヒントは首や顎を擽る毛並みが荒れていないこと。 ある程度は良い生活をしているのだろうから 裏街の飼い主に愛でられているとはあまり思えず*] (241) 2021/12/09(Thu) 13:03:04 |
薬屋 テレベルムは、メモを貼った。 (a52) 2021/12/09(Thu) 13:08:57 |
【人】 薬屋 テレベルム[職人が代価に掲げたうちのひとつ。 ――『黎明の方位針』に関心は奪われた。] ……そうだな、ならばこれを。 [金銭であればこのくらい、という相場を聞きうけ、 見合う限りの『赤い真珠薬』を持たせる事にした。 複数の小瓶に詰めた商品を手渡しながら、見送りにもう一言。] 人を……いや、人魚をひとり探している。 俺がまた旅に出るようならこの魔具を試してみるが――… ……もしあんたが何処かの地で 俺と同じ『種』に出会うことがあるのなら、 テレベレムがこの街で探している事を伝えて貰えまいか。 [商品として買い取られた『赤』に加え、 『白』をひとつ土産に付け足した意図は口にした通り。 それから、色彩豊かな髪を抱く背を見送っただろう。*] (274) 2021/12/09(Thu) 14:47:08 |
【人】 薬屋 テレベルム― 往来 ― ラヴァ、いいところに来てくれた。 実は少々困っている。 [いつぞの寒波>>267を思わせる底冷えする寒さの中 思考に窮した男を拾うのは、ひとりの黒ずきん。>>271 白衣に身を包む己と立ち会えば彼女はまるで対であった。 温暖の魔法は使えないが、今の己には猫という体温がある。 いつぞやの邂逅と異なるのは二人と一匹である所為か。 間の抜けた構図は笑い話にしかならないから、 花でも咲いたかのような笑顔を受けるのも無理は無いが 嘆息をひとつ落として、彼女を傘の中に入れるように歩み寄る] この猫がうちの店に迷い込んでいた。 何処かの家の猫だと思うが…探すのを手伝ってくれないか? [顔だけを白いローブから突き出した猫は ぬくぬくとしながらも、襟ぐりから短く鳴いた。] (283) 2021/12/09(Thu) 15:15:28 |
【人】 薬屋 テレベルム[これだけ交易の発達した都市の往来で随分な落し物。>>267 微かに息をしていなければ、それこそ生物では無かった。 自力で立つという事も、細腕に体重を預ける事も難しいが 手でも力でも無い方法で容易く身柄は預かられ>>268 魔力という糧を貰う事で、漸く口がきけるまでに気を持ち直し] ……悪かった。 [この地に訪れて初めての親切を受けた男は、 暖かなローブを借用したまま彼女の言葉に耳を欹てる。 己の出自、生業――それから目的を打ち明け 等価交換にて成り立つという特異な話や この街…否、人間が比重を占めている世界での知識。>>269 初めて知る事象が多く、暗闇の猫のように瞳を丸くしていた。] (285) 2021/12/09(Thu) 15:16:28 |
【人】 薬屋 テレベルム[優しい彼女の事だから甘えれば甘えるだけ 住まいを貸してくれそうなものではあったけれど 居心地の良さに目的を忘れかねないと揺らぐ己が居たゆえに。 とはいえ、時今にして、こうして治安の悪い場所にまで 足を運ばせてしまっているので 逆に居候であったほうが良かったかもしれず。] ……それにしても。 ひとりでこの辺り、歩かないほうがいいんじゃないのか? [色のついた傘で彼女の顔が周囲に隠れるようにしながら しんしんと降る雪越しに落とす視線は若干不安が混じる。 治安の悪さが牙を剥く先は――女性のほうが余程*] (288) 2021/12/09(Thu) 15:25:33 |
薬屋 テレベルムは、メモを貼った。 (a62) 2021/12/09(Thu) 15:30:58 |
【秘】 魔術師 ラヴァンドラ → 薬屋 テレベルム「 私は、全く別の自分を …… 」 …… 言葉はきっと、最後までは彼の耳に届かず 不明瞭な魔術師の目的だけが あたたかな部屋の空気を揺らしただけ。 (-87) 2021/12/09(Thu) 16:23:37 |
【人】 薬屋 テレベルム ……それならいいんだが。 [身を守る手段の無いただの女では無い、 それは彼女の宣言通りであろう。>>298 賊も狙うならか弱い女の方が良いのは確かであるし。 無抵抗とはいかない、という自負を受け表面上納得はするが、 彼女の身を案じる心が砕けるにはやや浅い信頼だ。 彼女ほどに甲斐甲斐しい飼い主根性は無いにせよ>>296 己の『妙薬』のような手段を取られたらと気にかける。] わかった。だが今度、俺から会いに行こう。 あばら家のせいか冷え込むとあんたの家が恋しい。 [頼もしく微笑う魔術師は手練であるが、>>299 過ごしなれた彼女の住処を訪れる口実にもなろう。 せめて寒さが厳しい間―――基、宵が深い間は、と。 彼女の自尊心を傷つけない言い回しを選んだ心算で。] (302) 2021/12/09(Thu) 17:14:50 |
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