古城の吸血鬼 ニクスは、メモを貼った。 (a1) 2019/04/12(Fri) 23:06:35 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス[ 出会ってまだ僅かである少年に打ち明ける事は憚られた。 孤独を癒す為に求められているのだろうか。 そんな可能性すらも滲んでは消えた ] 確かめたければ探してみせて。 ただ、よく似てるよ。 君の眸と目の色も声も。 彼女は眠り続けてる。ずっと。 [ 知ったところでどうするのだろう。 彼の言動>>$1に対する理由。 まだ互いに見えない事が多かった ] ($11) 2019/04/13(Sat) 6:13:55 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス……君の最後の居場所? 君はまだ幼い。 世界の一部分しか見ていないだろう。 決めつけるのは早計だと思う、……が。 私にとってのこの城、か。 全て灰燼に帰してしまいたい場所だよ。 [ 確認のような問い>>$2にはぐらからし ただ、狼を撫でながら問われるものに>>$3 ] ($12) 2019/04/13(Sat) 6:14:10 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス……どうして、だと思う? どうして、なんだろうな。 君なら終わらせてくれると思ったから。 [ 曖昧な答えを一つ ] 君と俺は、ちがうよ。 おんなじじゃない。違う生き物だ。 君は人を殺したことがないだろう? それくらい、違う。 [ 同じ枠組みで収まり上がるように思え>>$4 男は呆気なくそれを否定した。 男の目に映る彼はどうしたって人であり 彼の賞賛>>$5すらも笑みを浮かべ頭を振る ] ($13) 2019/04/13(Sat) 6:14:31 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス綺麗ではない。醜い化物だよ。 人の血を吸い尽くす鬼なのだから。 [ 独りが嫌で生きたいから殺してはくれない少年>>$6 知ってどうするというのだろう?>>$7 男は草臥れたまま、乾いた笑みを浮かべた ] ……そうだね。 [ 彼に対して勝手な希望を抱いたのは此方だ。 だとしても切望を叶えぬが彼の願いを叶えよと 望まれて優しくは出来なかった。 この男の余裕など、とっくになかった ] ($14) 2019/04/13(Sat) 6:15:37 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス君が寂しい時に傍らにいて 君が悲しい時に慰めて 君が恋しい時に愛を囁く そんな、存在になれたらよかったね。 [ 彼の生き死に男が何故関係するのだろう。 男にとっては分からない事だらけで ] 君は俺を知ってどうしたいの? そんな事しなくとも、 君だってこんな風に生きられる。 セレン、君は世界を知らなさ過ぎるよ。 [ それでも彼を窘めるような台詞で 口許に微笑を浮かべて困った顔を繕った ] ($15) 2019/04/13(Sat) 6:16:02 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス[ その男が僅かに目の色を変えたのは 続く彼の言葉>>$8だった ] 君は、律儀だね。 俺の全てを知った時、 ……君は俺を殺してくれるんだろうか。 [ 自嘲じみた笑みを浮かべながらも 孤独に生きた少年にこのような仕草。 させたのは他ならぬ自分だと自覚する。 その負い目なのかどうかは分からない ] 一瞬の夢が生温い程、苦しい毒となるよ。 [ まるで経験をなぞらえるような調べで ふたりぼっちの夢>>$9を望む少年に 男は初めて憐憫の色を浮かべた ] ($16) 2019/04/13(Sat) 6:16:19 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクスセレン。 君が俺を知る事で何が変わるかは分からない。 だけれど、君が眠りにつく前、話をしよう。 巻き込んだ私が唯一君に出来る罪滅ぼしだ。 [ 男の勝手な事情を少年に押し付けた代わりに 男は彼の願うひとりぼっちじゃない夜を提案する ] それに私にとっても悪い話じゃない。 先の見えない漠然とした生よりも ほんの僅か光る粒を手にする方が、幸福だから。 [ 彼にとっては何気ない発言であっても 人の子により赦される可能性を男は見出し どうしようもなく賭けてしまっていたから ] ($17) 2019/04/13(Sat) 6:16:52 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス紅茶、美味しかったよ。 薔薇に苦い記憶ばかりだったけれど ほんの少し懐かしい気分だった。 今日はもう部屋におかえり。 君も来たばかりで疲れているだろう。 ゆっくり、おやすみ。 [ その言葉を皮切りに大人しかった狼が立ち上がる。 彼の表情は見えなかった>>$10 ただ、静かに全てを察したように狼は彼に連れ添い 男はゆるりと別れ際に嘯いた ] ($18) 2019/04/13(Sat) 6:17:11 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス……セレン。 君の気持ちは嬉しいよ。 君は優しい人だと、思う。 それでもどうしても、駄目なんだ。 生きたいとは、思えない。 ……忘れられないんだ。 [ 薔薇の香りが立ち込める場所で 自分の顔を覆って、瞼を閉じる。 扉が閉じられるその時まで ]** ($19) 2019/04/13(Sat) 6:17:45 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス( あまりに可愛らしい名前過ぎるけど ) [ その声に応えるように鳴いてやった。 喋れたら良かったのに>>$26 クーはその言葉に鳴くこともしなかった ] ( そうだな。もし話せていたのなら 早くあんな奴捨てろって言えたな ) [ 主と子供二人に対して思う想いはあれど なんだかんだ主を捨てられないクーにも 名付け親である彼の不幸を願ってはおらず 思わず、そんな呟きを浮かべたのだった ]* ($43) 2019/04/14(Sun) 0:18:15 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス[ 息をする。 その度に口許からは泡が溢れて 遮られた視界は真っ暗闇のまま そこへ、其処へ、底へと沈んでいく。 陽の光すら曖昧な世界。 切り取られた一部分で息をする。 揺らめく波の中に白く透き通った何かが映った。 人の腕だと気づき、払った。 きらきらと光る金糸雀の髪。 海の中にいようと頭に響く鈴の音 ] ($45) 2019/04/14(Sun) 0:24:26 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス[ 誰かの声がよく聞こえる。 無性に叫びたくなって息をする。 唇から漏れるのは泡が二つ。 身を捩りたくなる痛みが突き刺す。 目を抉り取ろうとしても力が入らない。 何から覚めろというのだろう。 分からない。解らない。判らない。 答えなど出ないまま、息が詰まる ] ($47) 2019/04/14(Sun) 0:25:02 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス( ここじゃ、息なんて出来ないから ) [ 首を締めて心臓を貫いて呼吸を止めた。 誰かが悲しむような声が聞こえた ]* ($48) 2019/04/14(Sun) 0:25:39 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス ―翌日― [ 狼は少年が起きる頃には傍に控えていた>>$33 念入りに隠されてしまった風貌に>>$34 狼は不思議そうに首をかしげる。 彼が服装を変えようと狼の眸には 彼は彼として映っていたからだった。 腹が空くかどうかに対する反応は 同意するように短く吠えただろう。 主がいようといまいと朝だろうと夜だろうと 彼に従い歩く眷属の姿は特に変わりなく映るはずだ ] ($49) 2019/04/14(Sun) 0:36:59 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス[ 少年が歩く道筋を辿るように狼はついていく。 少年が開けた空き部屋>>$36は沢山ある。 どれもがちぐはぐな部屋だっただろう。 ぬいぐるみが沢山用意されていたり キャンバスに塗りたくられた絵だったり ナイフが引き出しにこっそり忍ばれていたり 性別やその子の性格を表したような室内だった筈だ。 ニクスを模したのだろうか、 幼い子供の落書きだってある。 ニクスは相変わらず変わらぬ笑みを浮かべている。 はたは誰かに向けて綴られた手紙もあった。 羊皮紙に綴られた文字にはこのように書かれていた。 ごめんなさい、やっぱり私には出来ない 差出人は書かれていなかったが、 何か水滴が滲んだ痕跡も残っていただろう ] ($50) 2019/04/14(Sun) 0:37:23 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス[ 書籍が多く置いてある室内では、 吸血鬼のあり方や、殺し方、特性。 そんなものの纏めだってあったし、 聖水なんか用意してある部屋まであった。 しかしどの子供も結局実行には至らず 最終的に謝罪の言葉を残していた。 書籍の中に日記が一つ混じっていたのを 気づいただろうか。 書籍の中に記されている事は他愛のない日々。 背表紙に残っていた名前は、セレスと綴られていた ]* ($51) 2019/04/14(Sun) 0:37:35 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス[ 日が暮れる前の時間ならば、 男は寝室の中で眠りについている。 陽の光を許さない暗い部屋の中で瞼を閉じている。 死んでいるかのようにしかし細く長い息を続けている。 もし日が落ちて夜が始まれば男は散策をしている。 庭園にいる少年にも聞こえるような ピアノの旋律が彼にあてがった部屋から 流れているのが耳に届くかもしれない ]* ($52) 2019/04/14(Sun) 0:41:19 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス ―日記― [ これからあの城で奉仕しなさいだって。 シスターはその為に私に様々な事を教えたわ。 炊事に、洗濯に、読み書きに、歌に、 それからどうしてか、ナイフの扱いも。 私が一番優秀だから選ばれたんだって。 だけど私知ってるわ。 あのお城には人の血を吸う悪い吸血鬼がいるんだって。 私が選ばれたのも私が一番かけっこが早いから。 きっとそうに違いないと思うの。 だから私があのお城に行って悪い吸血鬼を倒して みんなが安心して暮らせるように頑張るわ。 金貨一枚。 シスターが私にくれた大きすぎるお小遣い。 どうしてかは判らないけどお守りとして 隠すなら誰にも見つからない部屋にしないと。 ($53) 2019/04/14(Sun) 0:46:26 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス ―日記 2頁目― [ 今日、びっくりしたことがあるの。 吸血鬼と呼ばれた人にはじめてあったんだけど あの人、赤ん坊のリリーよりも何も知らなかったわ。 私の姿を見ても追い出そうとして 全然手を出してこなかったから全部話したの。 そうしたら困った顔をしていたから とりあえずお腹が空いた事を伝えたの。 その後どうなったと思う? 薔薇の花を私に送ってきたの。 人は薔薇なんて食べないわって伝えたら すっごくすっごくビックリしたみたい。 仕方がないから薔薇の花で作った紅茶を淹れて 二人と一匹に用意したら驚いていたわ。 でも狼って紅茶を飲めないのね。 その点だけは、反省。 ($54) 2019/04/14(Sun) 0:50:42 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス ―日記 3頁目― [ 結局泊まっちゃった。 大きくて広い部屋は私が今まで見たことのないくらい 立派でお姫様が眠る部屋みたいだった。 落ち着かなくなってそれからあの人を尋ねたのだけど 揺すっても頬を叩いても全然起きないの。 吸血鬼が夜にしか起きられないのは本当みたい。 仕方がないから夜まで待っていたら眠っていたみたい。 起きたら彼がそばにいたわ。 帰れって言われたからもう一度私の目的を話したの。 世話役は間に合っていると聞いたけれど 私は私で代表として訪れているから 何も出来ずに帰るのは困るって伝えたの。 ($55) 2019/04/14(Sun) 0:56:54 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス[ そうしたら彼は鋭い歯を見せてきたの。 狼よりも細くて固そうな牙だったわ。 とても恐ろしいものには思えたけれど この人自身は相変わらず怖くなかったから 逃げ出さない私を見て不思議に首をかしげてたわ。 卿が覚めたなんて失礼な事を言うから なんとなく腹が立って長い足を蹴ったけど そういえば彼の名前を知らなかったから聞いたの。 名前なんてないって言うから、考えたわ。 そうしたらぴったりの名前があったから 今度から私は彼をそう呼ぶことにした。 ニクスって。セレス、私の名前とぴったりだもの。 夜と月って素敵よね ]** ($56) 2019/04/14(Sun) 0:57:42 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス[ ピアノの音色をかき鳴らしながら 脳裏に思い浮かべるのは数多の人の顔。 この城で過ごした数十名の子供達。 その中でも一際目立つのは陽の存在。 月の名前を持つ子供の姿だった。 ふと、開きっぱなしだった部屋の中に 与えた本人の存在>>$62が増えた ] おはよう、セレン。よく眠れたかな? [ 挨拶は極めていつも通りに。 ピアノの手を休めれば彼に振り返った。 彼の手にあるのは知恵の実>>$63 それから棘の目立つ赤い薔薇の花だった。 彼の言葉>>$64に男は目を伏せる。 言葉を選びあぐねている様子だった ] ($66) 2019/04/14(Sun) 5:26:17 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクスそれは、俺が触れていいものじゃない。 それに、きっと君が持っていた方が喜ぶ。 [ 差し出された金貨一枚>>$65 久々に他者から存在を生かされる今に 男にしては少し苦い顔をしてみせる ] 部屋がいつもの調子なのは、忘れられないからだ。 いや、……忘れたくないのかもしれない。 [ ピアノに備え付けられた椅子に腰掛けた。 男は飾られた赤い薔薇一輪に視線を向ける ] ($67) 2019/04/14(Sun) 5:26:33 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス忘却は人にのみ存在するものだから。 それから、俺が触れたくないのもある。 彼らがここで生きた痕跡を、 俺如きが穢してしまいたくない。 [ 組んだ指だけが落ち着きなく動いた ] ……その思い出が、記憶が、より胸を痛ませても。 どの子供も悪い子供じゃなかった。 中には俺の願いを叶えようとする子もいた。 結局、逃げてしまったけどね。 他には父のように慕ってくれる子供もいた。 だが、みんな帰してしまった。 残酷な望みを君達に架していると分かっているから。 [ 言葉を区切り、それから少年を見遣る ] ($68) 2019/04/14(Sun) 5:26:49 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス君を特別扱いしたのは……、 その金貨をお守りと持ち歩いていた子に 君が少し似ていたからだ。 どう。少しは、殺す気になれた? [ よく見ると日に焼けたのだろうか。 赤い頬>>$58は少し痛々しい。 冷やしてやるべきだろうと彼を見つめ ] なんて。 ……君に酷い事を願っているのも理解してる。 君と俺を違うと枠組みを取り替える癖に 君に同じ所まで堕ちろと それと同義の言葉を口にしているのだから。 [ 男自身の矛盾>>$38を形にした。 困ったような眉はそのままにふと顔を上げ ] ($69) 2019/04/14(Sun) 5:27:13 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス色々と、知ってくれたんだね。 出来れば君が全て知った上で、 承知してくれた上で、欲しいものだから。 ありがとう。 でも多くを見て回ったのなら腹が減るだろう。 何か、用意しようか? [ 彼が選んできた赤い果実を見て、尋ねた ]** ($70) 2019/04/14(Sun) 5:27:29 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス ―日記 4頁目― [ 薔薇の花が咲く場所を教えてもらったわ。 大きな庭園にあるみたいだった。 でも全然世話をしていないみたい。 仕方がないから棘の処理をしてあげた。 掃除も全然していないみたいだからしたの。 食堂があるなら使うしかないじゃない? 村には立ち寄れないけど お腹が空いた旨を伝えたらお小遣いをくれたの。 足がないって伝えたら狼を紹介してくれた。 彼の背に跨って街まで辿り着いて沢山お買い物して、 荷物沢山に帰ってきた私をみてニクスは目を丸くしたの。 帰ってくると思わなかったんですって ] ($71) 2019/04/14(Sun) 15:17:59 |
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