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【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡はい。すみません。その通りです。 [壊れたラジオみたいに「はい」「すみません」を繰り返す。 これなんてデジャヴ。 あの時と違うのは彼が怖くない事くらいか。 子供に言い聞かせるみたいな懇切丁寧な説明に 俺は頷いて謝る事しか出来ない。 だってこれは本当に俺が一方的に悪い。 おっしゃる通りなのだから。 首に触れる手はほんのり温かくて 俺をなだめてくれてるような気になる。 こんな状況でどこまで優しいんだろう、この人は。 もし彼が俺に気があったら、を想像してみる。 他に男がいるのかとか、裏切りだとか嫉妬に怒る姿は まるで思い浮かばなかったけれど、 その代わり悲しそうな顔が浮かんで心が痛くなった。 ついで平謝りする俺の姿も出てきた。 それはどんな状況でも変わらないらしい。] (-1) 2020/10/27(Tue) 11:34:58 |
【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡[気になって仕方なかった女性の正体は 想像の斜め上をいっていて、 なんて答えていいやら言葉を失ってしまったから 首を横に振って返事の代わりにしておく。 そう言うのは俺の納得の為だけに聞いていい話じゃない。 彼自身だけじゃなくて他人のプライバシーにも関わる。 そもそも姉がいるなんて情報すら初出だ。 そうか。だからなのか。 俺に対して戸惑いはあっても嫌悪とか無理解がないのは。 身内に似たような人がいるならって妙に納得する。] (-2) 2020/10/27(Tue) 11:35:13 |
【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡[やっぱり相手の立場になって考えるのは大事らしい。 言われた通り、女性を抱いてみる事を考えたら 拒否反応は出ないが、全く心が動かない。 興奮もしなければ柔らかい身体に違和感しかない。 なるほどこう言う事か。 だったら俺のスキンシップはどうなんだろう。 興味がない相手から触れられるのなんて 同性だどうの以前にセクハラでしかないんじゃ…。 前部署の飲み会で酔った先輩に絡まれて 腕に胸を押し付けられた時の事を不意に思い出した。 人としては好きな先輩だったし気持ち悪くはないけど 単純に酔っ払い面倒だなって思ったのを覚えている。 それに近い感覚なんだろうか。 悪絡みの点で言えば同等以上の面倒くささで 彼に気持ちを押し付けた自覚は、ある。] (-3) 2020/10/27(Tue) 11:35:36 |
【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡十分です…! [そんな面倒くさい俺の要求は9割受け入れられた。 どんだけ懐深いんだよ。優しすぎか。 普通ならうぜーって投げるとこだ。 自分でも鬱陶しいなこいつとか思っちゃうし。 早速映画館で寝てる相手の姿とか 俺が彼の服をコーディネートしてるのを想像して 最高過ぎる状況に顔がにやけるのが止められない。 中学生みたいな恋愛観なのは分かってる。 でも仕方ないだろ。初めてなんだし。 どんな些細な事だって新鮮で嬉しくて仕方ないんだ。 言葉を交わすべきだと彼は言ったけど ここまで進んだのは彼が俺の言葉を聞いてくれたからで 普通はそこに至るまでに縁は切れるもんじゃないか、 彼が特別優しいから続いてるんじゃないかって思う。 上手いこと言いくるめられて調教されて 掌で踊らされてる事なんて気付かないまま そうして『優しい葛西さん』への神聖視は強まっていく。] (-4) 2020/10/27(Tue) 11:36:05 |
【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡名前で呼んでもらえると、嬉しいです。 …………、 あきらさん。 [要求したのは俺だけど。 やばい。どうしよう。恥ずかしくて死にそう。 ただの名称が特別な言葉みたいな気がしてくる。 音に乗せただけなのに胸ん中がざわざわする。 相手を直視出来なくて、 不自然な動きでコーヒーの入ったカップを手に取った。]* (-5) 2020/10/27(Tue) 11:38:04 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司[何の負い目があるのやら ゲイだから悪い、男だから悪い、自分が悪い そう思い込みやすい性質な気がすると 今更ながら気付いたが、便利だな、と思うだけだ。 おまえ、本当は別に何も悪い事してないのにね。 だって俺たちは恋人な訳でもないし 俺も好きだなんて一言だって答えた事もなければ こいつの好意を曖昧にキープしつつ 他所で女だって抱いて居る。 ほんとなんで俺の事好きなんだろうねおまえ。 他人事みたいにしみじみ思うけど、 全部ばれてないからだと再認識。 詐欺師の適正あるなって己惚れてみるけれど 騙されてくれる状況と相手が限られてるのはわかってる] (-7) 2020/10/27(Tue) 14:51:32 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司[首筋に触れてみて確かめる。 他の男がキスした場所に触れても然したる嫌悪感もない。 口にしてても例えば舌絡めてようと わからなきゃ別にいいなって思ってたし。 こいつを抱けるかって考えてみても 突っ込む場所が排泄孔なんだよなって抵抗はあっても 他の男の使い古しだって抵抗はそんなにない。 男だしな、って抵抗も、実のところあんまりない。 俺に興奮して勃起してるチンポだって 俺に突っ込む気がないのなら何の抵抗もなく触れたし。 女相手に一回経験してくればいけるかな、って 思ったまま言ったらどんな顔するんだろう。 俺の心ない言葉に感情をグチャグチャにされる分だけ 俺の事好きなんだなって実感出来て気持ちよさそうだ。 そんな風に考えたらちょっとだけ興奮した。 そんな自分に流石に少し引くので言うのはやめておく。] (-8) 2020/10/27(Tue) 14:52:24 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司[別にお前がゲイなんだからレズくらい珍しくも無かろうと 何やら神妙な顔をして首を振る様を 不思議に思って眺めていたが あ、これ言い方間違えたなってふと気付く] 連れて歩いてる相手が女じゃなく男なだけで 怖い思いをしなくて済む場面があるからって理由で わりと誘われるんだ。 今じゃ姉を挟まず俺の知人ってくらいの頻度で。 姉を通して彼女が同性愛者だって理解してるから 自分に下心があるんじゃないかって 変に警戒する必要もなくて気楽だって。 [レズの『姉』ではなくレズの『姉の友人』だと 伝わっていない気がして 聞かれてもいない注釈を足しておく。 下心どころかほぼ肉体関係しかないし しかもあの人俺より強いけどね。肉体的にも精神的にも。 並みの男相手に怖い思いなんてしないだろう。 きっと年下の男連れ歩くの気持ちいい程度の感覚だ。 今の俺みたいに。 おまえなら他にいくらでも選べそうなもんだけどね。 女でも、男でも、 そんな男が俺の言いなりになっているは気分がいい。] (-9) 2020/10/27(Tue) 14:53:20 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司[そうやって、ただ下の名前を呼びあう事を許しただけで 馬鹿みたいに浮かれてるのとか。 すれてなくて可愛いなぁと思う程度には 「そこそこ」気に入っているって言葉に嘘はない。 こいつといつかするかもしれない練習に 趣味でもないアナル他所で試してきてやってもいいって 思う程度には気に入ってるけれど。 こいつの気持ちに誠意で返すってのは 多分そうじゃないんだよなぁとわかってはいる。 誠意なんてない、恋愛感情の持ち合わせもない 返せるものなんて嘘ばかりなのに 一方的に好意を差し出すことを望んで 騙されて喜んでる笑顔を見て罪悪感も抱かない。 おまえほんと、好きになる相手間違ってるよ。 教えてやる気はないけれど心の中でそっと哀れんだ。] (-10) 2020/10/27(Tue) 14:55:06 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司あきら「さん」でいいの? りょうじ「くん」。 ……聡、って、呼ばないのか? [微笑ましいものを眺める顔をして、くすくすと小さく笑う。 可哀想だしちょっとくらい可愛がってやろうと 普段すぐ床に座り込むせいで半分くらい飾りみたいになってる ソファーに珍しく座ったまま隣に来いと座面を叩いて誘う。 横幅に限りがある分隣に並ぶと距離が近い。 心の距離は近づけない分物理的な距離くらい差し出してやろう ……なんて殊勝な気持ちがあった訳でもないけれど ほんの気紛れで、二人で腰かけてもゆとりのあるソファーで 映画に意識が向いててだらけてる訳でもないのに ぴったりと寄り添って近い手を握ってやった*] (-11) 2020/10/27(Tue) 14:56:02 |
【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡[いくら彼が優しいにしたって、 男避けの為だけに呼ばれて時間を使うだろうか。 姉の親友なら昔の弱みを握られてるのかとも思ったけど その人の事を話す彼に不服そうな様子はないから、 単にその女性が一緒にいて楽しい人―― 人として魅力的なんだろうという結論に至る。 少しその人に興味がわいたけど 恐らく会う事もない人だから頭の奥に興味をしまう。 好奇心でつつくような話題でもない。 取り敢えず心配していたような相手じゃないって 彼の口から丁寧に追加説明されただけで十分だ。 言われたまま丸々飲み込んで疑いもせず。 まるで疑うのが不義みたいに無意識のタブーになったのは 幾重にも重ねられた相手の言葉のせいなのだけど その枷に気付かない俺には絡め取られてる自覚もなかった。] (-13) 2020/10/27(Tue) 17:36:55 |
【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡…口から心臓出そう。 [大袈裟でも何でもなく、本当に心臓が出そうだった。 心臓がばくばく激しく暴れている。 ただ名前を呼んだだけなのに。呼ばれただけなのに。 嬉しいのにつらいなんて相反する感情、初めてだ。 意味が分からない。 もっと呼んでほしいと無理がごちゃ混ぜで そんな状態で呼び捨てなんて出来るわけがない。] さん付けから慣らさせてください。 [真剣にそう言ったら笑われてしまうだろうか。 誘われるままにソファーへ座を移すけど 何もかもがこの間までとは違うような心地になって、 キスだって平気でしていたはずなのに 握られた手を握り返せないままに顔を逸らした。]* (-15) 2020/10/27(Tue) 17:37:44 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司 ……かまわないけど。 慣れてそのまま癖になりそうだけどな。 おまえの場合、なんとなく。 [視線を逸らしたその横顔をにやにやしながら眺める。 男に尻穴抉られて女みたいに扱われるより こんな事の方が恥ずかしいなんて 何だかちぐはぐで、面白くて。 握り返されることなく無防備な掌はそのまま餌食になり 指の股をいやらしい手付きで撫で摩られることになる。 特に他意はないのでその後 謎の指圧マッサージに変わったり 肩にずっしりしなだれかかったりしながら 彼が落ち着く迄特に何をするでもなく寄り添っていた。] (-33) 2020/10/28(Wed) 0:37:11 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司……あ。そうだ。 早く慣れるように呼びまくろうか、名前。 涼司、涼司くん、りょーじ。 [少し落ち着いたころに明らかにからかっている声色で 未だ呼び慣れない名前を繰り返す。 なんだこれ。ばかみたいだ。 そう思うのに 何でもないこの時間を無邪気に ちょっと楽しんでいる自分が居た*] (-34) 2020/10/28(Wed) 0:37:34 |
【念】 サラリーマン 葛西 聡−恋人にはなり得ない彼女− 「今度の彼女、嫉妬深いの。 プライベートの連絡先、全部消されちゃって」 [それはもう束縛の域ではないだろうか。 そう思ったが口を挟むのも馬鹿馬鹿しい位 脂下がった顔をしていたから放っておいた。 昼間のファストフード店なんて場違いな場所に 突然拉致されて途端にのろけが始まったので 適当に頼んだ珈琲が不味い。 何時ものインスタントよりは余程旨い筈なのに。 きっと顔が良いんだろうな。 彼女は女に対してはクソ程面食いだ。 俺の姉も身内贔屓抜きに顔だけは良い。 男は若さ以外拘らないので 姉とは似ても似つかない俺に声が掛かった訳だが] (!5) 2020/10/28(Wed) 0:39:27 |
【念】 サラリーマン 葛西 聡「だから、連絡がなければ上手くいってると思って。 祝福してくれるでしょ?」 [座席も絶妙な距離を保ったまま それだけ一方的に言われて別れた。 YESともNOとも俺は答えなかったが 特に答えなんて必要としていなかったようだ。 店の外で待ち伏せていた若そうな女と腕を組んで…… というより、引っ張られるようにして 雑踏に紛れて行くのを なんか犬みたいだと思いながら見送った。 ぼんやりと、自分の犬を思い浮かべて重ねてみたら さっき見たのと同じくらい脂下がった顔で 引き摺られる男の顔が想像できて、少しだけ笑った*] (!6) 2020/10/28(Wed) 0:42:06 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司─秋─ [他数名のキープも固定の彼氏ができたとかで この季節はこれだから嫌なんだよなぁと カレンダーを眺めてしみじみ思う。 クリスマス正月バレンタインホワイトデー辺りを 特定の男とそれなりの親密度で過ごしたいと 考える連中にこの季節、毎年軒並み振られる事になる。 まぁいいか。今年は暇潰しもあるし。 あいつもそういうの好きなんだろうか。 ケーキでも予約するべきだろうか。 けれど別に俺たちは現状恋人な訳でもなければ 誕生日を直接祝いに行く程度に親しい友人も 近くにいるようだし友人同士で集まるんだろうか。 二人で過ごすにしても、なにをすべきかわからない。 正直余の恋人共は何して過ごすんでしょうね。 聖夜はラブホが満室になる印象が強すぎて セックスくらいしか思い浮かばない。] (-35) 2020/10/28(Wed) 0:44:43 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司[こちらからクリスマスの予定を問えば、 まるで期待して誘っているみたいで きっと予定があってもキャンセルしてきそうだなぁと 想像してみたら、ちょっとにやけそうになる。 ちょっと、たのしい。 自分が最優先されるのは気持ちが良いものだ。 けどその代償が初めてのアナルセックスとなると 大分ハードルが高い。 特別な夜とか失敗できないとか そういうプレッシャーにそこそこ弱いのは しないための口実ではなく割と事実だという自覚があった。] (-36) 2020/10/28(Wed) 0:45:44 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司[なんにせよ、プレゼントくらいは、用意すべきだろうか。 そう考えた時 こいつの好みなんて何一つ知らないことに気付いた。 服の好みも、その他の趣味も、何もかも。 出せばなんでも拒まず食べるので 食べ物の好みも余り解っていない。 メインのおかずの希望に上がりやすいもの 程度の知識しかないんだと…… 黙々と晩飯の餃子を包みながらふと気づいた。 なお、これはリクエストではなく 珍しく俺が食べたいやつである。 一人でやると色んな意味で心が折れるので 混ぜるところから手伝わせている。 多めに作って冷凍しておく心算でせっせと手を動かす。 出来上がったら丸形の小ぶりなホットプレートで 二人分まとめて一気に焼く予定だ。 鍋をしようと衝動買いしてからこれまで 碌に使われてこなかった新品同然のそれが 久しぶりに日の目を見ることになるとおもうと感慨深い。] (-37) 2020/10/28(Wed) 0:49:51 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司 あした…。 冬物覗きに行こうとおもうんだが もし暇なら、一緒に行くか……? もし気に入ったのがあればマフラーと靴を新調したい 程度で、これといって目的もなく ぶらぶらひやかして歩くことになると思うが…… [普段使いの小物、くらいなら。 もし渡さないことになっても自分で使えばいいかなんて 襞を几帳面に折りたたみながら考える。 マフラーネクタイ辺りが頭に浮かんで まるでこいつに首輪を掛けたいみたいだと 気付いて、やめにした。*] (-38) 2020/10/28(Wed) 0:50:43 |
【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡[結局のところ、彼が以前言ったように さん付けで呼ぶのが癖になってしまっていた。 慣れてではなく、いつまでも呼び捨てに慣れなくてだが。 恥ずかしいのラインは超えていたのだけれど 年上を呼び捨てにするのがどうにもしっくりこない。 相手が学生時代に世話になった人だから尚更。 ちなみに昔に縁があった事は話していない。 あの頃、俺はあまり出来が良くなかったから思い出してほしくない。 俺達の微妙な関係は未だ均衡を保ったまま続いている。 このままでいいのかなと最近考える。 テレビではイルミネーションスポットの紹介だとか 冬のイベントに関する話題が多くなってきて、 行きつけのバーからはクリスマスパーティの案内が来た。 彼が何も言ってこない以上 好きな人が出来ただとか彼女を作りたいとか そう言った事はないだろうとは思ってはいるのだけど、 いつまでも俺が縛り付けていいのかと言う気もする。 彼を手放す気もないくせに 何でそんな事を考えるのかは自分でも分からない。] (-39) 2020/10/28(Wed) 2:24:31 |
【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡[幾分か良くなった手際で調理を手伝いながら クリスマスに時間がほしいっていつ伝えようか考える。 俺達は別に恋人でも何でもないわけで クリスマスに会う必要なんて一つもないんだけど、 世間が特別な日だと囃し立てるから そんな日を俺のために使って欲しいという俺の我儘だ。 別に何をしようってわけじゃない。 ただ彼の時間が欲しいだけ。他の誰かにやりたくないだけだ。 悩んでいるうちに彼の方から声をかけられた。] 行きます! [食い気味に答えたらがっついてると思われただろうか。 けど貴重なお外デートである。 しかも向こうからのお誘いである。食い気味にもなる。 しかもマフラーと靴を新調したいと来た。 俺は超能力者なのかも知れない。 すでに注文を済ませたクリスマスプレゼントを思い浮かべ 一人、笑みを隠せない顔で餃子作りに勤しむ。] (-40) 2020/10/28(Wed) 2:25:29 |
【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡[今まで男に贈ったプレゼントと言えば 身に着けられる物とか直接欲しいと言われた物ばかりで いざ彼に何か贈るとなると何も浮かばない。 俺は付き合ってないけど好きだと明言してる相手だ。 身に着ける物ってプレッシャーにならないだろうか。 彼氏面してる、みたいな感じにはなりはしないか。 考えれば考えるほど迷宮入りして 最終的には消耗品である靴のケアセットになった。 社会人として身だしなみは大事だし ボディクリーム系とは違って香りや肌質で合う合わないもない。 我ながらいいチョイスだったと思う。 まあ、渡す機会を作らなければならないわけですけど。 そして冒頭に戻る。] (-41) 2020/10/28(Wed) 2:25:57 |
【秘】 サラリーマン 御門 涼司 → サラリーマン 葛西 聡毎年賑やかですよねー。 …聡さんは。 クリスマスは彼女と家で過ごす派ですか? それともどこか遊びに行ったりしてました? [いきなり予定を聞く度胸はなかったので。 テレビでBGM代わりに流れるクリスマス特集に乗っかって 意識調査から始めてみる事にした。 毎年賑やかですよねとか付け足しておいたら 雑談の一つとして聞き出せただろうか。]* (-43) 2020/10/28(Wed) 2:26:51 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司[クリスマスに間に合わせる為ならある程度妥協して 自分を一番に選んでくれる男を優先すると 決めた女たちのように 別に好きな訳でもないけれど 俺を一番に選ぶ筈のこいつが居るから 俺も呑気にしていられる。 彼女たちに今その男が好きなのか聞いてもきっと 本音は、嫌いじゃない、くらいのものだろう。 不満が募ればきっと春に乗り換えて 夏には別な男を連れている。 そんな風に乗り捨てられる男だって今は 彼女たちの体に唯一触れる権利を与えられて それなりにいい思いをする訳で。 けれど俺の犬はない餌がぶら下がってると信じて ずっとまてをしてるんだよなって考えたら 実に気の毒になって来た。 形ばかりの好きの言葉を返すことは俺にとっては簡単で 何時だって縛ってやれるのに、それを望まれているだろうに 手綱を掴まず放し飼いが続いている。 こいつも他の男探せばいいのに。 そう思って自由にさせている。訳ではない。 縛り付けてもいないのに離れないのが気持ちいいだけだ。] (-48) 2020/10/28(Wed) 14:14:01 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司[一人分なら餃子なんて買って済ませる。 心が折れるからだ。 餡に混ぜる具材を刻む辺りで既に心が折れる。 けど作る方が野菜の割合を好みにできていいんだよな。 なんとなく肉多めの市販の餃子は脂が胃に重たい。 歳だな。世知辛い話だ。 後は任せていいやと脱線して 用意しておいた春巻きの皮に同じ餡を詰めて スティック状に巻いて行く。 後日ビールを飲みながら摘まむ用だ。 多い分の餃子同様これも冷凍して置く。 チューハイ片手にテレビを見ながらだらだらと 如何でもいい話をしつつひき肉を捏ねまわしてる。 家族でも友人でも恋人ですらない、男と。 なんだこれ、って偶に我に返るけど 案外居心地がいいからついまた考えることを放棄する。 何かしらの形に嵌めてしまう事が出来ずに 曖昧なまま曖昧に過ごしている。 こいつがそれを許すから。 惚れた弱みで甘やかされているんだろうか。 よくわからん。] (-49) 2020/10/28(Wed) 14:15:05 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司[口先ばかりで知ろうともしないから こいつのことなんてわからないことだらけだ。 俺と恋人になりたいにしては ただの弟分みたいな距離に落ち着いて 偶に気紛れに伸ばす手に馬鹿みたいにはしゃいでる この距離感が気に入っていた。 例えば家族みたいなもんだと例えてしまえば もう気紛れに触れることはできないし 友人と呼ぶにしてもそうだ。 だからといって恋人にしてしまえば 何もかもがが当たり前になってしまう気がして つまらない気がする。 大袈裟に浮かれるのを見るのが好きなんだよなぁと 気付いてはいるものの。 恋人になってしまって何もかも当たり前になっても 同じだけ喜ばせてやれるだけの熱量を 恋人に注げる気力と体力が俺にはない。 俺のことをすきな他人くらいの距離感が 一番都合がいいんだと思う。多分。] (-50) 2020/10/28(Wed) 14:15:32 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司[一緒に出掛けたいと自分から言い出したくせに 特に用事がないからか滅多に誘ってこないので こっちから誘ってみたらクソデカい返事が返って来た。 えっなに、声でか。 うるさっ。 怒鳴ったんじゃなくてテンションが上がっただけだと 理解するのに少し掛かって 何だそんなことでも浮かれるのかと 可笑しくなって、遅れて少し笑う] 涼はついでに寄りたいとこ、どっかねぇの? [何時まで経っても「聡さん」なあいつと違って 早々に呼び名に慣れてしまった俺は好き勝手に呼んでいる。 一文字削ったり、ちゃん付けしてからかってみたり。 けれど職場で無意識でもはきっちり 「御門くん」に戻れるのだから慣れって凄いと思う。 職場では別の生き物だと思って見ている節がある] (-51) 2020/10/28(Wed) 14:16:44 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司[出来上がってる分をホットプレートに並べてみたら もう入らなかったので焼き始めながら 余った分を冷凍保存用の袋に詰めていたら 今迄これっぽっちも興味がなさそうにしていた気がした テレビの話題に触れてきたから一瞬何の話か迷う。] ……実は敬虔な信徒でね。 イブは教会のミサに参加して 当日は家族で揃ってお祈りを捧げるんだ。 [急に始めた会社にいる時の雰囲気とノリで語れば 流石に完全に嘘だとわかるだろう。 からかうように一頻り笑ってから、とくになにも、と 困ったように笑って、面白みのない返事を返した] 近くなるまでは何かしようと思うのに いざ当日になったら何もかも面倒くさくなるというか… (-52) 2020/10/28(Wed) 14:17:00 |
【秘】 サラリーマン 葛西 聡 → サラリーマン 御門 涼司[おまえは?って聞き返そうとして一時停止。 しまった。やらかした気がする。 これではどこでどう過ごすにも誘い放題どころか 誘ってくれと言わんばかりではなかろうか。 友人と毎年パーティーをとかにしておけば 参加しない訳にも行かない雰囲気を醸せたのに 何を馬鹿正直に答えているんだろう完全にしくじった。 何なら逆にこいつが例年通り友人と過ごすパーティーに ご招待でもされたら一番厄介なんじゃないかと思い至る。 二人で過ごそうと誘われるなんてまだ生温かった。 あ、これは回避せねばならない。 いや?いっそついて行ってこいつの事好きなやつに 当日だけ押し付けてくるか?それはそれでありなのか? 思わず真剣に考えこんでしまった違和感を誤魔化すべく 今年こそはケーキとチキンくらいは買おうか、 なんてぽつりとぼやいて 凄くどうでもいいことを真剣に悩んだ振りをしておいた。*] (-53) 2020/10/28(Wed) 14:18:00 |
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