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【人】 水分神[村を見下ろす山の頂。 澄んだ湖の中心にぽつりと浮かぶように 大きな屋敷が構えられている。 山の神、そして水の分配を司る神として 信仰されている種族が 人の世で過ごす際に棲まう家だ。 姿形はヒトに良く似ているが ヒトではない。 彼らは人々から ミズガミさま、ミクマリさまと呼ばれた。*] (2) 2021/06/15(Tue) 9:34:05 |
【人】 水分神── 山頂の屋敷、上段の間 ── [脇息に右肘を置き、頬杖をつきて にたにたと笑みを浮かべ 下段の間にいるものを見下ろす女が居る。 真紅の瞳を悪戯に煌めかせ 艶やかな紫の長き髪を背中に流し 足を崩して座り 着物の裾から覗かせるは裸足。 ────此れが、妾の姿じゃ。] 今年輿入れされてきたのはお主じゃな くく。何を呆っとしておる 近う寄って顔を見せよ [ふりるのたっぷりあしらわれた袖を ゆったり、優雅に動かし 細く長い手指に波を打たせ近寄るよう促した。] (64) 2021/06/16(Wed) 0:30:58 |
【人】 水分神[近づいてきたなら、顔へと手を伸ばす。 察して屈むならば良し。 察せぬなら「屈め」と一言。 遠慮なしにぺたぺた、触れながら検めよう。 そうして大きくつぶらな瞳を持つ 中々、可愛い顔立ちの美男だと判れば。 ……詰まらぬが、そうであろうと納得する。] ふむ。及第点、と言ったところじゃな よもや不細工を寄越すとは 思っておらぬが [先祖どもが古に結びし約束ごとがある。 ヒトの子を娶る代わりに 彼らヒト族に手出しをせぬという まっこと、下らぬ────約束が。] (65) 2021/06/16(Wed) 0:31:02 |
【人】 水分神[いつの時代も 人の世に存する水分神は独りだけ。 数百年の務めを果たし元の世へ還った先代と 入れ替わりに妾が其の任を継いでからは 村から男を捧げられるたびに やれ顔が好みでないだの 家事がまともに出来ぬだのと 難癖をつけては追い返してきていた。 何年も拒み続けているゆえ 人間どももそう簡単には 下手を打たなくなってきておるということじゃな。] (66) 2021/06/16(Wed) 0:33:58 |
【人】 水分神[じゃが、この男も必ず追い返してやる。 妾は、村がまともな婿を 差し出せなかったことを理由に 今日まで続いてきた約束を反故とし 近隣の村を落とす算段じゃ。 そうして、妾は────…。 ]前の男は直ぐに逃げ出してのう 屋敷の中がすっかり荒れておる 早速、綺麗にせよ [顔から手を下ろすと 来たばかりの男に 名を訊ねることもなしにそう命じた。 識る必要性を感じておらぬ。 保って数ヶ月、否、数日の関係じゃ。] (67) 2021/06/16(Wed) 0:34:13 |
【人】 水分神[屋敷は広い。 床には埃が溜まっており あっちへ行き、こっちへ行き 気まぐれに書き物(人間には読めぬ文字じゃ)や お絵かき(お花とかちょうちょとかな)をしては 紙と道具を片付けぬまま 放置してある部屋が幾つもある。 筆や硯はかぴかぴに固まってるだろう。 食い散らかした菓子の袋や粉も そこら中に落ちておる。 かみさまぱわーで屋敷の中に アリンコが湧くことはないがの。 全て綺麗にするまで一体何日かかるやら。 ────否、その前にも逃げ出すだろうか?] (68) 2021/06/16(Wed) 0:34:38 |
水分神は、メモを貼った。 (a11) 2021/06/16(Wed) 8:55:18 |
【人】 水分神[妾に食事は必要ない。 故に暇つぶしでしかないが 瑞々しい果実や甘い菓子は美味しく ほどほどに気を紛らわせてくれるので まあまあすきじゃ。 水ではない水は匂いにクラッとし 白い塊は硬い 葉っぱは苦いからすきじゃない。 一体何のために寄越すんじゃろうな? 先代は人間を大切にしていたから この屋敷には人間の家と同様の厨房は存在する。 そして、何人かの婿がそこで何かを調理して 妾に差し出してきたことがあるが 妾は終ぞ口にしてこなかった。 ────何か熱そうなんじゃもん。 果実と菓子の包みだけを 拾い上げ両腕で抱え込むと 未だ汚しておらぬ部屋へ移り ごろごろし始めた。] (114) 2021/06/16(Wed) 10:30:15 |
【人】 水分神[何も、妾のおる部屋に来ずとも 他の部屋から片付ければ良いのに。 そう思いつつ、意地悪な顔で笑う。 果物の皮を細い指先で剥けば 男に掃除され綺麗になったばかりの空間へ ぽいと投げた。 妾は、にたにたしながら次の果実を頬張る。 甘酸っぱくて、うんまいのう。] (117) 2021/06/16(Wed) 10:31:00 |
【人】 水分神[ぽいぽいぽいぽい。 菓子の包み紙や果物のごみを次々捨てるが それらも文句なしに回収されてしまう。 ふむ、中々手際が良いな……って 感心などしておらぬからな、断じて!] (119) 2021/06/16(Wed) 10:31:26 |
【人】 水分神[狙いは妾の菓子か? 果物か?] ……っやらぬからな! [ぷい、と顔を逸らすと 周りに散乱していた菓子たちをかき集め 再び抱え込んで部屋を出ていく。 襖は足で開け放した。 行儀? なんじゃそれは美味いのか?] (121) 2021/06/16(Wed) 10:31:56 |
【人】 水分神……む? ……むむ? む? [そうして屋敷の中を走っていると 違和感、違和感……のちに、気づいた。] な、んなななな……! 屋敷の中が綺麗になっておる……! ここも……、ここも……?! [もしや妾の寝ていた部屋以外すべてか? 否そんなまさか、と呟きながら走り回り その通りであったと確信してしまえば戦慄した。] (122) 2021/06/16(Wed) 10:32:07 |
【人】 水分神いやいや、幾らなんでも早すぎる……どれ [ジューバコの隅をつんつんしてやろう。 余談じゃが妾はおせちの甘い具が好きじゃ。 木製の窓枠を指でつーっとしてみる。 ……が、期待に外れ、埃はつかなかった。 よぅく掃除が行き届いておる。] (123) 2021/06/16(Wed) 10:32:27 |
【人】 水分神ぐぬぬぬぬ…… [どうやら、今回のは特に手強そうじゃ。 妾の好物の供物に手を出そうとするほど 肝が据わっとるようじゃし。 ……あ、葉っぱと白い塊は要らんから どーなろうと知ったこっちゃないぞ。] (124) 2021/06/16(Wed) 10:32:44 |
【人】 水分神(どうしてくれようかの……) [上段の間に戻りて 菓子をぼりぼりとつまみながら 彼是策を巡らせる。 不機嫌さを隠さぬ姿があった。**] (125) 2021/06/16(Wed) 10:32:54 |
【人】 水分神[……しかし。] (良い匂いではあるのう……) [妾の意思に反して、 鼻が独りでにすんすんと匂いを嗅いでおる。 直ぐ目を逸らしたが、黄色とか緑とか、 きれいな色合いじゃった気もするし……。 ちらりと、皿の上を確認した。*] (210) 2021/06/17(Thu) 0:54:08 |
【人】 水分神……う? [何やら、匙に息を吹きかけはじめた。 湯気の量が立ち所に減り 良い香りが強く舞い込んでくる。 程よく冷まされた匙が差し出されれば 男の顔と匙の間、視線を行き来させた。] (218) 2021/06/17(Thu) 9:40:37 |
【人】 水分神[向けられるは、優しげな眼差し。 なんじゃか胸の辺りがきゅうってした。 なんじゃ?] ……ふ、ふん。そこまで言うなら 食ってやらんこともない [何も言われてはいまいが、ほれ。 目は口ほどになんとやらじゃ。 妾は人間どものことわざも少し知っとるぞ。えっへん!] (219) 2021/06/17(Thu) 9:40:48 |
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