【秘】 夜の一族 チャンドラ → 逃亡者 ポルクス/* こちら襲撃ロールが終わりました。 いつでも起きられますが、就寝前ロールが終わるまでは起きずにいた方がいいですね? 解熱剤のお陰で元気なのでいつでもどうぞ! (-108) 2021/10/22(Fri) 12:40:02 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 夜の一族 チャンドラ「気にしなくていい、それよりも体調はどう?」 付き添うようにして訪れたチャンドラの部屋は、余り物を置かない自分の部屋よりよほど生活感があって好ましい。 ベッドの脇に置いてある物を見やり、懐かしそうに目を細めた。 「俺も子供の頃作ったな。 塔にいる兄にどうにか連絡を取りたかったんだ」 と、そう言って紙飛行機を手にとっただろう。 /* 遅くなってごめんなさい、無理はしないでいいのよ。 体調第一にしてちょうだいね。 (-131) 2021/10/22(Fri) 16:12:21 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 逃亡者 ポルクス「ええ、わたしも久しぶりに作ったの。 あなたと同じで、こどもの頃はよく作ったんだけどね」 ベッドに横になる前に、わたしは机の上の籠を手に取った。 中にはベーグルとマフィンが入っている。 部屋に戻るのにもお弁当が必要な身の上なの。 「……双子、と言っていたわね。 なかなか会うことは、できなかったの?」 /* Thank you… きちんと仮眠しながらやるから大丈夫よ! よろしくお願いするわね! (-137) 2021/10/22(Fri) 17:05:37 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 逃亡者 ポルクス「体調は、この通り。 さっきまでよりずっと元気よ」 ベーグルを手にとって食べてみせる。 さっきまで食べる気の起きなかった冷たいもの。 まだ寒いけど、空腹と重なった頃に比べればいくらも元気よ。 (-140) 2021/10/22(Fri) 17:33:18 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 夜の一族 チャンドラ「あぁ。 双子はどちらかが強力な力を持って生まれる事がある。 俺の場合は……兄が死者に影響を与える力を持って生まれてしまってね……周りから忌み嫌われてしまった。代わりに特になんの力もない俺を、神の子なんていって。 兄はあまり人と接触しないように閉じ込められて育ってたけれど、双子の神秘ってあるだろう……? 俺達はお互いに半身の気配を感じながら育ったんだ」 だからどうにか兄に自分を見てほしくて、幼い頃をは色んな事をやった。 紙飛行機はその中の一つだ。 「こっちの宝石はなにか意味があるのかな?」 紙飛行機を元の場所に置くと、そばにある宝石に目を移した。 (-145) 2021/10/22(Fri) 18:57:18 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 逃亡者 ポルクス「死者に……? それで、閉じ込められてしまうなんて。 今もお兄さんは、閉じ込められたままなのかしら」 ベーグルを食べてしまったら、ご馳走様とわたしは手を合わせる。 「それはね、貰ったの。 翠色は私の分。朱色の方は、とても綺麗だったから」 紙飛行機を飛ばして競争をした、そのときに使った物。 マーカー代わりに地面に置いたものを、幾つか貰ったの、とわたしは説明をした。 「とても楽しかったから、思い出の品ね」 (-147) 2021/10/22(Fri) 19:18:18 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 夜の一族 チャンドラ「いいや? 兄は国を出たよ。国を、親を、俺を恨んで、呪って。 ”愛しい俺の半身、憎んで、愛してるからお前を殺す” って言ってね」笑う顔に狂気が滲む。 双子の心はとっくの昔に壊れていた。 「初めて愛をもらったんだ。 俺は嬉しくて、兄を愛してるから、永遠に兄から逃げ続ける。そういう道を選んだんだよ。 兄の殺気は、俺に対する愛 だった」だけど消えてしまった兄の狂気。 ほんの少しだけこの館に残り香を感じたけれど、兄はここには居やしない。 もう、きっと永遠に、兄は俺を殺しには来ない。 「だから俺は……俺を殺してくれる人を探してるんだ」 へぇ、楽しく遊べたんだ。 よかったねと笑う顔もどこかがきっと壊れている。 もう元には戻らない⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤ (-148) 2021/10/22(Fri) 19:36:14 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 逃亡者 ポルクス「殺す……?」 わたしにその言葉はとても唐突に聞こえた。 驚きを隠せない。 「それは、愛されたいと、そういうこと? その人が、あなたを殺してくれる人じゃなかったら、あなたはどうするの? ポルクス」 愛ならわたしも知っている。 わたしは家族を愛している。月を愛している。夜を愛している。 でもそのどれも、殺してやりたい、壊してやりたいなんて思わない。 (-149) 2021/10/22(Fri) 19:47:27 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 夜の一族 チャンドラ「愛と殺意が同じになれる人はきっと奇特な存在だ。 恨みを、憎しみをもってもらえるように振る舞ってみたけれど、なかなか同じようにはならなかったよ」 自嘲気味に吐き捨て、あなたが横になっているベッドに腰を掛けた。 自分たちの愛が異常であることくらいはちゃんとわかっている。 「俺は君を気に入ってるよ。 一目惚れという言葉がこれほど合う感情はないと思う。 最初は君に殺しに来てもらいたいと思っていたし、……今も心のどこかでそれを願ってる」 そっと手を伸ばし、先程より温かみが増した頬に触れ。 「けれど……。 ……憎しみを抱いてもらえるほど酷いことを、俺は君にできそうもないんだ」 (-156) 2021/10/22(Fri) 20:21:48 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 逃亡者 ポルクス「ポルクス……?」 一目惚れ、と言われた。 あなたの手があたたかいことを今は感じることができる。 わたしは驚いて、あなたの瞳を見つめた。 「……ごめんなさい。わたしは、あなたを殺せない。 一族の掟でもあるの」 わたしたちと昼の民は睨み合っている。 わたしたちの手で昼の民を殺したとなれば、その睨み合いは終わってしまうかもしれない。 「でも、それだけじゃないわ。 ……どんなに酷い目にあったとしても、そう思う日が来るように思えないのよ」 お父様には甘いと言われる考え方。 わたしはその考え方を、変えられるような気がしない。 あなたの望みは叶わない。 だからわたしは、ゆるく目を伏せた。 (-160) 2021/10/22(Fri) 20:45:50 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 夜の一族 チャンドラ「……うん。 君はそういう子だ、昨日、今日と話していてよくわかった」 自分の望みが叶わないことも。 「俺と兄は二人で生まれてくるべきじゃなかったんだ。 最初から一人であれば、きっとこんなことにはならなかった。 どんなに憧れても、どんなに愛しても、俺は兄に手が届かなかった…… 俺が昼だったなら、兄はきっと夜だったんだ」 だから、きっと。 あなたもまた夜だから。 「……俺がどれほど手を伸ばしても、君に届くことはないのだと思う」 (-165) 2021/10/22(Fri) 21:07:33 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 逃亡者 ポルクスごめんなさい、とまたわたしは呟く。 昼と夜は分かたれている。 あなたとあなたのお兄さんが、分かたれていたように。 月はとても高い、寒いところにある。 月に手を伸ばしても触れることは叶わない。 それは月が、触れる相手を選んでいるからだとわたしたちは考える。 わたしも、おなじ。 ただ手を伸ばして触れるだけなら簡単かもしれない。 でもわたしが伸ばし返せる手は、ひとつだけ。 あなたの望みは叶わない。 それならわたしは、あなたの手を取らない方がいいのでしょう。 「それでもわたしは、あなたに会えて嬉しかったわ。ポルクス」 最初からひとりだったら、会うことはなかったのでしょう? あなたにとってお兄さんがどれほど大きな存在でも、わたしにとってはあなたはひとりだけ。 その気持ちだけは、どうか伝えさせて。 (-166) 2021/10/22(Fri) 21:26:10 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 夜の一族 チャンドラ「ありがとう」 そう言ってもらえるのは嬉しい。 だけど考えてた事がある。 双子のうちどちらかが優れ、どちらかが残り滓であるならば、兄のほうが優秀な力を持って生まれたのは間違いない。 本来受けるべきだった親愛を昼の光を奪い取って生きてきた報いはきっと受けなければならない。 だからこそ、殺される事を望み兄に対する愛とした。 それこそが、光を兄に返し一つの魂となる道だと。 俺は勝手に信じている。 「……さぁ、ゆっくり眠るといい。 夢の中は君が自由を得る夜のはずだから」 (-169) 2021/10/22(Fri) 21:52:56 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 逃亡者 ポルクス「ええ。……どうかあなたも休んで。 長らく、付き合わせてしまったから」 それにわたしは、まだこの部屋にひとりでいれそうにない。 今も唇に、あの冷たさが残っているような気がして。 だから部屋を出るようになんて、あなたには言えなかった。 「おやすみなさい、ポルクス」 そうして目を閉じると、すぐに寝息が聞こえてくる。 昼はわたしたちにとって眠る時間。 館の時間は、いつだって昼。 そうしてわたしは夢を見た。 月に触れようと、月を目指して半ばで寒さに負けてしまう。 寒さは、孤独だと、夢の中でそう思った。 (-172) 2021/10/22(Fri) 22:08:45 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 夜の一族 チャンドラ── ──── ────── あなたが眠るまでそっと見守った。 寝息が聞こえてくると目を閉じて、その息遣いをしっかりと刻み込んでいく。 この館にいる限り、あなたに温もりがないならば。 俺の温もりを、すべて、あなたに。 目覚めたあなたに温もりがありますように。 もう一度頬をなでそう念じた。 神隠しに逢えるというならば、俺を連れて行くといい。 そして俺という魂を、どうか。 「兄さん……あなたは愛を、みつけましたか?」 何かが足りないと言うならば。 あなたに俺を捧げよう。 そうしてポルクスという青年もまた、意識を手放した──── (-173) 2021/10/22(Fri) 22:24:00 |
ポルクスは、そこに居ない。 (c24) 2021/10/22(Fri) 22:24:35 |
ポルクスは、どこにも。誰の目にも届かない。 (c25) 2021/10/22(Fri) 22:24:57 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 逃亡者 ポルクス/* ありがとう! 目を覚まそうと思うのだけど、あなたは変わらず隣にいるかしら? それを聞いておかないとと思って………… (-174) 2021/10/22(Fri) 22:32:13 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 探偵 キエ────ポルクスは夢を見ている。 双子の兄と一つになる夢を。 『俺と兄は二人で生まれてくるべきじゃなかったんだ。 最初から一人であれば、きっとこんなことにはならなかった。 どんなに憧れても、どんなに愛しても、俺は兄に手が届かなかった…… 俺が昼だったなら、兄はきっと夜だったんだ』 双子のうちどちらかが優れ、どちらかが残り滓であるならば、兄のほうが優秀な力を持って生まれたのは間違いない。 本来受けるべきだった親愛を昼の光を奪い取って生きてきた報いはきっと受けなければならない。 だからこそ、殺される事を望み兄に対する愛とした。 それこそが、光を兄に返し一つの魂となる道だと。 俺は勝手に信じている。 俺の魂を兄に返せるなら、俺の温もりを彼女に渡せるなら。 俺という存在は、なくて構わない。 (-175) 2021/10/22(Fri) 22:32:46 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 夜の一族 チャンドラ/* こちらこそ最後までありがとう! 墓下で目を覚ましたとき、ポルクスの姿はないわ。 あなたに温もりだけを残していることでしょう。 探す探さないはあなたの自由ってことでよろしくお願いするわね。 (-176) 2021/10/22(Fri) 22:34:56 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 逃亡者 ポルクス/* やっぱりいないのね……… 分かったわ、探せるかは流れ次第でわからないけど、一先ず起きるわね。 ありがとう、ポルクス…… (-178) 2021/10/22(Fri) 22:41:48 |
【秘】 探偵 キエ → 逃亡者 ポルクス「おや、誰かと思えばポルクス君か。さてさて僕の声が聞こえるかなァ…? ま、先ずは遊覧としようかね」 果たしてポルクスが今何処を見ているのか、何処に居るのか、何を思うのか。キエは其れを覗く事にした。 遠くから樫で造られた一隻の船がやって来る。山羊の頭蓋を模した船首が人語を発した。 声も姿も全く似つかないが、聞こえたのならば何故だかキエだとわかる筈だ。 「……自らを定め行動に移す君は矢張り賢者だねェ。報いを欲する気持ちはよく判らないが其処は君も人間という事か。奉仕と呼べば聞こえは良いけれど」 たとえポルクスが魂だけになっていたとしてもキエは見つけ出す。 此処は夢なのだから。 ポルクスという意識の傍で船は漂っている。 (-179) 2021/10/22(Fri) 23:40:50 |
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