【秘】 パイ焼き ゲイザー → よいが来ない ミズガネ口付けを落とされるたびに、 緊張でぎゅっと閉じられた瞼が震える。 肩が跳ねる。未通娘なのは見ての通り。 それでも寒空にあてられたかのような── 或いは死体のようなその指先を、唇を、受け入れる。 慈しむような仕草に、親愛が感じられて。 まるで普通の恋人みたいに。 ちいさな決意を胸に、寝台に向かおうとしたところで。 「ミズガネさん……っ? はい、それはあたしが用意した ワイ ⇒ (-95) 2021/10/20(Wed) 8:07:02 |
【秘】 パイ焼き ゲイザー → よいが来ない ミズガネ「…………」 ゲイザーの形をしたそいつは、掌を握り、開き、動作を確かめて。 それからあなたを寝台に無理やり押し倒した。 制御の利かないあなたの身体は、 小娘ひとりでだってそれが為せる。 足を開く品のない仕草であなたの腰の上に座りながら、 そいつは口端を持ち上げた。 「よォXXX野郎。 成年にも満たぬ女を抱くときの気持ちはどうだ? 勃ったか。……あァいや、睡眠薬のせいで萎えちまってるわ。 ギャハハハハハハハハハハハ!!」 ⇒ (-96) 2021/10/20(Wed) 8:08:30 |
【秘】 パイ焼き ゲイザー → よいが来ない ミズガネあなたが言葉通り”重い”口を動かす前に、そいつは言葉を続ける。 その仕草も。声色も。性根も。全てが悪意に満ちていた。 ドジだけどお人好しで、朗らかで、 曰く一生懸命なゲイザーとは全部が違う。 ──『二重人格』。 ジキルとハイドのように、分裂したパーソナリティ。 それがこの瞬間、切り替わったのだ。 「紹介が遅れたな。 オレは殺す人間にもちゃァんと名前を告げる。 今から自分を殺す人間の顔を覚えてもらうために」 扇情的な仕草で、スカートの内側からナイフを取り出す。 ……血がこびりついている。誰かを殺したそれ。 その鼻先にナイフを突きつける。時間経過した血の匂い。 「オレは『リーパー』! 所謂殺人鬼だ。 なァ死ねよオマエ。恨みはないが死ね。面白そうだから死ね!」 (-98) 2021/10/20(Wed) 8:26:24 |
パイ焼き ゲイザー(匿名)は、メモを貼った。 2021/10/20(Wed) 8:32:10 |
【赤】 パイ焼き ゲイザーこれは、ミズガネを殺害した後のこと。 地の底に堕ちたミズガネの慟哭はゲイザーの耳に入った。 悦に入った声色で、あなたに通信が入る。 リーパーに割り振られた役割には、 ”神隠し”された人間の声が届く。 だって、殺した後の怨嗟の声が聞こえなきゃ損だろう! 「ギャハハハハハハ、あっは、ああ笑えた。 あァ? 何だかよく分からねえが、 ゲイザーの野郎をブッ飛ばせるなら何でもいい」 提案には肯定。冗談には、こう付け足される。 「ハッ! 要らねェよ。 オレは女は好きだが、オマエは女だろうと絶対勃たねェ。 可愛げもねェし、何より気色悪ィからな!」 そうして、暫しの後。 リーパーは裏庭へと向かうのだろう。 (*1) 2021/10/20(Wed) 9:27:57 |
ゲイザーは、二人目の犠牲者が出た後。キエの元へと訪れる。 (a16) 2021/10/20(Wed) 9:29:13 |
【秘】 パイ焼き ゲイザー → 探偵 キエ裏庭。四季の花が狂い咲く。 ゲイザーはそのひとつひとつに見惚れながら、 ”あれ? あたし、どうしてここに来たんだっけ” キエの姿を見つけた。 「あっ、キエさん! こんなところで ど 「──よ〜ォ、キエ。 まずは、だ。何が何だかわからないから、簡潔に説明しろ」 リーパーの人格が表出する。口が悪ければ頭も悪い。 (-102) 2021/10/20(Wed) 9:33:43 |
【秘】 探偵 キエ → パイ焼き ゲイザーキエは太い木の根に腰を下ろしている。 「君が何に疑問を抱いているのか予想して答えよう。 先ずは“館の主に目を付けられた”の処かな? 此れは簡単、言葉通りだ。今思えばまァ…心当たりはあるんだよねェ。夜空にしたのは不味かったかな。つまり目立ちすぎたのさ」 「次点でリソースの方かなァ。こっちも簡単で 4年分の夢を記憶ごと提供してくれた者がいた (-103) 2021/10/20(Wed) 9:48:58 |
【秘】 パイ焼き ゲイザー → 探偵 キエ小鳥が鳴いている。穏やかな情景。 交わされるのは常軌を逸した言葉たち。 「ギャハ、だろうな。オマエ色々ヤッてるそうじゃねェか。 ……そういやあの夜空、どういう仕組みになってるんだ? コイツは夢を喰らうから……んー、めんどくさ! いいや」 関係がないことだったので、すぐに思考を切り替えた。 「……へェ。酔狂なやつもいたもんだねェ。 だがオレにとっては僥倖だ。丁度いい、それで?」 あなたの話の続きを促す。 リーパーにとって、あなたは未知数の存在だ。 必要な手順も行動も、リーパーにとっては未だ雲の中なのである。 (-104) 2021/10/20(Wed) 9:56:38 |
【秘】 探偵 キエ → パイ焼き ゲイザー「詳しい手順を説明しようか。 君には夢を見てもらう。僕に食べて欲しいゲイザー君をゲイザーたらしめる部分の夢だ。まァ君達にとっては思い出を振り返る様なものだろうね。 其れを僕が丸ごと…記憶ごと喰らう。そうすれば身体の主導権を握れる程度には“ゲイザー”という人格は力を失う筈さ」 キエは悪夢の誘いを広げた。 「しかし此の芸当は本来今の僕にできない事なんだ。“誰かの夢”でも消費しない限りね?」 /* 折角ですしミズガネさんから見える場所(狼の囁き)で記憶を奪うやり取りをしてみませんか? (-105) 2021/10/20(Wed) 10:15:33 |
【秘】 パイ焼き ゲイザー → 探偵 キエ「ハ、あくまでも凡夫ぶるつもりかよ」 本来は出来ない。それは事実でもあるのだろうが。 リーパーはあなたを、爪を隠す鷹── 或いは、人間ぶる怪物だと思っている。 「しかし、夢、夢ねェ……。チッ。クソボケが。 ま、これも神サマが与えてくれた試練ってか!」 想い出。それが何を意味するのか。 リーパーは苛立った様子で、木の幹を蹴る。 やがて観念したように、緩く笑った。 普段の歪な笑みのどれとも違う、諦観に似た笑み。 「ヨロシク。美味しく食べてくれよ、とびきりの悪夢を」 一歩、二歩。リーパーはまるで抱擁を受けるように、 キエへと近づく──。 /*最高最高最高 そうしましょう! (-109) 2021/10/20(Wed) 10:41:27 |
【秘】 よいが来ない ミズガネ → パイ焼き ゲイザー「なッ……ぅ、ぐ……ッ!?」 今度こそ視界が大きく回る。反転する。もう抵抗一つ出来やしない。 跨られる。違和感。 笑みを浮かべられる。違和感。 その嘲笑を聞く。違和感。 その仕草も。声色も。性根も。全てが悪意に満ちていて、まるきり別人のようで。 ああ……違う。別人だ、きっと。 お前、ゲイザーをどこにやったんだ。 あの娘が演技だとかこんな器用な真似、できる筈がない。 あの子を、返せ。 叫び出したいのに、自分の体は言うことを聞いてくれない。 ▽ (-110) 2021/10/20(Wed) 10:46:51 |
【秘】 よいが来ない ミズガネ → パイ焼き ゲイザー鼻先にナイフが突きつけられてようやく理解した。 死が目の前にある。本物だ。本物の死が自分を連れ去りにやってきた。 「ひ……、や、だ……いやだ、いやだ、いやだ……ッ!」 頭も振ることすら億劫だけど、押し返す為の手すらも動かないから代わりに揺らして抵抗する意思を見せる。 神隠しなんて最早どうでもいい。ポルターガイストだって構うまい。 今この眼前にある死を、死神を、誰か遠ざけてくれないか! 「お前っ、何が……望みなんだ……いや、だ……死にたくない……何でもする、何でもする、からぁ……だから、だからっ、助、けて…………!」 恥もプライドも何もかも、捨てられるものは全て捨てて。 懇願する。薬が回り舌をもつれさせながら、男は無様に命乞いを繰り返した。 (-111) 2021/10/20(Wed) 10:47:26 |
【秘】 パイ焼き ゲイザー → よいが来ない ミズガネ「ハハ。おいおい、動くなよ」 そいつは薄ら笑いを浮かべた。 広間にいる時より少し軽装でいたのはきっとあなたの悪運だ。 前戯みたいにシャツのボタンを外せば、 愛撫みたいに腹の筋を撫でて、ナイフを立てる。 あなたの心の叫びなんか、聞くやつはいない。 「何が望み? 決まってる。 オマエの……そう! その顔! クソダサくて絶望に満ちたその言葉! そういうやつがもっと聞きたい!」 その顔には喜悦が満ちている。 そう。今ここに、ゲイザーはどこにもいない。 それはきっと幸運だ。 「だから、出来るだけ長く生きてくれ。 生きたまま命乞いを垂れ流せ」 (-113) 2021/10/20(Wed) 11:08:34 |
【秘】 パイ焼き ゲイザー → よいが来ない ミズガネ冷淡に、残忍に。 あなたの尊厳をぐちゃぐちゃにする。 好意を。親切を、命乞いを、懇願を、すべて唾棄する。 「なァ、オマエさ。 16の芋女すら抱くなんて、どんだけ節操無しなんだよ。 そんなに人恋しかったのか? ギャハハ」 ゆっくりとナイフを腹に押し当てる。 答えてくれたなら、ほんの少しだけ長く 生き長らえることができるかも。 (-114) 2021/10/20(Wed) 11:09:13 |
【秘】 探偵 キエ → パイ焼き ゲイザー/* ソロール的なものを夢として赤窓へ出して頂ければ、それを食べるロールをします。 恐らく長くなるでしょうし、キエの反応がほしい場所などで分割しても大丈夫です。その辺りはお任せします。 (-123) 2021/10/20(Wed) 11:44:14 |
【赤】 パイ焼き ゲイザーふたりは夢を見た。 ゲイザーは郊外の出身である。 ある時、都会的な少女がひとり越してきた。 彼女は閉鎖的な環境ながらも見事に馴染み、 その洗練された風体から皆の憧れとなった。 ゲイザーも憧れるその一人だった。 彼女を喜ばせたくて、誕生日パーティに手作りのパイを贈った。 ゲイザーはべつに彼女の友達ではなかったけど、 彼女と仲良しのみんなで食べてくれたらうれしいと贈った。 けれどグズでノロマなゲイザーの手作りパイなどダサいので、 翌朝捨てられていた。 ゲイザーは泣くばかりだ。 だから代わりにもう一人のお友達が怒っていた。 『ひっく。ぐすん。あたし、かなしい。かなしいよ』 『なんだそいつ! お高く留まりやがって。 オレがブッ殺してやる!』 ⇒ (*4) 2021/10/20(Wed) 11:52:40 |
【赤】 パイ焼き ゲイザーゲイザーはそれから暫く、パイが焼けなくなった。 ゲイザーはパイを焼くのが好きだったので、ママに相談した。 「かわいそうに。ひどいわね。 でも、叱ってはいいけど怒ってはだめ。 それはきっとあなたの為にならないわ」 「辛いなら、誰もが目を見張るほど おいしいパイを焼けるようになりなさい。 誰もが憧れるほど素敵な、心優しいひとになりなさい」 「あなたは頑張り屋さんだから。 きっといつか、あなたの努力を認めてくれる人がいる」 ゲイザーはそのように生きることにした。 こうして、今のゲイザーは生まれた。 (*5) 2021/10/20(Wed) 11:55:06 |
【赤】 パイ焼き ゲイザー「…………」 「終わりだよ」 耳をふさがれているから何も聞こえない。 「ほら、早く殺せよ、そいつ」 「オレの居場所作ってくれよ」 (*6) 2021/10/20(Wed) 11:58:02 |
【秘】 よいが来ない ミズガネ → パイ焼き ゲイザー外気に晒された肌が震える。けれど体の震えの原因はきっとそれだけでは無いはずだ。 「やだ、やだっ、ぃ、やめ、やめろ、やめて……どうして、どうして僕が、こんな…………ッ」 体は動かない。頭もろくに回らない。睡眠薬に引き摺られるままにさっさと意識を手放してしまえばいったいどれ程よかった事だろう。 それでも未だ男が起き続けているのは、死の淵に立たされた恐怖に心が締め上げられているからだ。命の危機を感じ取った心が眠ったら終わりだと必死に叫びを上げている。 それが救いになるどころかかえって己を苦しめる要因になっているかもしれないのに。 「……っ、そう、だよ……人恋しかったから、断られにくい下女に声をかけていたんだ……抱かれるのが、嫌だったのか……? それなら謝る、謝る、から……もう手は出さない、約束するから……もうやめてくれよ……ッ!」 腹にぴたりと添えられた刃物にばかり目を奪われる。この後起きるだろう出来事を嫌でも想像してしまう。 体の震えが止まらない。エメラルドグリーンの瞳にはどんどん透明な怯えが満たされていく。 (-126) 2021/10/20(Wed) 12:03:22 |
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