死神 ゲイザー(匿名)は、メモを貼った。 2021/10/22(Fri) 17:37:57 |
【置】 死神 ゲイザー【ソロール】 いつかの中庭で、 ふたりは夢を見た。 ゲイザーは郊外の出身である。 ある時、都会的な少女がひとり越してきた。 彼女は閉鎖的な環境ながらも見事に馴染み、 その洗練された風体から皆の憧れとなった。 ゲイザーも憧れるその一人だった。 彼女を喜ばせたくて、誕生日パーティに手作りのパイを贈った。 ゲイザーはべつに彼女の友達ではなかったけど、 彼女と仲良しのみんなで食べてくれたらうれしいと贈った。 けれどグズでノロマなゲイザーの手作りパイなどダサいので、 翌朝捨てられていた。 ゲイザーは泣くばかりだ。 だから代わりに彼女の頭の中の、 もう一人のお友達が怒っていた。 『ひっく。ぐすん。あたし、かなしい。かなしいよ』 『なんだそいつ! お高く留まりやがって。 オレがブッ殺してやる!』 (L1) 2021/10/22(Fri) 17:39:30 公開: 2021/10/22(Fri) 17:40:00 |
【置】 死神 ゲイザーゲイザーはそれから暫く、パイが焼けなくなった。 ゲイザーはパイを焼くのが好きだったので、ママに相談した。 「かわいそうに。ひどいわね。 でも、叱ってはいいけど怒ってはだめ。 それはきっとあなたの為にならないわ」 「辛いなら、誰もが目を見張るほど おいしいパイを焼けるようになりなさい。 誰もが憧れるほど素敵な、心優しいひとになりなさい」 「あなたは頑張り屋さんだから。 きっといつか、あなたの努力を認めてくれる人がいる」 ゲイザーはそのように生きることにした。 こうして、今のゲイザーは生まれた。 (L2) 2021/10/22(Fri) 17:39:47 公開: 2021/10/22(Fri) 17:40:00 |
【人】 死神 ゲイザー【ソロール】 幼いゲイザーは気弱で、 怒りや恨みを発散する術を持たなかった。 いつもストレスを抱えていた。 リーパーはそんな彼女の、たったひとりのお友達だ。 イマジナリーフレンドの男の子。 彼の役目は彼女のために怒ること。 それから幾ばくかの月日が流れ、ゲイザーは大人になった。 イマジナリーフレンドは不要になり、存在を否定された。 ゲイザーのもうひとりの人格となった リーパーは、役目を暴走させた。 今日もローブを翻し、彼女に隠れて 夜な夜な殺人を繰り返している。 (11) 2021/10/22(Fri) 17:47:26 |
【人】 死神 ゲイザー>>ゾズマ 館の外の理で数えるなら、四つめの夕方ごろ。 「ゾズマあああああああ テメエ出てきやがれ!!!!!!」 中庭、響くのはリーパーの騒々しい声。 「殺さないから! オレとお話ししようぜ! オレ今ナイフ握れないし、刺殺以外は趣味じゃないし。 パイあげるから、なっ!」 (14) 2021/10/22(Fri) 18:00:42 |
【赤】 死神 ゲイザー「…………」 ぐぎぎ、と歯ぎしりの音。 「あァー……。ゾズマは”役目”に関わらず、 オレが個人的に殺す。 今晩の襲撃はオマエに任せるぜ。 相手だって好きに決めればいい!」 (*12) 2021/10/22(Fri) 18:10:43 |
ゲイザーは、観劇した。 (a21) 2021/10/22(Fri) 23:31:15 |
【人】 死神 ゲイザー「おいおいおいおい、ふざけやがって!」 宇宙服の彼が、至極当然の疑問を、 あまのじゃくみたいに口にする中。 当の死神は男子便所の個室で、便器を蹴った。 鮮やかな即興劇は、使用人の、ゲストの目を奪い── そして。リーパーすら、魅入ってしまった。 誰よりも見慣れた脚本の演技に。……あの情熱に! あれはきっと、あの人間にしかできぬ芸当。 芸術を理解せぬリーパーだって理解した。 「聞いてねェッ! 聞いてねェよ、あんな奴がいるなんて!!」 「今ので何人オレが殺人鬼だと知った? それに、ミズガネの野郎」 「誰にも見えないくせにッ! ⇒オレと同じ、ひとりぼっちの癖に!!」 (22) 2021/10/23(Sat) 0:20:53 |
【人】 死神 ゲイザー『嗚呼、嗚呼、この子の笑顔こそが僕の人生に射す光だ!』 『どうか少女を、救ってやってはくれまいか』 ひとりぼっちが、二人出会ったのならば。 きっともう、ひとりぼっちではない。 リーパーは掻きむしりたい程胸が痛い。 なんだかわからないけど目頭が熱い。 リーパーはゲイザーだった。 でももう、リーパーはゲイザーじゃない。 (23) 2021/10/23(Sat) 0:25:02 |
【人】 死神 ゲイザー『辛かっただろう、唯一の友達ゲイザーに忘れられて。 苦しかっただろう、誰にも気付かれなくて。 君は沢山の苦痛と孤独を味わった。 だから、そう⏤⏤⏤⏤報われるべきなのさ!』」 「そうだ。……そうだ! オレは報われるべきなんだッッ!!」 「その為ならば何をしたって許される! 俺が許す!! まずはゾズマだッ!! 次はユピテル。その次にあの役者!! アマノ! テラ!! シトゥラ!! プルー!! 全員殺すッッ!!」 破滅的な動機の元、リーパーは便所を出た。 行く場所もなく彷徨う。ナイフを握りしめて。 ……この利き手の怪我さえなければ! 今すぐ通り魔をして回ったところなのに!! (24) 2021/10/23(Sat) 0:34:18 |
【人】 死神 ゲイザー館の協力者は言った。 『此処の主人による意向で消える客が決まる訳だが⏤⏤ ある程度は此方の意思を汲んでくれるらしい。 長くいる使用人曰く複数人に願われた結果消えた者もいたそうだ』 この場所で願いは無為ではない。 それを知るひとは数少ないだろうけれど。 リーパーは、どのような由縁あろうとただの殺人鬼だ。 無為の人々を殺害した、法で裁かれるべき人間である。 その前提の上で。 けれどここに法はない。それを決めるのはあなた達だ。 あなたの思うままに、夜の星に願うと良い。 (30) 2021/10/23(Sat) 1:51:02 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザーわたしは探す。 夢から目が覚めた時、微かに聞こえた星の声を頼りに、あなたを探している。 館の協力者。 昼にも星は、日の明かりに隠されながら瞬いている。 その星々が、教えてくれたこと。 ねえ、ゲイザー。 あなたはわたしが見えていて? (-237) 2021/10/23(Sat) 15:43:35 |
【人】 死神 ゲイザー>>50 ゾズマ スターゲイジーパイは食べられる。 1ピースが二つ分、カトラリー付き。 あからさまに怪しいけど、毒や薬の類は入っていない。 リーパーは調理が下手だけれど、手土産に焼いてきた。 それを証明するように、 リーパーは粗暴な仕草でパイの片割れを口にする。 足を組んで、あなたの話を聞いた。 「……同じだ。けど、近くて遠い」 自分はほんものの片割れ。 あなたは、かつての友達をなぞるほんもの。 「オレも、そうだ。 ゲイザーの頭の中のダチだった。 でも、……棄てられて」 「ムカつくんだよ、アイツ! ギャハハ! 死んだけど。 これ以上アイツの言いなりになるのはゴメンだ」 ⇒ (55) 2021/10/23(Sat) 15:57:34 |
ゲイザーは、夢を見ている。 (a46) 2021/10/23(Sat) 16:00:21 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラゲイザーはいない。 それをあなたは知らない。 リーパーは、この館で一番空に近い場所にいた。 バルコニーだ。バルコニーで頭を抱えている。 ここに居るのはひとりだけ。 だから、あなたが見えることを隠す必要もない。 自分がゲイザーではないことも。 右手には怪我。今のリーパーは物理的に人を殺せない。 「うわッ、チャンドラ! テメエ急に出て来るなよ!」 (-238) 2021/10/23(Sat) 16:05:46 |
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