68 【身内】空想模倣機体は駒鳥達の夢を見るか?【R18G】
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| >>2 がんばり団 「おまえ今失礼なこと考えてるだろ。 ……別に、なにも変わりない。 幽界に居た時と同じ、おまえの知るキファだ」 キファは、サダルの横に立っている。 ……全てを理解した。それはきっと、サダルも同じだろう。 「ヌンキの元に行くのか? すまんが、彼奴とは二人きりで話したい。 ……有るのだ! ご想像の通り、海よりも深い事情がな。 サダルよ。ヌンキと語らうなら、別途話しかけに行くが良い。 ……吾は、おまえとも話したいことが有るんだが?」 (4) 2021/04/29(Thu) 23:18:25 |
| >>0 ヌンキ 「おるが!?」 あっ本人だ! バチーン!! ヌンキをビンタする。 「おまえ……ッおまえおまえおまえーーーーーーッッッ!! ……こほん。言いたいことは、色々有るが」 「久しぶりだな、ヌンキ」 「吾を探してくれて、ありがとう。 おまえが吾を探す姿を、吾はずっと見ていた」 星見杯亭を探し回る姿も。 レムノス中を探し回る姿も。 街を出て、森を探す姿も。 その言葉は。あの手紙に書かれた言葉が紛うことなく、 キファ本人のものであったことの証左だ。 「すまなかった」 「今、吾はちゃんと此処に居るぞ」 (7) 2021/04/29(Thu) 23:50:59 |
| >>6 サダル 「何、そう堅苦しい話ではない。 唯のお喋りだ」 長い夜は明けた。 街並みの輪郭を陽光が彩る。 さわやかな朝の、透明な空気。 「死んでしまったら、全部終いだと思ってた」 サダルを見る。 「おまえと夜明けが見れた。……嬉しい」 予想だにしないことが幾つも起きた。 『吾は色んな者に、”ごめんなさい”しなければならん』。 そう、目を伏せる。 (32) 2021/04/30(Fri) 8:19:42 |
| >>9 ヌンキ 「はあ!? 何故そうなるのだ!」 キファは、これまでの経緯を説明する。 自分は一度死んだこと。 唯一死者の見えるラサルハグに伝言を託したこと。 幽霊となって、自分を探すヌンキをずっと見ていたこと。 「”思い出さなかった”のか?」 まあ良い、と続ける。 「おまえが苦しんでいた時、吾は何もしてやれなかった。 声は届かない。差し伸べた手はすり抜ける。 だから、今するぞ」 小躯な自分より大きな背中に腕を回して。 キファはヌンキを抱き寄せる。 「ありがとう」 親愛の抱擁、だった。 キファはヌンキを好いている。 ……でも、それは恋情ではない。 (33) 2021/04/30(Fri) 8:47:13 |
| >>30 ハマル あなたが談話室に降りてきた時、 きっと少女の姿が目に映るだろう。 ……キファだ。行方不明になった筈の、キファ。 そわそわした様子で、あたりを見回している。 その他にも、きっと久しぶりに会う顔触れが揃っている。 「……ハマル!」 キファはあなたの姿を認めると、駆け寄ってくる。 (35) 2021/04/30(Fri) 9:03:29 |
| >>38 ハマル 「ヌグゥエ!!!」 ドス!!!!!!!! 大丈夫、倒れてない。 キファは慈しむように、あなたの背に背を回し。 ぎゅっと、抱きしめて見せた。 「ハマル。吾は幽霊となって、 おまえのことをずっと見ていた」 キファはそこに居る。 ちゃんと触れて、抱きしめることが出来る。 → (44) 2021/04/30(Fri) 10:54:26 |
| >>38 ハマル 「頑張ったな」 ようやく、言えた。 (45) 2021/04/30(Fri) 10:54:50 |
| >>40 ヌンキ ──ヌンキの呟きは、キファの耳にしかと届いたのだ。 「……言え」 キファは、ヌンキの想い人が誰であるかを知っている。 あなたが自分を探す姿を、ずっと見ていたのだから。 「言って見せろ」 「吾のことが好きなのだろう?」 「吾とサダルを自らの手でくっつけておいて おまえは独りで寂しく横恋慕、だと?」 → (47) 2021/04/30(Fri) 11:20:36 |
| >>40 ヌンキ 「泣いて吾に縋って見せろ。 おまえの心に秘める懊悩を全て口にしろ」 「その上で、清々しくおまえをフッてみせよう」 それは、彼にとってきっと残酷な言葉。 だって、恋なんてもの、そも彼に定義されていない。 彼女だって、サダルとキファを結んだのに、 彼なりの事情があると分かっている。感謝すら、感じていた。 でも、キファはストイックで、さっぱりした質だ。 だからこそ、『恋情を胸に秘めたままの、哀しいお別れ』が 許せなかった。 → (49) 2021/04/30(Fri) 11:23:39 |
| >>40 ヌンキ これは膿んだ傷口に塩を塗り付けるようなもの。 そして同時に、傷口から膿みを取り除く荒療治。 「おっと、遠慮はしてくれるなよ? 傷つけるだろう。困らせるだろう── 笑止。 吾の十分の一も生きておらぬものが、 吾の心を憂う必要はない」 つまるところ。 ──叱咤と、激励。 「吾を恨んでも良い。怒っても良い。 だが、後悔だけはしてくれるな」 (50) 2021/04/30(Fri) 11:24:29 |
| >>52 >>53 ヌンキ 「──善かろう」 「その言葉、吾は覚えたぞ。 おまえが吾を好いていたことを、忘れはしない」 キファは表情を緩める。 『ビンタはさっきしたから、勘弁してやる』なんて、笑う。 キファは 忘れない 。 これは、唯のロールプレイかもしれない。 でも、"偽物"だとしても、"嘘"じゃない。 キファはそれを、誰よりも知っている。 だってあなたの手によって、《恋》が与えられたのだから。 → (54) 2021/04/30(Fri) 13:00:10 |
| >>52 >>53 ヌンキ あなたの想いに応えが返ることは無いのだろう。 キファはサダルが好きだ。 けれど、想いは伝わった。 falseはtrueに、0は1に書き換えられた。 それを為したのは、皆の助力と。 何より、あなた自身の意志の力。 それから──? あなたが意志によって蝕まれるというのなら、 なんと残酷で冷たいウィルスなのだろう。 あなたの一言は、あなたにとって。 何より甘美な──毒。 → (55) 2021/04/30(Fri) 13:02:29 |
| >>52 >>53 ヌンキ 「……行かぬ」 「おまえに訊ねなければならぬことが出来た」 あなたの発言に、先程から違和感を抱いていた。 まるで、自分のことをNPCだと認識しているかのような。 『この"orion"にNPCが存在する』と推測するのは容易だ。 現実のキファは、サイバー分野に聡い。 蘇生したキファに対する住民の反応だって、それの証左だ。 そしてNPCがテスト参加者に紛れていない 保証は、出来ない。 シュミレーションシステムをテストに 参加させるのは、理にかなっているだろう。 無論、これは『ヌンキが自分をそう把握している』と 考えたから口にする。 常なら、……これは残酷な言葉だ。 「おまえ、NPCだろう」 隠した手を引っ掴んで、引き出す。 ヌンキは、きっと更に何かを隠している。 (56) 2021/04/30(Fri) 13:17:36 |
| >>60 サダル 「…………」 「許す」 へにゃり、と笑った。 サダルの真意が測れないのはいつものことだ。 そんなミステリアスな面も含めて。 サダルという人間を、キファは愛している。 きっと、どこまでもまっすぐな愛だった。 もう、不安定な頃のキファとは違う。 色々なことを乗り越えた。 どのような障害が有ろうとも、 キファはこの愛を貫き通すのだろう。 「おまえに愛されなくったっていい。 共にいられなくったって良い。 吾はそれで良い。誰にも強いぬ。 だが。覚えておけ。 吾はおまえが存在しているだけで、幸せになれるのだ」 キファとサダルの幸せの形は、平行線だ。 きっと、交わることは無いのだろう。 それで良い、と思っている。 『”だから……”、何だ?』 キファはあなたの言葉の続きを促す。 (63) 2021/04/30(Fri) 15:02:19 |
| >>48 ハマル 無邪気に目を輝かせるあなたに、 キファは胸に熱いものが込み上げるのを感じた。 「無論、パーフェクトだ! 今日は沢山甘やかしてやろう〜」 ヨチヨチヨチヨチ……。 ナデナデナデ……モフモフモフ……。 『置いていって、すまなかった』 ……ふと。 舌に載せ掛けた言葉を胸にしまう。 今は、己の懺悔を聞かせる時では無い。 「吾がシトゥラに託したことも、 そのシトゥラが死んだことも。 キュー”達”が立ち塞がったことも。 おまえが苦しみ藻掻きながら、 最後まで折れなかったことも」 「おまえの──ううん、 おまえ達が。吾らが為したことは。 全部、全部今に繋がってる」 → (64) 2021/04/30(Fri) 15:20:57 |
| >>64 ハマル 「ハマルよ。『これから』を作りに行こう。 ……海に行くぞ!」 今なら、『世界の端』に阻まれることも無い。 "orion"の世界は、最早233年の旅では回り切れぬほどに 広がっている。 約束を果たす時だ。 (65) 2021/04/30(Fri) 15:23:07 |
| キファは、サダルをビンタしようかと思ったが、やめた。 (a25) 2021/04/30(Fri) 16:01:27 |
| >>68 サダル 「……ヌンキが」 ヌンキの様子がおかしい。NPC。 この時点でうすらと感じていたヌンキの”違和”。 この一幕はきっと、後にヌンキへ投げ掛ける 問いかけの一助となるのだろう。 「さて。……成程、な。 サダルの頑固っぷりは筋金入りだ。 むう。困ったな。実に困ったぞ」 「……吾が、ヌンキを幸せにしたら。 おまえは満足するか? 例えば、”吾と恋人になる”以外の形で。 彼奴に幸せを差し出せるのなら」 無論、ヌンキの経歴は理解していた。 その身に巣食うウィルスまでは、 この時点で把握してはいなかったが。 だが、キファはヌンキが苦しむ姿を見ていた。 彼女にとっても、掛け値なしに ヌンキを幸福にしたいと思っている。 → (71) 2021/04/30(Fri) 16:19:11 |
| >>68 サダル バチーン!(エアビンタ) キファのモデルは故人だ。 故に、ものすご〜〜〜〜く大事なところなのだが それと同じくらい今ものすご〜〜〜〜く大事な話をしている。 幸いにも今のキファは物事に対して動じなかった。 だって、今までにもそういう話は沢山あった。 「吾が関与できぬ場所での話だ。 急を要するのなら今すぐログアウトしろ。 そうでないのであれば。 先程の話を続けろ。覚悟だけはしておく。 ……『キファ』も。きっともうすぐ、 この世界とはお別れだからな」 (72) 2021/04/30(Fri) 16:26:37 |
| >>69 >>70 ヌンキ キファはちゃんと覚えている。 バーに訪れた帰り道、 エスコートに差し伸べてくれたその手を。 何もなかった。 透明になってしまった。 衝撃を噛み殺す。 今から何が出来る? → (73) 2021/04/30(Fri) 16:44:28 |
| >>69 >>70 ヌンキ 「おまえの認識で相違ない。 ……吾は、おまえを助けたい。 幸せになってほしいと、思っている。 吾はおまえのことが。 それが、恋情でなくとも──好きなのだ」 友愛。親愛。この世界にだって、"恋"以外の 愛の形は有るだろう。 最も。恋愛は殊更情熱的なものであるということを、 キファは良く知っている。 さて。 NPCはどれだけ自律的に行動しても、 あくまで"orion"の管理下である。 その口から聞き出せることは限られるだろう。 「ヌンキよ。 どうしたら、おまえを治せる?」 (74) 2021/04/30(Fri) 16:45:26 |
| >>75 >>77 サダル もの凄い複雑な表情をしているのは読み取れた。 「分かった」 「……吾は、ヌンキを助けたいと思う。 好ましい人が苦しんでいるのなら。助けに行くのは、道理だ」 そう宣言すると。『少し待っていろ』と、何事かを呟き始める。 あなたに事故現場の住所を訊ねたりもしただろう。 『外部との連絡は可能なのか……? 否、通常なら不可能な筈。 コマンドは? キファの使っていた『占』はその一種の筈。 チャットコマンド程度なら、”天啓者”の権限で使用できてもおかしくはない。 賭けだ。幾つかそれらしいのを打ち込んでみるか……。
…………。
……。
……!』 「……出来る限りを尽くしたぞ。 うまく行けば、XX社側から救急要請をしてくれるだろう。 更にうまく行けば、おまえは助かる。 現実の吾はこの言葉が嫌いだが──後は現実のおまえの意志、 そして『運否天賦』というやつだ」 → (93) 2021/04/30(Fri) 22:34:40 |
| >>75 >>77 サダル 「さて、話を戻そう」 出来る限りは尽くした。 キファは割り切りが速い。 ……さあ、最後の夢を見よう。 楽しい時間は、いつだって別れ際が一番惜しい。 「吾は、帰らねばならない。 現実の吾──『秋葉義一』にも、 やるべきことは沢山ある」 「でも、忘れるな。キファは、"orion"の住民。 『秋葉義一』? そんなの、吾にとっては別人だ」 秋葉義一は、警視庁サイバー犯罪対策課のオフィサーである。 この騒動によって、 きっと暫く残業で家に帰れない日々が続くのだろう。 → (95) 2021/04/30(Fri) 22:51:08 |
| >>75 >>77 サダル 「吾が”秋葉義一の死んだ妹”をモデルにした存在だって?」 「糞食らえだ」 キファは、キファだ。 「キファは、此処にしかいない。 この別れは、吾が吾である為のものだ」 「……だから、”サダル”と”キファ”として会えるのは、 きっとこれが最後」 くす、と笑う。 「寂しいか?」 (96) 2021/04/30(Fri) 22:51:59 |
| >>78 >>79 ヌンキ キファは推理する。 ヌンキは、システムの枠組みに縛られる中で 精いっぱい自らに伝えようとしている。 キファは、ヌンキを助けたい。 彼は恐らく、”想定されていない挙動”を起こしている。 平たく言えば、バグだ。 想定されていない挙動とは、何か。愛か。 それは確信できないけれど── キファは考える。 ヌンキに残された時間は少ない。 今から脱出してXX社にプログラムの修正を要請したとして、 "proxy"による自浄作用の前に間に合うだろうか。 だからといって、"orion"内部から何かを起こせるか? キファでは無理。何か── その時、点と点が結ばれた。 ブラキウム。 → (106) 2021/04/30(Fri) 23:29:21 |
| >>78 >>79 ヌンキ Ma'at社のセキュリティAIAmmut<Vリーズ 最新弾【Brachium】。 管理AIの暴走というこの状況下である。 Ammut。Brachium。この一致は、偶然では済ませられまい。 秋葉義一は、 警視庁サイバー犯罪対策課対策係のオフィサーである。 サイバーテロ対策に関連する情報の集約が業務内容に存在する。 ・・・・・・・・・・・・・ だからこそ、知っていてもおかしくはない。 だが、これは賭けだ。 【Brachium】の処理によって、 ヌンキがどのような結果を演算するかは、 キファは推測することができない。 「ヌンキ」 「ブラキウムの元へ行け」 「消えたくないと願うのなら」 「完全無欠のハッピーエンドに辿り着きたいと、 僅かでも思うのなら」 (107) 2021/04/30(Fri) 23:31:11 |
| 天啓者よ。神祓衆、やっと会えたわね。 お互いを求めあった一日目。 エピローグにして、アタイたちはようやく 結ばれたの。 (-103) 2021/04/30(Fri) 23:36:06 |
| >>100 ハマル 「無論!」 にっかりと笑う。 それから、キファは小難しい話をした。 レムノスから海に出るには、 早い馬を使っても数日を要すること。 ハマルの故郷へ承諾を取らなければならないこと。 それらによって延びる、"orion"での滞在時間。 馬車選び。旅の途中の食料、日用品の調達。あと暇つぶしの道具選び。 ──でも、そんな頭の痛くなる話。 この美しい景色の前ではきっと、 吹き飛んでしまうだろう! (115) 2021/04/30(Fri) 23:58:10 |
| >>100 ハマル 午前十時。 レムノスとは異なる、海辺の地域特有の湿った潮風の匂い。 抜けるように青い空。注ぐ光芒。 じゃり、と足元の砂が音を立てた。 クリーム色の砂浜は、絵具を撒いたかのように淀みない。 何より、この無尽に広がる海! 水平線の向こうに薄く島の稜線が見える。 この世界がどこまでも広がっていることの、何よりの証左だ。 ハマルとキファは今、海に居た。 → (118) 2021/05/01(Sat) 0:07:13 |
| >>100 ハマル 全てが終わった後の話だ。 ふたりに何が起ころうとも、きっとここに辿り着く。 「いやぁ、無事着いたな! 途中でタロットカードを失くし掛けた時は どうしようと思ったが。 この景色を見れば、それも忘れてしまうと言うものだ」 近辺の街で美味そうな店を探し、 朝食の魚料理を二人で食べた。腹の具合も丁度いい。 キファは、ハマルに問いかける。 「どうだ。……怖いか?」 (120) 2021/05/01(Sat) 0:08:16 |
| >>ルヘナ向け白レス
さて、これはハマルと旅に出るまでの暇のこと。 物語はエピローグとカーテンコールに差し掛かった。 人々は、各々と別れの挨拶をしていることだろう。 キファは談話室の机に着いて、息を吐いた。 目まぐるしく移り変わる状況。時には限りがある。 休息出来る間は、少ない。 (128) 2021/05/01(Sat) 0:33:13 |
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