人狼物語 三日月国


65 【ペアRP】記憶の鍵はどこ?【R18】

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到着: アマミ

【人】 アマミ





   「記憶を無くせば、人は死んだ事と同義だ。」




       ─── O.アマミ『今宵、月の夜に願いを』より




(32) 2021/03/31(Wed) 17:03:48

【人】 アマミ


[中世と呼ばれた頃。
後に音楽の象徴と呼ばれる都、ウィーンに男は居た。


男の名はアマミ。

かつてバーバチカ島と呼ばれる孤島に足を踏み入れ、東洋の獣を模した面でその顔を覆う青年。

詩人や歌人が多く生まれるこの時代において、ただのエッセイ文学や小説を書き続ける、なんとも奇怪な男である。]

(33) 2021/03/31(Wed) 17:05:47

【人】 アマミ


[世界はまだ宗教思想が人を支配していた頃。
世に受け入れ難いエッセイなど、弾圧のいい標的になってしまうものだが。

世界から拒絶され続けるアマミの生活は
ある時を境に僅かながらの変遷を歩むこととなる。

大きな家に己一人。
週に何度か訪れる出版社の人間と打ち合わせをする以外
人との交流など無いに等しいものだったが。

そんな生活の中にV
彼女
Vが現れるようになったのは、あの島を訪れた日から、凡そ三年を跨いだ時のことだ。]

(34) 2021/03/31(Wed) 17:07:43

【人】 アマミ


[彼女...クラヴィーアは今となってはこの家には出版社の人間よりも頻繁にここを訪れていた。

その時間に居心地の良さを感じていたことを、アマミが口にすることは、今はまだない。


近くに住むことに心配の声をかけたのは老婆心のようなものだが、強く断りを入れなかったのは彼女を「未熟」と呼ぶのはやめたからだ。>>21

今日もまた彼女が来る頃だろう。
そうアマミが考えると同時に、声がした。>>23
扉を開けた先にいたのはあの頃出会った少女ではない。>>22
人の成長は服装にもあらわれるものだ。]


   いらっしゃい。
   ......そういえばもうこんな時間か。

   いや。茶ならば俺が入れよう。
   君はゆっくりしていってくれ。


[時計を見れば時刻は昼をすぎた頃。
自覚を持つと、だんだん脳が糖分を欲し始める。

アマミは彼女を招き入れると、いつものようにお茶を入れ始めようか。]

(35) 2021/03/31(Wed) 17:22:37

【人】 アマミ


[彼女が初めてこの家を訪れたあの時から
どれぐらいの月日が過ぎたか。

人を嫌う己にもだんだんと彼女の影響が現れたのかもしれないとアマミが自覚したのはつい最近のことだ。

談笑の中で己がクラヴィーアの過去の話をよく尋ねるようになったことを、彼女が気づくかは分からないが。

彼女の過去、即ち記憶を追いかけるように
アマミがそれを辿ろうとするのは────。]*


(36) 2021/03/31(Wed) 17:23:39

【独】 アマミ



  [己が彼女を愛おしく想い始めているからだと、
            自分でもよく、わかっていた。]**


(-11) 2021/03/31(Wed) 17:25:53
アマミは、メモを貼った。
(a2) 2021/03/31(Wed) 17:33:32

【人】 アマミ

──回想:招かれざる客──

[クラヴィーアがここを訪ねるようになってからしばらく経った時のこと。
その時彼女が既に家に来ていたか、それとも見てはいなかったか。

それはともかくとして、アマミにとってこの来訪が忌むべき事象であることは誰が見ても明らかであった。]


   
「Albert...」



[家へと訪れてきた女を前にアマミは珍しく動揺を隠せない。
その名前がかつて己を象っていた存在であることぐらいなら、アマミにだって分かってしまうのだ。

その過去は、かつてあの島で捨てた。記憶。


どれだけ過去を葬ろうとも人は消えない。
部分的に葬ろうともその過去が己を象る因子ならば、この広い因果のうねりの果てにいつか自分の前に突きつけられる。

地域特有の奇妙な訛りを孕んだ英語で「Albert」と呼ぶ女を前にして、アマミは己の奥底で蘇る不快感に下唇を噛み締めていた。]

(60) 2021/03/31(Wed) 20:46:00

【人】 アマミ




      今更どの面下げて来た。

   
How dare you come?



      お前と同窓会を開く予定なんてないはずだが?

   
I've no invite you for the reunion,isn't it?

   


[アマミは露骨に機嫌を損ねた様子で苦情を吐き散らす。
この女は、思い出したくもない記憶。
それはかつてバーバチカ島でヤブ医者が残していった記憶の残片と言うのが正しかろう。

忌々しいあの家にいた従者の1人。
歳が近く美貌に恵まれていたという理由で、体裁を保つ為に用済みの長男の世話役を宛てがわれた哀れな駒。
それをやつらはかつて「許嫁」と呼んだ。


アマミはただ嫌悪感を滲ませ、女を睨む。
もう二度と関わらないと決めたその女は、己にとっては亡霊。過去の遺恨には違いない。]

(61) 2021/03/31(Wed) 20:47:17

【人】 アマミ


[しかし女はアマミの変わりように驚くことはなく、意にも介さぬように淡々と要件を告げる。

女が真剣な趣となればアマミもまた仕方なしと話だけは聞こうとせざるを得ない。

それからアマミの耳に入ったのは、まず領主の男が亡くなったこと。
次期領主の次男を支えるため、長男としてまた戻ってきて欲しいのだと。

それを聞いた時、少しでも話に耳を傾けたことをひどく後悔したものだ。
アマミは後に自伝を書き残そうとした際、この時のことをこう書き記すことになるだろう。

「人生における無駄な時間の内3本の指に入る出来事だ」と。]

(62) 2021/03/31(Wed) 20:48:11

【人】 アマミ


      はっ、ふざけたことを。

   
Huh,That's stupid.



        消えろ、ロゼリア。

   
Get out of my face,Roselia.



      お前の戯言に付き合ってやるほど暇じゃない。

   
I can't stand your image in wonderland.



[アマミは女にそう吐き捨てると背を向ける。

今の己は昔とは違うのだ。今の己は独りではない。
クラヴィーアとの平穏を今更過去に邪魔されるなど、アマミには到底耐え難い事だった。]


        もう、ロゼとは、呼んでくれないのね......

   
「You won't call by Rose again.」



[家の中へと消えていくアマミを寂しげに見つめる女の淡恋は男には届かない。
女の声を遮り無視するように、アマミはその扉を閉めた。

今更決別した過去に足を引っ張られるなど。
絶対に、絶対に。ごめんこうむるのだ。]**

(63) 2021/03/31(Wed) 20:53:46

【人】 アマミ


[結局クラヴィーアには全部聞かれていたようだ。>>64>>66
憤る彼女>>65には一言、「見苦しいところを見せたな」と言って咎めることはなかった。

それから、「弟ももう子供じゃないから大丈夫だ」、と心配するクラヴィーアの頭を撫でようとするだろう。

万が一あの女、ロゼリアとクラヴィーアが2人きりで対面するなんてことがあればどうやら自分が止めなければならないらしいが。>>56


とはいえ、あの忌々しい再会からしばらくは文書だけが送られるようになった。
どうやらロゼリアをけしかければこちらが絆されると思っていたようだ、自らの策が通用しないと知るや否や臀に火をつけて必死な様が筆圧から伝わってくる。

実に愚かしいと、その度にアマミは書面を破り捨てていただろう。]

(67) 2021/03/31(Wed) 22:13:46

【人】 アマミ



   ────。


[思い出すと気分が悪くなる。
せっかくクラヴィーアが来た時に限って記憶が嫌な仕事をするものだ。

すぐさま頭の中から消し去り、礼儀正しく一礼をする彼女>>57に応じて一礼を返すと。]


   もしかしたら......。
   歳でボケてしまったかもしれないな。

   
[そんな冗談を言いながら、ありがとうと手荷物を受け取るのだ。
どこか他人行儀な礼式は、貴族の娘と没落した惨めな男が一線を超えない為の防波堤。アマミはそう思っていた。


それを知ってか知らずか、クラヴィーアもまた気を遣ってくれていたようだが。>>57
その気遣いに助けられたことが実際に何度もあるというのは今は黙っておくとしよう。]

   
(68) 2021/03/31(Wed) 22:15:08

【人】 アマミ


[ティータイムというのは元々英国の文化ではあるが、アマミは意外にもこの時間が好きなのだ。

仕事の合間に一息を入れる。
それは若い頃から欠かしたことのない習慣に近い。

もっとも、その一息を誰かと過ごすというのはクラヴィーアが相手でようやく抵抗が無くなるという有り様ではあったが。
彼女の微笑み>>58に絆されるように妖狐の面を外して柔らかな笑みで応えただろう。]


   いつも君の作るものは美味しいよ。

   それにしても君は本当に努力家というか...。

   君にこうして来てもらえる俺は
   きっと幸せ者なんだろうな。


[クラヴィーアに感謝するのは当然のこと、りんご園の人々にもいつか礼を言いたいとアマミは思っていたが。

彼女と出会ってからというものの、人に恵まれているような気がする。

こちらの反応を伺うクラヴィーアにありがとうと礼を言うのにも、だんだんと慣れてきたものだ。]

(69) 2021/03/31(Wed) 22:16:08

【人】 アマミ


[貴族というのは何か勘違いした輩が多い。


   「我々は労働を必要としない上級の地位。
    だから働かぬ我々に間食など要らない。
    間食などみっともない庶民の嗜みだ。」



などと宣い、間食をしないだけに飽き足らず、それ自体を差別的に扱う者すらいる。
己に酔った愚か者の末路と言うべきか。

そんな人間達を嫌という程目の当たりにしてきたアマミにとっては、彼女の作ってくれる食事や間食が目に見えるそれよりもはるかに暖かいもてなしであった。

そんな貴族らしからぬ彼女だ。
以前彼女に「家では良い扱いを受けていない」と聞いた時には分かりやすいほどに眉間に皺を寄せることになっただろう。


あの島で彼女が治した傷に深さがあるのだとアマミが思いつくのはちょうどこの時。
いつかのタイミングで彼女が今も遺っているという過去の痕を話してくれた時には、アマミはその言葉を口にしていたのだった。]

(70) 2021/03/31(Wed) 22:20:27

【人】 アマミ




   言いたくないことは言わなくていい。
   思い出せない事も思い出すことは無い。


   ただ、もしも行く宛てがない時には
   ここにいて構わないと言っておこう。


   その時は、君の帰る場所を、俺が作ってやる。



(71) 2021/03/31(Wed) 22:22:08

【人】 アマミ



[家を訪れることの公認を彼女がどう受け止め、ここを何度も訪れてくれるようになったのか。

その経緯は、いずれ彼女の口から直接聞かせてもらうことにしよう。]**


(72) 2021/03/31(Wed) 22:22:59

【人】 アマミ

──回想:因果応報──


[初めて出会った彼女は、アマミにとっては子供のような子という印象でしか無かった。

例えば、人間一人も殺せなさそうな、ちっぽけで、繊細な心を持つ少女。
そんなクラヴィーアであったからこそ、アマミは彼女の未来を願ったのだ。

人を傷つけるのが怖いことがちっぽけだと言うのならば、それもいいだろう。
人を傷つける事でこびりつく血の臭いも、痛みも、知らない方がいい。

痛みを恐れない者に、未来などない。


      
「あと3年したら君はいい女になる。」



かつて己が彼女に告げた言葉だ。

人を慈しむ心を持つ彼女は、人を操り功利を貪る愚者などとは違う。

人を想える彼女ならばきっとそうなるに違いないと、アマミは確信を持っていた。
だからこそ、囁かに背中を押したつもりだったのだが.....。]

(81) 2021/03/31(Wed) 23:06:20

【人】 アマミ


[結局、彼女に伝えたアマミの確信は物の見事に的中したというわけだが。
しかしながら最近もっぱらの悩みは決まって彼女の事だ。]


   ..................。


[執筆用の机の前でパイプを味わいながらアマミは物思いに耽る。
彼女は確かにV
いい女
Vとなっていた。

そう、アマミの想像をゆうに超える程に。]

(82) 2021/03/31(Wed) 23:08:01

【人】 アマミ


[地位を捨てた者にとって言葉の使い方など些細な問題でしかない。

彼女の人の為に何かを想えるその人格は元より、成熟した果実はその美しさを際立たせる。
かつて未熟と突き放した己がこうなるとはなんとも情けない。


そんな彼女を、己が美しいと感じた女を自宅にあげている。

歳が30を過ぎるとはいえ、何も思わないというのがおかしな話なのだ。]

(83) 2021/03/31(Wed) 23:09:16

【人】 アマミ


[アマミ自身も分かっている。

一言。たった一言。
「嫁に来てくれ」と言えばいい話だ。

自惚れる訳では無いがクラヴィーアもまた、どう答えるかはともかく真剣に受け止めてくれると、アマミはそう思っていた。

しかし。]


   (クラヴィーアももう子供じゃない。
    彼女が自分の意志でここに来ているのだから
    俺が遠慮などする必要はないはず......。

    しかし...彼女は俺と一緒にいて幸福になど
    なれるのだろうか............。)



[長いとも短いとも言えぬ時間。>>59
彼女のことは少しずつわかってきたはずだ。

しかしこの世界の、ましてや貴族の婚姻など政略の成れの果て。
自由な愛情の交差など妄想の産物(image in wonderland)にすぎない。

貴族としての立場を捨てたこの男は彼女になにをしてやれるだろうか。
その答えが、今なお見つからないのだ。]**

(84) 2021/03/31(Wed) 23:10:36
アマミは、メモを貼った。
(a4) 2021/03/31(Wed) 23:13:52

アマミは、メモを貼った。
(a5) 2021/03/31(Wed) 23:14:06

【人】 アマミ


[今でこそこうして彼女の頭を撫でるアマミだが、あの島で出会った頃は彼女の傍に寄ることすら並々ならぬ抵抗感があった。
それは純粋な警戒心であり、アマミの大人気ない精神を象徴していたと言えるだろう。

「俺で悪かったな。」と。
あのころ思っていた言葉をいま口にしてしまえば流石に彼女に怒られてしまうだろうか?

自身への皮肉や謙遜は己のみならず、己に好意を向けるクラヴィーアの品格をも落とす愚行であると、アマミは学んでいた。


己の手を受け入れる彼女がこちらの為に迷いってくれている
ついでに戦闘態勢に入っている
と分かれば、もう少し気の利いた事が言えたのかもしれない。>>99]**

(110) 2021/04/01(Thu) 16:42:39

【人】 アマミ

──回想:過去を辿る──

[居場所を失う恐ろしさはよく知っている、とアマミは思う。
嫌な話をわざわざ尋ねるのだから、彼女が後悔する必要などないのだと。聞いたからには応えると。


それ故にあの言葉であるのだが。>>71
まるで腰を抜かすようにへたりこむ彼女を目の当たりにした時には少し驚いた様子で心配するように彼女を覗ってしまった。

待ってくれ、なんて言われてしまったらそれは心配にだって、なるだろう?>>102

結局その心配があまり意味をなさない杞憂であったと、近いうちに気づくことになるのだが。]

(111) 2021/04/01(Thu) 16:44:12

【人】 アマミ


[彼女の過去を辿ろうとした時、彼女の身内の話は避けることは出来ない。

だが...クラヴィーアはその話をしたくなかったのか、それとも別の気遣いがあったのか。

その日の夜、アマミは彼女から受け取った新聞>>103をじっくりと読んでいた。
この新聞の内容が正しいのならば、己の最も嫌いなタイプの人間が彼女の身内にいたということになる。

もしかしたら、彼女は...それを気にしているのだろうか?

アマミはそんなことを考えてしまうのだ。]


(112) 2021/04/01(Thu) 16:47:31

【人】 アマミ


[もしも彼女の父親が狡猾であると話してもらったことがあったとしたら、アマミは考えるだろう。

悪意というものは他者に並々ならぬ影響を与えるものだ。
痎瘧が蚊の指先を渡り、黒死が鼠の歯牙を渡るが如く。
悪意は人の心を渡り、欲望がその首縄を締め上げる。

人間とはそういう生き物なのだから。

だがしかしクラヴィーアはどうだろうか。
人の悪意に敏感な自分が彼女からは悪意的なものが感じられない。
狡猾であったとして、彼女は誰かを利用するなんてことがあるのだろうか?


考えれば考えるほど、己の思う人間とクラヴィーアはかけ離れている。
耽た思想の終着は、彼女への敬意となるのだ。]

(113) 2021/04/01(Thu) 16:48:59

【人】 アマミ


[だからアマミは新聞を受け取った後、日を跨いだ茶会の時には新聞を彼女に返そうと差し出して。]


   君がすごいやつだ、って事はよく分かった。


[そう彼女に敬意を表するのだった。]**

(114) 2021/04/01(Thu) 16:49:47

【人】 アマミ

──現在──


   介護までしてくれるなんて
   君はどこまでも親切だな。


[島で初めて会った時にもこんな風にひねくれた言い方をしてしまった気がするが、冗談で済ませられる間柄となった今ではその言葉が持つ空気も変わるのだろう。

しかし、タルトタタンの感想を告げた時の彼女は相変わらず素直で分かりやすいものだ。>>100


   ともあれ、自信を持つといい。
   君の腕は確かなものだ。


[素直な者には素直な言葉を。
そこに他意はなく、確信のような感想を告げるのだが。

彼女が好きだと言葉にした時>>101は、まだいつもの
ように「ありがとう」と微笑むことしかできずにいた。



       応じれば、後戻りは出来なくなるからだ。
]*
(115) 2021/04/01(Thu) 16:52:25

【人】 アマミ

──回想:クラヴィーアの過去を辿って──

[どうして人間という生き物は自分が大切だと思う相手を
傍に置き、あるいは自身が傍に居ようとするのか。

その答えに近く在るのは、どちらかと言えば彼女の方なのかもしれない。>>118

己はまだ答えにたどり着くには時間がかかりそうだと、それはアマミ自身が1番理解していたことだが。
彼女はこちらの言葉の真意を掴みかねているようだったので。>>119


   君の身内は罪を犯したかもしれないが
   君自身は何もしていないだろう?

   それなら君に対する蔑如は不要じゃないかと
   俺は思うんだけどね。


[そう付け加えることになっただろう。
元々こちらは家族や地位を全て捨てた政略の外側の住民なのだから、経歴などその人物を知るための図鑑の役割しか果たさない。

類は友を呼ぶとはこういうことなのか。
異色の貴族と交友を深める男もまた、異色なのだ。]**

(142) 2021/04/02(Fri) 5:31:16

【人】 アマミ

──現在──

[紙に字を連ねながらアマミは幾度となく問い掛け続けたが、彼女の方が答えに近いというのは往々にしてあるものだ。

彼女の好意を受け入れるきっかけは、募り始めた敬愛もまた在るのだろう。
己が持たないものを持っているクラヴィーアだからこそ敬愛も生まれてくるのだ。]


   そうさ。俺は嘘をつくのが苦手でね。

   もしかしたら君の気分を害することが
   あったりしたのかな?


[アマミに自覚があるとすれば彼女にあの島で突っかかられた時だが。>>120
それ以外にも、もしかしたらクラヴィーアの地雷を踏んでやしないかと心配するようになったのはここだけの話。

なんにしても人の顔色を伺うというのは慣れていないが、彼女の顔色を気にしたいと思う自分がいることがアマミにとっては最大の衝撃だ。

食事に栄養を得る以外の役割を求めたのは彼女と居る時が初めてだったのだから。]

(143) 2021/04/02(Fri) 5:34:57

【人】 アマミ


[幸福を感じる時間はあっという間に過ぎたという錯覚を与え感じさせられるものだ。
ティータイムだけでは物足りなかったのか、彼女の提案はまるで時間の延長を求めているようだった。>>121


   いや、何も用意していない。
   せっかくだからお願いしよう。


[彼女の申し出を受け入れると一度視線を窓の外にやった。
見てみると段々と雲行きが怪しくなっていたし、恐らくは夕方を過ぎた頃には雨が降るだろう。
その前に買い出しは済ませておく必要がある事は、彼女にも伝わっているだろうか?

アマミは立ち上がると一度カップと食器を片付け始めて。]


   君が良ければだが、一緒に買い出しに行こう。

   天気が悪くなる前の方が都合がいい。


[そう彼女に提案するのだが彼女は受け入れてくれたか。
とはいえ結局アマミは買い出しに行くことになるのだから、2人かアマミ1人かの違いでしかないのだが。]

(144) 2021/04/02(Fri) 5:38:09
 




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