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【人】 魔王 ウロボロス……話には聞いていたが、酷いものだね [持ち上げた右腕、指で持ち上げるように顎に手を当て目前を見つめる。 ────ここは人魔の領地を分かつ地点。 幾度見ても不思議な光景であると、魔族ですら口にする場所は 今はその要素を残しつつも、変わり果ててしまっていた。 誰かが意図して真っ直ぐに線を引いたように唐突に雪が無くなり、 斑でところどころにしかない緑と土が露出する地面へと切り替わる。 まるで入り込もうとする異民を威嚇する如く、 生きるべく種の違いを表していた。 此処には、つい先日まで境界の森と呼ばれる広大な森林が広がっていた。 勇者を阻む最初の関門、兵を潜ませるに適した歴史ある戦場。 しかし、今は殆どが魔族側にしか残っていない。 幸いにも全焼は避けられた、というよりは 雪と氷により炎が阻まれたのではないだろうか。] (14) 2020/10/25(Sun) 1:21:32 |
【秘】 裏切りの勇者 フォルクス → 魔王 ウロボロス[ 冷血でも戦闘狂でもなく、 自らの立場で王と民の為に出来ることをしているだけ。 険しい表情をしている時間が多い彼女は、 母性的な部分を行動で示す、国母というべき方。 ] (-75) 2020/10/26(Mon) 19:23:41 |
【秘】 裏切りの勇者 フォルクス → 魔王 ウロボロス「あの方にとっては、民こそが我が子なのだろう。」 [ 近い未来で共に生き残ることとなる獣人────ベアは いつか遠い目で懐かしむようにそう口にした。 彼は、魔王軍において一番の古株であった。 リヴァイアサンは竜族の変異種にあたるという。 聞き慣れない言葉であったが、 地下で魔素について教えられた時に聞いたものと似た説明をされた。 生まれつき強い力を持ち不安定、暴走を抑えながら生きる。 彼女は成体になり安定し、種族の務めとして王の牙となり その力と国への想いを王妃に相応しいと見初められたが。 かつて二人が抱いた双子は、小さな器に入り切らないものを継いだのか 不幸にもすぐに亡くなられてしまったそうだ。 ] (-76) 2020/10/26(Mon) 19:24:17 |
【秘】 裏切りの勇者 フォルクス → 魔王 ウロボロス「戦況以上にきっと、 心の問題もあるのだろうな────」 [ それ以来子供は生まれていないらしい。* ] (-77) 2020/10/26(Mon) 19:24:58 |
【人】 魔王 ウロボロス──かつて聖都と呼ばれた地── [今もまだ、此処はどの国にも属さない。 中心の大樹を囲むのは都の形同様に円を描いた大教会の建物ではなく、 天を突く如く高く聳えた魔法障壁である。 神聖の象徴とされた白い町並みは敢えて名残を保たれる。 正しい歴史の保存と継承、ヤドリギと魔の研究 それぞれの分野の学者達が世界中から集まるのが今のこの地。 過ちの忘却は過去をなぞる愚行に等しい。 故に人類は、教会の痕跡を全て排除することはしなかった。] (48) 2020/10/26(Mon) 23:29:04 |
【人】 魔王 ウロボロス[「女神の教会」の正体が何だったのかを思えば、 都はある種の意味で、在り方を変えてなどいないのかもしれない。 しかし、今日ばかりは様変わりしている。 露天商が引くワゴンの目立つ屋根や、売り物たる色とりどりの菓子、 奇術師の魔法により噴水には輝く魚達が泳ぎ、時折跳ねては目を引いて、 道に沿って飾られた大南瓜が剽軽にあちこちに声を掛けている。 宙に浮いた楽器を操りながら、自らも音楽を奏でる演奏家は忙しく、 空から絶え間なく舞い落ちる花弁は誰かの術の幻影か、 はたまた有翼獣人による演出か? 異種族を模した装いの人間の子供達が、 行き交う人々の合間を縫うように駆け笑い合う。 転んでしまったその内の一人を助けた大人は、本物の魔族。 よくよく人混みを見れば他にも沢山見つけることが出来るだろう。 誰もが溶け込み、ただ其処にいるだけで注目されたりなどはしない。] (49) 2020/10/26(Mon) 23:29:26 |
【人】 魔王 ウロボロス[忌み地として扱われ、暫くは封鎖されていたのが嘘のような光景 現在のハロウィーンは、種族の境界を曖昧にする祭り。 今年のそれは、常よりもずっと華やかに催されている。 しかし朝を過ぎた時間、来賓が揃った頃には 統一された制服を着込んだ警備の姿が増えてゆき、 人混みの流れも変わって、民衆はどこか落ち着かなく囁き合う。 半円の南側、祭りの中心地である地域 障壁に封じられたヤドリギを目前とする広場にて ついに式典が行われようとしていた。] (50) 2020/10/26(Mon) 23:29:45 |
【人】 魔王 ウロボロス[口元を緩め、立ち上がった。 式典前に言葉を交わした周囲の来賓達へ微笑を向け、 広場を取り囲む民から歓声が上がれば片手を上げて応えて、 足は着実に壇上へと向かってゆく。] (54) 2020/10/26(Mon) 23:31:43 |
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