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【墓】 商人 ミロク「……、……」 瞳を開けた。双眸は紅に染まっている。 目が醒めたのは外だった。 雨がふりしきっていて、"肩が濡れる"。 此処は、あのとき の死体を見つけた場所だ。 「死んでも、魂が残るとは言いようだ。 生者と死者の違いがこんなところにあったなんて。 体験しないとわかりませんでした、今ならわかります。 これが、 命の重さ ですねぇ?」男は肩を濡らさなくなった。 いつの間にか腕の中で眠っている黒猫を抱え、 一歩病院へと歩き出す。 「さぁ、取引を続けましょう」 (+0) 2021/07/08(Thu) 2:32:37 |
ミロクは、取引を終えていない。 (c0) 2021/07/08(Thu) 2:33:20 |
【秘】 商人 ミロク → 遊惰 ロクあなたの前を黒猫がよぎった。 誰かを思わせるようなその容姿を見れば前足が折れている。 驚いたか唖然としたか、はたまた。 なにか行動を移す前に音もなくその猫を拾い上げる影があった。 まごう事なくあなたの前に死体を晒した男の姿だった。 いつかあったときと変わらぬ表情で、優しく猫をなでている。 左の耳にあるピアスが妙に浮いていた。 「御機嫌よう。 見えていますよねぇ、ロクさん」 (-41) 2021/07/08(Thu) 15:28:33 |
【秘】 商人 ミロク → 被虐 メイジあなたの歩む先、または部屋に座っていると。 手帳から破られた一枚の紙がおいてあった。 今までなかったものだ、いつの間にかあったのだろう。 『メイジさん。 *********(どこかの番号と住所が書かれている) 私の主人の宛先です。 ミロクの名を出すかこの手紙を見せていただければ、 なにか仕事の融通をきかせてくれると信じています。 悪い人では、ありませんから。 未録』 『追伸。 どうしても命を捨て置きたくなったとき。 パイプがある部屋で私を呼んでください。 お手伝い、いたしましょう。 私は、まだ、ここにいます 』 (-47) 2021/07/08(Thu) 17:37:43 |
ミロクは、タマオに、 を渡すように頼んだ。 (c2) 2021/07/08(Thu) 17:38:37 |
【秘】 被虐 メイジ → 商人 ミロクメイジは、いつのまにか小机に置いてあった手紙を読んだ。 あなたが生前に置いたものだろうかと思っていたが 「……え」 追伸に目を通せば、思わず病室を見回した。 ……いるはずはない。 「──化けて出て、呪い殺しでもしてくれんのかな」 メイジは霊的なものを信じてはいなかった。 だから、これはほんの冗談だ。 (-49) 2021/07/08(Thu) 18:47:02 |
【秘】 遊惰 ロク → 商人 ミロク 己が手を伸ばすより先、猫を拾い上げた腕。 辿って見れば、動くはずのない姿がそこに居て―― あまつさえ、話し掛けてきた。 「…………どォも、商人の兄サン」 沈黙ののち、慣れた笑い顔を浮かべて。 片手を軽く挙げて死人に応える。 「死んだクセ、当たり前みてェに口ききやがって。 あの世は休業中かねェ」 (-66) 2021/07/08(Thu) 22:36:04 |
【秘】 商人 ミロク → 遊惰 ロク「私も視える性質だったのですが、 ここまで直ぐとは思いませんでした。 あなたには、会おうか会わないかは悩んでいましたが。 死んでしまう人に、会っても、何も嬉しくないでしょう?」 ごめんなさい、と呟いて目を伏せた。 たた、やはり見えているのかと、少し満足げに笑った。 「あなたに言われたとおり、 彼らには食事と未来の足掛かりを配っておきました。 その上でお聞きしますが、まだ死んでしまうつもりですか? 飢えて死ぬのを待つのは辛いでしょう、 私、あなたに死んでほしいと思っていないんです。 あなたは死んでくれると疑っていませんが。 取引は、彼らを生かして死ぬことで何も変わりがありませんね?」 (-69) 2021/07/08(Thu) 23:00:40 |
【秘】 遊惰 ロク → 商人 ミロク「お前サン、あとのことまで手ェ配ってくれたのか」 驚きに目を瞠ったのち、それをひどく嬉し気に細めて。 無意識のうち、幾分か柔らかな声を出す。 「……そいつはよかった。 ロクな生活してねェみてェだから どうにかならねェかと思ってたンだが。 おれァあの子ら怖がらせちまうだけだったからさ」 それから一転。あっけらかんと答える。 一人分欠けた、 漸く手にした 死ぬ理由。埋まりもせず覆りもしない儘、そこにある。 「ハハ、飢えるかその前に首括るか、 どちらにせよ死ぬのにかわりはねェかなァ。 ――そうだなァ、お前サンに頼んだのはそンだけだ。 どうしてあンな死に方したんだか、 是非にも聞きてェとこではあるんだけども」 (-71) 2021/07/09(Fri) 0:09:42 |
【秘】 商人 ミロク → 遊惰 ロク「理由ですか?」 どういたしまして、と、取引でしたから、と。 淡々と並べてやってきた言葉に優しく囁きかえす。 「あなたが死ぬ姿を見たくありませんでした」 幽霊になって、会話ができるようになるなんて、 生きているときは思いもしませんでしたから。 「でも、やはり、見ることになってしまいそうですね。 残念です」 (-81) 2021/07/09(Fri) 8:55:37 |
【墓】 商人 ミロクこれは、少し前。 まだ男が命を落とす前。 病院の裏手にスコップを持った男の影が一人。 スコップの影がもう一つ。 深く、深く穴を掘っていました。 少し離れたところにも、もう一つ、穴が掘られました。 一つの穴には小さな骨と薬の入った陶器の壺。 もう一つの穴には黒猫の遺体を入れました。 壺の中には、ニエカワの骨が入っていました。 もう一つ、ニエカワの夢が入っていました。 黒猫はタオルに包まれていましたが、 埋められれば次第に土にかえるでしょう。 どちらも弔う為に、作られた、お墓でした。 技師の墓は、ありませんでした。 知りませんでした、知ろうとしませんでした。 彼女はきっと、どこかに、行ってしまったんでしょう。 (+9) 2021/07/09(Fri) 9:01:48 |
【墓】 商人 ミロクまだ雨の降りしきる中、濡れない男はその地面を見下ろす。 しゃがみこんで、手を合わせて。 目を細めればどこかに"彼ら"の気配を感じた。 まだ病院のどこかで、誰かを待っているのだろう。 「ああ、結構無事ですね。 かなり深く掘りましたし、……突然掘り出す人も、 墓荒らしする不届き者も獣ぐらいで。大丈夫かな」 同時に誰の墓かかも皆にはきっとわからない。>>+9 ここに残る彼らになら知らせてもいいかもしれないが、 今だと外に出てきてしまうかもしれない。 骨があったことが知られてしまうかもしれない。 あの肉が"人"であったことが知られてしまうかもしれない。 ……しばらく秘密のお墓としよう。 この病院によくいた猫も一緒に埋めた。 多分、寂しくないだろう。 「もう二度と口を聞けないと思っていたんですけど…。 せっかくまだいられるのなら、 最期ぐらい見届けようと思います。 さて、一体人の魂の寿命はいつまででしょうか?」 (+11) 2021/07/09(Fri) 10:40:10 |
【秘】 遊惰 ロク → 商人 ミロク「あンな死に方選んだ訳を聞いてンだが―― ……。…………、―― ぇ、? 」初め、囁かれたそれこそが答えだとは思わなかった。 だから変わらぬ調子で言葉を紡いで、不意に途切れて。 沈黙の末、小さな声が口から洩れた。 半ば呆然とした様体で、死んだ男の顔を見る。 左の耳朶、光る飾りは妙に浮いていて。 ――死人ってのは、 死んだときの恰好で現れる決まりなんだろか。 そんな場違いな事を片隅で考え乍ら、 よく回る筈の口は、短く。問い掛けの形に動いていた。 こと 「……そンな理由で?」 (-87) 2021/07/09(Fri) 14:26:51 |
【秘】 商人 ミロク → 遊惰 ロク「はい。 無駄な、足掻きでしたね、思いついた頃には。 誰かが誰かのために望む死が他にあるのならば、 あなたは残る可能性がありました。 今となっては、わかりませんが。 私は、生きるよりも大切なことはあると学びましたから。 あなたが望んだことどおりに運ぶ可能性もありました。 私は、あなたが望んだ通り、 子供たちのために死ぬ大人ができたと思っています。 取引通り、食事と一緒に。 他の荷物は渡せませんでしたから、遠くへやりました。 まだ、疑問がありますか。 生前からいっていたとおりです」 問いかけを繰り返している自覚がある。 死因に関しては、自分は一切関わっていなかったから、……それを気にしているのだろうか? 「首を切り落とされていたことに関してですか? ……、……。 あれは、痛いのも、苦しむのも嫌でしたから」 本当は、理由はたくさんある。 あえて告げていないものもある。 それを生きている目の前の青年に言うべきかを迷い、呟いた。 二度と会えないはずだったのだから。どうせならば。 ▼ (-89) 2021/07/09(Fri) 15:03:17 |
【秘】 商人 ミロク → 遊惰 ロク「死にたく、ありませんでした。 一人で、……自分の意思で死ぬのが怖くなりました。 このままでは取引ができなくなると思い、 死に方を教わって、手伝ってもらいました。 私の飢えは空腹ではありませんでしたから。 このままでは約束を違えて、生かそうとしたでしょう。 だから、殺されました、殺してもらいました。 最後にほしかったものも、あなたから貰えましたから。 後悔は、ありません」 (-90) 2021/07/09(Fri) 15:05:07 |
【秘】 遊惰 ロク → 商人 ミロク 目を逸らしていたそれを正面から突き付けられて。 指の先から心の臓まで、余さず冷え切っていく心地がした。 ――そりゃァそうだろう。 、、、 好き好んで死ぬ程――文字通り、死ぬ程―― 怖い思いをしたい人間なんて、そうそう居はしまい。 「……なンで、そこまでして」 なのに眼前の男は、それでも死んだと言う。 死ぬ事より反故にする事の方が重かったとでもいうのか。 あんなの所詮はただの口約束で、 舌先三寸、幾らでもカンタンに破れたろうに。 ――おれが死ぬとこ見たくねェって、 死んでほしくねェって、なんでそんなこと言うんだろ。 ぐるぐると糖の足りない頭の中で渦巻いて、巡らして、 考えるからクラリと眩暈がする。▼ (-106) 2021/07/09(Fri) 20:36:57 |
【秘】 遊惰 ロク → 商人 ミロク「――だれに、手伝ってもらったんだ? あの医者ではなさそうだったけども。 そンで空腹じゃねェ飢えって、なんのことかねェ。 ……生かそうとしたって、だれのことを? “だから”って、なにがどう、“だから”なんだ? そンで。まるで見当がつかねェんだけども、 ――お前サンのほしかったものって、なんだろ」 “あれナニこれナニどうなってンの”と 五月蝿い子どもみたいに、尽きない問いを幾つも重ねた。 (-107) 2021/07/09(Fri) 20:37:33 |
【秘】 商人 ミロク → 遊惰 ロク「あなたが、いったんじゃないですか。 大人は、子供を守るべきだって」 きれいに見える言葉を並べて、対面を繕って相手の気持ちに寄り添うのが商人の世渡り。 いくら無愛想でも面白い人間には寄ってくる、主人はそういった。あなたはそう言ってくれましたが、私はいつまで立ってもつまらない人間でしたよ。 「誰に。タマオさんに。 ものが触れるらしかったので、そのまま頼みました。 何のこと。 話せる相手がほしかったんですよ、それだけです。 誰のこと。 約束の子どもたち以外に、あなたを考えました。 限界とはわかりつつ、です。 なにが。 だから、子供を害しそうな私は死んでしまったほうが、 彼らのためになると思いました。 欲しかったものは……、 私だけのものですよ」 一つ一つ丁寧に答えた。 あなたが納得しないのをわかりながらそれでも、答えた。 (-119) 2021/07/10(Sat) 6:51:58 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク/* やあ墓友オネエ! アンタの死体、発見された部屋でシーツ(血塗れ)やら毛布で包まれた状態になってるわ。 保管場所が無いので移動させたり、特に手は加えてないわよ! 一応報告しとくわね。 (-120) 2021/07/10(Sat) 10:11:43 |
【秘】 遊惰 ロク → 商人 ミロク 一つ一つ、キッチリ返された答えを聞いて。 尚も納得とは程遠くに居る。 近づく必要が、あるんだろうか。 商人の頭の左っかし。白く光るそれを見遣り乍ら、 己の右の耳介をトンと指で叩く。 「そいつのことかい。 ……ンな大層なモンやったつもりは、なかったんだが」 叩いた指の、爪の間。 黒く澱んだ赤色が僅かに残っている。 「おれが、言ったからって。 それ律儀に守って死ねるモンなのか。 商人ってのは、……ちげェよな、損が勝ちすぎてら」 堂々巡り、千日手。 ……それよかちっとはマシだと思うが。 あと幾つ重ねれば足りるのか、サッパリ分からない。 「……お前サン、どうして死んでくれたンだろ」 (-121) 2021/07/10(Sat) 12:07:46 |
【秘】 商人 ミロク → 遊惰 ロク「…………答えることが変わりません。 誰かから聞いてきますかね? 私の言葉は正しくないかもしれませんから」 手元の黒い毛玉を離すと、猫は廊下をかけてふっと消えてしまう。 「他に話したいことは、してほしいことはありませんか? 私先程確認しましたが、あなたの死は取引に入れてません。 あなたがそういうのでしたら、同じです。 それこそあなたも死ぬ必要なんてないんですよ。 律儀に食べないなんて、損な生き方をしていますね」 (-123) 2021/07/10(Sat) 12:25:16 |
【秘】 商人 ミロク → 諦念 セナハラとっとっ、聞き慣れない足音がしてあなたは床を見下ろした。 そこには小さな黒猫がおり、あなたの前を横切った。 この病院には猫がたまに餌にあり付きに来ていました。 看護婦や患者に可愛がられ、ちょっとしたアイドル。 クレイシがよく面倒を見ていたが、 台風の前からめっきり姿を現さなくなっていた。 もちろん今日この日まで病院内では見かけられていない。 猫がこんな台風の中? と思っていると。 後ろから声がする、あなたは、思わず振り返る。 「御機嫌よう。 ……私のことはわかりますか?」 あなたの前で亡骸を晒した男がそこに立っていた。 (-126) 2021/07/10(Sat) 12:49:07 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク「……ええ、わかりますとも。 霊魂の存在を改めて思い知りましたよ」 じっと貴方の首元を見やる。 あの縫合痕は残っているだろうか。 「ねえ、貴方を殺したのってロクさんじゃないんですか? 自殺するとは思っていましたが、 まさか協力者がいるとは考えてませんでしたよ」 (-128) 2021/07/10(Sat) 13:03:44 |
【秘】 商人 ミロク → 諦念 セナハラ「ロクさんにやらせる理由がないですね? やってくれたのは、タマオさんですよ。 あの方、何でも触れるんです。 ニエカワさんを埋めるときの穴掘りも手伝ってもらって。 でも流石に血が多すぎて驚かせましたね。 痛みを伴わず楽に死にたかったので、 あんなふうになりました。縫われたのはよくわかりません」 縫われたのは本当によくわかりません。なんですかね。 見た目は生前の通り首もつながっている。 左耳のピアスがどことなく浮いている。 「遺体を片付けて下さりありがとうございます。 なにか、そうですね、あのときは急いでいましたから。 話せなかったことが多かったです。 まだ、いられる気がするので、取引ではないですが。 お礼に、私の話で良ければ聞きませんか。 あなたの死んでしまったときの話も、聞きたいのです」 順番、ということで。とゆるく笑って問いかけた。 (-129) 2021/07/10(Sat) 13:26:51 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク笑いかけられると、つい笑い返してしまう。 幼い頃、身に付いた癖だった。 「……まあ、時間はありそうですからね。 僕も、貴方には聞きたい事がありますから」 窓の外に目を向けた。 恐らく自分には、気が遠くなる程の時間がある。 逃げたくても、逃げられやしない。逃げる資格も無い。 貴方の話の中で、タマオやロクの事も少し知れるだろう。 そんな予想の元、耳を傾けた。 (-131) 2021/07/10(Sat) 13:39:01 |
【秘】 商人 ミロク → 諦念 セナハラ「少し、調理場で話したのですが。 ……私はどこで生まれたか、いつ生まれたかが分かりません。 それ自体は珍しくないと思っています。 今の主人に拾われ、芸を少々。 顔が、良かったようなので。上手く稼げました。 12の頃から商業を学び、違法なものも含め多くを売りました。 信頼と、倫理観は同じ場所にない。 ただより高いものはなく、できた信頼は次の 取引 に繋がる。そう、実践で学びました。 金銭を要求しながら、価値を求める。 相手の悩みや、必要なものを見定め、商品を提供する。 表情が乏しい私でもできました。 むしろ心地よかったです、『想像以上に優しかった』 『こんなにもらっていいのか』『あなたはいい人だ』、 そうやって言ってもらえるんです。 取引 さえできて次につながれば損なんてないんです、ただで渡す代わりにその商品を必要な理由を必ず求めます、 ……寄り添い同情し生き様に感心することが心から好きです。 誰かは、騙していると、言うのかもしれません。 ですが、これが私の 商人 としての。ミロクとしての生き方 になりました」▼ (-133) 2021/07/10(Sat) 14:34:22 |
【秘】 商人 ミロク → 諦念 セナハラ「ようやく、ここにきてからの話です。 私は取引を、"目的"と"言い値"で交換しています。 商品を渡す代わりに、 欲しい"理由"と、払おうと思える"金銭"をいただくんです。 それが、見合う見合わないか、嘘か本当か 犯罪に手を染めようと商人の私には関係がありません。 理由は、先程言ったとおりですね? 私は、偽善のつもりはありません。 商人として取引をしに来たのですから」 でも、と続け。 死んでも個人の情報は守り続けるべきだと、 細かい内容は伏せられる。 質問をされたら、答えるかもしれないが。 ▼ (-134) 2021/07/10(Sat) 14:40:10 |
【秘】 商人 ミロク → 諦念 セナハラ「私から取引をすることはあまりありません。 ひとまずの目標は患者さんや、技師のアユミさんでしたね とくに、 困っていそう でしたから。一番はじめに、ニエカワさんの 夢 を聞いて取引をしました。少しの金銭をやりとりをして、未来を夢見ました。 少し間に合わないとも、思いましたが。 次にロクさんです。取引したのは 願い でした。他にお礼にピアスを一ついただきました。 それは。取引とは関係ない物でして。 とても、嬉しく思いました。"私が"いただいた価値ですから。 次にタマオさんと 言葉 の取引をしました。この取引は、私の人生にとって目からうろこでした。 ですが、どうやら過剰に払いすぎたらしく。 その後いくつか私の手伝いをしてくれるようになりました。 それが先程の話に繋がります。 次にフジノさんと 未来 の取引をしました。村での暮らしや、有意義な会話をして。 彼女には大人になるまで生きていて欲しいと思いました。 次にメイジさんと 将来 の取引をしました。落ち込んでいましたが、生きていて欲しいとお伝えしながら、 無事に別れを言えました」 ▼ (-136) 2021/07/10(Sat) 14:44:28 |
【秘】 商人 ミロク → 諦念 セナハラ「その中で、 取引 が一つ。ありました。私が死ぬこと に、価値 を見てもらえたんです。商品にしたつもりはその方は無かったのでしょう。 ですが、生きていてもなにもなかった私は、 求められた瞬間、人生を差し出せると思いました。 理解していただけますか? できませんかね。 望まれたことなんて無かったんです、生死のどちらも。 私はなんのために生きていたのでしょう。 そんなところです、私が死んだ理由は。 私を死んで欲しい [必要] としてくれたのが嬉しかった。ただ。どうして死んだのか、と聞かれて答えたのですが。 正しい答えを返せていないようです。 あなたに生きて欲しいから、取引をしたからだと言ったのに。 どうしてわかってくれないんでしょうね」 男は酷く饒舌に語った。死んでいるのに。 (-137) 2021/07/10(Sat) 14:50:23 |
【秘】 遊惰 ロク → 商人 ミロク「『取引だから』『約束したから』、 それがそンなに大事なことかねェ」 駆けてった猫を目で追って、 消えた辺りを見つめ乍らポツリポツリと言葉を吐く。 「……産みの親は顔も名前も分からねェ。 上のきょうだいはいたらしいが覚えちゃいねェ。 とこ クソみてェな孤児院で何遍も盗みはたらいて、 隠すのばっかりハンパに上手になっちまったから 養子にとられてあいつらおいてく羽目になって。 銭盗って逃げても、女子ひとり迎えにいけやしねェ。 ――そンで逃げ込んだ先でガキも守れず、 手ェ汚さずに人様死なせた。 こんなロクデナシ、生きてく必要もなかろうよ」 いつかの問いのやり直し。 あの子らが生き延びて満たされて、おれも生きてる未来の話。 夢物語だと思ったから、簡単に答えられた。 男の出した本当の答えは、『そんな未来はやってこない』。 ふっと顔ごと視線を動かし、琥珀を見つめる。 紫に黒を僅かに落とした様な、暗い色した瞳で問う。 「なァ、商人サン。『取引』すりゃァ、おれのこと。 お前サンが死なせてくれんのかなァ」 (-138) 2021/07/10(Sat) 14:53:32 |
【秘】 商人 ミロク → 遊惰 ロク「ミロクとしての生き方に、それしか有りませんから」 "ミロク"は"商人としてもらった名前"だ。 「あなたが"目的"と"言い値の金銭"を払ってくれるのならば。 取引は出来ますよ? 私を、納得させられる目的ならば、ですが。 それがあなたに必要なことならば、 私は叶えてあげたいですね。 目的に、倫理を問いはしますが、 取引に信頼と倫理は関係ありませんから」 どうしてそう思ったのか、あなたに訪ねるでしょう。 隠し事をさせず出来る限り納得するまで問うでしょう。 その結果与えるものが凶器でも、罪でも、死でも。 取引として渡せる物ならば、私は、与えるのでしょう。 (-139) 2021/07/10(Sat) 15:23:53 |
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