人狼物語 三日月国


111 【身内村】あの日の、向こう側【R18】

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プロローグ

【人】 とある書物

 
 
 ぱらり、と
 ページが捲られる。
(0) 2021/11/30(Tue) 19:23:33
到着: 木峰 海斗

【人】 木峰 海斗

 
 
 心の奥底で、ずっと粘つき、燻っていた。
 ―――― 許されない
心。

 あの日、
てようとした想いは、
 あの日、掬われ繋がり
なった。
 
 
(1) 2021/11/30(Tue) 19:41:54

【人】 木峰 海斗

 
 
 
 枯れさせなければ、いけなかった
草は、
 季節を超えて、未だ綻んだまま――…
 
 
 
(2) 2021/11/30(Tue) 19:41:56

【人】 木峰 海斗

 
 
 絵本や童話なら、ハッピーエンド
 めでたし、めでたしで終わる物語。

 だけど、俺たちが生きている世界は、現実だから。
 幸せな物語のままで、放っておいてはくれない。

 あれから先も、物語は、続いている。
 これは、そう奇跡のようなあの夏の日、
 
 
(3) 2021/11/30(Tue) 19:41:58

【独】 木峰 海斗

/*
うっかり間違えたID
(-0) 2021/11/30(Tue) 19:42:59
離脱: 木峰 海斗

到着: 木峰 海斗

【人】 木峰 海斗

― あれから ―

[ ホテルであった奇跡的なできごと。
  それから、わりとすぐのこと。

  項につけられた
は、まだ薄く残っていて
  自分の目では見えない位置のせいで忘れていた。


  大学に行って、
  いつも通り賑やかな友人たちと、一緒にすごしていれば

  ふいに、一人がぽつりと言う。]
(4) 2021/11/30(Tue) 19:59:47
到着: 天海谷 睦月

【人】 天海谷 睦月

 
 
   あれ、海斗…… 彼女でもできた?
   こんなとこにキスマークなんかつけちゃって
 
 
(5) 2021/11/30(Tue) 20:00:01

【人】 木峰 海斗

 
[ やらしー、と、揶揄うようにケタケタ笑う友人。
  一瞬で、なんのことか理解して、顔が熱くなる。

  『海斗にも、ついに春がきたかー』なんて
  茶化す声に、頭をがしがし掻いて]
 
 
   はぁ!? いや、別に……いーだろべつに
   はいはい、そんなかんじだよ


[ 適当に肯定した。
  “彼女”ではないけど、間違いでもない。

  でも、こういう風に茶化されるのは、面倒だから
  あとで兄貴に言っておかねーとな


  そんなことを考えていると、
  ぞく、と何か悪寒がした。


  まわりに視線を向けるが、何もない
  ケラケラ笑っている友人たちがいるだけだ。

  その時は、気のせいだってことにして、
  そのことは、すぐに忘れてしまっていた。]
 
(6) 2021/11/30(Tue) 20:00:56

【人】 木峰 海斗

[ その後、肌を重ねた時は、ただ戯れていた時か。

  兄貴が、痕をつけようとしている気配を感じたら
  そっと身を捩り、手で隠して。]
 
 
    痕…… つけんの、禁止……
    この前、ダチに見られて、――…



[ 恥ずかしかったから
  なんて言って、拒んだけれど、
  さて、言うことを聞いてくれたか、どうか

  わざと目立つ所なんかにつけられたら
  顔を真っ赤にしながら、
  ふざけんなと、怒っただろうな*
]
(7) 2021/11/30(Tue) 20:01:10

【人】 天海谷 睦月

[ ある日、友人の項に赤い痕を見つけてしまった。

  『やらしー』と、>>5
  けらりと笑って茶化したけれど
 
  俺の胸中に落ちたのは、
  じわり、と広がる仄暗い感情。


  海斗は、女に興味がないと思っていた。
  同時に、誰にも興味がないと思っていた。


  一緒に笑って、騒いで、楽しくて
  ちょっと触ると嫌がる癖に、拒む仕草は優しくて
  ―― 根が真面目な可愛い奴


  友人として好きだと思っていた。
  だけど、この感情はなんだろうか。

  白い項に散った赤い痕を見つけてしまって、
  それをつけたのは、誰なんだよ、と
  怒りに似た感情が湧き上がってくる。]
 
(8) 2021/11/30(Tue) 21:01:01

【人】 天海谷 睦月

 
 
 
[ 海斗は、誰のものにもならない。
  そう、思ってたから――…   ]

 
 
 
(9) 2021/11/30(Tue) 21:01:08

【人】 天海谷 睦月

 
   
   ふーん、この前の年上美人とか?


[ 『そんなかんじだよ』と肯定が返ってくれば>>6
  湧き上がる感情の色は濃くなった。

  いつもより、少し低い声で問い返したが、
  海斗は、鬱陶しいというように、
  手をひらひらさせるだけで、答えてはくれない。

  海斗の周りにいる女で、         
  動きを確認できていないのは       
  あの謎の年上美人くらいだから、     
  やはりあの人が相手だろうか。      


  これ以上、海斗に探りを入れても
  情報は得られ無さそうだ。

  一瞬だけ、暗い瞳で見つめてしまったが、
  何かを察知したような海斗がこちらを見たから
  ケラケラと、他の仲間と同じように笑って
  今は、この感情に名前をつけるのをやめた。
]
(10) 2021/11/30(Tue) 21:01:12

【人】 木峰 海斗

[ 痕をつけるのを禁止と言い渡してから
  しばらく時間が経った頃のこと。

  まだまだ、残暑厳しい蒸し暑い季節のこと。

  何度かは、痕をつけるのを阻止したり、
  いつのまにか、つけられたり、
  そんな攻防を繰り返していたりもした。
  ―― かもしれない


  ここ数週間は、両親が珍しく出張だとかがなくて
  たぶん、そういうやり取りはなかったから
  俺の首やらには、赤い痕はなくなっていたはず。

  それでいいはずなのに
  少しだけ、寂しいような、物足りないような
  ―― いろいろ毒されてる気がするけど、


  兄貴の色に染まっていく自分が、嫌じゃなかった]
(11) 2021/11/30(Tue) 21:01:49

【人】 木峰 海斗

[ 午前中、最後の講義を終えて、
  昼食後、次の講義までそこそこ時間があったから

  昼寝でもするか、と
  サークル棟に向かうことにした。
 
  名前だけ貸して欲しいと頼まれて所属している
  『アウトドア研究会』

  キャンプも真面目にやってるらしいが
  飲むのが、割とメインそうな内容だったから、
  あまり参加したことはない。

  今日も確か、サークルの殆どのメンバーは
  どこかの山のキャンプ場に行っていたはず。

  サークル棟の受付で、鍵の所在を確認して、
  共有の鍵が返されているのを確認すれば、
  鍵を受け取って一人、部室の中へと入れば、

  窓を開けて、空気を入れ替えている間に
  部室の3分の1を占めいているハンモックに
  身体を預けて、鍵をかけ忘れたけれど
  どうせこの時間は、誰もこないだろうと
  スマホのアラームを設定すれば、
  ゆっくりと瞳を閉じた。]
 
(12) 2021/11/30(Tue) 21:01:54

【人】 天海谷 睦月

 

   あれ? 海斗?


[ 次の講義までの間、少しだけ時間があったため
  構内の喫茶店で時間でも潰そうかと思っていたら
  サークル棟の方へと歩いていく海斗を見つけた。

  サークルには、殆ど参加していないと言っていた。
  そんな覚えがあるが、珍しく参加するんだろうか。

  友人の珍しい行動に興味が惹かれて
  後を追った
―― 悪戯心がむくりと起き上がって


  『アウトドア研究会』の部室がどこか
  探すのに手こずりつつ、
  やっと部屋の前までやってきたが
  扉の向こうから、人の声が聞こえてこない。

  少なくとも、海斗はいると思ったが、
  いないんだろうか?

  好奇心でドアノブをひねれば、簡単に開いて、]
(13) 2021/11/30(Tue) 21:02:07

【人】 天海谷 睦月

[ そこで、海斗は―― 眠っていた。

  眠っていると、普段の小生意気な表情が消えて
  少し幼く見えるから、寝顔は可愛らしい。

  本人に言うと怒られるだろうから言わないけど
  初めて見たわけでもないのに、
  なぜか、―― どきり、とする。

  ハンモックの上で、器用に丸まって寝ている姿は
  普段懐かない凶暴な猫が、無防備に寝ているようで
  吸い込まれるように、足が動けば、
  眠る海斗の目の前までやってきていた。

  白かった首筋は、少しだけ焼けていて
  暑いのだろう、
  僅かに、しっとりと汗をかいていて――


  普段見ることはない光景が、妙に色っぽく見えて、
  ぞくり、と身体の奥底が
いた。]
(14) 2021/11/30(Tue) 21:02:14

【秘】 天海谷 睦月 → 木峰 海斗

 
 
 
   ―――― 海斗



[ そっと、耳元に唇を寄せて、名を呼んだ ]  
(-1) 2021/11/30(Tue) 21:02:21

【人】 天海谷 睦月

[ 僅かに身じろぐも、起きる気配がなくて

  ――――
が差した 


  耳元に寄せた唇で、そのまま耳裏を擽って
  起きないか様子を伺いながら、
  いつだか、赤が散っていた場所まで辿る

  ―――― なぁ、誰につけられたんだよ


  今は、痕のひとつもない綺麗な場所に
  ―― 一片、仄暗い笑みを浮かべて ]       
(15) 2021/11/30(Tue) 21:02:28

【人】 天海谷 睦月

 
[ ちゅ、ぢゅ、と下品な音を
  誰が来るかもわからない部室の中に響かせて、
  いつ起きるかもわからない友人の項に痕をつけた。

  誰のものにも、ならないと思ってた。
  そんな海斗が、誰かのものになった。
  子ども染みた、僅かな
嫉妬
心――…


  罪悪感と、背徳感に、ぞくぞくとする。

  悪いとは思ってる、
  でも、止める気にはならなくて
  同じ場所に、なんども赤を重ねた。

  最初は、薄かった赤は、重ねれば濃くなって
  罪悪感は、より増していく。

  何度目か、色を重ねていれば、
  海斗が、もぞもぞと動いて、
  僅かに、色香が漂う吐息を零す。]
 
(16) 2021/11/30(Tue) 21:02:33

【人】 木峰 海斗

 
 
   ……ッ、ん……つ、き――?


[ 首筋に感じる甘い刺激に、
  身動ぎをして、吐息を漏らしながら名前を呼んだ。

  こんなことをするのは、兄貴しかいないから
  『夏生』―― と、微睡みの中で、寝ぼけて、


  大学の、しかも、誰もいない部室に
兄貴がいるわけがないのにな。  
]     

 
 
(17) 2021/11/30(Tue) 21:02:37

【人】 天海谷 睦月

[ 心臓が、どくり、と脈打った。
  たぶん、緊張のせい
―― そう思いたい


  海斗の口から、漏れた吐息に
  興奮を覚えたとかではなく。

  『睦月』と、俺の名前を呼んだ気配に
  たぶん、気付かれたと焦ったんだ。

  慌てて顔を上げて、数歩後ずさる
  起きる気配がしなければ、引き際だと判断して、
  そっと静かに部室を後にした。

  これは、悪戯心だ。それと、
  海斗を手に入れた奴に対して、ちょっとした警告
  ―― アンタの恋人、凄い無防備なんだよ という


  そう自分に言い聞かせなければ、
  今の関係が崩れそうで、越えてはいけないラインを
  飛び越えてしまいそうだったから。
  え? もう越えてるって? バレなきゃ良いんだよ。
]
(18) 2021/11/30(Tue) 21:02:44

【人】 木峰 海斗

[ 少しずつ覚醒していけば、周囲に視線を向ける
  だが、そこには誰もいなかった。]
 
  
   ……ん? 誰も、いない……?


[ 夢、だったのか。
  そう思いながら、首筋を撫でれば、
  僅かに湿っていて、でも汗をかいているだけと
  その時は、深く考えもしなかった。

  それ以前に、いやらしい夢を見てしまったと
  一人恥ずかしくなってしまって、
  そのことは、むしろ忘れようとしていた。
]
(19) 2021/11/30(Tue) 21:03:37

【人】 木峰 海斗

 
 
   やべ、そろそろ行かねーと


[ 羞恥に頬を染めていれば、
  スマホが現実に引き戻すようにアラームを鳴らす。

  自分に言い聞かせるように、声に出せば
  ハンモックから降りて、次の講義へと向かった。

  今日は、これが終わったら
  真っ直ぐ家に帰るつもりだ。

  久方ぶりに、両親のいない週末だから
  ―― 兄貴に、触れたいと思っていた。


  だから、変な夢も見てしまっただろうと思う。
  そう思って、部室であったことは記憶から消した
  憶えたままなのは、恥ずかしいだろ?
]
(20) 2021/11/30(Tue) 21:03:42

【人】 木峰 海斗

― 自宅 ―

[ 慣れた手つきでドアのカギを開けて、扉を開けば
  誰もいないのに『ただいま』と律儀に声をかけて
  乱雑に靴を脱ぎ捨てて、洗面台に向かう。

  顔を洗った、
  今日は、本当に暑かったから、
  頬が暑さで少しだけ赤くなっていた。

  鏡の向こうにいる自分は、いつも通りで
  首に何か違和感があるとか、
  そんな気配は、一つもなくて、気付かない。


  ただ、外の暑さのせいで、少し頬が赤いだけ。

  夕飯の準備をする前に、シャワーを浴びようか
  だが、せっかくだから湯船に浸かりたいと思って
  風呂の栓を抜いて、手洗いうがいと、
  母さんに小さな頃から言われていた習慣を済ませ、
  荷物を置きに、一度自室へと向かった。]
(21) 2021/11/30(Tue) 21:03:46
 




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