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【人】 木峰 海斗心の奥底で、ずっと粘つき、燻っていた。 ―――― 許されない 恋 心。あの日、 捨 てようとした想いは、あの日、掬われ繋がり 重 なった。 (1) 2021/11/30(Tue) 19:41:54 |
【人】 木峰 海斗絵本や童話なら、ハッピーエンド めでたし、めでたしで終わる物語。 だけど、俺たちが生きている世界は、現実だから。 幸せな物語のままで、放っておいてはくれない。 あれから先も、物語は、続いている。 これは、そう奇跡のようなあの夏の日、 (3) 2021/11/30(Tue) 19:41:58 |
(n0) 2021/11/30(Tue) 19:42:00 |
【人】 木峰 海斗― あれから ― [ ホテルであった奇跡的なできごと。 それから、わりとすぐのこと。 項につけられた 痕 は、まだ薄く残っていて自分の目では見えない位置のせいで忘れていた。 大学に行って、 いつも通り賑やかな友人たちと、一緒にすごしていれば ふいに、一人がぽつりと言う。] (4) 2021/11/30(Tue) 19:59:47 |
【人】 木峰 海斗[ やらしー、と、揶揄うようにケタケタ笑う友人。 一瞬で、なんのことか理解して、顔が熱くなる。 『海斗にも、ついに春がきたかー』なんて 茶化す声に、頭をがしがし掻いて] はぁ!? いや、別に……いーだろべつに はいはい、そんなかんじだよ [ 適当に肯定した。 “彼女”ではないけど、間違いでもない。 でも、こういう風に茶化されるのは、面倒だから あとで兄貴に言っておかねーとな そんなことを考えていると、 ぞく、と何か悪寒がした。 まわりに視線を向けるが、何もない ケラケラ笑っている友人たちがいるだけだ。 その時は、気のせいだってことにして、 そのことは、すぐに忘れてしまっていた。] (6) 2021/11/30(Tue) 20:00:56 |
【人】 木峰 海斗[ その後、肌を重ねた時は、ただ戯れていた時か。 兄貴が、痕をつけようとしている気配を感じたら そっと身を捩り、手で隠して。] 痕…… つけんの、禁止…… この前、ダチに見られて、――… [ 恥ずかしかったから なんて言って、拒んだけれど、 さて、言うことを聞いてくれたか、どうか わざと目立つ所なんかにつけられたら ]顔を真っ赤にしながら、 ふざけんなと、怒っただろうな* (7) 2021/11/30(Tue) 20:01:10 |
【人】 天海谷 睦月ふーん、この前の年上美人とか? [ 『そんなかんじだよ』と肯定が返ってくれば>>6 湧き上がる感情の色は濃くなった。 いつもより、少し低い声で問い返したが、 海斗は、鬱陶しいというように、 手をひらひらさせるだけで、答えてはくれない。 海斗の周りにいる女で、 動きを確認できていないのは あの謎の年上美人くらいだから、 やはりあの人が相手だろうか。 これ以上、海斗に探りを入れても 情報は得られ無さそうだ。 一瞬だけ、暗い瞳で見つめてしまったが、 ]何かを察知したような海斗がこちらを見たから ケラケラと、他の仲間と同じように笑って 今は、この感情に名前をつけるのをやめた。 (10) 2021/11/30(Tue) 21:01:12 |
【人】 木峰 海斗[ 痕をつけるのを禁止と言い渡してから しばらく時間が経った頃のこと。 まだまだ、残暑厳しい蒸し暑い季節のこと。 何度かは、痕をつけるのを阻止したり、 いつのまにか、つけられたり、 そんな攻防を繰り返していたりもした。 ―― かもしれない ここ数週間は、両親が珍しく出張だとかがなくて たぶん、そういうやり取りはなかったから 俺の首やらには、赤い痕はなくなっていたはず。 それでいいはずなのに 少しだけ、寂しいような、物足りないような ―― いろいろ毒されてる気がするけど、 兄貴の色に染まっていく自分が、嫌じゃなかった] (11) 2021/11/30(Tue) 21:01:49 |
【人】 木峰 海斗[ 午前中、最後の講義を終えて、 昼食後、次の講義までそこそこ時間があったから 昼寝でもするか、と サークル棟に向かうことにした。 名前だけ貸して欲しいと頼まれて所属している 『アウトドア研究会』 キャンプも真面目にやってるらしいが 飲むのが、割とメインそうな内容だったから、 あまり参加したことはない。 今日も確か、サークルの殆どのメンバーは どこかの山のキャンプ場に行っていたはず。 サークル棟の受付で、鍵の所在を確認して、 共有の鍵が返されているのを確認すれば、 鍵を受け取って一人、部室の中へと入れば、 窓を開けて、空気を入れ替えている間に 部室の3分の1を占めいているハンモックに 身体を預けて、鍵をかけ忘れたけれど どうせこの時間は、誰もこないだろうと スマホのアラームを設定すれば、 ゆっくりと瞳を閉じた。] (12) 2021/11/30(Tue) 21:01:54 |
【人】 天海谷 睦月あれ? 海斗? [ 次の講義までの間、少しだけ時間があったため 構内の喫茶店で時間でも潰そうかと思っていたら サークル棟の方へと歩いていく海斗を見つけた。 サークルには、殆ど参加していないと言っていた。 そんな覚えがあるが、珍しく参加するんだろうか。 友人の珍しい行動に興味が惹かれて 後を追った ―― 悪戯心がむくりと起き上がって 『アウトドア研究会』の部室がどこか 探すのに手こずりつつ、 やっと部屋の前までやってきたが 扉の向こうから、人の声が聞こえてこない。 少なくとも、海斗はいると思ったが、 いないんだろうか? 好奇心でドアノブをひねれば、簡単に開いて、] (13) 2021/11/30(Tue) 21:02:07 |
【人】 天海谷 睦月[ そこで、海斗は―― 眠っていた。 眠っていると、普段の小生意気な表情が消えて 少し幼く見えるから、寝顔は可愛らしい。 本人に言うと怒られるだろうから言わないけど 初めて見たわけでもないのに、 なぜか、―― どきり、とする。 ハンモックの上で、器用に丸まって寝ている姿は 普段懐かない凶暴な猫が、無防備に寝ているようで 吸い込まれるように、足が動けば、 眠る海斗の目の前までやってきていた。 白かった首筋は、少しだけ焼けていて 暑いのだろう、 僅かに、しっとりと汗をかいていて―― 普段見ることはない光景が、妙に色っぽく見えて、 ぞくり、と身体の奥底が 疼 いた。] (14) 2021/11/30(Tue) 21:02:14 |
【人】 天海谷 睦月[ 僅かに身じろぐも、起きる気配がなくて ―――― 魔 が差した 耳元に寄せた唇で、そのまま耳裏を擽って 起きないか様子を伺いながら、 いつだか、赤が散っていた場所まで辿る ―――― なぁ、誰につけられたんだよ 今は、痕のひとつもない綺麗な場所に ―― 一片、仄暗い笑みを浮かべて ] (15) 2021/11/30(Tue) 21:02:28 |
【人】 天海谷 睦月[ ちゅ、ぢゅ、と下品な音を 誰が来るかもわからない部室の中に響かせて、 いつ起きるかもわからない友人の項に痕をつけた。 誰のものにも、ならないと思ってた。 そんな海斗が、誰かのものになった。 子ども染みた、僅かな 嫉妬 心――…罪悪感と、背徳感に、ぞくぞくとする。 悪いとは思ってる、 でも、止める気にはならなくて 同じ場所に、なんども赤を重ねた。 最初は、薄かった赤は、重ねれば濃くなって 罪悪感は、より増していく。 何度目か、色を重ねていれば、 海斗が、もぞもぞと動いて、 僅かに、色香が漂う吐息を零す。] (16) 2021/11/30(Tue) 21:02:33 |
【人】 木峰 海斗……ッ、ん……つ、き――? [ 首筋に感じる甘い刺激に、 身動ぎをして、吐息を漏らしながら名前を呼んだ。 こんなことをするのは、兄貴しかいないから 『夏生』―― と、微睡みの中で、寝ぼけて、 大学の、しかも、誰もいない部室に ] 兄貴がいるわけがないのにな。 (17) 2021/11/30(Tue) 21:02:37 |
【人】 天海谷 睦月[ 心臓が、どくり、と脈打った。 たぶん、緊張のせい ―― そう思いたい 海斗の口から、漏れた吐息に 興奮を覚えたとかではなく。 『睦月』と、俺の名前を呼んだ気配に たぶん、気付かれたと焦ったんだ。 慌てて顔を上げて、数歩後ずさる 起きる気配がしなければ、引き際だと判断して、 そっと静かに部室を後にした。 これは、悪戯心だ。それと、 海斗を手に入れた奴に対して、ちょっとした警告 ―― アンタの恋人、凄い無防備なんだよ という そう自分に言い聞かせなければ、 今の関係が崩れそうで、越えてはいけないラインを 飛び越えてしまいそうだったから。 え? もう越えてるって? バレなきゃ良いんだよ。 ] (18) 2021/11/30(Tue) 21:02:44 |
【人】 木峰 海斗[ 少しずつ覚醒していけば、周囲に視線を向ける だが、そこには誰もいなかった。] ……ん? 誰も、いない……? [ 夢、だったのか。 そう思いながら、首筋を撫でれば、 僅かに湿っていて、でも汗をかいているだけと その時は、深く考えもしなかった。 それ以前に、いやらしい夢を見てしまったと ]一人恥ずかしくなってしまって、 そのことは、むしろ忘れようとしていた。 (19) 2021/11/30(Tue) 21:03:37 |
【人】 木峰 海斗やべ、そろそろ行かねーと [ 羞恥に頬を染めていれば、 スマホが現実に引き戻すようにアラームを鳴らす。 自分に言い聞かせるように、声に出せば ハンモックから降りて、次の講義へと向かった。 今日は、これが終わったら 真っ直ぐ家に帰るつもりだ。 久方ぶりに、両親のいない週末だから ―― 兄貴に、触れたいと思っていた。 だから、変な夢も見てしまっただろうと思う。 そう思って、部室であったことは記憶から消した 憶えたままなのは、恥ずかしいだろ? ] (20) 2021/11/30(Tue) 21:03:42 |
【人】 木峰 海斗― 自宅 ― [ 慣れた手つきでドアのカギを開けて、扉を開けば 誰もいないのに『ただいま』と律儀に声をかけて 乱雑に靴を脱ぎ捨てて、洗面台に向かう。 顔を洗った、 今日は、本当に暑かったから、 頬が暑さで少しだけ赤くなっていた。 鏡の向こうにいる自分は、いつも通りで 首に何か違和感があるとか、 そんな気配は、一つもなくて、気付かない。 ただ、外の暑さのせいで、少し頬が赤いだけ。 夕飯の準備をする前に、シャワーを浴びようか だが、せっかくだから湯船に浸かりたいと思って 風呂の栓を抜いて、手洗いうがいと、 母さんに小さな頃から言われていた習慣を済ませ、 荷物を置きに、一度自室へと向かった。] (21) 2021/11/30(Tue) 21:03:46 |
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