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【人】 Another Stigmata アレクシス[ グリフィンドールもスリザリンも関係ない。 彼は、エドウィン・ライルは教えてくれたから。 戦うための力を。 負けない意志を。 立ち向かう智を。 至極優秀な成績を、鼻にかける事もなく。 無様な箒姿を晒しても、見損なわずにいてくれた。 マグル出身であろうがなかろうが、 彼の態度に、血筋の分け隔ては感じられなかった。 ] ( スリザリンでも、あの人になら。 打ち明けられると思った矢先の事だ。 ──── あの事件が起きてしまったのは ) (95) 2019/04/13(Sat) 23:39:15 |
【人】 Another Stigmata アレクシス[ それは、豹変と言ってよかった。 戦うための力を、傷つけるために使い。 負けない意志を、過ぎたラフプレーに歪め。 立ち向かう智を、目耳塞いで切って捨てた。 マグル生まれの選手を箒から突き落とす、 スポーツマンシップと倫理に悖る反則行為。 ……それは、惨劇の二年前のできごと。 あの頃を境に、彼は変わってしまった。 マグルは瞬く間に、彼の排斥対象へと裏返し。 ] (96) 2019/04/13(Sat) 23:39:29 |
【人】 Another Stigmata アレクシス( 彼に、なにひとつ言えなかった。 何も届かないんじゃないかって。 マグル生まれでもない半純血の僕に、 言える事はないんじゃないかって。 飛び交う罵言に、冷える視線に、 動くべき足は立ち竦んでしまった ) [ 伝え損ねた言葉は、宙ぶらりん。 彼こそが予言の示す立ち向かうべき相手、 死喰い人達を束ねる、闇陣営の長であると。 その事実が知れ、物語の幕引く間際まで ずっと、ずうっと、仕舞い込まれたきり。 ] (97) 2019/04/13(Sat) 23:40:02 |
【人】 Another Stigmata アレクシス[ だからこそ、思う>>0:728。 瓦礫の山と化した学び舎の玄関ホールで ぼろぼろだった僕に問いかけた言葉は、 きっと、ひどく勇気がいるものだったと。 ] ( 君なら、傍観者でいられた筈だ。 崩れゆくかりそめの平和を嘆いて、 泣いて、逃げ回って、貪欲に生き延びても それを責める人なんて、誰もいないのに。 ) (98) 2019/04/13(Sat) 23:40:14 |
【人】 Another Stigmata アレクシス[ ただ見ているのをやめて、自分にやれる事をと。 目一杯その脚で蹴り出せるのは紛れもなく、 セレスティアの強さで、美コだから。 優しき 勇気 には、勇気 でもって示そう。たとえそれが、張り裂けそうな悲愴を帯びても。 ] 『 この悲劇を、終わらせる 』 ( 忘れちゃいないさ。 忘れようったって出来るもんか。 せめて、せめてあの人を止めるまでは 倒れる訳にはいかなかったのだから! ) (99) 2019/04/13(Sat) 23:40:25 |
【人】 Another Stigmata アレクシス[ ────── だけど。 手を伸ばす事すら下手くそな僕は 終わらせる事ができたとしても、 その先を成すだけの力は持っていない。 無駄だなんて決して思いはしないけれど “ IF ”の最善を探して、思考は堂々巡るばかり。 喉元過ぎて視界が広がったからこそ、でもある。 ] (100) 2019/04/13(Sat) 23:40:42 |
【人】 Another Stigmata アレクシス( “ 新たな始まり ”をこそ成したのは、 ……… やっぱり君だよ、セレスティア )* (101) 2019/04/13(Sat) 23:40:48 |
【人】 Another Stigmata アレクシス+++++ [ 『日刊預言者新聞』は確かに、 思想や世論の偏りがとても激しい>>0:734。 家が魔法族でマグル出身ではない僕でさえも 眉を顰める内容すらも多くある。 とはいえ『ザ・クィブラー』はニッチが過ぎて、 幅広く情報を得るには、新聞が一番手っ取り早い。 どのニュースを、思想を信じるかに関しては、 マグルの言う“ メディアリテラシー ”とやらを 常々、磨き抜くしかないのだろうけれど。 ] ( 苦手授業の時間は、苦行に等しい。 “ めちゃくちゃ疲れる魔法テスト ” そのめちゃくちゃな疲れの内訳は、 試験対策を大いに含んでいると思う。 ) (102) 2019/04/13(Sat) 23:40:59 |
【人】 Another Stigmata アレクシス[ 4年前にひと悶着もふた悶着もあろうが、 僕のビビりな性分は簡単に変わりもしない。 不意打ちの類にひどく驚いてしまうのは、 半ばお約束みたいなものだろう>>0:735。 ] 寝てた僕も僕だけど、 起きないなら起きないで もう少しやり方ってモノがあるだろ? ……試験の時に困るのは君だ。 カンニングできるのは自分の頭だけ、 僕は手伝わないからな。 [ 徐々に和らぎを見せる、舌ったらずの米国訛り。 罰則はどうしたとチラつかせてやれば、 やっぱり嫌なのか、白金の髪よじらせ唸る。 ] (103) 2019/04/13(Sat) 23:41:02 |
【人】 Another Stigmata アレクシス[ 寝涎まみれの羊皮紙を一瞥し、溜息。 避けたければ早めにやればいいのに、とは 窘めたところで性格上、詮無い事と知っている。 言葉通り手分けなんかをするつもりはないが、 その代わりに頭の冴える物などはなかったか。 家の中に並ぶ魔法薬の品々を思い返しながら、 どうにも気の晴れないまま、席を立ったなら。 ] (104) 2019/04/13(Sat) 23:41:05 |
【人】 Another Stigmata アレクシス…………………… ……妙に、夢見が悪かったんだ。 僕の知らない物がごまんと出るなんて、 どう考えてもただの夢じゃないだろ? [ いつもはネジの外れた事ばかり言うくせをして、 肝心な所は外さないのが彼女だ>>0:737。 見抜かれれば隠し立てしても無駄だろう。 月虹色を弾く黒が、コバルトブルーを見やる。 マグルの世界には夢占いなる分野もあるけれど 占い系の科目に関しては門外漢どころか、 予言に詠まれた身は避けて通ってすらいたから。 どうしたものかと内心頭を抱えつつ、返した。 ]* (106) 2019/04/13(Sat) 23:41:46 |
【人】 裁判官 リーベルト[僕は携帯電話とリモコンを間違えたりはしない。 色も形も、重さも全く異なっている。 あれがデザインの敗北などという不名誉な代名詞>>20を付けられてしまうのなら、そのうち彼は台本と間違えて六法全書を持ち出しかねない。 いっそ獣耳付きの立体カバーを携帯に取り付けたらどうだろう。 嫌でも間違えそうにないやつ。 食品サンプル製のカバーも目立つけれど、今度は朝食のトーストを携帯電話と間違えるかもしれない。 そもそもあんなに精巧な描写が出来る観察眼を持っていて、何故取り違えてしまうのか。 余程疲れてたんじゃなければ、彼なりの整理整頓術の敗北ではないですかね。] まぁ……正論ですね。 君がそういうスタンスを貫くなら、 止めはしません。 [我が強いからこそ、役者が務まるのかもしれない。 興行主、劇団にとっては売り上げが全て。 故により多くチケットを捌ける役者に、大役が付きやすいのだと聞いた。 あくまでも舞台上の演技で勝負したい彼自身は不服かもしれないが、残念ながらルックスでファンになる人も居るだろう。 そして大半のファンは、おそらく女性と思われる。 割り切っている客は気にはならないものなのだろうか。 文字通り余計なお世話なのかもしれない。 実際、上手くはいっているようだし。 一人息子の心配をする母親とは、もしかするとこういう気持ちなのかもしれない。] (107) 2019/04/13(Sat) 23:58:56 |
【人】 裁判官 リーベルト[昔は立場が逆だった。 小言を繰り広げていたのもむしろ、ヴィクの方だったように思う。 ヴィク、知ってるか。 家庭用お掃除ロボット様は繊細なんだ。 自分で障壁を乗り越えることは出来ない。 床まで物が散らばり放題な君の家では、可哀想に彼はホームベースである充電基地にも帰れない。 どんなに優秀なバッターでも、球場整備の園芸師さん達なしではぬかるみに足を取られてしまうだろう。 それこそ飛んだブラック環境だ。 製造元に帰らせて頂きますしたくもなるだろう。 君の家から家出したお掃除ロボットは今頃きっと、降りしきる雨の中そっと傘を差し出してくれるような心優しい飼い主に拾われているよ。 仮に家出してなかったとしても、君は三日坊主だったろう。 サイコロステーキ500gを賭けてもいい。] (108) 2019/04/14(Sun) 0:00:07 |
【人】 裁判官 リーベルト[涼やかな外見とは裏腹に、熱い想いを秘めた男。 他人の為に感情を動かし、心から笑い、怒り、心から泣ける人間。 思えば、彼は元々そういう奴だった。 ヴィクが引き篭ってしまう前。 あれは司法試験の合格祝いだったか、それとも修習を終えて判事補としての第一歩を歩み始めた頃か。 一緒に行った居酒屋での出来事>>21が印象深い。 絡んできた酔っ払いは非常にタチが悪かった。 とはいえ、売られた喧嘩をストレートに買ってしまっては解決するものも解決しない。 トラブルは回避するに越したことはないのだ。 酒の力もあったのだろうか、激情した彼を宥めた。 学生時代はどちらかと言うと肝が座っている印象だったから、血気盛んな対応に驚いた。] 『 落ち着いてください。 ……君らしくもない。 貴方も。良い大人が公の場で大人げない。 威力業務妨害及び侮辱罪で逮捕されたくなければ、 酒に吞まれるのはお止めなさい。 3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金ですよ。 』 [通報する振りをしながら、一触即発のトラブルを仲裁した。 悪質な酔っ払いが最初にターゲットとしたのは僕の方だったのに、僕よりも君の方が怒っていたのが不思議だった。 ――今なら、 あの時の君の気持ちが判る気がする。] (109) 2019/04/14(Sun) 0:02:30 |
【人】 裁判官 リーベルト[正式に劇団への入団が決まった時。 君はとても嬉しそうにしていた。 在学中からバイトと並行して劇団でも活動して、学業も人並みにこなしていた。 対する己は、週2、3回のバイトが限界だった。 彼の頭脳と高いコミュニケーション力があれば、一般企業への就職も容易かったろう。 平坦な人生を敢えて捨てて夢を選んだ彼は、格好が良かった。 初舞台>>22は末席から観させてもらった。 初めてとはいえこれまでの地道な積み重ねが活かされた、心の伝わる丁寧な芝居だった。 主役の座を射止めた時の子どもみたいなはしゃぎようも、昨日のことのように憶えている。] (110) 2019/04/14(Sun) 0:04:00 |
【人】 裁判官 リーベルト[陽が照れば照るほど、影は色濃く地を覆う。 光ある限り、 生きている限り、 影が離れることは無い。 たとえ世界の果てまで逃げたとしても。 光の道を志すならば、どうしたって影と向き合う必要がある。 ──けれど、 影在ればこそ、光はより強く輝いて見える。 それは、人によっては「深み」と呼ばれるモノなのかもしれない。] (111) 2019/04/14(Sun) 0:06:37 |
【人】 裁判官 リーベルト─ 回想・友が挫折していた頃 ─ [逃げるように郊外へと隠居した彼>>25を探し出すのは、案外容易かった。 僕に連絡してくる人間が後を絶たなかったからだ。 彼の消息を知らないか、と。 直接本人に訊けば良いのに、何故僕に訊くのだろう。 僕自身はというと、連絡が無いのは多忙からだと思っていた。 当時はまだまだ駆け出しの青二才で忙殺されており、他に目を向ける余裕が無かったとはいえ、呑気なものだった。 新居は面識のあった劇団員から聞かされて知った。 自ら連絡を寄越さなかった彼に憤りすら感じた。 知られたくなかったか。 それとも話す価値さえない程、己に信用がなかったか。 まさか、自分に限らず人との面会に恐怖を覚えているとは、思いもしなかった。 仕事の合間を縫って、何故足繁く彼の家に通ったのか。 唯一とも言える友人が万が一にも変な気を起こしたらどうしようと、そういった恐怖もなくはなかった。 想像していた以上に、裁判所を訪れる被告の大半は、人生に追い詰められた人々だった。] (112) 2019/04/14(Sun) 0:08:18 |
【人】 裁判官 リーベルト[僕は愚かだった。 ああなって初めて君のプライドの高さと、臆病な脆さに気付いた。 閉ざされた玄関扉は、彼の心そのもののように思えた。 仮に扉が開かれたとして、どう声をかければ良いのだろう。 出来ることは何も無いのかもしれなかった。 彼の望むような慰め方>>26を知らない。 優しい言葉なんて、尚更わからない。 孤独も苦悩も、推し量ることは出来ても完全理解には程遠い。 国語は模範解答が全てで、登場人物へいちいち感情移入するのは時間の無駄だとさえ思っていた学生時代を心から悔やんだ。 ただ、これだけははっきり言えた。 君は決して一人ではない。 それを態度で示すことしか、僕には思い付かなかった。 差し当たり彼には美味い飯と十分な睡眠が必要だと思った。 まさか電話越しに子守唄を歌う訳にもいかないし、そもそも受話器を取ってくれなかっただろう。] (113) 2019/04/14(Sun) 0:10:10 |
【人】 裁判官 リーベルト[君の家からの、帰路の車内。 差し入れ分とは別に包んでもらったコロッケは、時間の経過と共にしっとりべちょべちょになってしまっていた。 お察し>>27の通りついでの購入ではなかった。 が、南瓜味を選んだのは無意識。 「あらぁこんにちは。元気にしてたかい。 よく一緒に来ていたあの子はどうしてる?」 店主のおばちゃんに声を掛けられて、初めて思い出した。 学生時代よく世話になった、懐かしい馴染みの店。 確かに、彼は南瓜味をよく買っていた。 好物を口にすれば少しは元気が出るだろうかと、安易な発想に至ったのだった。 立ち去った家から嗚咽>>28を漏れ聞いて、 そうかそうか、泣くほど美味かったか…… などと一人得心する程度には、僕は人の気持ちが読めなかった。 それから暫くは南瓜コロッケを積極的に差し入れたように思う。 表に出てきてくれたなら、もっと温かい食事もご馳走出来るのに。その点は、天の岩戸が開かれるのを待つしか無かった。] (114) 2019/04/14(Sun) 0:12:44 |
【人】 裁判官 リーベルト[そんなだったから、 ヴィクの意識が、感情が、変化し始めたことにも気付かなかった。 己自身の変化にさえも。 それまでの自分なら、彼と疎遠になっていたと思う。 面倒事からは一目散に距離を置いていた。 何度目かの訪問時、ドアの内から聞こえた声>>29に耳を疑った。] ……え? [いつもの様に「帰れ」と言われるのだと思っていたから。 身を翻そうとして、ぴたりと止まった。 ドアノブに手を掛ければ、鍵が開いていた。] ……っ、 [声を失った。 扉の向こう側の彼は、役者どころか人生まで投げ出そうとしているような姿だった。 法廷でよく目にするような、覇気のない表情。 諦め。落胆。そして絶望。 ゆっくりと歩み寄って、話を聴こうと耳を傾けたのだったか。]* (115) 2019/04/14(Sun) 0:14:32 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス( あまりに可愛らしい名前過ぎるけど ) [ その声に応えるように鳴いてやった。 喋れたら良かったのに>>$26 クーはその言葉に鳴くこともしなかった ] ( そうだな。もし話せていたのなら 早くあんな奴捨てろって言えたな ) [ 主と子供二人に対して思う想いはあれど なんだかんだ主を捨てられないクーにも 名付け親である彼の不幸を願ってはおらず 思わず、そんな呟きを浮かべたのだった ]* ($43) 2019/04/14(Sun) 0:18:15 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス[ 息をする。 その度に口許からは泡が溢れて 遮られた視界は真っ暗闇のまま そこへ、其処へ、底へと沈んでいく。 陽の光すら曖昧な世界。 切り取られた一部分で息をする。 揺らめく波の中に白く透き通った何かが映った。 人の腕だと気づき、払った。 きらきらと光る金糸雀の髪。 海の中にいようと頭に響く鈴の音 ] ($45) 2019/04/14(Sun) 0:24:26 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス[ 誰かの声がよく聞こえる。 無性に叫びたくなって息をする。 唇から漏れるのは泡が二つ。 身を捩りたくなる痛みが突き刺す。 目を抉り取ろうとしても力が入らない。 何から覚めろというのだろう。 分からない。解らない。判らない。 答えなど出ないまま、息が詰まる ] ($47) 2019/04/14(Sun) 0:25:02 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス( ここじゃ、息なんて出来ないから ) [ 首を締めて心臓を貫いて呼吸を止めた。 誰かが悲しむような声が聞こえた ]* ($48) 2019/04/14(Sun) 0:25:39 |
【妖】 古城の吸血鬼 ニクス ―翌日― [ 狼は少年が起きる頃には傍に控えていた>>$33 念入りに隠されてしまった風貌に>>$34 狼は不思議そうに首をかしげる。 彼が服装を変えようと狼の眸には 彼は彼として映っていたからだった。 腹が空くかどうかに対する反応は 同意するように短く吠えただろう。 主がいようといまいと朝だろうと夜だろうと 彼に従い歩く眷属の姿は特に変わりなく映るはずだ ] ($49) 2019/04/14(Sun) 0:36:59 |
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