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【人】 無敵の リヴィオ>>101 ニーノ 「おや、随分と残念そうだ。 スクープがある方が好ましかったかな?」 何を言ったところで残念ながらスクープは生まれてこない。 変わり者の男には浮ついた話など存在しなかった。 「さぁ、どうだろう。直接思いを問いかけたことがないからね。 それでもそうならいいね、せっかく続いている縁だ」 詳しいことはお互いに語らないし、語る必要もないが。 それでも今尚続くその行為にそうした感情があればいいね。 サプライズにはならないであろう言葉には頷いてお礼を添える。 別にサプライズにすることが全てではないのだから、 何かを渡したいという気持ちだけでも有難いものだ。 「…話したいことか。うん、勿論構わないよ。 夜はそれなりに空いているからね、いつでも連絡してくれ」 見上げるその瞳を見つめ返し、また笑みを浮かべる。 後輩からのお誘いにはいつだって乗ろう。 #街中 (103) 2023/09/13(Wed) 12:15:04 |
【人】 Chiavica テオドロ>>74 ダニエラ 「ふむ。あなたがいるということは、 このジェラテリアは中々上等そうですね」 ピスタッキオの色もナチュラルに見えます、と呟く。 後方から緩く覗き込むように見ていた男は素敵なオフタイムを邪魔しに来たわけではなく、気まぐれに甘味を摂りにきただけ。 「私はミルクの花にでもしましょうか……」 特に気後れすることもなく頼むあたり、 食の楽しみは万人共通、といったところだ。 (104) 2023/09/13(Wed) 12:33:21 |
【鳴】 陽光の元で ニーノじゃあ割り勘!と元気な返事を返したりしていた店前。 その快活さは店内に入ってすぐ、ひととき鳴りを潜めていて。 「え、え〜でもぉ……あっ、待って、待って」 店を教えてくれた辺り貴方はこういう場に慣れているのだろう。 さすがだな、なんて内心感心しきる前に歩き出してしまう。 それで指先を離すということはなく、ちゃんと着いていけば隣り合ってカウンター席に座ることになるのだろう。 すぐにつまみの注文をしている辺りも"慣れ"を感じて、今度こそ素直に感心しながら。 「こんにちは〜……こんばんはか。 えっとドリンクメニューはこれで……」 テーブルに備え付けられていたメニューを開けば、視線を落として文字を追う。 文字を……追う……お洒落な響きがたくさん……並んで……。 「………………」 「……なっ、名前だけじゃ何がなんだかわかんね〜んだけど……!?」 どうしたら……!?みたいな顔で貴方を見上げた。適当に選んで博打するのかなって思ってる。 (=4) 2023/09/13(Wed) 12:44:25 |
【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡「ますます、不思議だな。 そうまでマフィアを嫌う奴がマフィアだなんて。」 疑問は解消されるどころか増すばかり。 「仲違いなんざマフィアに限らなくたってどこでもある。 警察だってそうだ。だからそこは不思議じゃない。 潰し合うのも上にとっちゃ渡りに船だろうな。」 「ただ、俺が不思議に思うのはさ。 所属して短くはなかった筈のアンタが 今になって裏切ろうとしてること。 嫌いだってのはびっくりしたけどよ。 仲良かった奴だって居たんじゃないのか?」 珈琲をもう一口。 今まさに家族たちを裏切ろうとしている自分が 貴方に対して言えたことじゃないのは百も承知だけれど。 「リヴィオも大概読めねえけど あんたも読めねえ。何がアンタを駆り立ててるんだ。」 (-139) 2023/09/13(Wed) 12:49:00 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡「ね〜〜〜にいさん〜〜〜いる〜〜〜?」 『Mazzetto』の扉をばーんと開けるのは休日を過ごしていた男。 普通の店ではこんな開け方はしないけれど、そうお客さんもいないだろうと見越して家に帰ってきたときみたいな行動を取った。 ちなみに他にお客さんがいた場合は慌てて謝罪しているのがいつもです。 「にい……」 「……ちょっとドライブ……営業中じゃないのか……?」 きょろと見回しても気配を感じなかったところで見つけたカウンターに置いてあるボード。 せめて扉の前に立てかけるべきでは?ニーノは訝しんだ。 戻ってくるかな、どうだろう、わかんないけれど勝手にカウンターに腰掛けていた。 しばらく待っている、三十分ぐらい、戻ってこなかったらすごすごと帰ることだろう。 (-140) 2023/09/13(Wed) 12:51:36 |
【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ「─俺がカポになったのが、 何年前だと思ってる?」 ─アレッサンドロがカポ・レジームになったのは、 当時の上司が死んだ十年前だ。 (2/2) (-142) 2023/09/13(Wed) 13:08:55 |
【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ「なんだお前、来てたのか」 がたん。 突然カウンターの奥の扉が開いたと思えば、 この店の主──アレッサンドロがいた。 短パンにサンダル、柄シャツと、外出していたとは思えないような恰好だ。 手元ではちゃりちゃりと車のキーを回している。 きっと彼の愛車である、赤のフィアット500──日本では某"怪盗"の三世の愛車として有名な──のキーだろう。 いつの間に帰ってきたのだろうか。 「待たせて悪かったな。 珈琲飲むか?」 答えもきかずに、ちゃかちゃかと準備を始める。 どうせ、お茶菓子的なものも出てくるだろう。 (-143) 2023/09/13(Wed) 13:16:06 |
【秘】 月桂樹の下で ニコロ → 黒眼鏡「…つまりはもうその時から、って事かい。 機を狙って、そしてその時が来たから動いた、と。」 話には聞いた事があった。 当時の自分はまだまだ新米だったから 深くは関わったことが無かったけれど。 「当時のカポが死んだから? もしくは、殺したのはアンタ自身か。」 推測など、並べ立てるのは容易い事だ。 貴方がカポになったのは先代が亡くなったからだけれど そこに含まれる意味合いは幾らでも考えられるから。 「何があったんだ、10年前に。」 今は聞くものは己しかない。 じい、と見つめる瞳は逃さない、と言わんばかり。 (-144) 2023/09/13(Wed) 13:17:08 |
【人】 花浅葱 エルヴィーノさて、今日は何処を見回ろうか。 欠伸を噛み殺してその足は、ゆっくりと歓楽街を通りスラムの方へ向かう。 治安の悪いそこは、犯罪の温床になりやすい。 途中、体を売る少女が声をかけてきたけれど、一瞥して断った。 こういうのは、必要があるときだけで十分だ。 食事をまともに採れないスラムの人間たちは皆細い。 負けず劣らず……というほどまではないが、食事をあまり摂らない自分もまた、平均よりは随分と細身だ。 服装さえ合わせてしまえば、この中に潜り込んでしまえそうだなと、何故かそんな事を考えて頭を振った。 「……ばかばかしいね」 #スラム (105) 2023/09/13(Wed) 13:21:23 |
【秘】 門を潜り ダヴィード → 渡りに船 ロメオ「ロメオさん。 どうしました?また何か、用事でも?」 男はアジトの片隅、机に向かって地図を広げていた。 ペンで何事かを書き込んでいるのを見るに、近辺の「見回り」の成果の整理でもしていたのだろう。 貴方の顔を見ると、それらはくるくると丸められてアジトの片隅、のさらに片隅に追いやられた。 (-145) 2023/09/13(Wed) 13:23:46 |
【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ「須らくどんな仕事にもプライベートは保ってしかるべき、というのは俺のモットーのようなものだが」 珈琲の湯気が揺れて、黒眼鏡の向こうの視線がけぶる。 見つめる瞳から目を逸らすことはない姿は、 恥じ入ることも臆するところもなにもないといわんばかりだ。 「今回の仕事は信頼が大事だ。 だったら話しておいた方がリスクが少ないか」 かちゃり。 この店は海に面した、ひらけた道路の傍にある。 だから潮の音や車の音がときたま響き、 古びた空調もこぽこぽと沸くサイフォンの音も、 どれも賑々しく響くのに。 カップが皿を叩く音が、妙に大きく高鳴った。 「──と、言っても、単純な話だ。 当時の上司…レオ・ルッカといったが。 そういうカポ・レジームがいて、今でいう"港"を取り仕切っていた」 港。 それはひとつの施設を示すのではなく──施設が海運・港湾関係に多いのは確かだが── ファミリーの物流関係、一連の業務の総称だ。 今ではアレッサンドロが取り仕切り、なんとも危なげない調子で運営している。 「あいつはあまり素行がよくなくてな。 俺はあいつから、損害を被った」 (2/2) (-146) 2023/09/13(Wed) 13:38:29 |
【秘】 黒眼鏡 → 月桂樹の下で ニコロ──アレッサンドロは当時のレオの右腕だった。 ソルジャーでありながら、メイドマンをさしおいてさまざまな業務に関わっていたらしい。 「だからやりかえした。 ついでに、そんなことになった理由──つまりはマフィアを恨んだ」 ぱちん、と。 胸の前で手を打って。 「以上だ。シンプルだろう。 疑問があるか?」 (2/2) (-147) 2023/09/13(Wed) 13:39:39 |
【人】 陽光の元で ニーノ>>103 リヴィオ 「好ましいとかそういうんじゃないんですけど、えっと…… そゆ話あんまり知らないから……あったらどきどきしたなって感じです」 とはいえ人の色恋話題でそわつくのも失礼な話かもしれない。 反省からか頬を掻きながらも苦笑して、次には瞬きを二度。 そしてすぐ苦味の伴った笑みをいつもの微笑みに変える。 どれだけ自信に溢れていたとして、人の想いまでを決めつけることはしない。 あくまでも自信を抱き胸を張るのは己の手の届く範疇であると示す、貴方の態度がやっぱり好ましかったから。 「きっとそうですよ! そういうの直接確認してみるのもいいって、この前聞きました。 オレは恥ずかしくてまだできないけど……」 「……わ、ほんとうですか? ありがとうございます! じゃあまた連絡しますね!」 貴方にだから聞いてみたいことがあったけれど、中々機の得ることができなかったもの。 ようやく尋ねる一歩を踏めたことにもそれを快諾してもらえたことにも笑みを深め、感謝を言葉に載せた。 「仕事中に話してくれてありがとうございます! 見回り、がんばってください!」 そして最後にはそう声を掛けて、見送る姿勢だ。 ついでにぶんぶんと手だって振っていることだろう。 #街中 (106) 2023/09/13(Wed) 14:04:19 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡「わ゛ッ」 がたん。 カウンターで勝手にうつらうつらしかけていたので、突然の音にびっくりして椅子から転げ落ちそうになった。 はっとそちらへと顔を向ければ相変わらずの貴方の姿がそこにある。 回されているキーからやっぱりドライブに行っていたんだなと納得。 「お、おかえり〜……びっくりした……。 いらないって言ってもくれるんだろ。 もちろん貰うけどさ……」 思い浮かべるのはそのキーで動く愛車だ。 車のことは詳しくないけれど、かっこよくて目立つ奴だというのは知ってる。 貴方が厭うタイプでなければ、乗せてもらったこともあるかもしれない。 「な〜営業中にドライブ行くの……百歩譲っていいとして。 このボード、扉に置いておくべきじゃない? 入って誰も居なかったらお客さんびっくりするだろ」 そして準備してくれる姿を眺めながらカウンターにあるボードをつんと指差し、先程感じたことをそのまま伝えた。 (-148) 2023/09/13(Wed) 14:12:51 |
【秘】 黒眼鏡 → 陽光の元で ニーノ「よくわかってるじゃないか」 言っている間にもカップには黒い液体が注がれて、 湯気と珈琲の香りが賑々しくも立ち込める。 古くレトロで、せまくるしい車内。 あまりものに執着しないアレッサンドロにしては珍しく長く乗っていて、あなたもその座席に何度も座ったことがあるだろう。 「俺がいないときに来る客だろ? 俺の珈琲が飲めないということだ。 じゃあべつに、びっくりしても問題ないな」 店主としては問題発言だ。 「で? 今日はどうしたんだ、お前」 今更そう訪ねながら、 すぐに珈琲のなみなみと注がれたカップが置かれて、 頼んでもいないメレンゲ菓子も並んで出てくる。 さくさくとしたアーモンド生地が、ころりと皿の上で転がった。 (-149) 2023/09/13(Wed) 14:26:05 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡「……おーおー。 仮に浮いた話だったとして俺の心配するのはあんただけだ」 懐かしいと感じるにはまだ新しい記憶の赤に目を細めつつ珈琲を求めてカウンターへと。 いつもの場所など可愛らしい言い方ではないが、貴方と来店してくる客の顔が直ぐに確認ができる一角が気に入りの場所だ。 この場所を確立する前、死角から声をかけられる事が苦手なルチアーノが幼少期に何度驚かされたことか。 「子猫ちゃんでも、マジモンの方だ。 ……今怪我猫の里親探しててなあ、あと残りは黒と白2匹だけ。 俺がアジトに居られない時黒い方を預かってくれる人を探してる。 宣伝してるから数日で引取先は見つかると思うが、対応できるかわからんのだ。ああ、部下は一人猫アレルギーだ」 呑気な口調であなたが気づくことがあるのなら、 5年前もルチアーノは発作のように慈善活動に目覚め、怪我猫を探して適切な治療を施した後20匹ほど里親に提供していた。 流石に目立ちすぎて貴方や数人に頼っていたし一時期の夜歩きの起因もそこにある。 しかしルチアーノ自身は、猫と慈善活動が特別好きなわけでもない。 正しく発作なのだ、何かを思い出して、誰かを真似した。 そして今、それすら出来ない状況に至る可能性があることを真面目な男は正直に貴方に話している。 (-150) 2023/09/13(Wed) 14:29:06 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の下で ニコロ「……お前は平気だなあ? 食ったら早く巣に帰れ」 夜の道で一人の男の声がする、そこにいたのはルチアーノその男と薄汚れた一匹の猫だ。 体をしなやかに動かし跳躍した猫は口元に何やら屑をつけたままあなたの真横を通り過ぎて夜の街に消えていった。 「んあ、ニコロか。Buon giorno」 ひらりと手を振る彼はどうやら猫に餌をやっていたらしい。 普段の姿からすれば少しだけ違う人間に見えるかもしれない。 しかし此処だけ切り取ればまるで猫に優しい男そのものだ。 (-151) 2023/09/13(Wed) 14:46:56 |
【秘】 黒眼鏡 → 口に金貨を ルチアーノ「心配されて喜んでるのはな、老けた証拠だぞ〜」 軽口にほぼ等しい返答。 話している間にも手際よく作業は進み、 珈琲がカップに注がれていつもの席にことんと置かれる。 ついでとばかり、更に乱雑に広げられたビスコッティがいくつか。 狭いカウンターの中で、長い手足を器用に動かして珈琲を淹れるアレッサンドロの姿は、 確かに当時より手際がよくなったといえるだろう。 「ハァ、またかよ。 まぁいいがね。 そんなに今忙しいのか。 例の法案の関係か?」 自分の分の珈琲を注いで、カウンターに肘をつく。 だらしない恰好で身を乗り出して、首を傾げた。 (-152) 2023/09/13(Wed) 14:49:56 |
【人】 花浅葱 エルヴィーノ>>107 ニーノ 「うわ、危ないな」 路地に出たその直後。 何やらドンっとした衝撃が腕を襲う。 出会い頭だったから避ける余裕もなくぶつかって、少しばかりよろめきながらぶつかってきた人物を支えると、見覚えのある金髪と大きめの瞳が見上げてきた。 「……キミはこんなところで何をしてるのかな?」 毎日みかける職場の後輩だ。 2,3度まばたきをしてみたが、それは変わらず。 ここにいる理由など、自分と同じものでしかない……とは思うが、天真爛漫な彼の印象はこのスラムにはとても似合わない。 ぶつかられた事自体は別に怒るほどのことでもないから、熱のないままの花浅葱はあなたを静かに見下ろしている。 #スラム (108) 2023/09/13(Wed) 15:09:10 |
【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 黒眼鏡流れる景色を眺めつつ、時たまちらりと運転席の後頭部に視線を向ける。 今のあなたしか知らない女は、母の言っていた昔の姿を想像もできやしない。 時折それに寂寥を抱くことがある。それもまた、いつまでも口にしないことのひとつ。 「仰せのままに。」 前述通りの女であるから、寄る先がどこでも何を買うでも文句は出ない。 短い返事で食事については切り上げて、濁った胸の中身を押し出すように吐息を落とした。 「んー。まあ大変は大変ですよお。」 「まだまだ下っ端ですからあ、大した仕事はありませんけどお、その分別の仕事もありますしい?」 「… そっち については、今のところ、ニーノ・サヴィアがあんまり善く思っていないことしか、調べもついていませんけどお。」進捗は芳しくないらしい。 無意識に口を尖らせると、そんな自分の顔が窓ガラスに映り込む。 (-153) 2023/09/13(Wed) 15:32:32 |
【秘】 Chiavica テオドロ → 花浅葱 エルヴィーノ「そういえば、資料室に用があったみたいですが」 「あなたのお目当てのものは見つかりましたかね」 時間が過ぎて、いつかの仕事終わり。 最後に向かっていった先を思い出してか、珍しく声を掛ける。 「寝食を惜しんで調べものをされてはたまったもんじゃないので、差し支えないようであれば少しくらい手伝ってやっても構いません」 「ちょうど捜査資料を検める予定もありますので」 前の話を気に留めているのか、それとも元来の気質なのか、 何かのついでだったら大した手間でもないだろう、と示していた。 (-154) 2023/09/13(Wed) 15:35:54 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡「白い方はロメオが拾ってくれそうなんでなあ? 似合ってんだろ」 今年もまた一人、猫の犠牲者は増えていたらしい。 「ああ、元から調べるつもりだったが関わっちまった。 ただの噂話じゃなくて本気でマフィア全体に喧嘩を仕掛けてきてやがる、おっと"面倒な女"はここかあ」 くつくつと笑いを零せば香りをかぎながら機嫌良く一口啜る。 本当に貴方はよく当ててくれる、すべてを知っていると思わないが既に知られていてもいいと思うほどには面白がっている。 「そいつは俺たちに迷惑をかけそうにないんで、つい、な。 法案の賛成者を探していれば金が貰えるんだ、手伝うしかないだろう。美人だったし」 言い訳がましくなっているのはあまりの規模の大きさと見えない勢力に手に負えない可能性があることのせいだ。 無茶をしているつもりもないが、事が起こる前特有の嫌な予感を感じている為こうして恥を忍んで貴方のもとにまで訪れている。 「だから、一番嫌なところに馬鹿正直に聞いてしまおうかと思ったんだ。 ……どうせこっちが調べ始めたらすぐ気づくだろうし。 知りたいことは『法案の摘発チーム』であるかだけ」 あなたの性格とこれまでのことを考えれば法案に関わっている確率は限りなく0に等しいと思っている、だからこれは。 「………それに俺とはいえ余計なこと詮索されたくないだろ。 なぁ、黒眼鏡の旦那。 本当に、忙しくならんのか」 (-155) 2023/09/13(Wed) 15:40:49 |
【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡「流石にわかるよ、もう」 最初は珈琲の味に慣れなくて難しい顔をしていたことも多かった。 が、飲み続ける内にすっかりと慣れて、今ではこの店を訪れたときの楽しみのひとつ。 言葉にはしないが香りに目を細めて出てくるのをそわりと待ちながら。 あの車に乗ってドライブもまた行きたいから今度ねだろうかな、とも考えながら。 「おみせの人としてど〜なの、その発言……」 続く言葉にはついジト目になってしまった。 貴方らしいといえば貴方らしいのだけれど。 尋ねたそれには「あ、そうそう」と用件を伝える前、出てきたカップとお茶菓子に目を輝かせて。 「やった〜!おやつもありがと!」 「……あ、で、そう、うん。 なー、にいさんってカンターミネって人知ってる? え〜〜〜っと……先生?らしいんだけどさ」 今よりもう少し陽が高い頃の出来事を思い出しながらも問いかける。 返事を待つ間にまずはカップに口をつけ珈琲を一口。香ばしい苦味が口内に広がって、それが不思議と心地よかった。 (-156) 2023/09/13(Wed) 15:49:57 |
【秘】 日差しにまどろむ ダニエラ → 陽光の元で ニーノ「そりゃあだってえ。おいしいし〜?」 さも当然と宣って。 そんな話をしていると、口寂しくもなってきたらしい。 引き出しを開け個包装のミニドーナツを取り出して、包みを開けて、ぱくり。 咀嚼のさなかあなたの言葉を聞いていた女は、同じくん〜と難しそうな声を上げる。 「変じゃないと思うけどお。」 「…ニーノくん、苦労しそお。」 これでも言葉を選ぼうとしたのだが、結局選びきれなかったような気がする。 指先についたシュガーの粒をごみ箱に払い落とす、そのしぐさに合わせて小指のエナメルがゆら、ゆら揺れて。 「……どんな事情があっても、悪いことは悪いことだよお」 「悪いことしたって事実はなくならないしい。」 「被害に遭った人に、『仕方なかったんです』なんて、通じないよお。」 「あたしたちは警察なんだから、それくらいでいいんじゃないかなあ。」 「…と、ダニエラ先輩は思うわけでしたあー。」 冗談めいた口調で締めて席を立つ。 個包装をひとつ、あなたのデスクにお裾分けした。 (-157) 2023/09/13(Wed) 16:24:08 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Chiavica テオドロ「よく見てるね、テオドロ」 不意に声をかけられ、あなたと出会って消えたことのないクマの残る顔をあなたへ向けた。 眠くなくとも眠そうに見えるのは大体このせいで間違いはない。 「珍しく仕事終わりに声をかけてきたと思えば……」 「……、個人的に未解決事件を少し調べててね。 業務とはあまり関係がないから、キミの手を煩わせるようなことじゃないんだけど」 捜査資料を見ているから寝食を惜しんでいるなどということはないのだが。それは言葉の綾だろう。 まだこれといって手応えはないのか、あなたも予定があるならご自由にと、拒まぬ態度はそのままの反応を見せるだろう。 (-158) 2023/09/13(Wed) 16:24:44 |
【秘】 Chiavica テオドロ → 花浅葱 エルヴィーノ「正義感というものには縁がないですが、 下手人が野放しになっているなら良い気はしませんし。 調べるほど気になるというのなら、 降って湧いた人手は借りておくべきですよ、エルヴィーノ」 同期で上司ですから、と決まり文句を一つ挟む。 業務が疎かにまでなっていなければ煩くするつもりもない。ましてやちゃんと寝ておけなんてあまりにも今更だ。今はただ、一人で悩まれる方が面倒だという棘を見せている。 「まあ、専従とするには部署を違えているし、 此方とて必要以上に労力を割くことはないでしょうから。 思い当たること引っかかることがあればくらいでいますよ。 万一人が分からなかったことを俺が明かすことができたらさぞ気分が良いでしょうが、それに躍起になっては本末転倒です」 「それで、具体的にはどの事件について? 公開捜査になってるものには幾つか覚えがありますが」 (-159) 2023/09/13(Wed) 16:52:02 |
【念】 日差しにまどろむ ダニエラエナメルを剥がし終えた手を保湿する。 そうして漸く視線が上がった。鮮やかなミントブルー。 「…倒れませんよお。」 「そんな暇、ありませんしい?」 声に、多少の笑みが乗る。 お金のためであったとしても、その言葉は少し嬉しかった。 それでもその笑みに寂寥が乗ったのはきっと、続いたボヤきを聞いたからだ。 瞬きとともにその寂寥も、塗り潰して消えてしまったけれど。 「そお。あたしたちの可愛い後輩クン。」 さすが、名前くらいは知ってるんだねえと。 続いたその声は、少し明るい。 「新人だから、御しやすいとかあ。」 「同じことを署長代理も思ってるかもしれないとかあ。」 「…いろいろあるけど、1番は」 「ちょっと、個人的な事情。って、ことでえ。」 それに巻き込まれるあの子は本当に不憫だ。 だけど、煙が立つ前に日は消さねばならなかった。 (!8) 2023/09/13(Wed) 17:02:26 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Chiavica テオドロまったくお人好しめと、冷めた目を向けて。 それから小さく息をついてぼそぼそと案件を語る。 あまりおおっぴらに人に語る趣味はないから、あなたにしか聞こえない程度の音量だ。 「11年ほど前の、夫婦殺害事件。 中学を卒業した頃合いの子供が一人残されている。犯人は未だ逃走中」 「……それから」 「10年ほど前にあった、少女ヤク漬けにしてる案件全般だよ」 1件目はともかく2件目はなんとも漠然としてるだろう。 資料もきっと膨大に違いない。 業務の合間に少しづつ調べているらしく、資料室の鍵の貸出録を調べれば、エルヴィーノの名前が沢山記されているのがわかる。 そして、少女ヤク漬けといえば、あなたはひとつ思い当たることもあるはずだ。 もっとも、その事件は自分たちが警察になってからのことなので、調べている案件とは何ら関係はないのだが。 (-160) 2023/09/13(Wed) 17:16:51 |
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