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【人】 子天狗 茅[差し出された手>>18に収まらんと、寄せられた茅の身体をまた、するすると黒い糸が這い、宵闇に似た色の着物がその身を包み込む。 その意匠はまるで、山伏のようなそれで、ついでとばかりに額を滑った黒が、頭襟を形作った。 足元には、高下駄。 背中には、小さいながらも明らかな、漆黒の翼を可視化させ。 そうして子天狗は、天狗さまの腕の中に収まって笑う。 子天狗には、村の様子が聞こえていた。 だから当然知っていた。 今、村は『村長さんの娘夫婦』の『披露宴』の真っ最中。 だからきっと、『天狗の嫁』の『披露』にも、丁度良い。] ふふ。 とっても驚くと思うよ。 [おめでたい話じゃあないか! なんて。 子天狗は腕を伸ばして、天狗さまの首元に抱き着く。] (38) 2021/07/01(Thu) 0:06:53 |
【人】 子天狗 茅[次の瞬間、“お嬢さん”が、新郎を匕首で刺した。 さっきまで無かったはずのその刃物は、茅が一度天狗さまに向けたものと、そっくり同じ形をしていた。 新郎はただの人間だから、不意打ちに成すすべもない。 そして刃が刺されば、ヒトは傷つく。 傷の場所が悪ければ、ヒトは死ぬ。 “花嫁”の刃は、“花婿”の喉を、正確に切り裂いた。 紅い血潮が夜空に舞う。 しん、と辺りが静まり返る。 どさ、と“新郎だった骸”が大地に倒れた。] (40) 2021/07/01(Thu) 0:07:03 |
【人】 子天狗 茅[子天狗が呟くと、ざわ、とヒトに波が立った。 驚く声、叫ぶ声、問いただす声。 あぁ、ぐちゃぐちゃだ。 ぐちゃぐちゃ。 『だってこの人、私のこと馬鹿にしたんだもの』 うつろな表情で、“花嫁”が言う。 同時に別の所で、誰かが誰かを殴り倒す音がした。 それを機に、あちらこちらでヒトとヒトの争う声がし始める。] (42) 2021/07/01(Thu) 0:07:08 |
【人】 子天狗 茅[子天狗はただ、そのきっかけを与えただけだ。 子天狗の妖力では、ヒトに特別な力を分け与えることはできないししないけれど、代わりに幻聴を聞かせることはできた。 ただ、ほんの些細な悪口を、隣の誰かが囁いたように、聞かせただけ。 それからちょっと試しに、“花嫁”の手に、刃を握らせただけ。 聞こえた声に何を思ったかは勿論、どんな行動に出たかなんて、そんなのは子天狗の預かり知るところではない。 ヒトとヒトが争うのを眺めつつ、と、と、と天狗さまに近寄って、寄り添う。] (44) 2021/07/01(Thu) 0:07:13 |
【人】 子天狗 茅[気づけば紅く濡れて倒れている身体は一つや二つではない。 村長の家の屋根に、火が付いた。 悪意の声が聞こえた所で、普段の行いが良かったならば、それが幻聴であることになど容易に気づけたことだろう。 何せ、長く共に暮らした隣人だ。 けれど、悪意の声を疑いなく信じてしまった時点で……彼らは元々、そういった疑いを互いに抱いていたということだ。 何て哀しいことだろう!] 案外、幻聴でもなかったのかなぁ。 [くすくすと、子天狗が笑う。 笑う。 ……嗤う。] (45) 2021/07/01(Thu) 0:07:18 |
【人】 子天狗 茅[どれだけの時間が経ったろう。 決して小さな村というわけでもなかったと思うが、その割に終わりは割合あっさりしていたかもしれない。 子天狗が、と、と、と大地に波紋を残す。 じゃり、と砂を踏むような音がして、幻覚が霧散した。 後に残ったのは、死屍累々。 そしてその真ん中に座り込む、『お嬢さん』の姿。 真っ白だったはずの着物に、誰かの赤を浴びて、がたがたと震えていた。 その眼前に子天狗がしゃがみ込む。] どうしたの? “お嬢さん”? [はじかれたように顔を上げ、『お嬢さん』は怯えたように、後ずさった。 子天狗は、まるで心外だとでも言いたげな顔をする。 ついと近寄って、その冷たくなった両手を握ってにっこり笑ってあげた。] (46) 2021/07/01(Thu) 0:07:20 |
【人】 子天狗 茅 泣かないで? 綺麗なお顔が、台無しだよ? [にっこりと、優し気に。 なのに“どういうわけか”、『お嬢さん』は震えたまま、涙を流し続けている。 可哀想だなぁ、と思った。] しょうがないなぁ。 じゃぁ、 『夢』 [きゅ、と冷たい指先を握りしめると同時、『お嬢さん』が眼を見開いた。 いやぁぁ!と叫んで、白眼を剥いてしまう。 おかしいな。どうしたのかな。 “家族”や“旦那様”との、 甘い夢 を見せてあげてるはずなのにな。子天狗は首をかしげる。 そっと手を放すと、 自らの手で死んだはずの彼らに追い回され続ける夢に堕ちた 『お嬢さん』は、ぱったりとその場に倒れてしまった。なるほどきっと、“歓喜の”叫びなんだろう。 俺にはわからないけれど。] よかったねぇ。 “皆”にまた 逢 えて。[一度だけ、『お嬢さん』の頭を撫でて、子天狗は立ち上がった。 振り返った先、天狗さまの姿を見つければ、また嬉しそうに笑う。 そうして子天狗は、天狗さまの元へと駆け寄った。**] (47) 2021/07/01(Thu) 0:07:23 |
【独】 水分神/* イチャイチャも殺伐も良いぞ良いぞ…… 今年は村でるーの月から自分の月を跨げなかったのじゃ うう 今日乗り切ったら余裕できるはずが あまりに終わらなくて延長戦になってしもた 。゚(゚´ω`゚)゚。ピィー (-126) 2021/07/01(Thu) 0:40:54 |
【人】 鬼 紅鉄坊── 来たる冬 ── では、行ってくる 見つければ村近くまで届けねばならないのでな、 遅くなるだろうが、心配しなくていい [ 戸口に立った千を見下ろし、頬を撫でる。 人よりずっと強く逞しくある鬼の身体とはいえ、 凍える空気の中その命の温かさが愛おしい。 少しばかりの名残惜しさを覚えながら、背を向け山の奥へ歩き出す。 その日、独り寺を出たのは陽が昇りきった刻 薬屋の店主が訪ねて来た後だった。 ] (48) 2021/07/01(Thu) 1:56:16 |
【人】 鬼 紅鉄坊[ 奪い合った時間、抱いていた温かさはもう名残も無い。>>37 その分過ぎた日々で、幾度も触れてきた。 すっかり梔子の実が橙に染まり、収穫を終えたのは数日前のこと。 辺りは白に包まれ、すっかり姿を変えている。 この百数十年山で過ごし、数える程しか見たことのない雪。 やはりこのところの気象が影響しているのだろう。 店主曰く、その中で一人の子供が朝から山に遊びに行ってしまい 昼を過ぎても帰ってこず、村人が立ち入れる範囲では見つからない。 先日実を引き渡した際、寺を気にしている様は気に掛かったが 村の者など皆、どうせ千を嫌っている。早く喰われろと思っている。 引き合わせたわけでもないなら、そこまで気にすることもない。 千について口に出して何かを言うでもなかった男の願い、 小さな子供の命が掛かっているとあれば、引き受けぬ理由は無い。 ] (49) 2021/07/01(Thu) 1:56:32 |
【人】 鬼 紅鉄坊……一体、何処に行ったんだ [ 山は何処までも静まり返っている。 どれ程歩いても、痕跡は見つけられなかった。 同胞が騒いでいないのなら、つまり襲ってはいない。 雪はとうに降り止んでいる、 途中からでも隠されていない足跡がある筈だ。 陽の傾き始めた空を木々の合間から確認し、ふと気づく。 ああ、 そういえば性別も名前も聞いていなかった。 ]* (52) 2021/07/01(Thu) 1:57:19 |
【人】 鬼の花嫁 千─ 必然の冬 ─ 寺の中を暖めながら待ってるさ 精々あんたに怯えた迷子の捕まえ方でも考えとけよ、ひひ [口角を歪めた笑みで可愛げのない事を言い、千は鬼を見送った。 自分など気にせず、子供を見つけることに集中出来るように。 その目立つ姿が白に消えるまで、中に戻ることなく見つめていた。 こんな寒い日に迷惑な子供だと思う。だが、雪が物珍しい気持ちは、分からなくもない。 村人が門前まで訪ねて来るまでは、千と鬼も外の景色を寄り添って眺めていた。] (53) 2021/07/01(Thu) 1:57:45 |
【人】 鬼の花嫁 千[朽ちた穴を板で塞いでいるような廃寺の中はとても寒い。 座敷牢は、陽が入らないがしっかりとした家の中だった。 それでも、千にとってはこの場所のほうが好ましい。 いつも共に食事を摂る、かつて像が置かれ経を唱える為に使われていた広い部屋の中。 長らくしまいこんでいたあの白い着物を纏った上に、更に外套を羽織り 燃えた石炭を、灰が入った火鉢の中へと火箸で移していく。 鉄瓶で湯を沸かすのは、鬼が帰ってきてからだ。 時折灰をならし新しく炭を運びながら、火鉢の前で手を擦りその時を待っていた。] (54) 2021/07/01(Thu) 1:57:59 |
【人】 鬼の花嫁 千[──待てども待てども、その時は来ない。 陽は既に暮れようとしていた。 まさか自分のように子供が襲われてしまったのだろうか。 見つかっていないなんてことは、まさか無いだろう。 いくら送って行くとしても、怯えられたとしても遅すぎる。 鬼にとっては庭に等しい筈の山、理由の分からない不安。 今更飛び出すことも出来ず、もどかしさが胸に渦巻くばかり。] (55) 2021/07/01(Thu) 1:58:12 |
【人】 鬼の花嫁 千[そんな時に戸口が開く音がすれば、何の思考もなく喜んでしまう。 立ち上がり、直ぐに迎えに行ってしまう。 最初から迷子などいなかったなど、鬼すら知る由もないことだ。] (56) 2021/07/01(Thu) 1:58:23 |
【人】 鬼の花嫁 千紅鉄様……!随分遅く…… [その時の千は、鬼子であった男は まるでらしくなく、ただの人間みたいに笑みを浮かべていたのだろう。] (57) 2021/07/01(Thu) 1:58:36 |
【赤】 鬼の子 千ッ…… [だが、立っていたのは待ちわびた鬼ではなく 大鉈を携えた中年の男、招かれざる客。 男が薬屋の店主であるともその娘達に起きた悲劇も、鬼に引き合わされず語られもしなかった千は知らないが 開いた瞳孔や発した言葉、生き物としての本能の警報が危険をありありと伝えてくる。 戸口は相手に塞がれている。後退るしか出来ない。 台所にある戸から外に出られる、逃げる隙を見つけなければ──] (*8) 2021/07/01(Thu) 1:59:19 |
【赤】 鬼の子 千「何故、お前だけが!」 あ゛…… あ゛あ゛、あ゛ぁぁっ!! [振るわれるのは想像したまま。 避けようと身を逸らせた時、起きたことは想定外。 嫌な音を立てて失われた視界の半分。 叫びに近い悲鳴を上げながら蹲り、たまらず熱と激痛を発する部位を手で抑える。 千はただの人間だった。良い家に生まれ、閉じ込められてもその中にいた。 こちらに殺意を持った相手との戦いの術など、持っていない。 伯父に振るわれる暴力は拳か足で、気絶すらしない程度のものだった。] (*9) 2021/07/01(Thu) 1:59:35 |
【赤】 鬼の子 千「鬼の子がのうのうと生き延びて、 何故うちの娘達が死ななければならなかった!」 [その腕を男が掴み剥がし、床へと引き倒す。 最早千に出来るのは、呻き叫びながら罠に掛かった獣より惨めに無意味に身を捩り続けることしかない。 そこからはされるがままに、激情を吐き出され引き裂かれてゆくばかりだった。] (*10) 2021/07/01(Thu) 1:59:52 |
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