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【人】 美術部 雨蓮 しずく― 回想:紫陽花と別れ ― 「このハンカチ、最初見せてくれたしずくちゃんの絵に似てると思わない?ネットで見つけて、お母さんに買ってきてもらったんだ。」 [ おにいちゃんはそう言って紫陽花が刺繍されたハンカチをくれた。 しずくは、ぎゅっとハンカチをにぎると涙が残る目で笑った。まだ、悲しくて仕方がないけど…一生の別れではない。 しずくが絵を描き続ければきっと会えると信じて…。] 「 しずく、えをいっぱいかくから… いつか思いだしてね… 」[ 会いたいなんて、言えなかった。だから、せめて思いだして欲しい。また、絵を見て「綺麗だ」と言って欲しい。 しずくはそれ以降、紫陽花の絵を描くことが多くなった。 それは、ただひとりの人に気づいて欲しいから]* (163) 2020/06/19(Fri) 7:28:17 |
【人】 転校生 矢川 誠壱 ──ライブ── [ 会場が、ざわついている。 照明の落とされたステージの上には、 生ピアノ、ドラム、キーボード、それから アンプと配線。スタンドマイクが数本。 体育館の袖で、息を吐いた。] 「とにかく!!!楽しもう!!!」 [ そうボーカルの祐樹が叫んだ。 全員が「おう!!!」と答える。 ほどよい緊張感が体を走る。 一度ぎゅ、と握った掌は湿っていた。 目の前にいた祐樹のてのひらが額につく。 そのままぐい、と前髪ごと顔を上げられた。 それでやっと、いつのまにか、 下を向いていたのがわかった。] (165) 2020/06/19(Fri) 7:52:20 |
【人】 転校生 矢川 誠壱「イチ、ありがと。イチが入ってくれたから、 俺らは今ここに立ててる。 ────イチで、よかった。」 [ そういって、にかっと笑うから。 泣きそうに眉根を寄せて、微笑んだ。] 俺の方こそ。ありがとな、みんな。 [ たった、1ヶ月だ。彼らと共に過ごしたのは。 己の人生において音楽は必要不可欠だし、 いつだって共にあったものだけれど。 ひとりで、弾くことも多かった。 もちろん、バンドを組んでいた頃も あったにはあったけれど。 それでも、こんなにも短い期間で、 こんなにも濃厚な時間を、 こんなにも楽しく共有できたのは きっと後にも先にも今回だけだろう。 ただ、ひたすら、走った日々。 これからの話は、まだなにもしてない。] (166) 2020/06/19(Fri) 7:52:59 |
【人】 転校生 矢川 誠壱(───今日が、最初で最後かもしれないな) [ ならば、感傷的にはならず。 とにかく、この熱を全て吐き出す勢いで 全力で、捧げようじゃあないか。 揃えのTシャツに身を包んだ、 急揃えの4人で。] 「おっしゃいくぞーッ!!!」 [ その声にダァンッと足を鳴らして。 右手でベースのネックを掴んで、 ステージへと足を進める。] (167) 2020/06/19(Fri) 7:53:52 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ まだ暗い。 照明のない闇の中。 ジジッと電子音が聞こえる。 己もジャックにシールドを挿した。 響いた小さなリズム音に、ドラムの智が ハイハットとバスドラムのペダルに 足を置いたのだとわかる。 すう、と息を吸って。 吐きながら、Eを鳴らした。 ギターの音も、重なる。 そのままチューニングに問題がないか もう一度確かめて。 ゴンゴンゴンっとマイクを叩く音。 キィーーーンッと歪んだ。 ざわつく会場は、体育館の半分から後ろが パイプ椅子の座席、前半分はライブハウス よろしくアリーナ席のように立ち見状態。 ステージ近くまで押し寄せる人の波は、 各々好き勝手にメンバーの名前を呼ぶ。 もちろん、己の名前を呼ぶ人はいない。 ───それで、いい。] (168) 2020/06/19(Fri) 7:54:50 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ ふーーと深く息を吐く音が、 マイクにひろわれている。 音が止まる。 ざわついていた人の声が止んだ。 一瞬の、確かな静寂。 スタンドマイクを祐樹の掌が包む。 すう、と息を吸ったのがわかる。 ああ ───はじまる。 一曲目。 アカペラからはじまった。 繰り返した二度目のフレーズから、声が重なる。 大きくなって、大きくなって。 ドラムと、ギターが響く。 じりじりとなにかが燻るような、 焼けるようなひずんだ音。] (170) 2020/06/19(Fri) 7:59:59 |
【人】 転校生 矢川 誠壱 「叫べーーッッ!!!」 [ 祐樹が煽ると、息を吸い込む 瞬間のような休符の直後、 バンド全体が大きく鳴りはじめる。 会場が大きく沸く。一体になる。 体が揺れる。その重いリズムに合わせ。 がなる、響く、揺れる。 ひずむ、鳴る、激しく。 先ほど、教室で演奏したしっとりと 柔らかな音とは全く違うけれど。 これも、楽しくて仕方がない。 観客の方を見ると、みんな、笑っている。 楽しそうに手を上げ、声を上げて、 飛ぶ、リズムに乗る。] (171) 2020/06/19(Fri) 8:03:50 |
【人】 転校生 矢川 誠壱「この町を、歩き回る君。 消え去ったりしないよ。 本当に、見ているだけか? ならどうして、そんなに急いでるのさ。 ───ここから、踏み出す時、 一歩、一歩忘れないよう、息を吸って。 生きるって、きっと傷つけるし 生きるって、きっと失うことだ。 それでも、君が自分のW街Wで 迷子になっているのなら。 生きることって、笑うこと。 生きることって、泣くこと。 自分を見つける意味を失ってしまったのかい? 生きるってきっと、愛することだよ。」 (173) 2020/06/19(Fri) 8:05:46 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ これは、メッセージソングだ。 全英詞だから、己には理解できないが、 ライブでやる曲を話した時、 祐樹がまず初めに挙げたのはこれだった。 絶対やりたい、と。 そのあと、自分で歌詞を見て訳したっけ。] (174) 2020/06/19(Fri) 8:09:50 |
【人】 転校生 矢川 誠壱「失うものがなにもないなんて、 本当にそうならどこへ行く? もしそれがわかるのなら、 君はなにを信じてるんだ? 忘れないで、今までの道のりに、 自分の足跡があるんだから。 自分のこれからを見つけるとき どうかまた息を吸って、 君の人生は君が作るんだから。 一歩踏み出すことに意味がないなんて、 誰が言った?そんなわけないだろ。 生きることは、愛することなんだから。」 (175) 2020/06/19(Fri) 8:16:13 |
【人】 転校生 矢川 誠壱[ 爽やかで、綺麗なメロディに 乗せられたのは、たしかな応援。 直接的な励ましの言葉じゃない。 ただ、遠くから見守っていて、 時折優しくエールを送るような曲。 届け。 だれかに。 その先を、望む人たちのもとに。 そう願いながら、歌ったのがわかる。 汗が、首筋を伝った。 音が止む。 ボーカルの微かな呼吸音のあと、 わあ、と大きな拍手と声が沸いた。 にい、と笑った祐樹がこちらを見る。 己も柔く微笑み返した。 手首で顎の下を拭って、息を吐いた。] (176) 2020/06/19(Fri) 8:16:32 |
【人】 転校生 矢川 誠壱「どーも、Two wins でっす!!!」 [ そういってピースを二つ揃えて Wの形を作るポーズは、このバンドの シンボルマークらしく。 祐樹がそのポーズをしたときは、 全員がしなければ怒られてしまう。 だから己も大きな掌でピースを 2つつくり、重ねて。 気恥ずかしさに首をこてりと倒して、 そのまま俯くようにして笑った。 さあ、MCがはじまった。 あと三曲。 走りきる。 この瞬間は、今しかない。]* (177) 2020/06/19(Fri) 8:16:47 |
【人】 次期生徒会長候補 赤羽 神一[舞台が終わり その成功を喜びあったあと 赤羽は、ふんどしのまま青い法被を着る。 その姿のまま、他のステージを見ようと 客席に向かった。 あああ、あそこにいるのは……ぐぬぬ……。 ちあだ。>>169 ちあはちっこかったが、 法被に花かんむりは目立っていて 懸命に舞台を見上げる姿は 僕の目には可愛らしすぎた。 彼女が気づけば、隣に座るだろうか。 気づかなければ空いてる席に座り 赤羽はこの後の舞台を見ることにした。*] (178) 2020/06/19(Fri) 8:17:19 |
【人】 帰宅部 雨宮 健斗[ 頭に浮かぶのは喫茶店アトリエで見た、 須藤の絵。 心に響いて描いたという、 あいつの言葉は素直にうれしいと思ったし、 大げさに言えばちょっとは感動さえした。 …それでも。 ] (180) 2020/06/19(Fri) 8:35:51 |
【人】 帰宅部 雨宮 健斗[ 俺のピアノは、白と黒。 矢川の音は、ひとつひとつの音符が色彩を放って。 キラキラ、キラキラ。 音を跳ね返しては自ら光る。 それは例えばたくさんの、 絵具のつまったパレットのようで。 ] (181) 2020/06/19(Fri) 8:36:32 |
【人】 帰宅部 雨宮 健斗[ 羨望、嫉妬。 焦燥、後悔、喪失感。 あぁ、気付いてしまった ずっと、開けないようにしまっていたパンドラの箱。 気づかないようにしていた感情。 おれは、こんなに、 ピアノが、ひきたいのに。 弾けない。 弾けない。 弾けない。 悔しい。 悔しい。 悔しい。 なんで、おれだけ。 ふらり、と雨の中へ足を踏み出す。 ここでなら、泣けるのだろうか。 ]* (182) 2020/06/19(Fri) 8:40:17 |
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