【人】 巫女 ユピテル>>41 キエ 「あら。W何かをするWっていい事でも悪いことでも、 どちらでも取れるじゃない? 私、別にキエに尋ねに来ただけで糾弾しに来てないよ」 実際、別に貴方への強い敵愾心等は見えていません。 ただ何かをするなら貴方とユピテルは考えていましたから。 それは貴方への好意の差などではなく、各々と話した結果、 何かしらのそれが可能な力の持ち主が貴方だけだったから。 「W差し出されたから、受け取ったW?」 あの日、少女の悲鳴が、聞こえたと聞きました。 多重人格で最も邪魔になるのは、何?それは、 「キエ、貴方が差し出されたものは、ゲイザー?」 「貴方、それをW受け取っただけWと言うなら、 まだW返すW事だって出来るんじゃないの?」 (44) 2021/10/23(Sat) 12:29:13 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 探偵 キエ航海は続く。 生 き た い 終わらないのはきっと、自分が行きたい場所が定まらないからだ。 兄の残り香がわかるのはどうやら自分だけらしい。 どうか俺に、あなたの足跡を見せて欲しい。 ――そう願った瞬間、揺蕩う海が弾けた。 「あぁ、探偵。 あそこだ……あの場所で俺を降ろしてくれ」 弾けた海の先はなんのことはない、館の中庭の外れだ。 あれだけ進んだように感じていたというのに不思議な話だが、ただ一点、現実の館の中庭とは違うところがある。 そこには…… 大輪の桜の木がそびえ立ち、 その周りにはおびただしい血の跡が残されていた。 (-226) 2021/10/23(Sat) 12:29:59 |
【墓】 逃亡者 ポルクスようやく俺は地に足が着いた。 そこは館の外の中庭の、あまり人目につかない外れの方。 兄の残り香が……強い。 本来のそこにはないものが、この空間には確かに残されている。 薄紅色の花びらが舞う大輪の桜の木。 そして残されたおびただしい――――――血の跡が。 (+20) 2021/10/23(Sat) 12:50:53 |
【墓】 逃亡者 ポルクス「これは兄さんのものではないな」 では何故だろうか。 血の跡を一瞥し、桜を見上げると、 ひらりと舞う桜が一枚、鼻の上に止まった。 ――――――あ。 「これだ……」 桜の花びらから確かに漂う残り香と、兄の気配。 木に背を預けて目を閉じると、不思議と知るはずもない成長した兄の姿が映し出された。 やはり兄は、この館に来ていた。 「――――――ずるいよ、兄さん」 何に対してそう形容したのだろうか。 ただわかるのはカストルという双子の青年は、必要としあえる相手と出会ったということ。 そしてポルクスという双子の青年は、ひとり残されたということだけだった。 (+21) 2021/10/23(Sat) 12:52:06 |
【人】 巫女 ユピテル>>@18 トラヴィス 「あら、秘密ならしょうがないわ。楽しみに……わ、っ」 まさかトラヴィスがそんな事をするとは想像していません。 つい驚きの声が上がってしまいます。 「もう。お姉ちゃんより、 もっと撫でるべき子がいっぱいいるでしょう?」 言葉と裏腹に、嬉しそうに少し照れて俯いて。 WやっぱりトラヴィスはずるいわWと、 一度口を尖らせてから、ふっと緩めて微笑みます。 「……うん。もし弦が直ったら、……ううん。何でもない」 もし竪琴が直っても、これが音を奏でるか。 唯一それがわかるのは、持ち主の彼のみ。 いつか、その日は来るでしょうか。 本当に単なる勘ですが、案外そう遠くはないと信じています。 そしてW貴方からW告げられた言葉に瞬き。 彼が自分からそれを伝えられるとは、 最初の日を思い返すと想像もできなかったでしょう。 彼が言っていたW最後Wが明日とも知りません。 「……ええ、Wまた明日W!」 だから、いつも通りに屈託なく。いつも通りに明るく。 大切な人に、大切な人の竪琴を託して、見送りました。 (45) 2021/10/23(Sat) 12:56:09 |
【秘】 探偵 キエ → 逃亡者 ポルクス「相分かった、此処で到着だね」 音も無くぼろぼろの船が桜の木の前に止まる。見えない船員が舷梯を下ろすとポルクスへ促す様な視線を向けた。 ポルクスが降りれば後から骨だけの山羊が二足歩行でついてくる。骨は不規則な音を鳴らす。 死体でも埋まってるのかねェ。 からから、からから。 其処から兄君が見えるかい? からから、からから。 木に背を預けて目を閉じるカストルを横目に骨の山羊は血の跡を見つめている。 キエに家族などいないし欲しいとも思わない。どんな関係の相手を示すか知ってはいるが其れだけだった。桜の1枚程も今ポルクスが抱く感情を理解していないし、しようとも思わない。 (-229) 2021/10/23(Sat) 13:20:07 |
【秘】 探偵 キエ → 不眠症 アマノ「人数なんざ関係ないのにねェ…まるで何もかも“自分にはできない”と道を塞ぐんだもの。 ……おや休憩は終わりか。しかし僕ァ未だ用がある」 ベッドから起き上がり短い葉巻を深く吸うとアマノの前に立つ。 「何か言う事があるんじゃないかね。ん? 僕を突き飛ばしておいて、更には科学者としての在り方まで説いてやったというのに。僕ァ君から謝罪と感謝を貰うべきだと思うよ」 勝手に話しただけだがキエの中では“してやった”という事になっている。 そして煙をアマノに吹きかけ、葉巻の灰を其の手に少し落とした。勿論熱い事を知っていながら行っている。 (-230) 2021/10/23(Sat) 13:41:23 |
【秘】 浮遊想 テラ → 夜の一族 チャンドラ「 それは知らなかったな。──を探して、見つけちゃって、 まだ──のことを知りたいだなんて そんなふうに言う 期待通りの ことをしてくれるなんて 」ナニカ は、あなたの辿ってきた道を知らない。 あなたに寄り添ってくれた人も知らない。 居たんだなぁとはなんとなく思って、 聞きたくなったけど、それはまた今度の話。 「 名前はないよ 。ここに来るより前も、あったかどうかなんてわからない。 最初に浮かんだのが、テラだった。だから名前なんだろうと思った。 」「 単位、大地、地球、神名、それと、怪物。 調べたら、結構色んな意味があるんだ? テラって。 」「 ──はね、怪物なんてぴったりじゃない?って 思っていたんですよ。 でも──は怪物なんかじゃない 。 」無色透明なだけで、人間の“形”は保っているつもりでいます。 「 ……なんだけど、さあ。それよりしっくりくるのを最近もらっちゃって。 ほら、ここって言葉が変だから、西洋の言葉も東洋の言葉に直されたり、 そういうことがあるけれど、意味としてそういう言葉をもらったんだ 」「 いっ てら っしゃい 、って 」「 耳に残ってただけで、多分これって名前じゃなかったんだね 」「 だから、名前はないよ 」つい最近、そう認識しました。 (-231) 2021/10/23(Sat) 14:27:45 |
【人】 空想 ゾズマ>>43 ゲイザー 「焦げてる……」 少女の姿でチンピラ仕草するチグハグなやつからもらったパイを、なんとも言えない視線で見つめる。食えるだろうか? ひとまず話をしたいというのなら、応じようと、ベンチに座る。 みょうに縮こまっていて、顔が近づくと気まずそうな顔で俯いた。 その質問は、昨日までのゾズマが聞いたならどうしただろう。 もう思いこむことをやめてしまった今の自分にはわからない。 「普段強がってるやつがホントは弱虫だった。 で、終わるかと思ったけど……聞いてくれるんだ」 そして、顔を上げて、あなたを見返した。 前に泣き叫ぶゾズマを見て、自分たち──リーパーとゲイザー──みたいだと言っていたあなたを。 → (48) 2021/10/23(Sat) 14:32:54 |
【秘】 よいが来ない ミズガネ → くるみ割り人形 トラヴィス「ゔ」 ぴしゃりと放たれた言葉に男は萎縮する。相手はいわばアーティストとしての先輩であり、自分と違ってちゃんとしたプロだ。そんな者からのダメ出しは流石に堪えたらしい。 メモ一枚きりを手に取って、悠々と語る貴方を見やる。 自分には終ぞ持てなかった自信あふれる微笑みに思わず目を細める。 (ああ、この人はきっと本物だ) 大きく開け放たれた扉を見やり、男もまた追いかけるように開幕するステージへと駆けるように向かっていった。 そうして、目の当たりにすることになる。 自分がかつて追い求めていた理想を。 (-232) 2021/10/23(Sat) 14:45:21 |
【人】 空想 ゾズマ>>43 ゲイザー 「何って。オレのダチだよ」 "わたし"が思うゾズマはそう言ってくれる存在だ。 "わたし"が作り出しただけの"わたし"が忘れ去ったら、いなくなるだけの。そんな、存在だけれど。 「アイツは、小さい頃から空想して遊ぶのが好きだったんだ。ダチができなくてボッチだったからな」 気の強いゾズマを演じたまま、ぽつぽつと語り始めた。 「ガキの頃、本当に自分にしか見えないダチがいたことがあって、でもお別れをしたから、ひとりになったから」 「だから、そのうち自分で新しく作りだした。そして、そいつも本当にいるって勘違いしはじめた。現実と空想の区別もつかなくなったバカだよ」 「嘘吐き呼ばわりされたけど、まあ当然だよな」 「でも、どうしてもそれが気に入らなくって」 「そのうち自分さえも消してまで、そいつになろうと思ったんだ」 「それがオレ。ただの、空想の中の人間」 → (49) 2021/10/23(Sat) 14:54:46 |
キエは、「人間はハッピーエンドが好きだろう?」 (a38) 2021/10/23(Sat) 15:03:29 |
【人】 巫女 ユピテル>>46 キエ 「そうねぇ。頷くかもしれないわね〜」 本当は、そこまで献身が強い女ではない。 ただ、そう見られてるならそれでいい。 W都合がいいWから。……だって、常に悩んでる人よりも、 『全く悩まなさそうな女』の『貴重な悩み』の方が、 あなた、興味持つでしょ?キエ。 何より、一番聞きたい事は、本当はもう聞けた。 まだゲイザーをW返せるWと言える程度に、 彼女はまだ存在しているということを。 「キエは善意で損は絶対嫌って言うわよね〜。 それは勿論理解してるわよ、お姉ちゃんも。なのでお話」 だからここからは、単純に私達が失敗して、 キエに交渉する以外の打つ手がなくなった時の保険と、 (51) 2021/10/23(Sat) 15:04:47 |
【神】 悪食 キエ“ゲイザー”を食らう手段は当初2つあった。片方は面倒でもう片方は簡単であったから結局後者を使った。最初に提案したのは面倒な方の手段である。 ⏤⏤⏤⏤先ず此の館に神隠しという現象があるのは知っている通り。 ⏤⏤⏤⏤僕ァこれが利用できると踏んでいてね。今の僕じゃ人格まで手を出すのは難しい。しかし同じタイミングで食べれば、ゲイザー君という人格さえ奪える筈さ。 “ゲイザー”の行き先だけ僕の腹に変えれば良い からねェ。キエは不確かな存在であるからこそ自らの全てを定義する。 しかし其れは何をするにも論理を作り定義する必要があるという事だ。 しかし其れは何をするにも論理を作り定義すれば可能であるという事だ。 キエは自らに課せられた役割と館の理を骨組みに、幾人かの願いを動力にすれば、 “主人格”の行き先を自分の腹に変える 事が可能だと定義した 。 (G0) 2021/10/23(Sat) 15:05:10 |
キエは、怠惰だ。手間などかけたくないし完成を待つのが其の限度である。 (a39) 2021/10/23(Sat) 15:05:33 |
キエは、しかし口を開けているだけで食事ができるなら、有り難いと思う程度の損得勘定を持つ。 (a40) 2021/10/23(Sat) 15:05:48 |
キエは、だから片道切符の行き先を変えた。 (a41) 2021/10/23(Sat) 15:06:02 |
【神】 悪食 キエ>>G1 キエは寝物語を聞かせ続ける。 「………悲劇とは高い処から飛び降りる事だ。僕ァ神ではないから導いたりなどしないが其処へ登って欲しいとは思っているんだよ。 杖と靴は与えよう。だが後は自力で登りなさい。誰かに立たされた舞台程つまらないものは無いからねェ?」 悲劇と喜劇の導入は同じ である事をキエはよく知っている。喜劇は高い所へ登る必要があるが悲劇だって飛び降りる為に 高い所へ登る必要があるからだ。 其処で踊り明かすか飛び降りるかは其の人次第。勿論キエは葛藤の後に身を投げる事を期待している。 キエは背中を押さない。 扉の向こう側で、 窓の向こう側で、 柵の向こう側で、 崖の向こう側で、 両手を広げて待っている。 キエの手を掴むのは何時だって貴方から。 (G2) 2021/10/23(Sat) 15:07:54 |
キエは、「僕へ辿り着く前に彼が消えちゃうかもしれないけれど」 (a42) 2021/10/23(Sat) 15:08:13 |
キエは、「誰かに横取りされるかもしれないけれど」 (a43) 2021/10/23(Sat) 15:08:26 |
キエは、「まァ其の時は仕方がないね」 (a44) 2021/10/23(Sat) 15:08:37 |
キエは、怠惰だ。自ら追う程何かを求めない。代わりは幾らでも在るのだから。 (a45) 2021/10/23(Sat) 15:09:06 |
【人】 浮遊想 テラ「 夢、夢、夢。ふふ、夢はいいなぁ。 夜に眠れるみぃんなが見るの 」音が発されたような気がします。 気がしただけかもしれません。 「 言葉ってさァ、不便だと思うよ? どういう理由でありこそすれ、 真相や真意とは違うふうに受け取られることもままあって 」「 それでも──は、言葉のそんなところもいとしいなぁ。 ──に向けて、与えようとしてくれたものだろう? 」ナニカ があなたに近寄ります。ゆっくり。 ナニカ があなたの頬に触れます。やさしく。 ゾッとするような冷たい、温度のない手でした。手だと思いました。 「 ほうらキエちゃん、──を覗けるものなら覗いてみなよ。 眠らないと覗けない? それじゃあ、ご要望に添えないなぁ 」指先だと思えるものが、心持ち細くなった あなたの顎を軽く押し上げます。 ナニカ の口は 三日月の弧 。「 ひとりの夜って長いんだぜ? 知ってる? 」ナニカ は、そういえば、夢なんてものを 見た記憶がありませんでした。 (54) 2021/10/23(Sat) 15:12:26 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 浮遊想 テラ「……そう」 透明な声が、不透明な声に混じって、わずかに聞こえてくる。 そうなの、テラ。 あなたは言葉すら、あの衣服がないと伝えられない? 一瞬目を伏せたわたしは、すぐにまたあなたのいるだろう方を見る。 「いい名前よ。テラって。 わたしの名前には月という意味しかない。 それでもわたしはこの名前は好きだけど、テラにはあなたの言うように、たくさんの意味がある。 その中で怪物がそれっぽいと思うなんて、わたしはそんなところもテラらしいのねって思ったわ」 わたしは少しだけ笑ってみせる。 確かに怖いと思ったわ。 でも怪物だと思ったのなら、探しになんて来たりしない。 ああ、夜なら話は別よ? 夜ならわたしは、 何だってできる から。「──それに」 あなたは浮かんでいたから、高さはきっとあのあたり。 普通に対話するよりずっと高いところを見上げて、わたしは言葉を続ける。 「あなたにその言葉を言ってくれた人がいる。その証拠でもある。 耳に残っていたとは、そういうことでしょう?」 (-236) 2021/10/23(Sat) 15:26:07 |
【墓】 夜の一族 チャンドラ>>+20 >>+21 ポルクス わたしはあなたを探している。 まだ自分ができることは、わからない。 それでも、あなたを探していた。 いだいた ぬくもり は、まだ、手元にある。「……?」 広い中庭の隅、見たことのない、桃色の木。 わたしの知っている木は、みんな緑の葉を茂らせたものだけど。 足を止めたわたしは、そこにあなたの姿を見つけた。 まだ自分ができることは、わからない。 でも 「ポルクス……?」 木の根元に広がる赤い液。 あなたのものじゃ、ないのでしょう? 遠くで見ても分からなかったから、わたしは恐る恐るとあなたの名前を呼んだ。 (+22) 2021/10/23(Sat) 15:36:59 |
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