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【独】 環 由人/* もちろんそれまでも行きたいけど、近場で済ませててもいいし ふたりで生きていれば、きっと近所のコインランドリーへの道のりも楽しいとおもうのです (-191) 2020/09/23(Wed) 0:37:44 |
【独】 環 由人/* いよいよ旅行にも行けないくらいおじいちゃんになったら、そのときはそれまでの思い出を「たのしかった」って話せたらいいな、とおもいます 良い人生だったってきっと言える気がするな ではでは、そろそろねむります おやすみなさい、ありがとうございました!** (-192) 2020/09/23(Wed) 0:40:48 |
【人】 希壱[どれくらいの時間が経ったかわからない。 ふと、読んでいた本から顔を上げた。 本の中では、ノコギリ鼻の鮫人間が 主人公にぶっ飛ばされていた辺り。] (89) 2020/09/23(Wed) 3:01:39 |
【人】 希壱────? [辺りを見回しても、もちろん近くには誰もいない。 相変わらず店員がカウンターの向こうで本を読んでいて、 誰かの捲ったページの音が静かに聞こえてくるだけだ。 でも、確かに今、 声が聞こえた気がしたのだ。] (90) 2020/09/23(Wed) 3:02:28 |
【人】 希壱…………なんだよ、 [突然現れた漫画喫茶はホラー仕様なのか? と、疑いたくもなる。 ……だって、明らかに普通じゃないからさ。 パタン、と本を閉じて。 それをソファの上に置く。 ゆっくりと目を閉じて、 今度こそ、言葉を聞き取ろうと耳をすませた。] (91) 2020/09/23(Wed) 3:02:52 |
【人】 希壱[もう一度、と思ったのだけれど、 どうしたって同じ声は聞こえてこなかった。 ため息を吐いて、置いた本へと手を伸ばす。 どこか聞き覚えのあるような声。 どこか馴染のあるような声。 ……でも、それも、今は思い出せない。 だから、もう一度。 俺を一人きりにはしない本の世界へ浸ろうとした。] (93) 2020/09/23(Wed) 3:03:58 |
【人】 希壱[だって、ここには沢山本がある。 だって、ここでは誰にも気を遣わなくたっていい。 だって、一人じゃない。 だって、本を捲れば誰かがいる。 だって、ここは自由だ。 だって、だって、だって、 だって、] (94) 2020/09/23(Wed) 3:04:54 |
【人】 希壱ガタ────、と立ち上がる。 目を開き、汗が垂れ落ちる。 今、何を考えていた? 今、誰を忘れていた? 久しぶりの一人の時間。 それを味わえて、幸せで、 ずっと、この時間が続けばいいって、 あの子を忘れかけてまで、そんな、願いは──] (96) 2020/09/23(Wed) 3:06:36 |
【人】 希壱[名前を呟いて、唇を噛む。 あぁ、そうか。 結局虚しいだけだった。 一人の時間はたしかに大切だ。 とても楽しくて、幸せで、 店員が誘惑めいたことを言ったのも頷ける。 でも、ダメなんだ。 俺だけ楽しく過ごしたって意味がないんだ。 だって、俺はあの子といる事が何より一番幸せで。 あの子が楽しく話してくれる事が何より一番幸福で。 笑いかけてくれる、ことが…… なにより、嬉しくて……] (98) 2020/09/23(Wed) 3:08:16 |
【人】 希壱…………泣いてたな、なずな。 [最後に見た光景を思い出す。 赤く染った水の中、 醜く集まった野次馬の音と共に、 大粒の涙を零して俺を呼ぶ、あの子の姿。 安心させるように笑ってみたけれど、 血に埋もれた表情では、 怖いだけだったかもしれないな。] (99) 2020/09/23(Wed) 3:09:13 |
【人】 希壱[もし、ここに来たことに意味があるのなら。 きっと、少し休め、という意味だったのかもしれない。 誰かに自分を認めて欲しいと望んでいた。 あの修学旅行をキッカケに、 そんな感情、無くなったと思っていた。 けれど、心の奥底では全然消えていなくて。 そんな感情に雁字搦めにされて、 たぶん、自分を見失っていたんだ。 雨の中、レインコートを着たあの子を見た時。 俺はもう要らないんじゃないかと思った。 そこまで気が回らなかった自分を、 ずぶ濡れで、周囲に好奇な目でみられる自分を、 あの子に嫌われたんじゃないかと思ってしまった自分を、 自分自身で" 呪っていた "んだ。] (101) 2020/09/23(Wed) 3:10:17 |
【人】 希壱帰るよ。 ……まぁ、元の場所に帰れるかはわかんないけど… これ、お代。 貧乏学生だから、手持ち、これだけしかねぇんだ。 ["千"と書かれた紙切れを一枚取り出して、 カウンターの上に置く。 ちら、と見えた店員の手元の本は、 なんだか少し難しい日本語が書かれていて よく分からなかった。] ……もう会うことはないと思うけど、 また会ったら、よろしくな。 (104) 2020/09/23(Wed) 3:13:09 |
【人】 希壱[それから踵を返して、店の扉の前まで歩く。 ドアノブに手をかけた時、 ふと、振り返った。] 本、面白かった。 勧めてくれてありがとう。 ……もし、生きてたら、 あの続き、集めて読むよ。 [少しギザギザな歯を見せて、ニッ、と笑う。 彼が何かを言っても言わなくても。 そのまま扉を開けて、外へと出た。] (105) 2020/09/23(Wed) 3:13:55 |
【人】 希壱[もう、休憩はお終いだ。 もし、これがあの頃見た夢の延長線なら。] ……もうすぐ、覚める頃合だ。 [ボヤ、と視界が揺れる。 歩いていた足が少しずつ感覚を失っていく。 黒かった視界が白く染っていって。 徐々に、意識が薄れていく。] (106) 2020/09/23(Wed) 3:14:29 |
【人】 希壱……あぁ、ほら、やっぱり、 死んだ夢には、慣れてるんだ。 [浮遊感に包まれて、 そんな言葉を零した時。 ズキ、と、最後の痛みが襲った。] …………まぁ、慣れてても、痛いもんは痛い、な。 [ゆっくりと意識が底へと落ちていく。] (107) 2020/09/23(Wed) 3:17:41 |
【人】 希壱[ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、 と、電子音が聞こえる。 ツン、 と、消毒液の匂いが鼻をつく。] ……………ん、……………んん、 [モゾ、 と、動いて、瞼を開ける。 飛び込んできたのは真っ白な天井] (108) 2020/09/23(Wed) 3:27:08 |
【人】 希壱………なずな、 [掠れた声で何とか名前を呼ぶ。 そんな俺の言葉に、あの子は益々涙を流す。 鼻声で何かを言いながら、 ボタボタと涙を落として、 ぐしぐしと、手で目を擦るもんだから。 あぁ、ほら、瞼がはれちまうぞ。 なんて。 ようやく持ち上げた右手で、あの子の涙を拭った。] (111) 2020/09/23(Wed) 3:28:23 |
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