【秘】 書生 茅 → 天狗 うぇ……ぁ? [適当に羽織ったのみの白打掛は、もともと袷と呼べるほど合わさってもおらず、襟元をひかれれば容易く胸元を晒す。 なまっちろいだけで年相応とはとても呼べない身体だ、そもそも年もよくわからないのだが まともに食べていないのだから当然ともいえる 吐息が喉元に触れ、反射的に身をすくませたが、直後、ちりりとした痛みが首筋に走り、びくりとひとつ肩を跳ねさせた。] ッぃ……ッ、? [何をされたのかは分からない、けれど何やら『所有』を宣言されたような気がする。 青年の頭はまた疑問符で埋まる。] え……今更? [おっと口に出てしまった。 だってそうだろう、洞穴に枷で繋がれた供物である自分、それを捉えたのが『山神さま』なら、多分自分はもうとっくに『山神さま』のものなのだ。 頭は悪いが順応は異常に速い青年であるが故に、その『事実』はあっさり飲み込まれていた。 嗚呼それにしても、『かわいがってやる』の意味が文字通りならどれほど良かったか! 掴まれた手首の痛みを思えば、到底望むべくもなかったけれど。] (-100) 2021/06/18(Fri) 23:48:14 |
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