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【赤】 3839 南波 靖史「彰人くんの異能は、寿命と記憶の問題で、死体と苦痛が出るんだよね?」 「──俺の異能、使えないかな。」 「結局の所、俺の“1番”は俺から変わらない。 普通に誰かの傍にいるならこれはハンデだけど、彰人君も同じでしょ。そして、俺は“君の為に君を無痛で殺すことができる”」 「昔の俺の『自分が1番』で『他の全てが2番』が、此処で変わった。今の俺には、2番も3番も付けられる。」 「だから、君に声をかけている。俺、“ただしい人”に紛れて生きていける気がしないよ。だから、……ここから出たら、」 「“ただしくない人”のままで生きられる世界を、 一緒に、探しませんか」 「例え1番が自分でも、“独り”は寂しいから」 (*14) 2021/10/04(Mon) 19:46:06 |
【赤】 3839 南波 靖史「知ってるよ。その上で、そこも似てるから誘ったんだ。 俺もまだ、2番も3番も生まれただけで── 『自分以外を愛せてはいない』のは同じ。保証なんて俺もない」 指を絡められた手を見て、少し考えた後に。 もう片方に常に嵌めていた自分の右手の薬指の指輪を取る。 「凄くない?記憶ない状態で“それでも誰にも渡したくなくて”自分の両手の薬指に婚約指輪代わりに嵌めてたの相当だと思う」 「なのに一回、彰人くんこれ外して来たでしょ。君だけだぞ」 だから、責任取ってよ。冗談めかしてそう言って、 取った指輪を貴方の右手薬指に着けようとしてくる。▼ (*16) 2021/10/04(Mon) 20:39:32 |
【赤】 3839 南波 靖史「……保証も証明もないない尽くしだね、俺達。 だから考えてくれるって言ったから、それ、あげる。」 「気が向いたら別の指に着けてくれたらいい。 或いは、誘いもそれも不要と思えたなら捨ててくれていい」 「俺も、今着けている“この指輪の意味”が、 変わる事があるのか──1年、2年?もっとその先?わからないけど、」 「互いに、賭けてみよう。 それでも苦しかったら、終わらせよう。全部」 俺は幾らでも、『居てくれるなら』答えを待てるから。 本当に『ただしく人を愛せなかった』俺達なのか、 それを確かめる未来への誘いへの返事を、俺はずっと待ってる。 (*17) 2021/10/04(Mon) 20:40:03 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「いいよ」 「“靖史”じゃなくて、ちゃんと“靖史”って呼んでね。ふみちゃんでもいいよ。それ、俺個人が付けて貰った名前だから」 「名字とか、戸籍に登録されてる“靖史”だと、俺が愛した人の方になっちゃうんだよ。だから、言われなくても怒るよ。 『あれだけ言ったじゃん!』ってさ」 “再演”と言う事は、つまりは一度幕引きだ。“終演”が訪れる。 「俺本当は物凄く執念深いから。 “ただしい人”のまま生きるの、認めるつもりないから」 「それを腹立たしいものだと、最初に教えられた潤ちゃんの事、置いていくつもりもないから。嫌って言われても助けにいくから」 (-164) 2021/10/04(Mon) 20:58:34 |
【秘】 3839 南波 靖史 → 0043 榊 潤「だから、今度会った時は、」 「半端に俺に 希望を与えた責任を負って貰うので」 「半端に私に 「証明に付き合って貰うよ。俺達に見つけられるべき── “ただしい”と違う、新たな“答え”がこの世界にあると」 「またね」 『さよなら』 (-165) 2021/10/04(Mon) 20:59:18 |
南波 靖史は、『南波靖史(やすし)』は、今度こそ終幕を見届けた。 (a62) 2021/10/04(Mon) 20:59:50 |
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