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【秘】 朝日元親 → 朧げな陽光 守屋陽菜「そりゃそうですね。 さすがに今はやめてくださいね。 やるなら体育祭が終わってからにしましょう」 教本と台本を整えて、鞄に入れる。 大まかな変更点は頭に入れたつもりだ。 そうして顔を上げると先輩のにやけ面が目に入った。 前髪の隙間から、僕はそれを見る。 「……好きなんですよ。子どもの頃から。 なかなか触る機会もないし、役得と思いますけどね」 仕掛けが気になるとか仕組みが気になるとかもある。 でも何よりこの手の機材の無骨さが好きだった。素直に恰好いいと思う。 「寧ろ放送したくて放送部ってってのが俺にはよく。 部員も全員が全員、目立つのが好きってわけじゃないですし」 ならどうして放送部なのか。 そういう僕も機材目当てなら軽音部という選択肢もあった。 柄でもないので今ここにいる。 (-161) 2021/10/29(Fri) 1:26:28 |
【秘】 朧げな陽光 守屋陽菜 → 朝日元親「おいおい、立つ鳥跡を濁さずって言葉を知らないのかい? もうすぐ引退するっていう先輩に、 大惨事を期待することじゃないだろうよ」 賞とったぶん、来年は弾むはずだからそれでなんとかしろと。 台本に目を通し、鞄に仕舞う様子を一通り眺めて、 相変わらず要領がいいなと感じる。 「……男の子ってやつだねぇ 浪漫ってやつかい? そういう気持ちは大事にしなよ 私としては、もっと気持ちは表に出してほしいけどね? 朝日は分かりにくいところがあったからなぁ」 ふふんと思い出すように微笑んで、 帰りの支度をするのなら黙ってみていよう。 案外、この女は部室内では静かなものである。 下校のアナウンスまで、ゆったりとした時間を過ごす。 (-169) 2021/10/29(Fri) 2:12:28 |
【秘】 牛丸紗優 → 朝日元親「詳細は伏せますけど。 そういう異能持ちがいるってことです」 味わえるのは気分だけだろうが、あの気分を他人と共有できることは楽しいだろうなと思った。 「残り物には……? ああ、でも借り物競走に出ても先輩にとって楽なのを確保できたりするんですか? それは確かに、推薦されちゃうかも」 異能はあくまで個人の個性だ。 それによって望まないことを押し付けられるのは嫌だろうな、と同情めいた気持ち。 (-184) 2021/10/29(Fri) 6:52:44 |
【秘】 朝日元親 → 朧げな陽光 守屋陽菜先輩の言葉に、つい僕は口許を緩ませる。 半年後にはいなくなる先輩に、本当に大惨事を期待するわけがない。 「───冗談ですよ、勿論」 伸びた前髪の隙間からも細めた目は見えやしない。 それでも口は弧を描くから、笑っていることは分かるはずだ。 「そんなに分かりづらいですかね。 みんな似たようなもんじゃないですか? 僕だって先輩が何考えてるか、よく分からないわけですし」 教本と台本を片付けた僕は、そのまま鞄からコンビニパンの袋を取り出した。 例の如く、消費期限は切れている。 まだ下校のアナウンスは鳴っていない。 それを鳴らすのまで放送部の仕事だ。 放送をしない僕はその時間に拘る必要はないが、所属する以上はそこまでいるつもりだった。 帰宅の準備だけ早々に終えた鞄を、床に置く。 廃棄パンの袋を開けた。ジャムパンだ。 (-190) 2021/10/29(Fri) 10:22:19 |
【秘】 朝日元親 → 牛丸紗優「……へえ。気になるね。 高跳びもだけど、その異能も。牛丸さんの友達?」 便利な異能と思うかと言われるとそうは思わない。 他人に干渉する異能は扱いが難しいんだろうけど。 「そう思われて推薦されるだけで、別にそんなことはないんだけどね。 だから本当に、ただ迷惑な話だよ。 これで活躍しそうな異能なら、それはそれで──」 僕は一瞬、言葉を止める。 思いの外自分の異能の話で イラついて いたらしい。「──好き勝手言われて、競技に駆り出されるんだろうから。 それに比べたらマシだけどさ」 (-195) 2021/10/29(Fri) 13:44:11 |
【秘】 朧げな陽光 守屋陽菜 → 朝日元親薄らとした孤を見つければ、緩む口元を、 あえてわざとらしく尖らせてやろう。 先輩への敬意がどうたら、心にもない文句も付け加えて。 「そりゃそうさ、乙女の心を覗くなんてセクハラだからよ」 がははと、豪快に笑う。 乙女はそんな笑い方をしない。 「みんな、見せたい自分ってのを取り繕ってる 私だってそうさぁ? 意思を見せるって大事なことだよ それが本心かどうかは別にしてさ」 この部室内では今さらな話だ。 可愛い後輩は自由にしているし、今だって軽食をとっている。 …………。 「美味い?」 ちょっと気になった。 (-216) 2021/10/29(Fri) 18:24:44 |
【秘】 朝日元親 → 朧げな陽光 守屋陽菜「それなら僕はどうとも思われなくてもいいですけどね」 そう意志を示したところではい分かりましたと気に留めずいてくれる人がどれくらいいるかは知らない。 でもこの部室は無礼講だから、告げるだけは告げておいた。 ジャムパンのジャムはいちご味だ。 パンはパサついているし、ジャムも少し風味が落ちている。 「美味しくはないんじゃないですかね。 無料で手に入れたものだから、値段相応の味ですよ。 普通の人にはお勧めしません」 残り物には福がある異能。 残り物である廃棄パンで身体を壊す恐れはない。 だからこうして食費を浮かせようとしていると、先輩に話したことはあったかな。 浮かせた食費は本代や資格代に消えている。 今日読んでいた教本だってそうだった。 仕送りのある寮暮らし。バイトもしているとはいえ、興味のあるものを買うだけのお金は欲しい。 (-240) 2021/10/29(Fri) 20:15:03 |
【秘】 牛丸紗優 → 朝日元親「詳細は伏せるんですってば。 ばっちり探り入れないでくださいね、先輩」 くすくすと揶揄うように笑う。 嘘をついている様子はないが、これ以上話すつもりもないようだ。 「ああ、そういうわけではないんですね。 なら勝手なことを言ってごめんなさい。 ……どんな異能を持ってたって、本人のきもち次第なのが一番ですね」 (-248) 2021/10/29(Fri) 20:57:39 |
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