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![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ「……あ、こんな所に… 探しものはこれくらいで大丈夫そう、ですね」 適当な何処かからいいかんじのサイズの白衣を回収した。 うっかり忘れ物をしてくれた誰かが居たらしい。 名も知らぬ誰かに感謝して有り難く使わせてもらおう。 と、上着のポケットの中のものを白衣の方へ移し替えようとして 途中で何かに気付いてやめた。 そのままパーカーの上から羽織ればいいやと思ったみたいです。 (-77) 2022/06/05(Sun) 0:18:08 |
![]() | 【独】 跼蹐 カナイ>>秘話 結木 部屋の外まで届くのではないかと思える程の絶叫。 神経の焼き付くような、想像を絶する痛みに 反射的に手足がじたばたともがいて逃れようとする動作。 それらが徐々に小さくなり、弱々しいものになって。 「あなたはひどい人だ……」 その全てを意に介さず拷問じみた凶行を続け、 僅かばかり落ち着きを取り戻した狂人はぶつぶつと独り言つ。 「人の為と嘯いて、がらんどうの上に人好きのする態度を乗せて その実誰の事も見ていないんだ……それがあなたという人だ」 それが事実とは限らない。 これは飽くまでも、叶 西路という人間の主観だ。 「あなたが好きなのは人間という種であって、 個々人の事なんて誰も彼もどうでもいいんでしょう……?」 あなたが出会う以前の叶の事を知らないように。 あなたの事を知らない叶から見たあなたという人間に過ぎない。 「誰でもいいんでしょう」 これは飽くまでも、叶 西路という人間の主観でしかない。 (-83) 2022/06/05(Sun) 1:57:32 |
![]() | 【独】 跼蹐 カナイ>>秘話 結木 「あなたはわかっている気になっているだけだ……」 「僕の中に常日頃、理性や道徳観という形で どんなに人に危害を加える事への躊躇いと抵抗があって…… そして、それがどれだけやりたくない事であっても 解放される為ならと、やらなければと突き動かされるような どうしようもなく耐え難い恐怖の事なんて」 「あなたにはわからないでしょう」 叶 西路という人間は。 どんなに恐ろしいものからも殺してしまえば逃げられると、 そんな狂った答えを見出した狂人でこそあるけれど。 それでも、誰も殺した事は無かった。 こんな事になってしまうまでは。 その程度の道徳観と理性は持ち合わせていた。 けれどここで、こんな理不尽に巻き込まれて、 もはやそれでは耐えられないような恐怖に直面してしまった。 それが運の尽きだった。 この狂人にはきっと、もはや酌量の余地は無いけれど。 それだけは、運が無かったと言える事だったのかもしれない。 こんな事さえ起きなければ、人を殺す事は無かったのだから。 (-84) 2022/06/05(Sun) 1:59:29 |
![]() | 【独】 跼蹐 カナイ>>秘話 結木 「…あなたの死にあなたが期待するほどの意味は無いんです」 幾度も引き裂かれ、内容物を引っ掻き回し、また裂いて ぐずぐずの血肉の混合物と化した腹部を見下ろしていた視線が ふと縋るように伸ばされた手を一瞥した。 左手は素手のまま、あなたの真横につかれている。 「だって僕は、あなたでなくともいいんだから……」 だからといって、誰でも良いわけでもないけれど。 この狂人が恐れるものは幾らでもあって、 順序を付けた結果こうしてあなたがまず標的になったのであって。 「……あなたである必要はないんですよ」 自身に向けられた視線の主を見返して、 もう一度、殆ど独り言のように呟いた。 (-85) 2022/06/05(Sun) 2:00:36 |
![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ「あるって言ったら問題があるんですよね………」 とはいえ無いと言うのもやっぱりいかがなものか。 いや年齢を考えれば無いと言うべきな気がする。正しい。 「Drop(放して)。 咥えゴムは髪ゴムだけにしましょうね…」 多分そっちの方が需要があるし。 どこに?どこかに…… (-86) 2022/06/05(Sun) 2:53:42 |
![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ「……ん、と……うん、いいですよ。」 ふと、切り出された話と共に空気が変わったのを感じて。 その話の内容を察して、しっかりとあなたの方を向いた。 とはいえ特に急かすような事はせず。 (-87) 2022/06/05(Sun) 2:54:01 |
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![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ「………、……」 徐ろにあなたの取った行動に流石にぎょっとして、 思わず視線を逸らしそうになった、けれど。 「身体から、……──自分を造り変える…?」 視界に入ったものと、タブレットの文字を見て それを声に出して確かめるように、 殆ど口の中で呟くように文章の一部を口にした。 精神や感覚ではなく、目に見える形で身体に影響する。 確かに近似の例は──隠しているわけでなければ、誰も居ない。 自分のそれともまた異なるものだった。 けれどその水晶じみた半透明は、もしかすると。 「……身体は大丈夫、ですか…? えっと……こういう……能力、を使った後は 何人かは体調を崩しているように見えましたし、それに… ……動きづらそう、ですよね…痛くないですか…?」 そしてあなたのそれは、あなたを何処まで、 どういったものにまで変化させ──変異させてしまうのか。 そんな懸念も、無くはないのだけど。 あなたの様子を窺う、相変わらずどこか不安げな視線は 飽くまでも気遣いからなのだと取れるものだった。 今は。 (-102) 2022/06/05(Sun) 14:32:16 |
![]() | 【独】 跼蹐 カナイ>>秘話 結木 叶 西路は狂人だ。 普遍的で、誰しもが踏み外す蓋然性を孕む歪みによって、 あまりにも違和感無く、あまりにも普通に、けれど致命的に。 どこまでも正気のまま狂い果てた人間だ。 正気と狂気が地続きで、 あなた達を気遣うのも、あなた達を疑うのも、 自分達を、あなた達を脅かす何かに怯えるのも、 自分を脅かすかもしれないあなた達に怯えるのも。 迂遠な脅しや凶行に及びながら、自分こそが弱者にして被害者で それ以外のものはほぼ全てが加害者であると信じ込む事も。 この狂人の中では、その全てが並行して 何一つ破綻せず矛盾せず当たり前の事として行われていた。 最初から、あなた達と出会うずっと前から。 歪みを抱えていない人間など存在しない。 真に『普通』な人間が存在しないように。 人は誰しも他者と異なる点を、歪みとなるものを内に抱えていて 狂人とラベルを貼られる人間とそれ以外の差と言えば、 その歪みが顕在化しているか、それが他者に害を与えているか。 結局はその程度のものに過ぎない。 このありふれた歪みを抱えたありふれた人間が狂人となり、 道徳観や理性といった最後の一線を踏み越えてしまったのは やはり薬による作用と、この状況が起爆剤になったに過ぎない。 (-103) 2022/06/05(Sun) 15:26:40 |
![]() | 【独】 跼蹐 カナイ>>秘話 結木 そんな前提をおいて話は現在へと戻り。 叶の歪みとあなたの歪みは、 叶の狂気とあなたの狂気は。 恐らくはきっと、互いに理解の及ばないものだった。 であるとしたらこれは、なるべくしてなった事なのだろう。 「────、」 叶 西路は異常だ。 叶 西路は正常だ。 だから異常に正常に、 この状況であなたが笑っている事に嫌悪して、 「あ は、離しっ………」 ────ぱき、 左手を掴まれて、途端に濁流のような焦りと恐怖が込み上げる。 まずい、と思った。 それは手を掴まれた事よりも、── (-105) 2022/06/05(Sun) 15:28:55 |
![]() | 【独】 跼蹐 カナイ>>秘話 結木 ぐじゅっ にちゃっ。 引き込まれるままに体勢を崩す。 未だあたたかで、やわらかく、ぬるついた感触が 何にも覆われていない、無防備な左手に伝わって。 ──"逃げたい"と思った。強く思ってしまった。 ────パンッ!!!! 咄嗟に目を瞑り、顔を背けた。 殆ど本能的に取った回避行動だった。 その直後の事だった。 自分さえも巻き込んで、 そして間近に居たあなたも巻き添えにして。 無数の破片が皮膚を切り裂いて、肉に深く食い込んだ。 狂人の右手を鎧っていたガラスが、破裂するように砕けたから。 (-106) 2022/06/05(Sun) 15:31:09 |
![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ「……そう、ですか… 鎮痛剤とか、あった方がいいのかな…」 それくらいなら、探せば見付かりそうでもある。 市販のものでは気休め程度にしかならないのだろうけど。 そんな事を思ってまた眉尻を下げた。 「……能力を持って出ていきたい、ですか? 痛くて、その上あまり意識的に抑える事もできないなら その力で困ってるんじゃ……?」 できれば、と続いた言葉には少々困惑を滲ませて。 そうしていたから、着衣を正す事は中断されない。 そうして、最後に表示された文章を見て、暫しの逡巡。 きっと隠せば疑われる。 その性質を偽ろうにもこの力の対象は限定的だ。 そして、あの現場を見たあなたに明かせば、恐らくは。 「………僕のこれは、……」 (-107) 2022/06/05(Sun) 16:45:24 |
![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ──どうせどのみち疑われるなら。 「…神陰間さんのそれとは違いますし、 結木さんや深和さんの言っていたものとも違います…」 今ここで明かして、あなたの出方を見るのが一番ましだ。 「……ガラスに影響するもの、です」 そろりと視線を向け、そう告げて。 あなたの様子を、その顔色を注意深く窺う。 叶 西路という人間には、人の顔色を窺う癖がある。 それは処世術などというようなものではなくて、 目の前に居るものが、今に自分を脅かすものであるか否か。 結局はそれを見極める為のものだった。 (-108) 2022/06/05(Sun) 16:45:52 |
![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ「結晶操作」 タイプ:発動能力 触媒 :恐怖の対象 結晶体に影響を及ぼす能力。 ガラスは非晶質固体だが、便宜上結晶と総合する。 厳密に言えば透明、或いは半透明な固体に影響するもの。 ガラスに関連した記憶に起因するもので、 割れたガラス片かそれに良く似たものへの干渉が最も容易。 操作元となるものが無ければ機能しないため、実質的にそれらも触媒に含むと言える。 元がごく小さなガラス片一つであったとしても 質量等を無視して元より大きなものにする事も可能。 能力は主に対象の形状を変化させる、または破裂させる形で行使される。 (-109) 2022/06/05(Sun) 16:49:14 |
![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ「やるべき事……」 やりたい事、ではなく。 やるべき事、と言うんだな。 そんな事を思いながら、真っ直ぐな決意を宿す瞳を見ていた。 「…………」 その後に、判決を言い渡されるのを待つような 実際に経過した時間よりも、随分長く思えるような間があって。 「………神陰間さんのそれを、 誰かに言う必要は、今の僕には無いです」 『お願い』の内容次第では、そうもいかなくなるけれど。 「…内容、聞いてから考えてもいいですか」 それが自分にとって、理解が及ぶものであるのか。 わからないものは、恐ろしい。 叶 西路という人間が何より一番に恐れるものは、結局のところ。 攻撃的な態度でも、強い力でも、何なら暴力でもなくて。 自分には理解できない行動をする、 自分には理解できない理屈を持った人間、だった。 (-115) 2022/06/05(Sun) 18:30:54 |
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![]() | 【赤】 跼蹐 カナイ/* 承知……… もしかしたらその前後に叶が神陰間さんをカイシャクした・しに行く事になるけど まあ前後なので特に何らか考慮しなければならない点は無いでしょう(行き当たりばったり) (*13) 2022/06/05(Sun) 20:15:03 |
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![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ/* この場で殺してしまうかは…… この後の質問の答えによりそうです。場合により即死選択肢です。 少なくとも次のレスでここで死ぬか死なないかは確定する……はず。 もしも能力を使い過ぎた所を介錯する形で行く場合は、 あまり三日目の時系列内に収める事にに拘らなくてもよいのかも。 暴走時点で実質墓下に近いものになりますからね…… (-138) 2022/06/05(Sun) 20:59:36 |
![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ「………わかりました、その時は…」 もしも、その力で、あなたが恐ろしいものになってしまうなら。 こうして頼まれずとも、きっと。 臆病者の自分はそうする事になるんだろう。 「…僕ならきっと、できますから」 止めるとは言っても、確実に穏便な形にはならない。 あなたもこの人殺しに対してそこまで期待はしていないだろう。 この力は、人を傷付けるという一点に於いて あまりにも使い勝手が良すぎた。けれどそれだけだった。 それはどうしようもなく当然の事だった。 たとえそれがどんなに恐ろしいものであっても、 死んでしまえば自分を脅かす事はできなくなる。 これは、そんな歪んだ智見に起因するものだから。 (-139) 2022/06/05(Sun) 21:00:16 |
![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ「えっ た、体液?」 そんな事を考えて、常より少し暗い表情をしていたのも束の間。 躊躇いがちに見せられた画面の文章に鼻白んだ。 「…………えっと……あの、血でいいですか……?」 あなたの力が自分の何を汲んだとしても、 やはり対処は──多分、できる。そこは問題が無い、はず。 この間ずっと上着のポケットに差し入れていた片手の指先が 指先で摘める程度のガラス片を一つ探り出して、…… 「…神陰間さんのやるべき事が何か、聞いてもいいですか」 あなたはその力を何を為すために使うのか。 それを指先へと滑らせる前に、一つだけ問いを投げ掛けた。 (-140) 2022/06/05(Sun) 21:00:55 |
![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ/* このオレのレスの長さを誤魔化す為にももっとデカくしてください……… そして取り急ぎご連絡だけ先にしてしまいますが、 。゚+.即死回避です°+.゚ おめでとうございます。とりあえず一度会議室に戻れるのは確定したので、 神陰間さん側にもし何か戻ってしたい事があれば戻って来たテイで秘話と平行して会議室に存在しちゃって大丈夫です。 叶もちょっとこの後の時系列にご用事ができたので並行して存在しそうです。 (恐らく途中で何か理由を付けて別れるので、会議室には一緒には戻らない感じです) (-146) 2022/06/05(Sun) 21:52:01 |
![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ「………、」 生きて帰って欲しい、と表示された文章に 一瞬だけ、ほんの少し複雑そうな顔をして。 生きて帰っても逃げ場は無い事を思い出してしまったから。 「いえ血でお願いします……」 こんな状況じゃちょっとね。何とは言わないけど。 (-151) 2022/06/05(Sun) 22:46:51 |
![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミそうしてあなたの手元に表示される文章を読む度に、 表情はまたどんどんと暗くなっていった。 まだ幼い頃のあなた達の事を知っていた。 あの神社は、何度も足を運んだ事のある場所だった。 それが全てではないとはいえ、そんな実態があったのかと思うと なんとも胸の悪くなるような気持ちだった。 「……そうですか…」 その行動も、その理由も、理解の及ぶものだ。 きっと誰だってそう思うような、当たり前の事だ。 そして、何より、あなたは。 「…話してくれてありがとうございます。 僕は……神陰間さんのそれを否定しませんし、信じます」 同じ被害者の側の人間だ。 「僕はあなたの味方です……ここから帰った後も。 ……僕が見逃されれば、ですけど」 (-152) 2022/06/05(Sun) 22:47:29 |
![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ叶 西路という人間にとって、 誰かを信用する上で何よりも重要なものは同族意識だった。 同じ被害者同士であれば、互いを害する事は無い。 そんな根拠の無い信頼が何よりも強い安堵に繋がった。 同じ被害者だから信用する。 同じ隠し事を共有しているから信用する。 同じ考えを持っているから信用する。 同じ被害者だから信用する。 いつだって、心の底から信用しているのは同族だけ。 それはここでも同じ事だった。 「…結構長居しちゃったので、手短にやりましょうか」 もう、あなたの事は信用に足ると判断したから。 片手に持ったガラス片をもう片手の人差し指に滑らせる。 鋭い痛みが走って、ぱたりと血が溢れた。 「………家の事が、そんな感じだと これからは名前で呼んだ方がいいんでしょうか…?」 痛みにほんの少し息を詰めた後。 鈍痛を発する傷口から意識を逸らすように詮無い疑問を零した。 (-153) 2022/06/05(Sun) 22:48:46 |
![]() | 【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ/* というわけで即死回避となり、同時に好感度が結構上がりました。変な人間! 好感度が上がったので、しっかり丁寧に介錯させて頂きますね…… (-155) 2022/06/05(Sun) 22:52:03 |
カナイは、同じなのだ。 (a26) 2022/06/05(Sun) 22:55:46 |
![]() | 【人】 跼蹐 カナイ会議室を後にしたのちの、どこかのこと。 神陰間と共に出たはずの叶は何処かで少女と別れたのか、 一人で会議室には戻らず廊下を歩いていた。 袖口の赤黒い染みを隠すように、上着の上から白衣を羽織って 何かを探すように、時折床へ視線を落としながら。 特別誰かを探しているわけでもなく。 銃声も、聞こえたとしても随分遠くからのものだった。 (8) 2022/06/05(Sun) 23:02:21 |
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