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【人】 紅柱石 アンドレアス[>>44やがて、珈琲を口にした彼は伏せていた顔を少し上げて問いかけてくる。] いや、すぐには発たないよ。 二年か……三年は此処にいる心算。 此処を拠点に幾つかの街には行く心算だけどね。 [これまでの経験から、人間の国にいられる時期は逆算してある。 移動の過程で幾つかの街を回って、グラジアはその最終目的地。 最後はこの思い出深い都市で過ごそうと思ったから。]* (54) 2021/09/26(Sun) 21:30:42 |
【独】 紅柱石 アンドレアス/* ここかな。 こちら視点:まだ短い時間 ガラーシャさん視点:大分経っている ここなら、宝石人間視点では「短い」という事で…。 (-8) 2021/09/26(Sun) 21:36:36 |
【人】 紅柱石 アンドレアス―夜の街中― [>>45彼の勧めてくれた店の惣菜はどれも美味しそうで、一つは彼と同じもの。 もう一つは違うものを選び、小さなパンをビールと一緒に持ってきた。 一人旅故に一人の食事には慣れているが、誰かと一緒に食べられるのは楽しい。 信じる、と言えば、彼は笑った。] 君の話はどれも興味深いよ。 [青年はそう言って、ビールを口にした。 最初に比べれば、随分と笑顔を見せてくれるようになったなと思う。 青年が人間の国に滞在できる時間は限られている為に、旅に慣れてからはひとところに長期滞在をする事は少なく。 初対面の相手ともすぐに打ち解けられる方だが、こうして何度も会って話す相手が出来る事は少なかった。 ガラーシャの事は友人、と言ってもいいのかもしれない。 滞在期間を思えば、共にいられる時間はあまりに短いが。] (55) 2021/09/26(Sun) 22:36:26 |
【人】 紅柱石 アンドレアス[それは彼が母と旅をしていた頃の話だった。 旅費の節約とはいえ、子供と女性が荷車を引いて歩くのは骨が折れただろう。 砂漠の中は目印が少なく、道を見失いやすい。 野盗が出るという話があれば、野営をするのは得策ではない。 彼の母親も恐ろしかった筈だ。 月のない夜に獣の遠吠えが聞こえれば、命の危険も感じたかもしれない。 そんな中、輝く粒が見えたのだという。 砂丘の上で炎の精霊達が躍っているようだったと。 彼の母親の住む土地は精霊に親しんでいた土地だったのかもしれない。 不可思議な光景に足を竦ませるのではなく、前へ進む勇気を得た。 そうしてもうすぐ灯りが見えるという彼女の言う通り、彼らが暫く進んだ先に街の灯が見えた。 彼らはどれだけ安堵した事だろうか。] (57) 2021/09/26(Sun) 22:37:48 |
【人】 紅柱石 アンドレアス[>>50砂漠の逃げ水のような現象とも違う、不可思議な体験。 それは青年が本に読んだ精霊との遭遇譚のようだった。 疲れによる幻覚、という線も可能性としてはゼロではない。 その場に居合わせなかった青年にはその真偽を判断する材料はあまりに少ないが。] 本物の精霊だったらいいなと思うよ。 [問い掛けには笑みを浮かべて答える。] 確かな証拠が出せなかったとしても、君のその体験も、精霊を素晴らしいと思う気持ちも、全て君のものだ。 誰に何と言われたとしても、それは否定されるべきじゃない。 君はその時、確かに「精霊」に助けられたんだ。 お礼を言えなかったのは残念だったね。 [再び会えたとして、言葉が通じる相手かどうかも分からないが。 その体験が、想いが、焼き付いた光景が、彼を精霊の研究に駆り立てているのだろう。 それは何者にも邪魔されるべきではない素晴らしいものだと思う。] (58) 2021/09/26(Sun) 22:39:43 |
【人】 紅柱石 アンドレアス暇つぶしだなんてとんでもない。 大切な話を聞かせてくれてありがとう。 [>>51青年は緩く首を横に振って、感謝を告げる。 彼の大切なものを共有して貰えたようで嬉しかった。 惣菜については首肯して。] うん、総菜もとても美味しい。 日替わりなら今後も来ようかな。 ねぇ、ガラーシャ。 素敵な話と素敵な店を教えてくれたお礼に一杯奢らせてくれないかい。 [本気で聞き入っていたので青年の皿にはまだ総菜が残っており、もう少し相伴してくれるなら嬉しいと告げた。]* (59) 2021/09/26(Sun) 22:40:20 |
【人】 紅柱石 アンドレアス―国境の街への誘い― [更に時は過ぎ、青年は成熟期の訪れを自覚していた。 それを示すように、胸の宝石が僅かに熱を持っている。 魔力が満ち、新たに子を生む為の準備が始まった証拠だ。 それは、同時にグラジアを発ち、故郷に戻らなければならない事を示している。 青年はガラーシャにそろそろ出立する事を告げようと考えていた。 故郷に戻れば、会う事はないだろう。 いつも通り、再会は約束せずに別れるのがいい。 二十年後、仮に旅立つ機会があったとして、全く姿の変わらない自身を彼に見せたくはない。 ガラーシャなら受け入れてくれるかもしれないが、柄にもなくその逆の可能性を考えてしまう。 折角友人になれた彼を自身の手で失いたくなかった。 もっと早くグラジアに来ていれば良かった。 三年などすぐに過ぎ去ってしまう。 様々な事を考えるとつい先延ばしにしてしまい、言えずじまいになっていた。] (64) 2021/09/26(Sun) 23:52:41 |
【人】 紅柱石 アンドレアス[>>60表通りを歩いていると、声がかかった。 耳に馴染んだその声はガラーシャのもの。] やぁ、ガラーシャ。 [いつもの笑顔で、彼に応じるように手を上げてみせる。 折しも、そこは青年が彼を誘った喫茶店の前だった。] ……え? あぁ、勿論。 [そこは、青年の帰郷に通る予定の街だった。 パルティローネ王国に訪れる旅人には馴染み深い場所。 差し出されたチラシに視線を落としながら、そう答える。] (65) 2021/09/26(Sun) 23:53:16 |
【人】 紅柱石 アンドレアス……今月末。 へえぇ、って、一緒に? [>>61グラジアから定期で馬車は出ているが、それとは別に出す馬車らしい。 人数が多ければ、その分、費用を安く抑える事が出来る。 青年もそういった馬車に相乗りする事はあったのだが。 一緒に、と言われて一瞬頭がついて行かなかった。] ……そうなんだ。 [彼にとっての思い出の深い精霊を見たという砂漠。 学生の身のガラーシャでも、この馬車に乗れば訪れる事が叶う。] (66) 2021/09/26(Sun) 23:53:30 |
【人】 紅柱石 アンドレアスうん、実はそろそろ発とうかと思っていたんだ。 [>>62しまい込んでいた言葉がまろび出た。 別の場所に──正確には故郷に戻る為に。 彼は喫茶店でした話を律儀に覚えてくれていたらしい。 そうして、一緒に旅をしたいと思っていたのだと告げられれば、胸が熱くなった。] そうだね。 サルハドには私も向かう予定だったから、一緒に行こうか。 [>>63青年は笑んで応じた。 もう少しだけ、この友人と共にいられる。 降って湧いたような幸運。 最後の旅路に同行者が出来るとは思っていなかったが、このまま別れるのはあまりに惜しいと思っていたので乗らない手はなかった。 そうして叶うなら砂漠にも行ってみたい。] (67) 2021/09/26(Sun) 23:53:44 |
【人】 紅柱石 アンドレアスうん、実はそろそろ発とうかと思っていたんだ。 [>>62しまい込んでいた言葉がまろび出た。 別の場所に──正確には故郷に戻る為に。 彼は喫茶店でした話を律儀に覚えてくれていたらしい。 そうして、一緒に旅をしたいと思っていたのだと告げられれば、胸が熱くなった。] そうだね。 サルハドには私も向かう予定だったから、一緒に行こうか。 [>>63青年は笑んで応じた。 もう少しだけ、この友人と共にいられる。 降って湧いたような幸運。 最後の旅路に同行者が出来るとは思っていなかったが、このまま別れるのはあまりに惜しいと思っていたので乗らない手はなかった。 そうして叶うなら砂漠にも行ってみたい。] (68) 2021/09/26(Sun) 23:53:44 |
【人】 紅柱石 アンドレアス……え? 大丈夫だよ。 旅暮らしだから馬車には慣れているさ。 [まさか腰痛の心配をされるとは思わずに、思わず食い気味に応えていた。 こうして、サルハド行きが決まったのだった。]** (69) 2021/09/26(Sun) 23:54:52 |
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