【人】 『絶対生きる』 カウス>>145 ヌンキ 「騎士サマ」 彷徨うあなたを見つけた少年は、声をかける。 「終わったよ。事件。お手柄じゃない?」 しかし『騎士』は設定である。 少年はもうそれを理解している。 手柄を得たとて意味はない。 これは、少年なりの冗句だ。 (238) 2021/05/01(Sat) 20:50:45 |
【人】 『絶対生きる』 カウス>>236 ハマル 「……うん。また会おう、ハマル」 少年は頷く。 ホワイトボードに連絡先が書かれるのも、 少年の決意が書かれるのもその後のことだろうか。 何事もなければ少年はその場を離れる。 そうして小さく、呟くのだ。 「 また会おう 。……うん。俺、もう約束破りたくないよ 」手のひらを見つめて、そっと閉じた。 (241) 2021/05/01(Sat) 20:58:45 |
【人】 『絶対生きる』 カウス>>237 キュー 「……!」 声が聞こえた。はっと少年は顔を上げる。 「………キュー」 一瞬だけ、あなたはどうなったのかと思う。 助けてほしいと確かに言われたのに、 声を聞くことが出来なかったあなた。 『壊れた時報』と『もうひとり』。 頭に響いた放送を思い出すと、 みるみるうちに視線が落ちていった。 ごめん、キュー。許さなくていいよ、俺の事。 (242) 2021/05/01(Sat) 21:04:01 |
【人】 『絶対生きる』 カウス>>246 キュー 「ん、大丈夫。 落ち込んでるんじゃなくて、ただ──」 首を振る。 心配させてしまっているようだ。 そこまで判断をしたところで、ふと思考が止まる。 「……キュー、アンタ。 逆さま言葉じゃなくて、よくなったの」 瞬きをした。 あなたの言葉を脳内で変換するのは、 少年にとってとても煩わしいものだった。 けれどすんなり、あなたの心配が 頭に入ってきたのは──あなたの言葉が、 『正しく』使われていたからだ。 (247) 2021/05/01(Sat) 21:37:24 |
【人】 『絶対生きる』 カウス>>249 ヌンキ 少年は育ちが悪い。 自身もポケットに両手なんてよくある話だ。 しかし何となくあなたの姿に違和感を抱いた。 その理由はまだ、はっきりとはしない。 「そ。いや、死ぬ気持ちなんか味わいたくないね。 もう二度と御免──ちょっと。 今の流石に冗談だって。別にいいだろ、もう。 騎士も、ノブレス・オブリージュもさ」 肩を竦めた。冗句に冗句を重ねられるなら まだいいが、寧ろ深刻そうに受け取られるものだから。 (262) 2021/05/02(Sun) 0:58:18 |
【人】 『絶対生きる』 カウス>>261 ルヘナ 「うん、待ってて。 絶対、生きて返事する。 ……アンタだけじゃない。みんなの分も、 絶対約束、守ってみせるよ」 入れ替わりにホワイトボードへ向かう背を見た。 書かれた文字に瞬きの後、 戻ってきたあなたに首を傾げる。 「……もしかして、有名人?」 ホワイトボードに記されたのは、 調べれば分かる、との意であると受けとった。 (265) 2021/05/02(Sun) 1:26:36 |
【人】 『絶対生きる』 カウス>>267 ヌンキ 「……、アンタ」 少年はバカではない。 ただその可能性に至るまでの根拠も発想も、 持ちえなかっただけだ。 聞こえた運営アナウンスに、 本来の自分、そしてorionの真理を得た。 話す限り、ほかも皆そうなのだろう。 だから当然──あなたもそうだと思っていた。 「……そっか。うん。そうなんだな。 分かった。騎士サマ。アンタは俺の約束を守る。 絶対、守らせる。 だから頼むよ。俺の後の子供たちのこと」 少しだけ、少年は無力を感じた。 あなたの知る自分は偽物の自分であり、 自分の知るあなたこそ本物のあなたであったのに。 そうしてあなたを騙し続けることしか、 今の自分にはできやしないのだ。 (270) 2021/05/02(Sun) 2:19:53 |
【人】 『絶対生きる』 カウス>>280 ヌンキ 「 ……絶対、だからな 」少年は小さく呟いた。 あなたに聞こえなくてもおかしくない程の声。 「うん、行くよ。 多分、待ってる人がいるんだ。 いつ死んでもいい気でいたけど、今は違う。 だからそれを伝えに行かなきゃいけない。 ……アンタのこと、置いてくようで悪いけどな」 (286) 2021/05/02(Sun) 14:35:25 |
【人】 『絶対生きる』 カウス>>276 ルヘナ 「名前はさておき顔も同じなんだ。 てことは年齢もそんな感じ。 ああ、俺も年齢は同じくらい。 さすがに髪こんなに長くないけどね」 三つ編みを持ち上げる。 若干長めでこそあるが、 現実の少年はショートカットだ。 「業界……ってゲーム業界? そうだね、目指してもいいよ。 アンタが楽しそうならね。 もし業界の人間増やしたいってんなら、 俺を口説いてみせなよ。 楽しそうなアンタの姿で、ね」 (287) 2021/05/02(Sun) 14:44:17 |
【人】 『絶対生きる』 カウス>>281 キュー 「…………そっか」 ほっと胸を撫で下ろす。 助けてと、声なき声で告げたあなたは きっと正しく救われたのだろう。 「よかった。……ほんとに。心配してたんだ。 でも、ブラキウムのこともあって」 あなたとブラキウムは少年にとって、 『伸ばそうと思いさえすれば伸ばせた手』であった。 私情を優先し、伸ばさなかった相手であった。 「もう、アンタは自由なんだな。 『もうひとり』も。……なら、よかった」 少年は泣きそうに微笑んだ。 あなたの様子に気づくと、また静かに両手を開く。 ……今もその行為は、少し気恥ずかしい。 (288) 2021/05/02(Sun) 14:54:01 |
【人】 『絶対生きる』 カウス>>292 ヌンキ 「ん。引き抜く……そうだね。 騎士サマは最初から、俺の事保護してもいいって 言ってたもんな」 あの時素直に聞いていればとたらればの話を しても意味がない。 そう思うのだが、あなたがあの日 保護を申し出たのもそれを無視したのも事実である。 「俺はアンタがそういうやつだって知ってるから。 ……応援してる。今度はさ、 アンタがそのバンダナを外せるように。 過去に縛られなくていいように、って」 (299) 2021/05/02(Sun) 18:26:58 |
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