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【墓】 木峰 夏生** [ 海斗は部屋の窓を開けていて。 俺は一応、酷使された働き者のマットレスに シトラスの香りの除菌消臭剤をシュシュっとしておいた。 自室に戻る前にリビングに寄って、 親父の好きなジャパニーズウイスキーをちょっと拝借。 グラスを氷と琥珀色の液体で満たして、 それを手に自分の部屋へ戻れば、 幼い頃と同じように、遠慮もなく俺の布団に潜り込む、 変わらず愛しい弟が居て。 酒を一口、ぐいと呑んだ。 喉を焼くアルコールが心地良い。 ] (+40) 2021/12/13(Mon) 8:16:42 |
【墓】 木峰 夏生[ ぽつりぽつりと語られる胸の内。 声はいつもより掠れて、低く艶を帯びて。 妙に大人びて、色っぽく鼓膜を揺さぶる。 ] ……まぁ、な。 どっかで、俺のこと嫌いになって、 離れていってしまうことを望んでた。 それが、幸せだって 思い込もうとしてたから。 [ 返す言葉を、同じように訥々と。 期せずして海斗も同じ気持ちだった、と悟るから、 声はやっぱり同じように少し掠れて。 きっと、俺から終わりを示唆すれば 受け入れるつもりだったのだろう。 避けた唇に、酒が滲みる。 ] (+41) 2021/12/13(Mon) 8:20:33 |
【墓】 木峰 夏生───…… ああ。 おれも、おんなじ。 [ 社会的な道義や、モラルや常識の傘を被って、 目を背けていた自分の感情に、 不謹慎にも嬉しくて、 不覚にも、喜んでしまったから。 だから、腹を括る。 高い酒をそんな飲み方するなと 親父の憤慨する声が聞こえそうなほど、 グラスの中身を一気に呷って。 海斗の覚悟を全部受け止める。 そんな決意を一滴残さず、飲み干すように。 ] (+42) 2021/12/13(Mon) 8:25:26 |
【墓】 木峰 夏生[ ベッドの海斗にゆっくり近づいた。 胸元に押し付けられる温もりを、優しく、 そしてしっかりと抱きしめながら 狭い布団に滑り込む。 あたたかい、離したくない。 離れたくない、誰にも、渡せない。 ] ああ、そうだな。 ずっと、な───。 [ 自信に満ちた表情でにやりと笑う、 その唇に口付けを落として、髪を撫でる。 ] (+43) 2021/12/13(Mon) 8:26:52 |
【墓】 木峰 夏生ふたりは、いつまでも、 しあわせに、くらしました。 [ いい歳して、デカい図体で、 そんな御伽噺を信じるロマンチックな兄貴でも 海斗は、 しゃーねぇな、良いよって 言ってくれるだろ?─── ]** (+44) 2021/12/13(Mon) 8:30:16 |
【秘】 木峰 海斗 → 木峰 夏生[ 赤い花弁と、赤い傷跡と、 どちらが先に消えるかは分からないけれど。 消える間もなく、 新しい痕を残し続けたいと思った。 ―――― というのは、口には出さないけど。] (-13) 2021/12/13(Mon) 10:06:50 |
【独】 木峰 夏生/* 睦月くんとどうにか遭遇したいなとか考えてたけど難しくて難産してます 睦月くんは、いつから海斗が好きなんだろうねー 女の子にめちゃモテそうなんだけど! (-19) 2021/12/13(Mon) 19:02:15 |
【独】 木峰 夏生/* (某青鳥で思いの丈を吐き出してきた顔) スピンオフフラグに色めきたって走ってきましたw 睦月くんはどっちもイケるんだねお揃いじゃん♡ってお兄ちゃんが笑ってます (-21) 2021/12/13(Mon) 22:49:01 |
【人】 木峰 夏生[ キノミネくん、最近いい子だね。 ふわりと漂う香水の匂い。 今にも笑い出しそうな声に振り返れば、 件の先輩がデスクのすぐ後ろで 艶っぽい笑みを浮かべて立っていた。 ] お疲れ様です。 そーなんすよ、いい子なんです。 [ リモートワークの隙間、週に一度の出社日も 仕事が済めばさっさと帰宅する。 なんやかんやと理由をつけてダラダラと残業し、 その後も飲みに行ったりホテルに行ったり、 そんな爛れた生活はこのところ すっかり鳴りを潜めていたから、彼女だけではなく 俺の一面を知る友人や同僚から揶揄されることが ちょいちょいある。 ] (6) 2021/12/14(Tue) 7:02:45 |
【人】 木峰 夏生[ そう、とけらけら笑いながら、 先輩は俺の座る椅子の背もたれに手をかけて、 身体を寄せてくる。 背中に、あいつとは違う柔らかな膨らみ。 今までだったら───そうだな、まぁそれはいいか。 相変わらずな彼女にこちらもふふ、と笑いながら さりげなく身体を離そうと立ち上がりかければ、 つ、と細くひんやりとした指が、首筋を伝う。 ] (7) 2021/12/14(Tue) 7:03:44 |
【人】 木峰 夏生「 いい子ねー。」 [ まるで歌うみたいに首筋を撫でて。 いつつけられたやつだったかな、 シャツの隙間から覗く肩の咬み傷に、指が、 そして綺麗に整えられ飾らせた爪が、触れた。 ] 「 えっちー。 」 [ ゲラゲラ笑いながらするりと離れる熱。 こちらが何か言う前に、さっさか歩いて去っていく しなやかな背中。 ] やっぱオンナってこえぇ。 [ こちらも思わず吹き出して。 さっさと帰宅準備を整えれば、席を立った。 ] (8) 2021/12/14(Tue) 7:05:55 |
【人】 木峰 夏生** ただいま。 [ 開いた玄関に、知らない靴があることにすぐ気づいた。 海斗の靴と似たような、カジュアルなものだったなら 珍しく友達かな、と驚きつつ嬉しくなっただろう。 すっかり母よりも口煩く言われることにも慣れて、 言われる前にちゃんと手洗いとうがいをしてから、 リビングへ向かう。 ] ─── ああ、こんにちは。 海斗の友達だよな?いらっしゃい。 (9) 2021/12/14(Tue) 7:06:56 |
【人】 木峰 夏生[ ソファの端っこに座っていたのは、長い前髪の 綺麗な顔をした男。 真ん中に座ればいいのに、居心地が悪いのか 遠慮がちに端にいる様子に印象は悪く無かった。 ] 海斗? [ 2階で物音がする。 一度リビングを出て階段の下から上に向かって 声をかけてみた。 じきに降りてくるだろう。 整った顔立ちの彼に向けて ] コーヒーでいいかな。 [ と話しかけながら、いつものクセでジャケットを 脱いでダイニングの椅子の背にかけた。 ユカリ先輩の香水の匂いが少し残っていて、 ふわりと部屋の空気を揺らす。 あー、やべぇ、海斗に怒られる、と思って コーヒーを淹れながら一人、密かに笑った。 ]* (10) 2021/12/14(Tue) 7:08:53 |
【人】 木峰 夏生[ しっかりした挨拶と、気さくな笑顔に こちらもにこやかに会釈を返す。 ] なんだあいつ、人に参考書借りといて どこ置いたかわかんなくなってんのかよ。 [ 苦戦してそう、の言い回しが頭の良さを感じさせる。 2階から聞こえるがさがさ音に半ば呆れた顔で、 ごめんなぁ、と彼に肩を竦めて見せた。 ] ほい、どーぞ。 あ、俺は海斗の兄で、夏生です。 (18) 2021/12/14(Tue) 10:51:51 |
【秘】 天海谷 睦月 → 木峰 夏生さぁ? 悪い虫でも ―― いたのかも知らないっすね [ 何も知らない。 そんな顔で、白々しく、にやっと笑い返す。] (-26) 2021/12/14(Tue) 11:37:01 |
【秘】 天海谷 睦月 → 木峰 夏生 ………… 学校でつけてくるのは、 もう、ないんじゃないっすかね、 [ 意味深な笑みを、浮かべながら、 静かな空気の中でも、聞き取れるか怪しいほど、 微かな独り言を零し、] (-27) 2021/12/14(Tue) 11:37:05 |
【人】 木峰 夏生[ マグカップにくすくすと笑う吐息を集めながら 鼓膜を微かに擽る呟きにしっかりと耳を傾けて。 ] ─── そっか。 兄から見ても隙の多い弟なんだ。 手がかかるやつだけど、 いい友達が居て良かったよ [ 少しだけ、低くなった声を 感じさせないような完璧な笑顔でにっこりと笑った。 なんでもなかったように、コーヒーを 褒めてくれる表情に、そお?よかった、と笑い返して。 今度、メシでも行こうぜ、なんて話しかけながら ドタドタと鳴る天井を見上げて悪戯に笑んで。 意味ありげにちょっと肩を竦めて見せた顔は、 ちゃんと兄貴の顔だったかな。 ]** (29) 2021/12/14(Tue) 19:56:14 |
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