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【人】 鬼の花嫁 千…………そうなのか。そう、かもしれねぇな 何しろあんたが言ってるんだから [少し考え、ぎこちのない返事をする。 未だ実感が沸かない。でも、何となく分かる気もした。 それ以上にこの鬼の言葉に強い信頼感が今はあった。] ひひ、本当に酔狂な鬼だなァ 言うことも聞かない、迷惑を掛ける 女でもない白髪の嫁なんぞでいいのかい? 紅鉄様がなんと言っても、俺はあんたがいいけどな [らしく不気味に笑って見せても、ほろりと覗く別の顔。 表層を剥がされたのは、鬼子のほうであったらしい。] (101) 2021/06/24(Thu) 2:03:47 |
【人】 鬼の花嫁 千[運ばれ置かれた記憶はまだ新しすぎる。 伸ばされる腕を避けるが、代わりに隣に立って腕を掴んだ。 合わない身の丈の男同士では、なんともちぐはぐな絵面なのだろうが どれ程怠く感じ痛んでも、辿り着くまでは離さなかった。 その夜、眠るまで部屋にいてほしいと望んだ願いは叶えられただろうか?**] (102) 2021/06/24(Thu) 2:04:07 |
【秘】 鬼 紅鉄坊 → 鬼の花嫁 千確かに娶った理由はさとだ。彼女の子を助けてやりたかった 人間の事情に介入せず連れ出す方法は、これしか無かった だが、それから私たちが過ごした時間は 確かにお前とのものだったのだ、……千 (-86) 2021/06/25(Fri) 3:32:00 |
【人】 鬼の花嫁 千[ 自分が眠らなければ心優しい鬼は自身の寝床に戻れないというのに 一向に目を閉じようとせず、語り部とさせてしまったのは 再び捨てられると怯える疑心からなどではない。 静かに目を細め聞き入る姿には、信頼と安堵が宿る。 聞きたがらなかった母親の話にも、 今は嫌がる様子は見せず、静かに相槌を打って受け入れた。 ] 成程な、あの村らしいやり方だと思うぜ 汚いものは他の誰かに捨てさせるか、隠しちまうのさ そこを暴くのが愉しくて愉しくて仕方なかったもんだ [ 口を挟んだのは、確かに知らなかったこちらを鬼が知った経緯。 釣り上がる口角、過ごした日々を思い出すが とても遠い記憶のように感じ、それは語り口に表れる。 ] (129) 2021/06/25(Fri) 3:34:31 |
【秘】 鬼の花嫁 千 → 鬼 紅鉄坊ひひ、笑えるくらい当然のことだな 何で俺達は今更、こんなことを話しているのやら でも、不思議だなァ そんな当たり前も、言葉にしてもらえないと分からなかった きっと俺ァ、あんたが言う程賢くなんてないのさ だから教えてくれて嬉しいぜ、紅鉄様 (-87) 2021/06/25(Fri) 3:34:54 |
【人】 鬼の花嫁 千─後日─ 散々紅鉄様を誂ったものだけど 案外、俺も楽しみにしていたのさ それに、強引にさせちまったのもこっちだ [花の出来上がりではなく、その時相手と何を話すのかを。 故に慰めを受けても首は横に振られる。落ち込むことはなくとも、少し残念だった。 思い出ごと不要とされたのではなく、鬼の側にとっても大切なものだから持たされたのだと分かったのなら一層に。] (131) 2021/06/25(Fri) 3:36:45 |
【人】 鬼の花嫁 千へぇ……へぇ! 鬼様にもそういう欲もあったんだなァ [僅かに言い淀んだ様子を見逃さず、紅色を覗き込むのは根付いた癖がさせたこと。 しかしあの夜、置き去った後の鬼が抱いていた苦しさを聞かされていたが為に、それ以上言葉を求めることもなく鬼子の顔は引っ込んで。 まるで子供を教育するような問いにも、素直に顎を引く。] (132) 2021/06/25(Fri) 3:36:53 |
【人】 鬼の花嫁 千……俺も今はそう思ってるよ [あの夜出会った、血肉を求め喰らう者 奪われんとしたその瞬間、何の喜びも生まれなかった。 髪を撫で梳く手の甲に指で触れ、隆起した命の流れをなぞる。] なら、これからも変わっていくあんたを見ていられたらいいね [交わる視線は離れ、互いに同じ方角へと向いた。 思わぬ邂逅を果たした傍らの男の同胞を思い、唇は引き結ばれた。**] (133) 2021/06/25(Fri) 3:37:13 |
【赤】 鬼の花嫁 千ああ、これは腹の中を綺麗にする薬 こっちは潤滑剤だなァ 入って早々布団に連れて行かれた時は、 一瞬使うことになるかと思ったけど 紅鉄様にはそんな趣味無さそうだったから 未だ開けてもいねぇ [厚い紙に包まれたものと小瓶を順番に見せ、軽い調子で説明する。 語らなかったこちら側の勘違い、思い出し懐かしく目を細める。] ま、手を出したくなったら言ってくれよ きちんと準備しないと、あんたのほうまで痛くなるらしいからな その為の教育は受けてるから心配するな (*13) 2021/06/25(Fri) 9:49:37 |
【赤】 鬼の花嫁 千ひひッ、あの村に俺に興奮する人間がいると思うかい? 花嫁になる為に口頭で教えられただけだよォ 女達も同じじゃねぇかな 随分長く続いた制度なんだろう 人間側も色々考えていて、当然さ [気に入られる為に、少しでも長く生きるように。 想像出来る理由については鬼の心を想い、口にせず。] 紅鉄様は驚く時だけは顔に出るなァ なあ、嫌だったのかい? 俺が奴等に手を付けられてたらと思うと、居ても立っても居られない? [喉を鳴らして笑うばかり。 愉快そうに振る舞いながら、密やかに問われた鬼の様子を見ていた。] (*15) 2021/06/25(Fri) 9:52:00 |
【赤】 鬼の花嫁 千つれないねぇ [求めたのはそんな言葉では無かったけれど。 体躯に似合わない反応は、なんだか愛らしくすら感じてしまった。 酔狂なのはあちらだけでは無いかもしれない。 ただ一言呟き、笑うのみで。 これ以上遊んで嫌われぬよう、探し物に戻った。**] (*17) 2021/06/25(Fri) 9:56:36 |
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