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【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創「あるんだ…………」 あるとは全く思ってなくて素で驚いている。 突然降ってきた未知の知識に、よくわからず首を傾げた。 「場所? ……びっ! や、耳元だめ、背中びりびりする!」 囁き声に慌てて自分の両耳を手で覆うと、ぷいと再び顔を背ける。 「じ、じゃあ、創の部屋行く。迎えの車、学校終わるまで来ないし……一回教室も抜け出したから、迎え来るまでは部屋にいる」 (-131) 2021/11/10(Wed) 11:22:18 |
【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静「耳元は駄目でやがりますか。 こりゃ、先が思いやられますねぇ」 なんて、いつもの調子で笑ってみせて。 自分の鞄とあなたの鞄を纏めて拾うと、空いた手を差し出した。 「……それじゃ、行きましょうか?」 あなたが手を取るなら、そのまま自室へと案内するだろう。 (-132) 2021/11/10(Wed) 11:33:45 |
【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創「あ、鞄……ありがと……」 「……ん、うん、今度はオレがアンタの部屋行く番だな」 熱がある程度落ち着きはしたようで、幾許か好奇心で輝いた瞳を向けながら貴方の手を取った。 実家暮らしの身では寮に行くことも殆ど無く、貴方の後ろをちょこちょことついて回り、案内されて辿り着けばそわそわと緊張と興味で落ち着かない様を見せ始める。 (-133) 2021/11/10(Wed) 12:00:29 |
【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静無邪気な様子を見せるあなたに、微笑ましげな視線を向けながら 一歩先を歩く。 そのまま案内を続け、自室の扉を開けた。 一見すると、普通の部屋に見えるだろう。 同室者は元より居ないのか、一人分しか使われてなさそうだ。 あなたの部屋の様に、一切の物を排してるという訳ではない。 教科書や参考書、筆記用具等。在るべき物は全て在る。 なのに、部屋の主の趣味・嗜好を読み取る事は困難だろう。 『比較的片付いている男子高校生の部屋』以上の情報が無い。 ……その不自然さに、あなたが気付くかはわからないけれど。 部屋に入ると、鏡沼は荷物を下ろし、ベッドへと腰掛けた。 「普通は、飲み物の一つでも出すべきでやがるんでしょうが。 別に構わねぇですよね?」 そう言って、あなたへと手招きした。 おいで、と言わんばかりに。 (-134) 2021/11/10(Wed) 12:19:56 |
【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創自分の部屋と比べれば明らかな差に、目を瞬かせて興味深そうに室内を見回した。 一般的な学生の自室と、青年自身の環境はあまりにも異なっていて、その影響からか不自然だとは全く思っていなさそうだ。 「おー。すごいな、色々置いてある……。 ……ん? なんだー?」 手招きされると、大人しく貴方の方へと近寄っていく。 (-136) 2021/11/10(Wed) 12:31:12 |
【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静鏡沼は、近付いて来たあなたへ手を伸ばしたかと思うと そのまま倒れる様にして、ベッドへと引っ張り込んだ。 どこか悪戯っぽい笑顔を向けつつ、抱き寄せようとするだろう。 「捕まえた、なんて。 ……冗談でやがりますが」 捕まったのは、きっと自分の方だから。 (-137) 2021/11/10(Wed) 12:44:47 |
【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創「わぷ……!」 ぼすんと倒れた痩身、青い眼が不思議そうに貴方を見つめる。 「捕まったぞー。……この前みたいに寝るのか? 今度はオレが添い寝すんのか?」 ふと過去に自室で添い寝をしてもらった日のことを思い出したようで。 また首を傾げつつも、面白そうな子供っぽい笑みを浮かべた。……ころころ、ぐるぐる、青年は喉を鳴らして笑っている。 (-138) 2021/11/10(Wed) 13:08:44 |
【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静無垢な笑みに、何だかそれでもいい様な気がして来た。 あの欲と熱が治まっているのなら、急く必要も無いだろう。 「……そうですねぇ。それでもいい気がして来ちまいました」 一度、触れるだけの口付けをして。 抱き締めたまま、あなたの後頭部へと手を伸ばし、ゆるゆると 撫で始めるだろう。 まるで、寝かし付けるかのように。 (-139) 2021/11/10(Wed) 13:23:53 |
【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創「っん……創、」 軽く触れた熱に、物惜しそうに僅かばかり蕩けた目線を向けはする。 ……するのだが、青年はそうやって頭を撫でられ、寝かしつけられることに慣れきってしまっていた。 「んに…………」 くう、と小さく一鳴きして、そのまますぐに入眠。 他人の部屋であることもすっかり忘れ、望んだ相手の居室という感覚に包まれながら眠りに就いた。ぐっすり熟睡。 (-140) 2021/11/10(Wed) 13:38:48 |
【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静あっさり熟睡してしまったあなたに、思わず苦笑する。 きっと、例の運転手からの連絡で起きるまで、このままだろう。 それでいいと思った。 熱が誤魔化せる内は、今のままの関係で居たい。 この先を望む気持ちと優劣が付け難いほどに、これもまた 素直な自分の気持ちだ。 うっかり自分まで寝入ってしまわない様に気を付けながら あなたの温もりを享受する。 ……きっと、これが“幸せ”というものなのだろう。 そんな事を思いながら。 (-141) 2021/11/10(Wed) 13:52:36 |
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