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【赤】 葛切 幸春あんたの最期になれるなら。 [口付けに混ざる睦言に、呼気の狭間で囁いた。>>*7 組み敷いた肢体を見下ろして、自然と身に籠る昂りを逃すように呼吸する。技巧を論えば他者と距離を置いた身に刺さり、軽やかな言に本の少しだけ眉尻を落として笑った。] ……冬莉が望むなら、俺はそれでも構わないが。 [敢えて問い掛けるよう目を細め、頸に掛かる指へ応えて今一度の口付けを落とす短刻。傍へ突いた片腕で幾許か身体を起こし、指の背で頬を擽った。 異性を好む相手に、過ぎた願いでしかない。彼が何かを選び取ってくれるならそれで良かった。何方の側においても備えのあった己にとっては。 だが返答に要する時間>>*8 は、彼の中に葛藤や検討の余地がある証左だろう。当然だ。過日の夜には生まれなかった筈の沈黙の時間。勘違いでなければ同性間での行為を知ったが故か、彼が何を参考にしたかは知れないが 己と過ごす為のその用意を愛しく思う。 だとしたら軽口は屹度、彼の精一杯の応えなのだろう。>>*10 ―――ならば、] 希望に添えるよう、励むさ。 [揶揄でなく真摯に受け止めたいと、胸に添う掌を掬い上げて手の甲へ唇を押し当てた。] (*11) 2024/05/01(Wed) 20:48:28 |
【赤】 葛切 幸春───嫌だと思ったら止めてくれ。 [緊張にも似た興奮に喉が鳴る。甲から離した唇で、額から頬、耳許までを転々と啄みながらそう言い置くのは半ば己への戒めだ。 最後に鼻先を寄せた首筋を戯れるように数度甘噛み、やがて強く吸い上げた。数日前の印が残っていたのならその横へ添わせるように。新たな鬱血痕が一つ、見下ろす肌に咲いて目を愉しませる。] あんたは何処が感じるんだろうな。 [肌蹴たシャツを脱がせて、彼を形作る線を確かめるよう均整の取れた体を視線と指でなぞって行く。肩から鎖骨を辿り、胸許へ行き着いた指腹に引っ掛かる未だ柔らかな尖りを掠める程度の力で撫ぜる。一度手を離し、また周囲を円描くように緩く押し掻いて──それから、きゅうと柔い力で摘み上げた。] ……擽ったいか? [問いながら今度はもう一方へ顔を寄せる。指でなく尖らせた舌先でゆっくりと舐り、濡れた其処を緩く吸い上げて、反応を確かめるように目線を起こした。] (*12) 2024/05/01(Wed) 20:50:46 |
【赤】 葛切 幸春[何にしても恐らくは、明確な快楽へ直結するには至らない事だろう。ならばと残る片手は腹筋の線をなぞって───下腹部へと。 男であるからには否応なく悦に直結する箇所を、衣服の上からつうと指先で爪掻いて。膨らみを確かめるようスラックスの前立てをなぞり、じ、と音を立ててファスナーを下ろす。 下着の隙間から挿し入れた手指に包み込む陰茎は、その頃にはどんな様相になっていただろうか。―――知れず唇を舐め摺って、目を細めた。*] (*13) 2024/05/01(Wed) 20:51:45 |
【秘】 靖国 冬莉 → 葛切 幸春[不服さを露にした音は 微かなもの、余所へと意識を向けていたならきっと聞こえなかっただろう程に。………拗ねんなっての。≠キると思うかい、お前さん以外に、俺が。顔を傍寄らせて そのいじらしい情を纏わせる口唇を柔く食む。愛らしい彼の声一切を聞き漏らすことなど、なかった。 ] そして、その困った顔を俺が堪能する、とな。 [冗談だ、と苦笑を零しながらも。] 先は長い≠だ、沢山回り道して 色んなものに触れていけばいい。 [遠回しに此方としては離す気の無い意思を紛らせて にいと口角を吊り上げる。彼と共に歩く道を、長く幸甚なものとする為の努力は惜しまないつもりだ。———だからこそ。] ……ふふ、任された。 [覚悟しとけよ、と言い放つ声音に色の香を孕ませて、口元の笑みを艶然に傾けてみせた。] (-15) 2024/05/02(Thu) 1:04:53 |
【赤】 靖国 冬莉………そんな顔すんなっての。 [彼のその表情に視線を伏せて、ごめんなと ぽつりと呟いた。少しとは言い切れない照れと歳甲斐無しに新たな境地へと赴く躊躇いと。幾つもの駆け巡る感情が入り乱れるのを気取られないように、云わば自身を護る為に言い放ってしまった言葉が彼を蝕むことはあってはならない。———言葉にしてしまった、それを悔やみながら。] 何方としても 覚悟は出来てんのよ。お前さんと出会って、その後から。あんな言葉になってしまったのは、俺の弱さの問題で、 ………いや、すまん。駄目だな。 お前さんのこととなると 言葉を尽くしたくなってしまう。 [頬に触れる厚い皮膚の感触に人知れず すりと擦り寄り 目を細めては そんな弱い己ごと受け止めるような真摯な眼差しを受けて。 ] ………… どうか、俺でお前さんが [ 気持ちよくなってくれれば、いい と。心中で込めた本音は胸に抱きながら 敬愛を示す口付けに 彼の腕の中で 静かに微笑んだ。] (*14) 2024/05/02(Thu) 1:05:03 |
【赤】 靖国 冬莉[此方に逃げ道を作ってくれる彼の優しさに浸りながら 、降り落ちる口付けが下っていくのが まるでマーキングされているかのようで。>>*12鼻先が首筋にすん、と吐息が擽るのを 少しばかり身を捩らせながらも 宛がわれるエナメル質の堅さが肌に馴染んでいくのを覚える。傾ければ、彼の頭に 頬に擦りつけるような 恰好になり 、水音を立てて跡を付けていく、彼から与えられる感覚が、何処か 痺れを纏ったもので。——— 見下ろされる眼差しの奥に宿る、その欲に晒されているのを覚えれば、痺れの余韻が、響くような心地。慣れない感覚の中で、意識は揺蕩い。 ] ………何処、ねぇ。 [値踏みするように滑らせていく眼差しに奥底からふつりと込み上げるものを逸らしながら、深く息を吐いていく。女を組み敷いていた時は、中で果てる享楽を鬱屈を紛らす代用品として扱っていたのみ、———巷で言う性感帯などとは無縁だと思っていた。彼の指先が辿っていくその先の、頂きに触れるむず痒さに目を眇めつつ。] 擽ったい、というよりも不思議な感……、っ [はだけた胸元へと彼の顔が埋められ、途端に 巡っていく微かな何かにつられるままに 肩へと手を伸ばして。ざらつく舌先が触れる度に 下腹部へと熱が下っていくのを覚えて ———室内を支配する静謐さに ちゅう、と吸い付く音が辺りに響く中、口元から浅く呼気が、漏れた。 ] (*15) 2024/05/02(Thu) 1:05:29 |
【赤】 靖国 冬莉[視界から逸れて、指先の皮膚の堅さを辿ることしかできない中 やがて布越しに緩く堅さを持っているそれへと辿り着く。>>*13ファスナーを開けたその先、視線を下らせて、少しばかりだが盛り上がっているそれを晒している事実に頬へと血流が昇っていくのが分かった。居たたまれない心地の中で、だが、盛るように 表情を変えていく彼を眼鏡越しに眺め。] ……… 、えっろ。 [びく、と彼の手の平の中で 直に脈打ちながら熱を持ち、堅さを増していく。彼のシャツに手を伸ばしてゆるりと脱がしていき 、その熱のままに 彼の首筋に鼻先を擦りつけ ———その顔が、もっと見たいと。欲の種を撒くかのようにその急所を舌先で這わせながら 児戯を繰り返し、 彼の腕の中で うっそりと表情を融かした。 *] (*16) 2024/05/02(Thu) 1:10:52 |
【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉[聴こえていたのか、と、拗ねた訳では、と。 瞬間 複雑に入り混ざった感情で開き掛けた口を、けれど降り落ちた甘い口付けに緩々と閉ざす。一瞬の羞恥を置けば 何時であれ耳を傾けてくれる彼の姿勢は好ましく愛惜しかった。重ねた唇が自然と笑みを象る。 先は長いんだ、―――… 先がある事に密やかに喜色を抱いて見詰める相手は、表情に乏しいだろう己と違って、笑顔にも乗せる色が豊かだ。 最初に出逢った折の飄々とした笑み。二人きりの空間で眺めた、屈託のない顔。先刻の口角を吊り上げて弧を描く唇。今、色香を滲ませる微笑。 何の表情も好きだ、と。 ――内心で独り言ちたのは寝室に入る前の事。] (-16) 2024/05/02(Thu) 21:33:08 |
【赤】 葛切 幸春[肩へ触れた手は制止では無かっただろう。>>*15 一瞬目線を投げるものの、その儘吸い付いて他より薄い皮膚を味わう。胸へ埋めた頭上より溢れた掠れた吐息。 その声がもっと聴きたい。 欲に背を押され、指先は急所を過たず捕える。寛げた下着から取り出す陰茎は既に熱を孕みつつあり、手中で跳ねる様に唇を吊った。] どちらが。……だが、気分が乗って来たなら良い。 [明け透けな言葉遣い>>*16 に容易く腹の底が嬲られる。未だ、己の欲に向き合うには早いと深く呼吸を繰り返し──けれど首筋に這う舌に、その表情に煽られて。つい身を乗り出すように色を乗せる顔を覗き込んだ。] あんたの気持ち良いところ、探さないとな。 [拇指と示指で作った輪で緩く兆した陰茎を包み、締め付け、押し上げるようにゆっくりと根本から先まで扱き上げる。残りの指を軸に絡めて柔く揉み込み──そうしながら、先刻吸い上げた胸の尖りへ軽く歯を当て、甘噛みする。 不思議な感覚≠セと先刻彼が呟いた言葉を其処から先へ導くべく。今日には未だ悦楽を拾う事が無理だとしても、両方共が唾液で濡れそぼるまで順に、暫しゆっくりと育てるように。] (*18) 2024/05/02(Thu) 21:36:30 |
【赤】 葛切 幸春[──その内に 溢れる先走りを指先に掬い取って上体を起こす。指は濡れているが、相手の負担を思えば無論潤滑油には到底満たない。後ろ手にスラックスのポケットから個包装のローションを取り出し、歯と片手を用いて封を切った。そうして掌に出した粘り気のある液体を軽く揉み込むように己の肌熱で温めながら、相手の膝を立てるよう手を掛け、脚を開かせもしよう。] 中に、触れていいか。 [許諾を乞い囁いて、しかし注意を分散させるように手に捕えた儘の昂りを柔く撫でる。許しを待つ一方で密やかに息衝く後孔を指腹で摩り───僅かでも力が抜けた瞬間を見計らって、つぷ、と一指を飲み込ませた。顔色を伺いながら、纏ったローションを壁へ擦り付けるように関節まで慎重に進めていく。] ……この、辺り。如何だ? [多少馴染むのを待ってから途中、くん、と曲げる指で腹側を押し掻いた。指腹に触れ得た痼りのような其処が彼の、前立腺、だと判じて。柔く撫ぜるように数度。後は彼の反応を見ながら、時に落ち着かせるべく周囲をゆっくりと押して拓き、時に快楽を引き出す為に痼りをなぞって。 あんたはどんな顔を見せてくれただろうか。 ] (*19) 2024/05/02(Thu) 21:37:43 |
【赤】 葛切 幸春[見下ろす彼の肢体に、これまで敢えて意識から遠ざけていた下腹部がいよいよ熱を孕んで怠くなる。じわりと額から首筋へ掛けて汗が浮かぶ。着衣の下で主張する己が質量に、ふと熱の籠った息を逃した。次第に柔くなっていく内壁に、二本目の指を投じて── この中に入ったなら、どんな顔をするのだろうか。 否、未だだ。首を振る。 間を置いて やっと三本目を咥え込ませ行く。この速度が、早くなければいいのだが。*] (*20) 2024/05/02(Thu) 21:38:52 |
【独】 葛切 幸春/* 初夜なので雑なのは避けたかったが、余り冗長にしても負担を掛けそうで迷うな……。 >>*16 ここでこの科白が最高に好きだ、ぎゅんときた。 (-17) 2024/05/02(Thu) 21:42:25 |
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