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【人】 かみさま 尊龍[ふわりと風が吹き止む頃。 見晴らしの良い丘に人の姿は見当たらず。 ただ穏やかな日差しが差し込む野菊の名所となった。 ――二人の行方は、まさに神のみぞ知る。**] (8) 2020/09/15(Tue) 14:48:00 |
【人】 ミズナギ[ ちゃんと後ろに付いてはぐれていないか確認しつつ 雪と氷の広がる景色の中、自分達は歩いていた。 一見すると故郷と似たこの未開の地。 しかし、寒さは故郷ほどの過酷さはなし 地面に現れる危険な氷の裂け目もここにはなく 人間が雪山と呼ぶものが周りに幾つか見えていたり 地面に水の流れている大きな道があったりした。 初めて見る光景もそれなりにはあるが 自然環境面での問題は大してあるように感じない。 人間の感覚でもそうなのかは知らないが。 ] ………、ん? [ 雪山の根元(というのか?) そこに入口のような小さめの空洞が見えた。 ここからではまだ少々距離がある。 中までは見えないが、何かあるのだろうか。 ] ヒナ、あの場所まで行くぞ [ 振り向いて、後ろを歩くお子様に目的地を伝える。 はぐれるなよ、という意図も込めての言葉。 ] (9) 2020/09/15(Tue) 14:48:21 |
【雲】 かみさま 尊龍―― 神域 ―― [風が吹き止む頃。 エリサの額に唇をそっと落とし、 ここも私のもの。 腕の中のエリサに優しく声をかけよう] ……えりさ、周りを見てごらん。 ここが人の世から離れたかくりよ、神域だよ。 [周囲を見回せば、美しい草花や花木が咲く美しい里の光景。 小川の清らかなせせらぎや、水車小屋。 田畑で働く神子達の姿。 無邪気に笑い、走り回る子供の姿。 ――少し昔の日の本の、懐かしき情景がそこに] (D0) 2020/09/15(Tue) 14:48:25 |
【雲】 かみさま 尊龍[エリサが何か聞きたいなら答えよう。 見たいものがあるなら連れ添おう。 そうしながら、抱き締めていた体を離し。 指は絡めたままで歩き出し] おいで、私の家に連れて行こう。 ……昔の屋敷と比べるとみすぼらしい家だが、 共に暮らすには不自由しない広さだと思う。 [そう言って、田畑の畦道をゆっくり歩き出す。 歩きながら、遊ぶ子供たちから、 「おりゅー様のお帰りだ!」 「うりゅー様!その人間は嫁ですか?」 などとわいわい聞かれるものだから。 私はくすりと笑って] (D1) 2020/09/15(Tue) 14:48:41 |
【雲】 かみさま 尊龍ああ、そうだよ。 この子は私の嫁だ。 いずれ人から神となり、お前達の友となるだろう。 だから仲良くするのだよ。 困っているようなら助けてやってくれ。 いずれ他の神々へも挨拶に行くとしよう。 その時はよろしく頼む。 [そう言えば、子供たちは「はーい!」と元気に答えた。 そうして遊びに散っていくので、 私達も再び歩き出し――、そうして、私の家に着く] (D2) 2020/09/15(Tue) 14:48:56 |
【人】 ミズナギ( いつもこうならいいんだが…… ) [ 気になるものがあるとすぐに見に行きたがるのだが 今回はまだ大丈夫そうだ、たぶん。 大丈夫でいてくれないと困る。 ……とにかく、今はあの空洞へ向かおう。 ]* (11) 2020/09/15(Tue) 14:49:35 |
【雲】 かみさま 尊龍―― たけるの家 ―― [私の家は、御殿にはほど遠いささやかな民家だった。 藁葺屋根に土の壁、昔の農家と変わらぬ佇まい。 救いは九頭龍大神様から賜った便利な家具や品々がある事と、 人間界で長く暮らして家を留守にしていても、先程道で出会った神子達のような座敷童達が甲斐甲斐しく家の手入れや掃除をしてくれるのでいつも綺麗な事くらいだろうか。 だが、全盛期の屋敷と比べるとやはり慎ましすぎるとも思う。 嫁を迎えるのに、この程度の家でいいものか、と。 少し不安に思いつつ] ここが私の家だよ。 ……少し小さすぎる、かな? ……まあお入りなさい。 [エリサを家の中に招き入れれば、 普段は居間として使う畳の部屋にエリサを通す] (D3) 2020/09/15(Tue) 14:49:36 |
【雲】 かみさま 尊龍[居間に通せばふかふかの座布団を勧め、 座敷童が用意した美味しいお茶と花の練りきり菓子をだす。 これは客人をもてなす為、でもあるが。 エリサが与えられた茶や菓子を飲み食いする前に、 制するように声をかける] えりさは「黄泉戸喫」というのを知っているかい? 人が神域のものを食べると人の世に戻れなくなる。 神域の食べ物を口にする事で、 人から神へと魂の本質が変わってしまうからだよ。 [そう言いながら、私は私用の茶を飲み菓子を食べ。 さくり、切り分けた菓子の断片。 じっと見下ろしながら、再びエリサを見つめ] (D4) 2020/09/15(Tue) 14:50:17 |
【雲】 かみさま 尊龍……それでもいいなら食べなさい。 虫が集ってしまっては、いけないからね? [私が切り分けた菓子の断片に赤い蝶が集る。 ふわふわと、羽根を休ませ憩わせて。 ひらりと飛び立ったのなら、 今度はエリサの菓子にもとまろうとするか。 私は赤い蝶の羽ばたきとともにエリサの真横にふわりと座り。 さくり、彼女の菓子を楊枝で切り分けその口元へ] (D5) 2020/09/15(Tue) 14:54:35 |
【秘】 かみさま 尊龍 → 月森 瑛莉咲……さあ、おあがり? [私は人を浚う前の鬼のようにそれはもう優し気に微笑もう。 囁く声は、私のものか、赤い蝶のものか――、 ひらひらと、蝶は菓子の花に集りたいとでも言いたげに私達の周りを戯れに飛んでいた。**] (-10) 2020/09/15(Tue) 14:57:31 |
ミズナギは、メモを貼った。 (a1) 2020/09/15(Tue) 15:02:16 |
ヒナは、メモを貼った。 (a2) 2020/09/15(Tue) 15:08:24 |
【人】 マリィ[けどホテルに着いて、締め切った部屋に 二人っきりになると、普段のお喋りはどこへやら。 綺麗な内装にも、念願の温泉にも 何にもコメントも思いつかなくて。 恐る恐る、「話」について切り出したら 由人はすんなり応じてくれて アタシも対に向かい合ったソファへと そっと腰を下ろすでしょう。] …………。 [「お茶、要るわよね」って逃げ出したかった。 神様の前にいたときは由人が隣にいたけれど 今は、由人がアタシの正面。 開いた唇を、またすぐ噛み締めて。 じんわり滲んだ脂汗が、血の気の失せた頬を伝う。 何か言わなきゃ、って必死に考えるんだけど、 何から喋っていいか、全然分かんなくて。 結局、先に口を開いたのは 由人の方だったでしょう。]* (13) 2020/09/15(Tue) 17:17:28 |
【赤】 マリィ[開口一番切り出された話題に アタシは目を見開いて、微かに呻きを漏らした。 なのに、アタシが一番謝んなきゃいけない話を 何故だか由人の方が頭を下げていて アタシは何も言えずに由人の耳の裏の辺りに じっと視線を落としている。 なんでよ。 なんであんたが先に謝っちゃうのよ。 家主に嘘をついたのはアタシで、 プライバシー侵害だとか言える立場じゃないもの。 話の先が見えなくて、 でも、遮ったら、由人が何を考えてるか 知る機会がダメになる気がして。] (*6) 2020/09/15(Tue) 17:38:59 |
【赤】 マリィ[だから、黙って聞くことにしたの。 「いつ出ていくのかって思ってた」って 言われた時には流石に、ちょっと堪えたけど。 でも、ちゃんと続く真意を確かめなきゃ、 何も言えやしないもの。 自分で決めた期限を超えて 一緒に暮らしたいって気持ちのことを あんたは何度も「わがまま」だって自分で言った。 それを言うことで、アタシが困るって。 そんなことない、とか バカじゃない?とか。 色んな気持ちが、アタシの喉元を渦巻いて 何度も、息を詰まらせた。] (*7) 2020/09/15(Tue) 17:39:22 |
【赤】 マリィ[話の結びに、由人が泣きそうな顔して 微笑んだ時――――アタシは多分、おんなじくらい 泣きそうな顔しているんだわ。 アタシは、何から打ち明けるべきか テーブルの木目に視線を落としながら 何度も唇を湿した後、ゆっくり話し出すでしょう。] (*8) 2020/09/15(Tue) 17:39:51 |
【赤】 橋本 雅治……アタシ……、俺、さ。 漠然と「女の子を好きになんなきゃいけない」のが なんか違うって思って…… そのまま中学の時に、 掲示板で掴まえたおっさん相手に 体売って、小遣い稼いで……そんで、 それ、母親にばれて、家追い出されてさ。 「気持ち悪い」って。 そんでおばあちゃんちに引き取られたけど 居心地悪いのに変わりなくって、 中学出てすぐこの業界入って…… それからずっと「マリィ」として生きてんの。 (*9) 2020/09/15(Tue) 17:41:12 |
【赤】 橋本 雅治でも、ゲイ隠して生きる以上に 水商売の「マリィ」でいるの、辛くなり始めて…… だって、部屋も借りらんないの。 金があっても、出来るだけ音も立てないように 息を殺して生きても……でも、ダメだって。 それだけじゃなくて、なんも考えてないフリして 傷付いてない顔して生きるのも、嫌で。 だから、公園で由人に会ったあの夜ね…… ホントは俺、死のうと思ってた。 (*10) 2020/09/15(Tue) 17:41:47 |
【赤】 橋本 雅治だけど、あの日、由人の話聞いて、 「俺と同じ匂い」って思った。 「普通」の輪の外で、寂しい気持ちを持ってるけど それを誰にも吐き出せないまま 生きてる人かも、って。 一緒にご飯食べて、夜一緒に寝るだけの よくわかんない関係だったかもしれないけど、 自分を受け入れてくれる場所があるのって こんなに安心するんだって…… だから、シェアハウスの話、持ってこられても 全然、由人のところよりいいって思えなくって。 ……だから、由人との約束を破ってでも ずっと一緒にいたい、って思ったんだ。 (*11) 2020/09/15(Tue) 17:43:55 |
【秘】 橋本 雅治 → 環 由人[言いたいことが、まるで両手で掬った砂みたいに 頭の端からぽろぽろ零れて、うまく形にならない。 泣いていい立場じゃないのに、 目頭から鼻にかけてが、じんと熱くなって 搾りだした声は、みっともなく濡れていて。] 由人が、一緒にいたいって、言ってくれるの 俺、ホントにうれしい、はずなのに…… 俺のこと大嫌いな俺が、心の中で 「お前じゃだめだ」ってずっと言ってる。 迷惑なんかじゃない。 ずっとこの先も一緒なら、ホントに、 これ以上無いってくらい、嬉しい。 ─────どうしよ、俺、自分で 何言ってるか分からなくなってきた…… (-11) 2020/09/15(Tue) 17:53:26 |
【秘】 橋本 雅治 → 環 由人……………… …………………… [息が落ち着くまで、じっと。 木目を睨んで洟を啜っていたが、 たっぷり挟んだ沈黙の後、 俺はぽつりと絞り出すだろう。] 俺がハッピーエンドを迎えるのを、 俺がいちばん許してない、んだと思う。 ……そのくせ、由人から離れて 生きてける気も、しない。 [どうしていいか、分からないんだ、って。 心の一番柔らかい部分を晒しながら 俺はまた貝みたいに押し黙る。 「うわ、超重い」……って 頭の片隅で「マリィ」が笑っていた。]* (-12) 2020/09/15(Tue) 18:10:52 |
空腹な迷い人 レックスは、メモを貼った。 (a3) 2020/09/15(Tue) 18:13:18 |
【独】 環 由人/* 雅治くんの気持ちが死ぬほどわかるんだよな 環がどうのこうのじゃなくて 人間として、その気持ちが死ぬほどわかる わたしもよくそうおもうから (-13) 2020/09/15(Tue) 19:17:35 |
【人】 環 由人[ たぶん、彼から切り出したなら、 己は一度遮って、先に話させてほしいと 頼んだだろう。 だって、彼のW話Wはきっと、 「家が見つかった」って始まると 思っていたから。 その報告よりも早く、 もうすでに決めてしまっていることで ゆるがないことだとしても、 己の気持ちを伝えておきたかった。 そんな、わがままだった。]* (14) 2020/09/15(Tue) 19:53:53 |
【赤】 環 由人[ 拙く、たどたどしく、 うまく言葉にできない思いを 訥々と、どうか届いてほしいと、 そう願いながら落とした。 いつのまにか下がっていた視線を ゆっくり上げて、泣きそうに笑ったら、 鏡みたいにおんなじ顔した彼がいて、 なんでそんな顔すんのって。 その潤みの理由はなんなのって。 聞きたかったけど、喉が詰まって、 言葉にならなかった。 彼の視線が下がっていく。] (*12) 2020/09/15(Tue) 19:54:11 |
【赤】 環 由人[ いっそ、らしくなくとも明るい声の一つでも 出してしまった方がマシではないかと 思うほど、重くなってしまった空気。 ああ、困らせてるんだなって。 そんな気、なかったんだろうなって。 いつかの記憶が蘇って、苦くて。 だけどあのときと違って今度は、 ちゃんと自分の気持ちを伝えたから。 だからきっと、これから先も、 大丈夫だろうって思って、唇を結んだ。 それからまたすこしして。 ゆっくりと開かれた口に、そちらを見る。 視線があわなくても、じっと、 その睫毛の先を見つめて。 だまって、語られる言葉を一つたりとも 取りこぼさないよう、聞いた。 予想していた話とは違っていて、 すこしばかり面食らうけれど、 それを表情に出すことはしない。] (*13) 2020/09/15(Tue) 19:54:33 |
【赤】 環 由人[ だんだん濡れて、かすれる声に、 己の喉奥も震えるのがわかる。 すん、と鼻から息を吸って、吐いた。 ああ、どうしてこんなに─── 難しいんだろう。 きっと同じ気持ちなのに。 もっと単純に考えてしまえば、 楽になれる気がするのに。 ───ただ、彼の気持ちもわかる気がして、 うまく言葉にできなくて。 その恐さとか、いろんな感情全部 ひっくるめて、───そうだな。 ぐちゃぐちゃで、まとまらない心を すべて曝け出してくれた目の前の人に、 いつもの明るくて面白い、 WみんなのママWの面影はなくて。] (*14) 2020/09/15(Tue) 19:55:06 |
【赤】 環 由人[ また押し黙った彼の睫毛の先を見つめて。 結びすぎてくっついた、乾いた唇を ゆっくり離して、すう、と息を吸う。] ───そっち、行ってい? [ 返事があってもなくても、 腰を上げて、正面にいた彼の足元に 膝を立てて座れば、そのままそっと、 その肩口に手を伸ばして、 表情は見られたくないかもしれないから、 覗き込むことはせずに、抱き寄せる。 後頭部に差し入れた手で、 柔らかな髪をくしゃ、と握った。] (*15) 2020/09/15(Tue) 19:56:33 |
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