【人】 医者 ノーヴァ 遥か遠い昔、物心がついた時から。 実にさまざまなものを壊してしまってきた。 誕生日にもらった表本箱、買い与えられた玩具、 はたまた家族写真のフレームまで。 家族に友人、近しい人々。 その惨状を見た者たちはいつも怒り、悲しみ、 さまざまな感情を見せてくれたものだけど、 なんやかんやで今まで看過されてきたのは ひとえに自分が“直す”術を持っていたからだ。 壊して、直して、直して、壊して。 ワンパターンな作業工程と、色とりどりの表情変化。 それらは実に壊れやすいのに みんながみんな、さぞ大切そうにして 自分に見せたり与えたり、 手の届くところに置いておく。 大事なくせに、矛盾しているその行動が ■■■とさえ思ったものだ。 どうにも理解できなかったことを覚えている。 (15) 2022/11/07(Mon) 16:23:05 |
【人】 医者 ノーヴァ 「大事なものには、願いが込められているの」 壊れたオルゴールを掌で包みながら、 悲しそうな顔をして母はそう言った。 「これを作った人、受け取る人、 沢山の人の魂が集まって、いつまでも宿り続けるの。 今回は仕方ないけれど、 壊さないように気をつけてちょうだいね。」 ならどうして、って問い返そうとした口をつぐんだ。 母はそれ以上をいうつもりはなさそうだったから。 (16) 2022/11/07(Mon) 16:23:37 |
【人】 医者 ノーヴァ[狂者というのは、生まれた頃から定義つけられた悪癖というものがひとつはある。 最初はただの興味本位、何れは其れが悪しき欲望へと変わり。 常識を解さず、境界線を乗り越えて、思うがままに歪み続けて。 その軌跡は時に、新たな「信仰者」を生み出すこともある。 世界のどこかで、そんな負の循環構造が存在しているらしい───────……] (17) 2022/11/07(Mon) 16:23:50 |
【人】 医者 ノーヴァ「ノーヴァ。 あなたはそうなってしまってはダメよ。 誰かの大切を、理解できる人になりなさい。 それを守ってあげられる人になりなさい。」 (………………ごめんよ、母さん。) (18) 2022/11/07(Mon) 16:24:03 |
【人】 医者 ノーヴァ───夕刻: 路上─── [昼餉を買ったのは、行きつけだった「仔狐亭」だっただろうか。>>0:5 忙しい医師のために、時折遅めのテイクアウトを特別に作ってもらったこともあったかもしれない。 大将の“人の良さ”は、自分も知っての通りだったから。>>0:7 自分のわがままだって、人の良さに漬け込んだ───わけではないけれど、そう見えたって仕方ないかもしれない。 歩きながら軽く食して、暫く束の間の散歩を楽しんでいた。 今日は診療所は午前営業(急患を除き)だったためか、少々心に余裕があった。 ──────刹那、「いつも通り」で「そうではない」夕刻の鐘を聴いて俯いた顔を上げるのは……きっと明日の予定辺りを考えていた頃だったろうか。]** (20) 2022/11/07(Mon) 16:32:04 |
医者 ノーヴァは、メモを貼った。 (a4) 2022/11/07(Mon) 16:34:12 |
医者 ノーヴァは、メモを貼った。 (a5) 2022/11/07(Mon) 16:44:27 |
【人】 住職 チグサ──回想:病院にてノーヴァと── [その時もやはり、診断は「年ですね」でした。>>0:93 そういえば、母も晩年は腰の痛みを訴えておりました。 なにもこのようなところまで母に似なくても良いものを、血の因果とは面白いですね。] そうですか。 こうも何もかも年のせいとなると、いちいち診ていただくのが申し訳なくなりますねぇ。 [私の言葉をたしなめるかのように、助手のお方が優しいお言葉をかけてくださいました。 こちらの若いお嬢さんは、以前は環境が変わることに悩まれていたご様子ですが、近頃は表情がすっかり明るくなられました。] ありがとうございます。 ……仏教には、抜苦与楽という言葉があります。 この世に生きるすべてのものの苦しみを取り除き、安楽を与える。つまり慈悲心を表した言葉です。 正しく抜苦与楽された方に、弱音で返してはいけませんね。 [私は自らの口の行いを恥じました。 第一、心より申し訳ないと思うのならば病院になどかからなければ良いのです。 痛みに耐えかねて、身体を惜しんだのは、私自身なのですから。 倒れたあの日はともかく。] (21) 2022/11/07(Mon) 21:12:07 |
【秘】 住職 チグサ → 医者 ノーヴァ(……さぁ。邪魔な婆さんと思われているお方も多いですよ。 必要以上に私のことを大切に思ってしまうのは、私自身です。) [聞こえた言葉に、返事をする元気まではありませんでした。>>0:95 誰もが、「我」という存在をこの世界で最も尊いと信じている。 誰もがその病から逃れることはできない。 私もまた。 私が捨てきれないもの。大切に思っているものは何でしょうか。 慈厳寺 の歴史や威厳が、私を大きく見せてくれる 。お弟子さん達 を育てたという傲慢な自負 。ご本尊様 を私の代で途絶えさせる羞恥 。老いの果てに、私自身の智慧が喪われ、耄碌してしまうこと。 私には、御大層に抱え込んだものが多すぎる。 ほうげじゃく 放下着。そんな下らぬ自我は全て、放り捨ててしまえ。 全ての執着を捨て去ることが、私の最期の修行なのでしょう。] (-6) 2022/11/07(Mon) 21:14:47 |
【人】 住職 チグサ年寄りの習性のようなものでして、有難いと感じると、体が自然と動いてしまうのです。 居心地が悪いでしょうが、どうぞお諦めください。 [お医者様が見回りに来られた頃>>0:96には、冗談を返せる程度に回復していました。] ええ、とんだご心配をおかけしました。 よりによってワクチンで死んでしまいでもしたら、怖がって打つのをやめてしまう方もありましょうから。 [明かりはすぐに遠くへ追いやられ、お医者様のお顔はあまり見えません。 そうでなくても、ここのところ視界は白く濁り、表情の判別もつかない有様です。 たとえ昼日中でも、お医者様の赤らんだ顔や、深く刻まれたクマ(本当にご苦労をおかけいたしました)にも気づけなかったやもしれません。 老人特有の青い環の浮いた瞳を、皺に埋もれるほど細めて、お医者様に微笑みかけます。 碌に見えぬ瞳には、相手に恥をかかせないという善き点もありましょう。]** (23) 2022/11/07(Mon) 21:15:44 |
住職 チグサは、メモを貼った。 (a6) 2022/11/07(Mon) 21:18:56 |
天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。 2022/11/07(Mon) 21:35:02 |
【人】 警備員 ジュード[傾いた陽は、路地に届かず。 案内したという道は今はやや暗いものの、 裏道ながらも路面が舗装されており、 たしかに起伏も少なく歩きやすかった。 ……しかし、人に関しては そこまで少なくはないらしい。 この辺りを掃除している人達なのだろうか? 口元に 赤い布 をつけた人たちが美術館の方へ、あるいは水晶宮の方へ 歩いて行くらしいのと何度もすれ違う。] (25) 2022/11/07(Mon) 23:11:51 |
【人】 警備員 ジュード……流石に多くない、です? [何人も何人も同じ赤を纏う人が行くのは 今日までの間に、見た事があっただろうか。 不安に思った男が、すれ違う一人に 声をかけてみようかと振り返った時、 周囲を流れる空気の中に、 腐臭 が香った。>>3初めは勘違いかと思ったが、甘ったるい香りは 消えるどころかどんどん強くなって、 まるで密室の上から水を注ぐみたいに 辺りの空気を重く濁らせてゆく。 ……何だか、嫌な息苦しさを感じる。 妙な空気に当惑し、 立ち尽くす男の後ろに建つ家では 最上階で空を見上げていた娘が まるで飛べる事を確信しているように 何もない空中へと足を踏み出した。] (26) 2022/11/07(Mon) 23:12:35 |
【人】 警備員 ジュード[鳥の翼を持たないどころか、男と同様に 地を這う者達の尾を持っていたらしい娘は、 勿論、踏み出したつま先で風を捉えることもなく。 彼女は重力に引きずられるまま、 ベシャリ、と潰れるような音を立てて レンガの道に墜落した。] おわぁっ!? な、なにっ? 大丈夫でありますかっ!? [脳漿の弾ける音に 驚いて 男は振り向き、潰れかけた娘に駆け寄る。 しかし、男がしゃがみ込んで傷を確かめようとする横を、 赤い口布の人々は気にも留めぬ様子で通り抜けてゆく。 それどころか、「ぶつからなくて良かった」とか、 「危ないことをしやがる」とか、 迷惑がるような言葉さえ聞こえていた。] (27) 2022/11/07(Mon) 23:13:03 |
【人】 警備員 ジュード[明らかに、いつもの町とは様子が違う。 混乱 している間にも、どこか遠くからは窓の割れるような音や、甲高い悲鳴が。 それから、この香りの中でさえ 狂ったようにあげられる 不気味 な笑い声が、男の耳にまで届く。 ……何が起こっているのかわからないけれど まずは、保管施設の様子を観に行かなければ。 そして、”あれ”の安否を確認しなければ。 男は、自分ではもう助けられないらしい 憐れな娘の傍を離れようと 震えそうになる 膝に手をついてなんとか、立ち上がる為に力を入れる。 本当は、この場を離れる事も 怖い (28) 2022/11/07(Mon) 23:13:59 |
【人】 警備員 ジュード……えっ? [男は、気づいてしまった。 己の底から沸き上がる 恐怖 に。此処から離れて、通りに出る事さえ、 とても、” 恐ろしい ”と感じている事に。] (29) 2022/11/07(Mon) 23:14:29 |
【人】 警備員 ジュード[嫌だ、と気付いてしまえば 沸き上がるものを抑える事はできない。 この路地でさえ、人が一人命を失いかけているのに こんなにも沢山の凶兆が聞こえているのに 不用意に表に出ていったら そこにはどんなに恐ろしい光景が 広がっているだろう。 もしかしたら、刺されるかもしれない もしかしたら、殺されるかもしれない もしかしたら、見知った人さえ その凶刃に、倒れているかもしれない。 でも、すでにここに残る事さえ 男には恐ろしい事だった。] (30) 2022/11/07(Mon) 23:15:01 |
【人】 警備員 ジュード[逃げたい、隠れたい どこでもいいから、今すぐ 暗く静かな場所へ。 何者にも怯える必要のない 脅かされる事のない平穏へ逃避したい。 逃げなきゃ、隠れなきゃ、離れなきゃ この恐怖が零れ落ちる前に、 くるしくない場所へ 怖くない場所へ] ひ、 ぁ だめ だめであります あふれる……! [ぽた、ぽた、と、乾いた道に染みをつくるものは 冷汗だったか、恐怖からの涙だったか。 どちらにしても、僅かに粘性を持つそれには ” 毒 ”が混じっているのに違いなかった。垂れ落ちるものは増えるばかりで、 男がそれを止めようと頬に当てた手を伝って、 溢れて、落ちて、染みを広げる。] (31) 2022/11/07(Mon) 23:16:06 |
【人】 警備員 ジュード[警備員として、赤い彼らの行く方へ 事態を確認しにいかなければならないのに、 脅かされている人を助けなければいけないのに ひどい匂いや断末魔の響くこの空間で 無防備にしているのが恐ろしくって。 とうとう、細い道の真ん中に立つ事さえ 耐えられないようになると、 男は恐怖に浅くなった呼吸を整える間もなく 近くの物陰に飛び込んだ。 ……かつて、厳しく警備の目を光らせていた男が 目を回したように狼狽えたと思ったら、 道の端に積まれた空の木箱の山に潜り込む様は、 行き交う赤い正気の者には可笑しくさえ見えたかもしれない。 しかし、崩れた木箱の隙間から道の方へ 情けなくにょろりとはみ出した尾は、 滲み出した 毒 の粘膜を纏って不用心な者への 警告 を示している。*] (32) 2022/11/07(Mon) 23:16:57 |
警備員 ジュードは、メモを貼った。 (a7) 2022/11/07(Mon) 23:24:42 |
警備員 ジュードは、メモを貼った。 (a8) 2022/11/07(Mon) 23:48:17 |
【独】 警備員 ジュード/* 気を付けるぞっ!と思ってメモ取ってて 頭の中の地図でも北に水晶宮があって西側に美術館があるのに どうして、どうして打たれた文字は東なのか。 一連を打つたびに、何かやってしまっていそうで PLまでそわそわ右往左往しているとか。 色々ここ好き〜とか書きたい事も多いのですが まずは銀鷹公が大変なことになっているのに いいなって、思ってしまったとか なんとか。 むすおじ疑似ペニバン孕ませ願望 良いですね ……なんておもって、そっかぁお耳たべちゃったかぁ……と 萌え語りを読むような気持で>>n6を読んでましたが この舞台設定だと本当にお耳食べちゃう事もありえる……? NPCは生きて帰ってくるはずだから無事……? (-9) 2022/11/07(Mon) 23:52:23 |
【人】 隻影 ヴェレス[観測手達は北の空を観る。 魔導レンズを通して見た夕暮れの空は確かに、 空気の流れに乗せて赤黒い煙を広げている。 中央図書館の真上に立つ学星院より北方には、 ブランドンの有する二つの邸の内の一つがある。 彼が第二夫人を娶った際に与えた別邸。 事実上の隔離先として建てた鋼の檻だ。 ────その、三階の、南側の窓が割れている。 ] (34) 2022/11/08(Tue) 0:30:11 |
【人】 隻影 ヴェレスこの家には刃物がない。 調理器具の類から、枝切り鋏に至るまで 全てが使用人達によって厳重に管理されている。 私は長らく腕に留まっていた 赤い布 を顔を覆うようにして固く結び目を作った。 自室の書架から分厚い辞典を一つ取り出すと、 それを思い切り窓目掛けて投げ付けた。 北側に位置する邸宅の周囲は既に混沌に包まれており、 外から飛び込んでくる喧騒がそれを伝える。 (35) 2022/11/08(Tue) 0:30:25 |
【人】 隻影 ヴェレス[飛び散った硝子の一欠片が肌を裂く。 最早そこに痛みは、驚きはない。 血液の代わりに零れ落ちるのは煌めく赤い石。 母子が『宝石の魔人』と呼ばれるその所以。] (36) 2022/11/08(Tue) 0:30:48 |
【人】 隻影 ヴェレス影の存在である事は幸運だった。 欲望に狂う大衆は、私を気に留めることがない。 堅牢な鉄門をこじ開けてまで侵入しようとする者は 既に知性を失った者達の中に居ないのだから。 …………そう、重要な『用事』でも無ければ。 興味本位でほんの少し鼻先を大気に晒すと、 多肉性の花が腐った様な異臭が掠める。 私は自室の扉も、廊下の扉も全て開け放って 階下へと降りていく。 (37) 2022/11/08(Tue) 0:31:05 |
【人】 隻影 ヴェレス「ヴェレス様! 今の異音は!?」 [使用人の一人が大慌てで階段を駆け上がった。 丁度、二階の踊り場で主人と鉢合わせるように。] 敷地内に暴徒が…… 部屋に石を投げ込まれた! [怪我はないことを示す少年と、駆け出す使用人。 その腰に提げられている鍵束をそっと盗み取る。] ( ……もっと早くこうすれば良かったんだ。 全ての期待を裏切られる、その前に。 ) (38) 2022/11/08(Tue) 0:31:28 |
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