【独】 流転 タマオ/* 見学、置き手紙の表示(xx:xxに公開)は出るけど、発言する時には通常発言に切り替わっちゃって置き手紙させてもらえないのだわ…参加者の特権ね…(? (-19) 2021/07/12(Mon) 20:18:49 |
【秘】 諦念 セナハラ → 遊惰 ロク「……ああ、本当に見えるんですねえ」 あの時、普段ならば口にしないような本音を吐いてしまった。 こちらにも気不味さはあるが、 どちらかといえば申し訳なさが勝っている。 結局のところ、貴方の善性は守れなかったのだから。 「ね、共犯者さん。少し手伝ってほしい事があるんですよ。 なに、貴方にとっても都合が良い筈です」 生前よく見られた笑顔が、そっくりそのまま浮かぶ。 此れが繕ったものである事は、 ついぞ誰にも知られないままだった。 手招きをすれば、律儀に廊下を歩いて宿直室へ向かう。 室内には入らず、廊下から中を指差した。 ニエカワの目の届く位置にいようとしているらしい。 「あれ、遺書なんですけれど。 ここを出る時に、中身を書き換えて欲しいんです」 室内を覗き込めば、 卓袱台に一通の封筒が置かれているのが見える。 (-20) 2021/07/12(Mon) 20:40:33 |
【人】 遊惰 ロク>>7 メイジ 説明を聞き乍ら、手順を想像して。 メスを動かす少年の様子を案じたものの、 兎も角己も手を動かそうと、目の前のそれに刃を向ける。 「――――――、 あ 」 からん。硬質な音。 取り落とした刃物を拾い上げた。 それから、何事も無かったかの様に事は進む。 ツプリと刃を突き立て、ぐ、と力を籠める。 それに合わせて、耳元、黒の十字架が揺れる。 教わり乍ら、真似をし乍ら、 死体をバラバラに――食らう為の“肉”へと変えていく。 元々手先が器用な男だ。飲み込みも悪くは無い。 滞りなく作業は進行されるだろう。 その間、何を考えていたのか、いないのか。 他のものが窺い知ることは難しい。 男は、誰よりも隠す事が得意だったから。 (8) 2021/07/12(Mon) 21:27:13 |
【独】 焦爛 フジノふらっと散歩に行くような足取りでひとり、外へ出る。 ふわりと靡いた横髪を耳にかけ、常より早く流れていく雲の後を追うように、台風の爪痕が残る山道を歩いていく。 そして。 ごっそりと地面が抉れた箇所を、確認した。 その下に何があるか、フジノはよく知っている。 唇が弧を描き、その横をつっとなにかが流れた。 復旧作業はいつから始まるだろう。 未だ轟々と茶色く濁った水が流れる川は、村をどれほど流してしまっただろうか? 土砂はどれほど村を襲い、収穫を目前に控えた畑を押し潰しただろうか? 今年の夏、村は例年以上に飢えに苦しむだろう。 照りつける日差しと重たい泥、満たされない腹、滅茶苦茶になった住居。 それらを抱え、生存している見込みの薄い人々を探す作業はどれほどかかるだろう? 少なくとも、フジノが何処かへ消える時間は稼いでくれるはずだ。 膨らんだ腹をそっと撫で、踵を返す。 行きに包みを隠した木が無事だったことは、確認している。 回収して、ミロクの部屋の缶詰を貰って、そうして。 「……一緒に、行ってくれるかな?」 行ってくれるといいなと、思いながら。 フジノはゆっくりと病院へ戻っていった。 (-22) 2021/07/12(Mon) 21:42:32 |
【秘】 遊惰 ロク → 諦念 セナハラ「……そうなるなァ、 お前サンがマボロシじゃなけりゃ」 顔を見れたら幾らか言いたい事はあったのだけども、 それらは一旦胸の内に押し留めることにして。 軽い返事をして、常の笑い顔を浮かべる。 カラリとした表情も軽快な口振りも、 友を励ます内に身について、客席を前に磨かれたものだ。 「はいよ、なんだろ。 むずかしいことじゃなけりゃァいいけども」 手招かれ、少し後ろをダラダラと着いていく。 傍目には一人で喋って歩いてる様にでも見えてンのかな、 とチラと浮かんで、まァ今さらかと思った。 辿り着き指差された先、医師を置いて室内に入る。 封筒を手に取り、しげしげと眺めて。 「おれが読んでもいいのかい」 卓袱台の前に佇んだ儘、廊下へ向かって声を投げた。 (-23) 2021/07/12(Mon) 22:47:03 |
【秘】 諦念 セナハラ → 遊惰 ロク「どうぞ。特定の個人に宛てた物ではありませんので」 封筒には『此手紙を讀んだ方へ』と書かれていた。 封を開ければ、中には数枚の手紙が入っている。 『全て私が脅し關わらせた事です。』 という書き出しから、その遺書は始まる。 (-24) 2021/07/12(Mon) 23:09:56 |
【秘】 諦念 セナハラ → 遊惰 ロク『彼の御父上に金を借りてゐました。』 『出世拂ゐとゐふ話でしたが催促をされ、 返すあてが無ゐのでやむなく殺めました。』 『食糧が足りなゐ中、 私は嘗て彩帆で食べた肉の味を思ひ出しました。 だうしても死ぬ前に再度味わひたゐと思ひ、 明治君を脅したのです。』 『私が殺し、彼に處理を手傳わせました。 つまり彼は壱人も殺してなどゐません。』 『大變申し譯無く思つてをります。 私の命だけでは拭ゑぬ罪とは思ゐますけれども、 明治君は被害者と云へませう。 だうかご容赦くださひ。』 内容に目を通せば、概ね罪の自供と 明治明という少年への恩情を願う物であることがわかるだろう。 (-25) 2021/07/12(Mon) 23:10:46 |
【秘】 諦念 セナハラ → 遊惰 ロク貴方が読んでいる最中であろうと、男は構わず話し続けた。 「貴方も関わってしまったでしょう。 ですから書き換えて、新しい遺書を作って欲しいんです。 他にも都合が悪い事があれば、全て僕が行った事に。 余所者の行いにするよりは、説得力があるでしょう。 ……ああ、家族はいませんのでそこもお気になさらず」 汚名に関して興味が無いのか、それとも慣れているのか。 男は淡々と、己を貶めるようにと告げる。 (-26) 2021/07/12(Mon) 23:12:02 |
失格 セナハラは、メモを貼った。 (a3) 2021/07/12(Mon) 23:49:02 |
失格 セナハラは、メモを貼った。 (a4) 2021/07/13(Tue) 0:00:24 |
【秘】 遊惰 ロク → 失格 セナハラ「…………」 カサリと音を立てて便箋を捲る。 捲り乍ら、医師の声が耳を通り抜けていく。 ――あァ、なんだ。と男は思った。 やっぱりお前サン、脅してなんかいねェンじゃねェか。 アハ、と思わず洩れた笑い声をあげて。 顔を上げ、頼まれた手伝いとやらを請け負う。 「死んだあとから弄られんじゃ、遺書も形ナシだなァ。 ――わかった、必要がありゃおれが書き換えとく」▼ (-27) 2021/07/13(Tue) 0:02:03 |
【秘】 遊惰 ロク → 失格 セナハラ まァ、と付け加えて言う事には。 「あんましその必要もねェとは思うが。 ――あのお嬢サンは“なにも知らねェ”ままなンだし。 おれも、もう後のことは考えねェでいいからなァ……」 先が無い事を仄めかし乍ら、続きに目を通している。 時折、読めない字に当たって首を捻りつつ。 尤も、後の事を考える必要が有れども無かれども、 この話に関してはさしたる違いは無いのだろうけれど。 男は、己の責を誰かに負わせるつもりは無かった。 (-28) 2021/07/13(Tue) 0:13:10 |
【秘】 失格 セナハラ → 遊惰 ロク男からすれば、貴方も充分に子供である。 生きるべきだと諭そうとして、 「……。まあ、自分の命ですから。 自由にすれば良いと思いますけど」 自分が教わった事を思い出し、やめた。 死ぬべきだとされる事と、生きるべきだとされる事。 その二つに差など無い。 せめて貴方達には自分の意思で決めて欲しい、 男はそう願っている。 「そこに新しい封筒と糊がありますから、 入れて封をしておいてください。 僕がこうして頼んだ事は伏せたまま、 メイジ君に渡して頂けますか? ……僕がここに居る、とは知られたくないもので」 小さく苦笑した。 彼に合わせる顔が無いのだった。 たとえ彼から見えないとしても。 (-29) 2021/07/13(Tue) 0:56:57 |
【人】 被虐 メイジ>>8 ロク 瞬いた瞳が、あなたの様子を一瞥する。 その心中を察することもできない。 メイジは、あなたとこの男の関係を知らないからだ。 真っ赤に染まった手で、汚れるのも構わず顔の汗を拭う。 一度や二度で慣れるはずもない。 こみ上げてきそうになる胃酸を必死で我慢していた。 思い出す。友達をそうした時のことを。 バラバラにされた手足や骨や、内臓が、剥いだ皮膚が バケツの中に溜まっていく。 もう生前の見る影もなくなっていく目の前の男 彼が死を選ぶことを、メイジは知っていた。 「……ミロクさんは、」 ふと思い出したことを、呟く。 なにか話でもしないと気が変になりそうだったのかもしれない。→ (9) 2021/07/13(Tue) 1:38:02 |
【人】 被虐 メイジ >>9 ロク 「ミロクさんが生きることを望む人はいなかったけど 死んで欲しいって望む人もいなかったって だから、死ぬことを望まれて嬉しかったって言ってた。 ついでにオレたちを生かせるなら悪くないって……」 あまり色のよくない、汗の滲んだ面持ちで オレたちってついでなんだって、とわずかに口元をつりあげる。 誰が彼の死を望んでいたかなんて、メイジは知らない。 「愛されたかったのかなぁ」 ぽつりと手を止めて、俯いた。ただの主観だった。 "人生最大の幸福は、愛されているという確信である" 彼が零していた言葉だ。それが死を望まれることと 直結するなんて、歪んでいると思いながら メイジは否定ができなかった。 そうして、ひとりの男だった者は自分らの糧となる。 (10) 2021/07/13(Tue) 1:43:49 |
【人】 遊惰 ロク>>9 >>10 メイジ 少年の声を聞くうち、手が止まる。 内心をチットモ面に浮かべず涼しい顔していた男の、 紫に黒を少し落とした、暗い色した瞳が揺らぐ。 瞬いて、少年の方を向いて、それから下を見て。 いつの間にやら詰めていた息を細く吐き出した。 「――ついでって、ハハ、ひでェひとだなァ。 おれは“ガキども守って死んでくれ”って、 ……たしかに、そう。……、言ったってのに」 真に酷いのは誰か知っている癖、酷い人だと詰って笑う。 きっと、これまでで一等下手くそに。 そうして、最早形を留めていない肉塊。 そこに彼の心は無いと知り乍ら、ボソリと呟きを落とす。 「……そんなのが、うれしかったのか、お前サン。 …………ばかだなァ 」生首の、耳に光る白い石。触れようとして―― 伸ばした手が赤く濡れている事に気がついて、止めた。▼ (11) 2021/07/13(Tue) 11:19:47 |
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