[『 力 』 フォルスは、メモを貼った。 (a86) 2022/12/13(Tue) 18:05:57 |
III『女帝』 シャルレーヌは、メモを貼った。 (a87) 2022/12/13(Tue) 18:06:33 |
【独】 III『女帝』 シャルレーヌ (-131) 2022/12/13(Tue) 18:13:15 |
【独】 III『女帝』 シャルレーヌ/* やっぱり事前にもっと質問とばしたかったなぁ。 フォルにもエトにも。 リアル余裕なくてできなかったんだけど。 フォルにはさりげなく伝えたい言葉があるけど、 言うタイミングができるかな? あとこっそり描写したいこともあるけど略 (-132) 2022/12/13(Tue) 18:19:16 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ アリアちゃんに連れられて洋館へと向かう道中 わたしはずっと、肩を丸めてきょろきょろしていた。 目に映り耳にするほとんどすべてのものが、 わたしにとっては初めて経験するものだった。 山を下った先にも、 ずっとどこまでも道は続いていて 故郷の村の家々と似た作りの家も まったく違う作りの家も並んでいた。 故郷が遠ざかれば遠ざかるほどに道は整い幅は広がって、 立ち並ぶ家々の数も、すれ違う人の数も増えていく。 軒先ではしゃぐ子どもたちの笑い声。 庭に干された、知らない色の洗濯物。 長い椅子に座って外で食事を楽しむ人たち、 記憶にある小川とは比べ物にならないほど大きな川。 空の色も、村のものとは心なしか違う。 これまで自分の生きてきた世界が、いかに小さかったか カーテンの向こうに広がる世界が、いかに大きかったか そう長くはなかったはずの旅路の間に こんなにも未知の世界が広がっているなら、 もっと北や東の彼方には一体何があるんだろう ] (583) 2022/12/13(Tue) 18:38:32 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ 初めて口にした我儘を叶えてくれた彼女に わたしは、できるだけ迷惑を掛けまいと思っていた。 けれどいざ洋館に辿り着いてみれば どう過ごして良いのか、それすらもわからなかった。 結果、無意識のうちに、あるいは意識的に 気付けばいつもアリアちゃんの後を追っていた。 このひとの傍に居れば何も怖いものはない、 このひとの傍から離れてはいけない、って 魂が訴えかけているみたいだった。 洋館で暮らし始めた最初の頃は、特に 完全にひっつき虫状態だった。 アリアちゃんの隣で過ごせる時間が 一番、ほっとしていられた。 ] できなくても、いい…… [ メイドさんにお世話になってしまう度 先住のみんなに世話を焼かせてしまう度に 心の底から感謝しながらも 申し訳なさでいっぱいになってしまうわたしに、 自分の無力さを思い知って泣いていたわたしに アリアちゃんは、そう言ってくれて>>261 ] (584) 2022/12/13(Tue) 18:39:53 |
【人】 XIV『節制』 シトラ失敗しても、いいの…… ? [ 仕損じれば間違いなく誰かを 困らせたり怒らせたりしてしまうから、と 何かをする前から立ち竦んでしまうわたしの、 背中をそっと押そうとしてくれて ] わたしが、やってみたい、ことを するのが、一番………… [ そんなこと、 そんな風に言ってくれるひとは 今まで、身近には誰もいなかったよ。 与えられる惜しみない優しさに返せるものを、 わたしは何も持ってはいないのに。 それどころか、 ]わたしは、あなたを置いて死へ逃げたのに。 (585) 2022/12/13(Tue) 18:40:07 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ それから一歩ずつ、毎日すこしずつ わたしはわたしの心に耳を傾けて やってみたいことをしてみるようになった。 文字をきちんと学んで、書けるようになりたい。 お菓子を作れるようになって、お礼に渡したい。 お金の使い方が、わかるようになりたい。 洋館に書庫があるなら、本を読んでみたい。 アリアちゃんにばかり頼るのは申し訳なくて 教えてくれそうなひとを見つければ>>36、 希望が叶うか否かは別として すれ違うたびにじっと見つめてしまったり 故郷の近いらしいシャルレーヌさんには どこか懐かしい空気と親近感を勝手に覚えて、 実際に会話が成り立つかどうかは別として お話してみたい、と思うようになるのも早かった。 植物の知識は、アリアちゃんから教わろうとした。 お薬の調合はさすがにできなくても 素材集めならもしかしたらわたしにも 役立てるんじゃないかって、そう思ったから。] (587) 2022/12/13(Tue) 18:41:19 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ そうした小さな挑戦と失敗、 失敗を重ねた先の成功が積み重なって ほんの少し自信が持てた今があるからこそ 「歌ってみたい」なんて言い出せたのだ。 かつてのわたしなら、とてもじゃないけれど そんな大それたことは言えなかったと思う ] ひぇ……っ そ、そう……です、けど ま、まだ、ぜんぜん 練習中……で でもあの、が…… がんばる、ので………… [ 心底驚いた様子なヒナギクさんの声に>>375 反射的に身体がびくりと強張った。 こちらを二度見する視線から逃げるように アリアちゃんの方へと一歩、後退る。 そ、そんなに……意外だった? 二度見するほど?? とはいえ改めて日頃の己を振り返れば 当然ではある。何せ、 表舞台と称されそうな場には とことん出たがらない自覚は一応あるもので ] (588) 2022/12/13(Tue) 18:42:19 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ けれど何やら感慨深そうな様子の彼女は>>377 わたしが参加しようとしているのを 喜ばしく感じてくれているよう、で。 ] あの、えっと、えと…… [ エーリクさんやプロセラさんや ユグさんやゼロさんが歌ってくれる姿を 一瞬思い浮かべてみてからはっと我に返った。 勝手に想像しちゃうなんて、申し訳ない。 おねがいしたら歌ってくれないかな なんて思うのは、心の内だけに留めて ] (589) 2022/12/13(Tue) 18:42:59 |
【人】 XIV『節制』 シトラ……そ、です ね 歌えるなら、全員で……歌えたら ──素敵、です [ ほんとうに素敵だと思った。案そのものも、 そういう発想が自然と生まれて それを実際に言葉として発することのできる彼女も。 わたしが出逢う前 彼女にも ]笑わなかった時期があったなんて 目に見えるものしか視えないわたしは、想像もしない (590) 2022/12/13(Tue) 18:43:46 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ チェレスタさんが荷物持ちの申し出をやんわり断って 代わりにお茶の準備を頼んでくれたのが>>216 彼女の思慮深さゆえだったとも、気付けない。 わたしより早くすらすらと必要事項を 全部言ってくれるアリアちゃんの言葉に>>427 隣でこくこく頷くのが精一杯だ。 『一緒に歌も見てもらえると心強い』の一言には 特に大きく首を縦に振ってみせた ] まっ、また、あとで……っ [ チェレスタさんにぺこりとお辞儀をして 食堂か売店か、 何処かへと向かうアリアちゃんの後を追う。>>428 振り向きざま、 既に荷物を奪わんとしているヒナギクさんの姿が>>379 ちらりと視界の端に映り込んだ。 ……まったく大丈夫ではなかったのに 『大丈夫』が口癖になっていた母さんの声を、 不意に思い出したのは チェレスタさんたちからすっかり離れてからだった。]* (591) 2022/12/13(Tue) 18:45:29 |
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。 (a88) 2022/12/13(Tue) 19:10:03 |
【人】 XI『正義』 マドカ── 僕の知らない彼らについて ── [『正義』と『力』は 殺し合いの末、相討ちとなった。 『正義』にとって『力』とは、 尊敬に値する人物であり、 同時に最高の好敵手だった。 間違っても、敵ではなかった。 交わす刃が互いを切り裂き、 振り切った刃の先から鮮血が散る、 それまで何度も交わしてきた、 刃のない刀の記憶が、 互いに太刀筋を覚えさせた。 けれど刃の狭間に見えるのは…… 覚えのない、殺意。] (592) 2022/12/13(Tue) 20:08:26 |
【人】 XI『正義』 マドカ[彼らが最期、何を想ったのか。 それは経典のどこにも明言されていない。 それはそうだ、語る口は既に閉ざされていた。 綴られる言葉があったとして、 それら総ては赤の他人の憶測に過ぎぬ。 彼らの想いは、彼らの胸の内にのみあって、 彼らと共に終えたもの。 誰にだって、分かるはずが、ないのだ。 ────勿論、僕にだって。 ] (593) 2022/12/13(Tue) 20:08:44 |
【人】 XI『正義』 マドカ── 7年前『力』 ── [売店がある、と僕に教えたのは、 多分『世界』だった。 もしかしたら違うかも。 そうだとしても、誰かから聞いた。 その頃僕はまだ、洋館に招かれたばかりだった。 例えば、僕が故郷を失う前だったなら、 例えば、もう少し時間が経っていたなら。 僕はあの時、 もう少し違う反応ができたのだろうか。 魂が覚えている感情というものを知っていたなら、 もう少し……もう少し。 自らの手で何かを買う、と言う発想が、 元々あまりない僕だったけれど、 教えられたからには一眼見ておこうと。 思ってしまったのが、 そもそもの間違いだったかもしれない。] (594) 2022/12/13(Tue) 20:09:28 |
【人】 XI『正義』 マドカ[えずきながら廊下にうずくまった僕の頭に、 氷よりも冷たい二音が突き刺さる。 心臓を、 鋭い刃が貫いたような痛みが走り抜けた。 何故だかその痛みに、安堵する。 ]か……は、 [息が止まりそうな錯覚を覚えて、 喉奥に溜まりかけた、 苦味を帯びた酸味を吐き出す。 頭がクラクラする。 通り過ぎて行く気配に身を強張らせ、 けれど何も言われないのに、ほっとして。 なのに彼は、その青年は、 何を思ったか、 踵を返して隣にしゃがみ込むものだから。] (595) 2022/12/13(Tue) 20:09:54 |
【人】 XI『正義』 マドカぁ……ぅ、 [ありがとうとか、なんとか言えんのかと。 自分で自分を殴りたい気分だ。 それでも僕の口からは、 ありがとう、も、 ごめん、も こぼれ落ちることなく。 言いたかった、伝えたかった。 なのにどうしても、言葉が喉から出てこない。 汚物は垂れ流すくせして、 本当に必要な言葉ひとつ、生み出せない。 僕は結局何も言わず、 ただ、示された扉を見やり、 ふらりと立ち上がった。] (596) 2022/12/13(Tue) 20:10:23 |
【人】 XI『正義』 マドカ[ちらりと振り返った先、 彼は僕の吐き出した汚物を片付けているようで、 初対面の相手に、後始末をさせることを、 ひどく申し訳なく思ったものだった。*] (597) 2022/12/13(Tue) 20:10:39 |
【人】 XI『正義』 マドカ── 面白くもない過去の話 ── [今世の僕は、大陸よりも東の海の上、 浮かぶ島の一つに生まれ落ちた。 幸か不幸か、会場に並ぶ島々の中でも さらに小さな島に生まれたものだから、 『証』を持って生まれた僕に対しても、 普通の『人間』の子供のように、 両親はもちろん、島民も接した。 そもそも、大陸で信じられている件の『宗教』 そのものに興味があまりなかったのかもしれない。 僕は、『証』を持っていたくせに、 『証』がない者のように扱われた。 それが非常に稀有なことであったと、 幼い頃僕は知らずに呑気に笑っていたのだ。] (598) 2022/12/13(Tue) 20:10:53 |
【人】 XI『正義』 マドカ[僕が平和な日常を過ごしていた時、 『証』を持つ誰かはその存在を否定され、 あるいは石を投げられて、 親にすらその生を否定され、 けれど殺すこともできない、 ……と腫物のように扱われ、 もしかしたら厄介払いされ。 書物でそのことを知った、8つの頃、 僕は両親に尋ねたことがある。 僕は、ここにいて良いの?と。 両親は驚き、それから悲しみ、僕を叱った。 たった一つの痣があったからと言って、 そんなものは、何の理由にもならない。 持って生まれた痣でなくとも、 生涯消えることのない印など、いくらでもあるのだと。 僕はその時………… 妙な心持がした。] (599) 2022/12/13(Tue) 20:11:09 |
【人】 XI『正義』 マドカ[両親の言葉は、世の中一般の親としてみれば、 どこまでも善良で、親として正しい反応だ。 けれど、僕の胸の内はざわめいた。 だってこれは、『平等』じゃない。 他の『証』を持つ子供たちが苦しんでいる傍らで、 僕だけが、そうじゃない。 不安が心を占めるのに、そう時間はかからなかった。 それでも時間だけは、平穏に過ぎていく。 僕の生まれた家は、これまた幸運なことに、 はっきり言って裕福な方で、生活上の心配は まるで存在しなかった。 衣食住に困ることはなかったし、 多分欲しいといえば大概のものは 手に入っただろう。 僕が両親に何かを強請ったのは、 幼い時分だけだったけど。] (600) 2022/12/13(Tue) 20:11:23 |
【人】 XI『正義』 マドカ[15の夜、目が覚めると、 辺りは紅蓮に包まれていた。 島ひとつを燃やし尽くした炎は、 僕以外の全ての命を奪った。 僕と違ってただの『人間』だった、 幼い弟の命をも、容赦無く奪い去った。 僕はきちんと教育を受けていたけれど、 自身が『人間』より丈夫なことを知らなかったから、 炎からさえ守れば、 自身より低い位置に庇った子供は 助かると思い込んでいた。 彼は僕より少しの煙を吸い込んで、 そのまま息を止めた。 血の繋がりのない子供達も、 親を含む親戚も、隣人も、 ずっと僕にもよくしてくれた使用人の彼らも、 小さな島だ、 顔を知らぬものなど一人もいなかった。 皆みんな、死んでしまった。] (601) 2022/12/13(Tue) 20:11:37 |
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