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【秘】 園芸 ハナサキ → 不運 フカワ「だから一緒に──暇を潰しませんか?」 漠然と生きて欲しいだけ。 もしも互いにそう思うのなら、願う事はこうでしょう。 きっと、この数日間よりもずっと飽きるくらい暇があります。 私の暇を潰して欲しい。同じくらいあなたの暇を私が潰したい。 「私で良かったって、言わせて見せますから」 その為にあなたの傍で咲く花になりましょう。 (-146) 2022/03/12(Sat) 19:27:11 |
【秘】 不運 フカワ → 奇形 メイサイ『考えましたが、ナツメさんの方が大事でした』 『デリカシーはないみたいです、はい』 『あ』 ただ、今頭に浮かんだ言葉を。 こういうことをいうからデリ欠と言われるのだろうが。 『お二人とも、お幸せに』 (-150) 2022/03/12(Sat) 20:47:05 |
【秘】 奇形 メイサイ → 不運 フカワ『あの』 『僕は心臓貰うつもりで見学に来たところはありますけど、ナツメ先輩のハートを射止めたかった訳ではないんですよね』 推しに認知されたくなかったんですよ。 まあでも例のお願いは聞いてくれた訳だから、先輩は全然悪くない。デリ欠なだけだ。 強いて言うなら、血迷ってそんなお願いした僕が悪い──。 ので、これ以上は何も言うまい。 『そういえばこの後死ぬんでしたっけ? もしかしたら気が変わってるかもしれませんが』 『どっちにしろ頑張ってくださいね! お疲れ様でした』 (-158) 2022/03/12(Sat) 21:24:53 |
【神】 不運 フカワ>>-146 >>-144 ハナサキ 「……これが、……」 受け入れてくれるのではないかという、期待と高揚。遅すぎた感覚。 目の前の人は触れられて、暖かくて、 気持ちが悪くて、手放せなくなって、 それから。「そう、ですか。いやに、なんだか。 信じられます、それはきっと、二人にとって幸せな未来になり得ると思います」 本心だ、傷のなめあいでも、なんでも。 紡ぐ先にきっとなにかができる、いとおしい花がそこにある。 「ハナサキさん。俺は……この後。 "好きな人"に会いに行きます。 "隣に居たかった人"の元へ行きます。 その人は死んでいて、 "生きて隣を歩くこと"も "死んで隣を歩くこと"も永遠にできません。 それでも、俺はあの人が欲しくて――」 息継ぎ。 「君と生きる未来を、一瞬だけ夢見ました」 明日の4時30分から 俺をログアウトさせる権利を、君にあげます。 そして、俺は、君のそのボタンが押されるまで。 この世界からログアウトしないことにします」 (G31) 2022/03/12(Sat) 21:32:51 |
【神】 不運 フカワ>>G31 >>-146 >>-144 ハナサキ 端末をいじり、時限をつけてからあなたに権限をうつす。 残り時間が表示される、それまでは彼はこの世界に留まるのだといった。それでも。 「俺、あまり嘘つかないんですよ。 知っていますよね?」 「一方的な約束も、0%の賭けも、させません」 「だから、運が良ければ、また外で会いましょう。 君に届く手があれば、また伸ばしますから」 「暇になったら、ログアウトさせて ……待ってて、ください。 そして、二人で無事に起きられたら一緒に。 暇潰しましょう、話したいことなら、一応。 山ほどありますから」 どこまでも自分勝手で。 どこまでも自己満足のために生きる俺を知ってる人。 そんな人間の未来を求める君に、ほんの奇跡を起こすかもしれない権利を、渡してしまっても良いと思ったのです。 (G32) 2022/03/12(Sat) 21:39:41 |
【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ貴方から離れたあと。 メッセージに送られたのは、 普川邦幸の名前、住所、数人の名前。 貸金庫のパスワードと鍵のある場所、 中身は節約をすれば一年しばらくは生活できそうなお金だ。 『折角なので』 『もう手遅れなので』 『どうか、俺のこと、忘れないでくださいね』 (-159) 2022/03/12(Sat) 21:44:33 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ「一つだけ、曲解しないで欲しいのは」 一度重ねた手を引くように差し伸べたまま、 珍しくきみの先を行って、足音もなく屋上へと踏み出して。 澄んだ空気の中、冷たい風が一つ吹き抜けても、 死者の乾いた血に塗れた髪が舞う事はなかった。 「それは全部、僕がそうしたいから勝手にしてるって事」 まっくらな瞳は、今も変わらないままで、でも。 抱え込んだ暗闇は、きっと最初よりずっと重く澱んでいて。 ふと空を見上げて、果たして今日は死ぬには良い日なんだろうか。 そんな益体もない考えを抱いた。 「僕は多分それって、きみもそうなんじゃないかと思ってて」 「死人に口なし、死んだら終わり、それはそう。 生きてる人にわかるのは、今ここにある僕の事だけ 死んだ後の僕の事なんて生きてる人にはわからない ただ、今ここにある夢の続きの終わりが少し変わるだけ」 「だからこれが僕の救いになるだとか、 或いは、きみの救いになるだとか、それが良いか悪いかとか。 そんなふうに思うのは、きっとそれこそが逃げなんだろうな」 「だから── もういいよ。 死ぬなら死にたいってだけの理由で死のう。 あれこれ理由を付けて正当化するのも、もう終わりにしよう」 (-163) 2022/03/13(Sun) 0:23:39 |
【秘】 の名残 カミクズ → 不運 フカワ滔々と穏やかに言葉で最期を綴りながら、 夢のない夢の縁へ、ゆるりと足を進めていく。 足取りは迷いのないものだった。 「今の僕は心から笑えてるんだと思う、それは本当の事。 でも、あの時置いていかれたくないと思って泣いたのも 触れられなくたって、涙も嘘じゃない、本当の事。 きみに誕生日を祝ってもらえて嬉しかった事も、 きみに殺されるなら、それでもいいと思えた事も。 きみと生きていたかったのに、きみの死を願っているのも」 「また失敗しても、後悔したくても後悔したくない事になっても。 それでも一緒に居たいと思うのも、本当の事」 「それくらいきみの事が好きで、大好きで きみじゃないと嫌なのも、本当の事」 「きみにずっと僕のものになって欲しいのも本当で、」 「でも、ここできみと死にたいのは、 ただここできみと死にたいからだ」 そうして今際の縁へと辿り着いて、振り向いた。 そこにあったのは、多分。 きみへの重たい感情だけを残して、全てを投げ出したような。 行き着いてしまった先の、けれど晴れ晴れとした笑みだった。 (-164) 2022/03/13(Sun) 0:24:46 |
【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 不運 フカワ「ずっと考えてたんだ。」 この行き止まりで語るべき事と言えば、あとはそう。 「僕はあの時きみに、 わかりやすい言葉で言うなら、きみの事が好きだと言ったけど 正確にはきみの事をどう思っているんだろうって」 誰の代わりにもならない人。 一緒に生きたかった、一緒に死んで欲しい大好きな人。 これが恋愛なんて、 実にわかりやすく伝わりやすい言葉で言い表せたなら。 どんなにかよかっただろう、とさえ思う。 「──結局はわからなかった。 僕にもわからなかったから、全部あげる事にしようかなって」 「四つの愛も、その中には分類されない愛も、 それからもっと大きな枠組みのものも、愛以外も全部。 僕がきみに抱く、感情のすべて」 「ああ、結局ここでは喧嘩はできなかったけど」 「きみが持っていきたいものだけ、持っていくといいよ」 きみにとってのツバメには、なれなかったかもしれないけど。 それでもせめて、きみのさいごに寄り添うツバメの亡骸に。 なんて願いは、分不相応なものでしょうか。 (-165) 2022/03/13(Sun) 0:25:56 |
【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 不運 フカワ「じゃあ、いこうか」 ふ、と。 穏やかに笑みを零して。 「先にいくから──ちゃんとついてきてね」 きみに向けて両腕を広げて、後ろへ、さいごの一歩。 「おいで、邦幸。」 ──あ、やっぱりこれはちょっと恥ずかしいかも。 そんなどこまでも場違いな照れ臭さを感じながら。 ぐらり、視界が傾いで、 浮遊感に身を委ねる。 消えた柵の向こう、縁の向こう、広がる空を背に、身を投げ出す。 今度は、自らの意思で。 不思議と、もう怖いとは思わなかった。 死ぬ事よりもずっと怖くていやだと思う事を知ってしまったから。 (-166) 2022/03/13(Sun) 0:27:53 |
【秘】 園芸 ハナサキ → 不運 フカワ…… ………… 後程、送られてきたメッセージを見たらまた駆けだして追いすがってしまいそうになる足を抑えて。 もうとっくに成されている"忘れないで"に。 「バカ」 それだけ呟きました。 (-206) 2022/03/13(Sun) 14:51:42 |
【秘】 不運 フカワ → 亡骸のツバメ カミクズ1,2。 「……やりたいから、か、全部。 わかった、そっか、長い夢、だった、なあ……」 もっと、見たかったなあ。 やっぱりずっと、後悔をしながら、ゾクゾクしている。 幸せになると思えた事も全部現実を逃避したもの。 助けられたと思った事も、助かったと思うことも全部事故を満足させるだけ。 それでも逃げたくはないな、向き合うと決めたそれから。 君が許してくれる事が嬉しいから。 34,35。 「生きていたくないって思うことが悪いことだと思い込んでいたのに。 それまで、君は許してくれるんだ」 (-210) 2022/03/13(Sun) 15:49:52 |
【秘】 不運 フカワ → 亡骸のツバメ カミクズ「ああ、死にたくてしかたないな」 「ようやく、一緒に死にたいって気持ちが理解できた」 "運良く"死ねたら、俺は君が手に入って。 "運良く"生きることが出来たら、俺は君の"代わり"を探すんです。 俺がやりたいこと、ですね。 「喧嘩は……へへっ。 少しでも拒まれたら、今なら殺しちゃいそうで。 今みたいに死んでもらわないと、出来ないな」 「持って行くね、全部、こうやって、全部」 死んで居る君だから、生きて居ない君だから。 それが個人を見ているかなんて、今は関係ない。 66,67。 それでも、そう、君は 上葛掃守 だった。誕生日を迎えるはずだった、俺が生まれたことを祝った人間。 其れを忘れることも、覆ることも、上書きされることもない。 (-212) 2022/03/13(Sun) 15:55:06 |
【置】 不運 フカワ「俺は、"君"じゃなくても、よかったんです。 たった今、一緒のところに居られるなら、 "皆"に死んで欲しくなりましたから」 「でも、今は"君"の笑顔がみたい」 「俺もどこに行くかわからないから、全部運ですね。 "誰の傍でも良い"、"誰かが笑っていれば"、 勝手に俺が居るだけで、笑顔になってくれるなら。 それでいいかなって思うことも変わらないです。 それが、俺の良いことになるようなきがしますから。 他人事です」 笑顔が見たい人 「だから、その"死の先"に――会いたい人が居続けるなら」 「俺は、ずっと死にたいでしょう。 死の先から迎えに来てくれる日を待ちます。いつまでも、永遠に」 「だから、"いつかの誰か"も。 俺を殺してください、俺を生かしてください、死なせてください。 また、一緒に隣で笑いましょう」 それまで、どこに居ても、不安じゃありませんね。 ああ、そんなことが起きれば、また面白い事でも探さないと。 『死ぬまでの間ですが、どうぞ、暇つぶしに付き合ってください』 (L5) 2022/03/13(Sun) 15:58:59 公開: 2022/03/13(Sun) 16:00:00 |
【置】 不運 フカワ恋人のように甘く名前を呼ぶのが楽しくて。 生き延びた先の未来をまだ夢に見た。 君の事を教えて? 君の事を理解させて。 でも、俺の事を理解しないで。 君の代わりがいくらでもいることを、知ったら、きっと悲しんでしまうから。 其れが嫌なら、閉じ込めて、離さないで、首輪をつけて、 これから一緒に居よう、俺の"理解者さん"。 (L6) 2022/03/13(Sun) 16:00:20 公開: 2022/03/13(Sun) 16:00:00 |
【秘】 『 』の フカワ → 亡骸のツバメ カミクズ格好つけるだとか、特別を意識するだとか。 そんなことはもういらないな。 「――掃守、待ってくださいっ」 浮遊感。風の音。 さいごの一歩を踏み出した。 そして、いつか、追いつく。 80,81。 想像以上に怖くない、落ちる景色も、誰かと一緒なら。 それに、待っている人がいるから、何も 。 (-219) 2022/03/13(Sun) 16:21:09 |
フカワは、91,92。 (a69) 2022/03/13(Sun) 16:22:10 |
フカワは、その高さに至った4時29分55秒、 (a70) 2022/03/13(Sun) 16:22:32 |
フカワは、それは一番『 』なときだった。 (a71) 2022/03/13(Sun) 16:23:06 |
【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 『 』の フカワ結局のところ、許す許さないの話ではなかったんだ。 「──もしも、仮に。 生きていたくないと思うことが、悪いことなのだとしたら」 だって僕はそもそもの話、それを咎める事はできないのだから。 「僕ってとんでもない大罪人だ」 夜明けはいつも憂鬱だった。 けれどきみの隣であれば、憂鬱なばかりでもなくて。 だからきっと、今日は死ぬには良い日、だ。 ──さあ、誰の手も届かない所で死のう。 何処にも行かず、死んでも離れず、ずっと同じ夢を見よう。 他の誰に捲られる事も無い、さいごのページをふたりじめ。 誰にも観測されない物語の結末は、幸福でも不幸でもなくて。 誰に"めでたしめでたし"で締め括られる事もなくて。 エンドロールが流れなければ、 声を潜めて口々に感想を囁き合う観客だって居なくって。 それってきっと、この上なく満足のいくものだ。 (-241) 2022/03/13(Sun) 19:22:53 |
【秘】 亡骸のツバメ カミクズ → 『 』の フカワ──ぐちゃぐちゃの肺から空気が押し出される。 既に一度死んでしまったからか、 痛みは夢の中のようにぼんやりとしか感じないけれど。 ほんとうはもう、起き上がるのすら億劫な、惨憺たる有り様だ。 ああ、でも大丈夫だ、まだ息ができる。 まだ息ができる、言葉を吐き出す事ができる。 きみに贈る、さいごの願いを。 「──おやすみ、邦幸」 「ずっと傍に居てくれて、」 「ずっと一緒に居てくれて、ありがとう」 「これからも、ずっと」 「ずっと一緒に居よう」 「だから、死んでね」 「僕達に、夜明けが来る前に、早く……」 「ここで、僕と死んでね」 夢の中のようにぼやけた意識、その視界が涙で滲む。 でもこの涙は悲しみからのものではなくて、後悔でもなくて。 ただただ、どこまでも、安堵と、それから。 今、胸を満たすこの感情は。 ああ、これはきっと、多分。 よくない感情、だ。 (-242) 2022/03/13(Sun) 19:26:34 |
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