【人】 奏者 イルムヒルト― 屋敷 ― [重なった手の孕む熱に、女は息をのむ 乾いた、何度も豆が潰れ皮が捲れても振り続けられたのだろう 美しい剣筋を生み出す掌には。ただ、ただ熱があった。 重なる手はそのまま。女もまた握りもせず 導きに従って歩いて。 行く先を問う言葉はない 現在の場所を問う言葉も、ない 周囲の絢爛豪華な調度品も 窓から見えるであろう美しい風景も 今の己らにとっての必要なものでも、足を止めるものでもなかった。] (32) 2022/11/24(Thu) 19:04:53 |
【赤】 奏者 イルムヒルト― 寝室 ― [広いその部屋は、華美ではないものの 整えられたもの1つ1つが美しく、部屋の主の審美眼を彷彿とさせる。 ベッドへと寝かせる際の手際は性急、とは申しますまい。 女もまた、普段はフードを被ったままのかんばせを晒し 自身の躰を柔らかく受け止めた寝具に背を預けたまま 男がジャケットを脱ぎ捨てる様を眺めていた ベッドに倒れ込むように背を預けることになった際に 乱れたスカートの裾から覗く穢れもなき白の肌 半ば肌蹴た腿の上、見上げる女の黄昏色の眼差しには 恐怖も、怯えもなく 落とされた男の影をそのまま 調べを奏でながら触れられた夢のような、されど熱く 指の感覚を思い返し乍ら、女は再度吐息を零す。 待っていたのは、何方なのか。 熱が確かに其処に在ると示した手が重なり 其れを握る暇も惜しみながら案内されて 嗚呼、今の私の胸の内はどうすれば伝わるのでしょう。] (*2) 2022/11/24(Thu) 19:05:20 |
【赤】 奏者 イルムヒルト[熱い指先を、視線が追う 肌に触れながら、撫でながら 音と重なったものと遜色ないどころか、ずっと熱いもの 食んで、喰らって啜り上げてしまいたいとまで思うたものは 最早幻ではないのだ。 耳を擽ったものも覚えている 奥まで嬲るようなものも 肌に触れて、首筋に触れて、双丘を揉みしだくものを 命すら、奪わんとするような鋭くも熱いもの 或いは、優しくも激しい、ものを] ―― …… ぁ。 [漏れた吐息に混じる音は、 最前席にて捉えたものよりもより近く、鮮明に 貴方の耳に奏でられる、ことでしょう。 指先の優しい愛撫と触れる熱のアンバランスさ 其れに焦れるかのように、再び灯された情欲が身を巡る。 女の手は、己に跨る男の腿へと伸び その逞しい筋肉を服越しに撫でる。 それは男という楽器を奏で、鳴らさんとするかのように。 或いは、其処にある熱が現であるということを 確かめ、自身に知らしめるかのように。] (*3) 2022/11/24(Thu) 19:06:22 |
【赤】 奏者 イルムヒルト[何度か其れを撫でながら、女の唇は弧を描き あやすかのような男の指に目を細める 男に、昨夜の一幕忘れておらじと、教えて ――幻とは違う実に、期待を孕ませて。 *] (*4) 2022/11/24(Thu) 19:06:45 |
奏者 イルムヒルトは、メモを貼った。 (a18) 2022/11/24(Thu) 19:07:48 |
【人】 踊子 リリーな、なに……!? ああもう、貴方、本当に何なのよ! [ 男のマントに包まれるなんて予想外な出来事、 当然身構えているわけもなく。 陰に覆われた視界が再び光を目にする頃には きっとそこは、彼が言うところの 彼が見ている世界≠ニやらで。>>28 ] ……あ、貴方一体、何者なの……。 こんな大きな劇場、そもそも 認められた演者以外、は…? [ 言葉が途切れる。 眩くてつい手で遮ってしまうスポットライトも、 たくさんの人を招き入れる観客席も。 そこは大劇場そのものではあったけれど、 この街のどの劇場とも、様相が違っているから。 彼が紡ぐ説明は、頭に入っては来ても>>29 何故そんな場所へ──という疑問の解決ではない。 ] (34) 2022/11/24(Thu) 19:43:02 |
【人】 踊子 リリー[ 聞きたいことは幾らでもあった。>>30 それよりも先に投げられた、踊って、という言葉が 後少しでも遅れていれば、問い質しもしただろう。 ──或いは。 ゆるやかに歌い始める彼の意思に逆らって 説明するまで何にもしない、と言うことも 己には出来ただろうけど。 ] ────……はぁ。 後でちゃんと、説明してもらうんだから…。 [ 男がただの人間という可能性はとうに捨てた。 種族なんてものはどうでもいいけれど、 「はい分かりました」で納得できるような お気楽な性分でもない。…残念ながら。 少しの間、何もせずに彼の歌を耳に入れ。>>31 最初に出会った頃の、言葉も分からぬ歌を思い出し ──すこしだけ息を吐いては、 彼が奏でる伴歌に合わせ、指先を伸ばす。 ] (35) 2022/11/24(Thu) 19:43:06 |
【人】 踊子 リリー[ 足先で軽やかに踏むステップも、 しなやかに背中を逸らす角度ひとつさえ、 ──母と姉が美≠失ってからは 自分の踊りは、自分のものではなかった。 間違っても髪と瞳が損なわれないように 動きを抑え、翻した時の魅せ方だけを意識して。 ……けれども、今は。 ] (──自由にって、言われたんだもの) [ きっと。 髪の揺れ方も瞳の魅せ方も、完璧ではなくて 星空めいた煌めきが、ただの薄桃に隠れて。 それでも、女は微笑んでステップを踏んだ。 何年振りかも分からないけれど これが本来自分が魅せたい美だと、知っていた。 ] (36) 2022/11/24(Thu) 19:43:10 |
【人】 踊子 リリー[ ────やがて。 歌も踊りも止まった頃。 緊張と楽しさと、──少しの母への罪悪感と。 それでも味わってしまった高揚感を抱き、 頬を上気させながら、女は青年の方を振り向いた。 ] ……貴方のお気に、召しまして? [ それは初対面の日、彼へ投げた言葉の再演。 耳に残って離れない、彼の歌を思い返しながら 女はふわりと首元のリボンを揺らした。* ] (37) 2022/11/24(Thu) 19:44:16 |
踊子 リリーは、メモを貼った。 (a19) 2022/11/24(Thu) 19:45:36 |
【赤】 大富豪 シメオン[零れた吐息に男は満足そうに笑みを浮かべる。 リュートなどなくともこの女は美しい音色を奏でるのだ。] いや、待たせたのは私の方か。 [腿を撫でる感触。 擽ったさえ感じるような触れ方。 女が自ら手を伸ばし熱を確かめようというのか。 それは硬く、逞しく、女の柔らかな肌と肉の感触とは違う。 だが、それは女の肌に負けぬ熱さを纏っている。] (*5) 2022/11/24(Thu) 19:52:22 |
【赤】 大富豪 シメオン[女の肌に触れる指先。 感じるこの熱は決して己のものだけではない。 女もまた確かに覚えていたのだ、触れた指先の感触を。] 熱く、なっているな。 [指先は喉元から顎先へ、それから再び頬を一撫ですると甘い吐息の漏れ出るその唇を軽く摘んで、親指で下唇をなぞる。ゆっくりと、女の唇を、外と内の境界線をなぞっていく。 男の内なる獣はすでに鎖を引きちぎらんとしているのに、それを男は容易く抑え込む。 緩やかな、愛撫とも呼べぬ触れ方。 だが、その熱は男の情欲を確かに女へと伝えていく。] (*6) 2022/11/24(Thu) 19:52:51 |
【赤】 大富豪 シメオン……疼くか? [唇をなぞり、頬に触れ、首筋から喉元を撫でる。 ゆっくりと肌の柔らかさを味わうように、女の熱を育てるように。 あるいは、焦らす様に。*] (*7) 2022/11/24(Thu) 19:53:13 |
【人】 「邪毒」 スカリオーネ……ふぅ、そうですか。 では仰せの儘に――。 [>>27ロビーで寛いでもらっている際、ブランシュは何気なく口にしたであろう言葉に男は少しの間と何かを堪えるような吐息を零してから感情を表に出さぬように営業用とも取れる言葉を返し更衣室へと案内した。 二人が扉の向こうに消えると男はそっと頬を撫でた] 緩んではいなかったよな。 [望外の喜びとは唐突に降ってくるもので『いつものがいい』と望まれることは男にとって至福であった。 昨夜、大富豪に投げかけられた言葉には否で返したが望んでくれることは矢張り冥利なのだろう] さて――。 [男は更衣室に鍵が掛かっていることを確認すると別の扉から円柱の部屋へと向かった] (38) 2022/11/24(Thu) 20:08:47 |
【赤】 奏者 イルムヒルト[何時も手に持っていたリュートは、 半ば倒れ込むように沈んだ褥の端にある ――今の私の、奏でる音は私自身なのでしょう。 或いは、彼の熱なのでしょう。 確かめるための拙い触れ方は、やがて 其処に在ると理解すれば柔らかくもどこか焦がれるように 硬く、逞しいそれをなぞりて、熱をまた女の胎に生まれさせる] お待ちして、いましたの。 ――……耐え症のないと、思われるかもですが。 [女は肯定する。 其れに再びまみえるを待っていたのだと。 幻ではないのだと知りたかった。喰らいたかった。 男の待ちかねたという言葉と、触れる指先の戯れさ 女の眼差しと、触れる手の動き 其々が、互いに待っていたのだと知らしめる。] (*8) 2022/11/24(Thu) 20:09:01 |
【赤】 「邪毒」 スカリオーネ――円柱の部屋―― [円柱の部屋は本来白で統一されているが天窓のステンドグラスにより差し込む陽の光が時刻により色合いが変化するようになっている。 今の時刻であれば新緑から次第に蒼に変じていく時間帯。 部屋の中は林の中にいるかのように優しい緑色に染まっている。 また、小川のせせらぎの様な水音も聞こえ自然の中にいるかのような感覚を受けるようにしていた。 >>4自動演奏を用意できなかった代わりだがこれはこれで悪くない。 部屋の中は既に魔薬を溶かした水を沸かして生じた蒸気があり肌に程よい湿度であり室温も脱いでも肌寒くない快適な温度となっている。 部屋の中央にはベッドが二つ並んでおりどちらも身体が沈み込む程に柔らかなものだ。 >>27更衣室からブランシュとリュディガーが現れれば男はベッドの方へとエスコートを行おう] (*9) 2022/11/24(Thu) 20:09:06 |
【赤】 「邪毒」 スカリオーネどうぞ、こちらへ。 先ずはブランシュお嬢様でしたね。 いつものようにガウンを脱いで、 ベッドにうつ伏せになって頂けますか。 リュディガー様もそちらのベッドの上へどうぞ。 [着たばかりのガウンであるが短い距離でも寒さを感じさせないためのものでしかない。 ブランシュがうつ伏せになる間その姿態に視線を送るが男の視線に性的な光はなく、豊かに盛り上がった胸元や尻の形状を見てはなるほどと頷いている。 うつ伏せになる間に男はシャツの袖を捲り落ちて来ないようにバンドで止めた] (*10) 2022/11/24(Thu) 20:09:10 |
【赤】 「邪毒」 スカリオーネそれでは"始めましょうか"。 [男の言葉と共に部屋に魔力が循環し始め、男が終わりを告げるまでの間扉は開かず音も漏れないようになってしまう。 そんな絡繰りの一つが動作を始めれば男はブランシュの横に立ち琥珀色の液体が入った瓶を手に取ると中身を自らの掌の上にのせていく。 液体は瓶の外にでても琥珀色でまるで琥珀をそのまま溶かしたかのようである。 ブランシュに調合してもらった魔薬を溶かしたオイルを掌で温めてから彼女自身の背筋へと垂らしていく。 腰元から首元まで、折り返して足先までたっぷりと過不足なくオイルを垂らすと男は掌をブランシュの腰へと触れた。 男の手は温かで心地好い温度である。 また肌が吸い付くように肌理が細かく触れると肌同士が密着し隙間なく触れていく。 まるで自分の肌がそうなっているかのような錯覚を最初は受けるだろうが術が終わればその肌を手に入れていることになる] どこか気になるところはありますかね。 [背筋を掌で撫でオイルを馴染ませながら男は問いかける**] (*11) 2022/11/24(Thu) 20:09:25 |
【赤】 奏者 イルムヒルト ぁ、 あ。 [感嘆。 ―――啄まれた唇は濡れてはいないのに艶めき。 なぞる指に邂逅の終を思い出させて、また1つ 奏でる音に混じる、色。 なぞる指に期待を孕んで、甘く食む仕草。 無作法とお思いかしら。とばかりの双眸は 何処か甘やかに、されど激しさを湛えたままに 緩やかだからこそ、それはゆっくり、ゆっくりと 私に灯った熱を全身に巡らせ、また熱さを増させるもの。 ゴブレットよりも強く酩酊させる。 貴方の 欲] (*12) 2022/11/24(Thu) 20:09:59 |
【赤】 奏者 イルムヒルト 聞かずとも。 わかって、いらっしゃるの、でしょう? [なぞる指が触れる肌は、あの日よりも熱を孕み 染まる薄紅はしっとりと吸い付くような感触を男に伝え されど若さを示す弾力と、柔らかさを併せ持ったもの。 味わうような指の動きに、 素直にはい、ではなく。触れることで奏で、 そして知って欲しいと女は言葉ではなく視線で訴える。 焦れて、疼いて。それでも それすら己の最上の美を得られるピースの1つになると 確信めいたものがあった。 もっと。貴方の欲を伝えて。その獣性を。 理性という絡められた鎖の鳴る音で。或いは 此れから私に刻む、貴方だけの「美」で。*] (*13) 2022/11/24(Thu) 20:11:06 |
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