【人】 給仕 シロタエ―― どこかの路地で ―― [娘は鼻歌でも歌いそうな表情で街を歩く その周囲では正気を無くした人々が阿鼻叫喚を繰り広げていたが、娘がそれを咎めることはない 娘が探す 「ロクデナシ」 は自分が迷惑だと思う連中で、そうでなければたとえ盗みを働いていようと たとえ殴り合いの喧嘩をしていようと 気にするようなことなんか欠片もない、自分に迷惑さえかけなければどうでもいい その代わり、迷惑を掛けようとするなら問答無用で殴り倒した] だって、言っても聞いてくれないんだもの [原因はさっぱりわからないし自分が毒されていることも知らないけれど いつも以上に話が通じない奴らばかりで イラつく しそれを黙らせることはとても気分がよかったのだ] (41) 2022/11/08(Tue) 1:32:58 |
【人】 給仕 シロタエ[少し歩くと今日何度目かの少女の悲鳴が聞こえた 興味無さげに視線を向け、のしかかっている姿に覚えがあって近づく さっきの酒癖の悪いロクデナシカーヴィだと気付いて舌打ちをする] ほぅら、やっぱり言ってもわからないんだわ [なら、やっぱり野放しはダメよね、なんて言いつつ近寄って カーヴィの頭に思い切り角材を振り下ろすと、鈍い音がして頭が割れた スイカたっだらもうちょっと綺麗に割れたでしょうにって呟いてカーヴィを蹴飛ばし少女の上からどかす] もう大丈夫よー [と笑って見せた娘が見た少女は不満げな顔をしている だがそれは娘に向けられた不満ではなかった] 「ちょっとおじさん!私のこと襲ってくれるんじゃなかったの!!」 [そう叫んで向かったのは倒れたカーヴィのもと] (42) 2022/11/08(Tue) 1:35:06 |
【人】 給仕 シロタエ「襲っておいて、殴られたくらいでやめるなんて酷い!」 [言いながらカーヴィの衣服を弄り股間に手をやって、取り出したそれを口に含んだ] 「最後までしないと許さないんだから!」 [実際は半分くらいもごもご言っていたがそんなことを少女は言う] あらぁ、邪魔しちゃったのかしら? [目の前で、今度はカーヴィが襲われているけれど娘は止めたりはしなかった 元はカーヴィが襲っていたのだし、少女がその気なら止めるのは野暮だし カーヴィ自身も嫌がってなかったし……嫌がるも何もなかったけれど] まあいいか。 楽しそうだもの! [そんなことを呟いてその場を離れる。 血まみれの角材を手にしたまま*] (43) 2022/11/08(Tue) 1:37:17 |
【人】 給仕 シロタエ―― その頃の仔狐亭 ―― [その頃の仔狐亭では娘の帰りが遅いことを気にするものはいなかった いつもなら夕刻の混雑にテイクアウトの用意やらで大忙しのはずの店内は いつもとは違う意味で混沌としていた 勝手に料理や酒を奪い合う客に紛れて、ひたすらに店の掃除をするベテラン給仕がいて その傍らでは別の給仕が客と痴態を繰り広げて 新入りのリーリはどこかに消えてしまっていた そうして、それらを咎めるはずの店主は厨房に籠って 「俺はなぁ、魚より肉を料理したかったんだよ!」 なんて言いながら包丁を振るっている。 エプロンを 真っ赤 に染めた店主の目の前作業台にのった肉塊は、どう見ても 鳥や豚や牛ではなかった (44) 2022/11/08(Tue) 1:40:57 |
給仕 シロタエは、メモを貼った。 (a10) 2022/11/08(Tue) 1:44:29 |
【独】 給仕 シロタエ/* 店主の名前はパラベラムじゃないですよ! と前回ネタ(おい カニバリズムから離れろお前は えー、リーリが消えて謎の肉塊がありますね? そういう事です(まてやこら さてここからどうしようかなー、後ラストしか決めてないんだよなー(しかも流れ次第では使えないしな 誰かとエンカウントできればいいんだが、下手すると予定してるラストに行けないから悩む では寝よう……村始まると睡眠時間がやばい タイゴンanimal烏animalマンボウanimal (-10) 2022/11/08(Tue) 1:52:00 |
【人】 略奪者 ラシード─ 狂騒 ─ [朱に染まり、傾いた陽光が 市街地に長く冷えた影を落とす。 幾度も幾度も其処で繰り返されていた筈の 人々の営みは今や其処には無い。 肉屋の硝子棚を拳で叩き割り、 陳列された生肉を手掴みで引き摺り出し 破片の刺さった己の腕から流れる血液ごと 次から次へと口に押し込んでいく肥った地人。 獣人の店主は路上で犯された末に引き裂かれた女の死体を 鉈で更に細切れにしつつ片っ端から機械に放り込み ドス黒い腸詰め肉を延々とひり出し続けている。 職人街では、表情を失った刀鍛冶が 焼けた鉄をハンマーで叩く。叩く。叩き続ける。 何度も何度も叩いて叩いて叩き続けて、 そうすれば鉄は粉々になって、 やがて彼は只々金床だけを叩き続けるだけ。 彼にだけは見えているのだろう。 想像を絶するほど美しい光を放つ、渾身の刃が、金床の上に。 ] (45) 2022/11/08(Tue) 2:04:43 |
【人】 略奪者 ラシード[書店の前の路上には奇妙なものが広がっていた。 チョークで書き付けられた難解な数式に難解な図形、 まるで古代文明の陶器に刻まれた幾何学模様のように 丸眼鏡を掛けた魔人の少女が息を荒げながら、文字を、数を、 彼女の頭の中で爆発する閃きを書く。書く。書き連ねる。 それはやがて向かいの煉瓦壁にも進出し、 壁を舐めまくっている若い男の背中臀部そして頭部にも刻み、 街路樹の葉の一枚一枚、石の一つにも数式は刻まれ、 チョークが尽きればペンを、ペンが尽きれば己の指先を切りその血液を。 此処はもはや異空間だ。彼女の頭蓋、その内側のようなものだ。 野菜を犯す男。人妻を犯す女。 ころすころすころすと泣き喚きながら、衛士から奪った槍を振り回す少年。 誰が着れるのか検討も付かない巨大な服にミシン針を叩きつける女。 その数々を足蹴にして、見向きもせずに、 性欲や暴力衝動を孕み飛び掛かってくるものたちに 拳や脚を叩きつけ、赤い呪布を身に付けた略奪者達は駆ける。 彼らの求める宝の元へ向かうもの。 または手近な民間の窓や扉をぶち壊して、金目の物を狙うもの。] (46) 2022/11/08(Tue) 2:05:29 |
【人】 略奪者 ラシード─ 銀鷹公の屋敷 ─ [ だ た ん。 吹き抜け階段の巡る広間。 其処に次から次へと降り注ぐものがある。 死体。いや違う。衝突する瞬間までは生きていた。 虚な目を、否、”居場所を見つけた安堵”に満ちた 泣き疲れて安堵した子供のような、 さかさまの人間ひとりふたりさんにんよにんごにん、 だ たん。だ たん。次々と堕ちてくる、堕ちてくる。 広間を塗り潰さんばかりに、赤い血液が広がっていき、 ああ、また”おかわり”の追加だ。 だ たん。 だ たん。] 自殺願望持ち、か。 ……確か銀鷹公の屋敷では、 若手の研究生を奨学生として受け入れて 小さな研究室を与える…… みたいな慈善もやってたのだっけ。 [見上げる螺旋階段。壁際には開け放たれた部屋の数々。 そのひとつひとつに若き研究者が住まい、夢を追って、] どいつもこいつも行き詰まりで、 正直死にたい気持ちで一杯だった、ってことかな。 (47) 2022/11/08(Tue) 2:07:02 |
【人】 略奪者 ラシード閉じた箱にはお似合いの末路ってやつだ。 [踵を返せば、もう其処には興味の一欠片も残らない。 螺旋階段を登り、次々と身を投げていく学徒に目もくれず 略奪者の首魁は屋敷の上層へと向かっていく]** (48) 2022/11/08(Tue) 2:13:35 |
略奪者 ラシードは、メモを貼った。 (a11) 2022/11/08(Tue) 2:16:30 |
医者 ノーヴァは、メモを貼った。 (a12) 2022/11/08(Tue) 2:32:54 |
【人】 隻影 ヴェレス母が故郷の神々を想って付けた名よりも、 父がくれた祖先の名を気に入っていた。 それが叡智の為、自ら実験に身を捧げて死んだ 狂信的な研究者の名前だと知らなければ。 膨大な図書の中に埋もれた目録からその項目を 見つける事がなければ、運命は違っていたのか。 (49) 2022/11/08(Tue) 3:49:30 |
【人】 隻影 ヴェレス幼い頃は憧れだった、顔を合わせる事の無い父。 疑念が一つ増えたところで直接尋ねればいいと。 その為に学星院に加わって登り詰めればいいと。 ただその一心で、どれだけの分野を学んだのだろう。 生傷の絶えないこんな身体 では通学など出来ないから、出入りを許された図書館の蔵書を幾つも漁ったものだ。 兄ばかりが学会で持て囃されるようになり、 「病弱な弟に捧げる発明」という新聞の見出しを見た時 疑念は二つに増えた。 (50) 2022/11/08(Tue) 3:49:50 |
【人】 隻影 ヴェレス何度傷付けられても、血を流しても、 いずれ痛覚すら遠のいて大切なものを失くしても、 それが父に必要なものだと信じ続けた。 信じていたのに、調べずにはいられなかった。 突き止めてしまった、秘匿された計画の一部。 あなた方が⬛︎を殺し、それに成り代わるための。 私にひた隠しにして来た計画の中に私は居ない。 なのに、何も知らない儘に保護され 狂う事さえ赦されないなど。 私達を傷付けて剥ぎ取り、生み出した資金の使い道が 余所者を招き入れてこの島を実験台に変える 摂理に逆らった試みだと知ってしまえば。 疑念は、……疑念は、もはや…………嗚呼。 (51) 2022/11/08(Tue) 3:50:09 |
【人】 隻影 ヴェレス諢帙@縺ヲ諢帙@縺ヲ諢帙@縺ヲ諢帙@縺ヲ 「ヴェレス様、ああ」 迥ッ繧キ繧ソ繧、迥ッ繧キ繧ソ繧、迥ッ繧キ繧ソ繧、迥ッ繧キ繧ソ繧、 「此方に居らしたのですか」 郢九′縺」縺ヲ郢九′縺」縺ヲ郢九′縺」縺ヲ郢九′縺」縺ヲ [階段を覚束なく降りて来る使用人の面々。 彼等もまた、あえて若く未熟な個体として選ばれ、 魔人の特性を研究する為に投入された憐れなる命。 渦を巻く、渦を巻く、呼び起こされた思惑。 誰もが理性で縛り付けて来た本音。 封じながら、良心を果てもなく傷付けられながら 命令を遵守し少年の肉体を損ない続けてきた。] (52) 2022/11/08(Tue) 3:50:32 |
【人】 隻影 ヴェレス其処に憐れみはない。怒りもない。 軽蔑も、嫌悪も、惜別も、憂鬱も、ありはしない。 ただ私は、父上と同じやり方で。 手段を問わずにあなた方の罪をなぞるだろう。 そして全てを███にするのだ。 ────あの人を舞台装置のとして死なせたように。 本当に死にそうなほど辛かったけどね。 (53) 2022/11/08(Tue) 3:51:13 |
【人】 隻影 ヴェレス虚弱で外を出歩けない次男坊とは 偽り である。名誉ある研究助手としての未来は 嘯き である。無気力で籠の鳥じみた少年の姿は 欺き である。おまえたちには日頃から感謝していたよ。 (何もかも無価値だったと気付かせてくれてありがとう) (54) 2022/11/08(Tue) 3:51:34 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス おいで。最後に一曲、踊ってあげよう──── [幕を上げろ。慟哭のワルツを鳴らし、擾乱で彩り、 人生の終末、一夜限りの狂気を永遠の一秒へ。] (55) 2022/11/08(Tue) 3:52:11 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス我先にと、折れたパンプスで階段を駆け下りる女。 よろこびと、焦燥と、手に汗握るほどの感動に 今にも息が上がって死んでしまいそうな。 その手を取って、くるくるとステップを踏む。 螺子が外れるまで、歯車が止まるまで、 あなたが人生の絶頂において死を迎えるまで。 「ああ、ゆめのよう」 𑁍 * .゚ 私は感涙さえする彼女の頬へ呪布越しの接吻を贈る。 首に回した腕を引けば、柔らかい首の皮が断ち切れて 忽ち、それが今際の言葉となる。 膂力を失った肉体が足元に転がり、物と化す。 宛ら花のひとつが散るように。 (56) 2022/11/08(Tue) 3:52:30 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス 歌姫として期待されていた魔人の女 劇場の没落により学星院に買われる その最期は甘い声で囀り地に臥した 若くして故郷を失った逞しい獣人の男 庭木の手入れが密かな趣味でもあった 囁いてやれば二重の意味で「果てた」 下流階級家庭の長子だった地人の女 魅了に弱く好意を隠せていなかった 慄いて舞踏と呼べるものでなかった お前たちは記録であり手段に過ぎない。 それも本当に些細な脇役としての。 私はお前たちの価値を否定する。 摂理に反した実験を禁忌の儘にする為に。 (57) 2022/11/08(Tue) 3:52:42 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス[出自も種族も異なる七人のモルモット。 常日頃から魅了性にあてられていながらも 業務を徹底していた彼等でさえ、衝動を孕んでいる。 耐え難きに耐えし日々も全てが無に帰す。 学星院は彼等の生活を、名誉を、意義を焼いたが 今日この日、与えられた地位さえ無意味になった。] ( 滑稽だと思わないか ) ✟ ♱ ✛ ✚ ✞ ✥ ✢ ( 狂ってもなお、私の言葉に操られるなんて ) (58) 2022/11/08(Tue) 3:53:08 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス[血に濡れたナイフを携えたまま、 少年は他に誰も居なくなった大広間を一瞥する。 喉を、頸を掻き切られ血の海に沈む幾つもの屍体。 結界は窓と共に破られ、何もかもが狂い果てた。 それでも仕事はまだ残っている。 最後の仕上げをしなくてはならなかった。] (59) 2022/11/08(Tue) 3:53:26 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス[────同刻、ブランドンは思わず息を飲む。 ・・・・・・・ 名状し難い景色の中、子息が何かを叫んでいる。 魔導レンズの先で唇の動きが見て取れる。] 「 ……よもや、だ。予想していなかった。 それはお前が取る選択では無かった筈。 動機がなければ、効果も不明だ。 これまでになく、度し難い──── 」 (60) 2022/11/08(Tue) 3:53:53 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス[ごう、ごう、と音を立てて炎が立ち昇る。 庭木の白樺から植込みへ、そこから屋敷の壁へ。 枠組に着火した建築物は最早、狂気に飲まれた街では 全焼するのをただ待つだけ。 少年は遠くの空を見る。 黒煙と呪香に霞む、堆き学星院の塔に向かって 返り血を浴びた手を振っている。 もう片方の手に、母親の肖像画を抱えて。 そして口元に巻かれた赤い布を自ら解くと────] (61) 2022/11/08(Tue) 3:54:06 |
【人】 碧き叡智 ヴェレスお前たちは叡智の代償に、教えを破り神を殺した。 罰などないと自らの行いで証明してしまったのだ。 だからこれは一身上の都合による制裁だ。 我々を資金繰りの為の道具として保護するのなら、 そんなものは願い下げだ。 私は私の手で、お前達の全てを台無しにする。 「 僕がやった! 」 嗚呼、だからね──── 本当は神に救いを求めちゃいなかったんだ。 救えるものなら救ってみせろよ。もっと早く。 僕は親殺しで、母は台本の為に殺された。 それ以上でもそれ以下でもないよ。 どんな宗教でも親殺しは重罪だったろう? だから、君らの神様方の裁きが「本当に」降りるなら 僕は地獄に堕ちるだろうね、って。 (62) 2022/11/08(Tue) 3:54:34 |
【人】 碧き叡智 ヴェレスこの歪んだ命でさえも蒐集品だと云うのなら この 苦悩 を証明する権利も手段も無いのなら最早あなた方に遣わせるものなど存在しない。 全て台無しにしてしまいたかった。 学星院に抱いてきた自らの疑念を人々に植え替え、 今日この日まで牙を隠して居続けるには 全ての人に同情される必要があった。 本当の哀しみでなくては意味がなかった。 (63) 2022/11/08(Tue) 3:54:49 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス学星院だけが被害を免れた暴動。 無惨にも襲撃され、使用人が死に絶えた別邸。 最後に見付かる、私の亡骸。 そして早すぎる母の死と、それらを 世間の人々が結び付けるのに時間はかからない。 このまま滅びるか、存続したとしても 立つ瀬を無くすかのどちらでしかないだろう。 私を嫡子だと広めた見栄と建前が仇になったな。 さあ、後は………… 「次はもっと重要なものを奪ってやる」 何もかも壊して己ごと終わらせてしまいたい衝動と 普段通りの明日と少しの平穏を望む想いが 矛盾せず両立するなんて皮肉だね。 父に裏切られた絶望からなる全てへの悪意も、 大切な友人と過ごして与えられる安らぎも 僕にとってはどちらも真実だった。 ……そのどちらも選び取る手段が、 どうして一つしか思い浮かばないんだろう。 (64) 2022/11/08(Tue) 3:55:11 |
【人】 碧き叡智 ヴェレス[再び呪布の結び目をきつく締め直し、 少年は燃え盛る生家を後にする。 肩から提げた普段使いの鞄に入っているのは 彼が副葬品として選んだ品の数々。 父の眼前で果てるまでの片道切符に等しい物資、 母の形見、愛用の写真機、心許ない武器、 ……そして“幸福”或いは“未来”を願った幾つかの写真。 望まない儘に生み出され、地位を着せられた。 そしてこの結末に辿り着くまでに抱いてきた感情は どれだけ歪んでいたとしても真実に変わりなく。*] (65) 2022/11/08(Tue) 3:55:26 |
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