紅柱石 アンドレアスは、メモを貼った。 (a6) 2021/09/29(Wed) 19:53:08 |
【人】 紅柱石 アンドレアス―大通り― [>>44彼はその直前まで笑って旅を満喫していた。 青年は時々無言で何処かへ行ってしまいそうになる彼を追いかけていた。 旅慣れない者は財布の紐が緩みやすい。 彼が無事に帰れるように、見ていてあげなければと思っていた。 そうして、思い出話を肴にまた次を、と約束出来たならどんなに良かったか。 >>45サルハドで別れようと考えていると告げれば、彼は暫く何も言えなかった。] ……あぁ、そうだね……。 [呟くような声に視線を落としたまま、肯く。 王都に渡る旅人は多い。 払い戻しをすればすぐに買い手がつくだろうがそれを口に出来なかった。 もっと早くに言っていれば、楽しい旅に水を差すような事にはならなかったのに。 自分の勝手で、ひどいタイミングで伝えてしまった。 彼が息を吐くのに、肩を震わせる。 呆れられただろうか。 怒られるだろうか。 もう一緒にいられるか、と言われるだろうか。 顔が上げられないまま、青年は拳を握り締めた。] (48) 2021/09/29(Wed) 21:11:05 |
【人】 紅柱石 アンドレアス[>>46けれど、彼はどれでもなかった。 少なくとも、青年に窺える表面上は。] ありがとう……。 [祝わせて欲しい、という言葉に、今度は肯いた。 気にしていない、と青年に伝えて手配所に向かうガラーシャの背中を、ようやく顔を上げて見送って。] ……あぁ、馬鹿だな、私は。 彼よりずっと長生きなのに。 [壁際に寄り掛かると、被った布を引き下げて、呟いた。 これまでは、いつも事前に別れを告げていた。 また来る、とは言わなかったが、元気で、と言って、笑顔で。 彼らはきっと出会った青年が自分と同じように年を重ねていると疑わなかっただろう。 こんなに別れが辛くなる人は初めてだった。] (49) 2021/09/29(Wed) 21:11:37 |
【赤】 紅柱石 アンドレアス……そんな人は大事にしなくてはいけないのに。 [もっと早く出会いたかった。 もっと長く一緒にいられたら。 きっと別れはつらくなるだろうけれど。] (*1) 2021/09/29(Wed) 21:12:05 |
【人】 紅柱石 アンドレアス[とん、と誰かにぶつかって、よろけそうになる。 慌てて謝るのは、同じように布で髪を隠した少女だった。] あぁ、大丈夫。 気にしないで。 君こそ大丈夫? [青年よりも厳重に隠されて色は窺えない。 双眸は美しいターコイズグリーンとバイオレット。 まるで宝石のような。 彼女も何か悟ったようにまじまじと青年の顔を見つめていた。] ……よい旅を。 [互いにそう言って、別れた。 誰が聞いているとも分からない場所で正体を確かめる事はしない。 連れはいないようだったが、彼女の旅が良いものである事を願った。]* (50) 2021/09/29(Wed) 21:13:08 |
【人】 紅柱石 アンドレアス―夜の街― [>>47陽は落ちて、空には星と月が浮かんでいる。 夕方までの営業の店は閉まり、夜に開いている店にはランプの明かりが灯されていた。 市場の方では酒の肴にもなりそうなクイルダクの匂いがする。 シャシリクも昼間ほどではないが、幾らか焼いているのだろう。 それらの混ざった匂いが風に乗って漂っていた。 グラジアと比べれば、此処は暗い。 いつだったかに、ガラーシャが夜が短くなった、と言っていたのを思い出していた。] そうだね。 [空を見上げながら、青年は同意した。 彼の思い出のある砂漠であれば、きっともっと星が見やすいのだろう。] ……そう、だな。 酒場にでも行こうか。 [笑う彼に、青年は考える。 この時間に、ある程度の品数が出るのは酒場だろう。 せめて、彼が楽しめるような場所に連れて行かなければ。 そんな思いから、記憶を手繰って舌鼓を打った店を探した。]* (51) 2021/09/29(Wed) 21:13:45 |
【人】 紅柱石 アンドレアス―酒場― [年季の入った店内にはテーブルが幾つか並び、背凭れのある椅子が並んでいる。 中には既に沢山の客がいた。 それでも二人くらいなら席を譲り合って座る事が出来るだろう。 酔漢達は快く椅子を詰めてテーブルを空けてくれた。] ……何にしようか。 馬乳酒でも飲むかい? 此処はマンティとラグマンが美味しかったよ。 [切符の話をした時よりは幾分か明るい声で彼に希望を聞いてみる。 以前に訪れたのは数十年前。 変わらぬ味であったらいいが。]* (52) 2021/09/29(Wed) 21:14:01 |
【人】 金緑石 アレクシア[サルハドに到着した少女は宿屋に荷物を預け、大通りを歩いていた。 四人部屋になってしまったが、仕方ない。 故郷に帰る為には西のラバン山脈の麓を迂回するか、 北のチャルビ砂漠を抜けてから国境を二つ横断しなくてはならない。 同じ方向へ行く人を探していたが、生憎とまだ見つかっていない。 人に頼めばもう少し早く見つかるだろうが、少女はそれをしなかった。 此処は交通の要衝。 もしかすれば、彼と会えるかもしれない。 まだそんな思いを捨てきれていなかった。 それにしても此処は人が多く、目移りするものが並んでいる。 そんな風に他所見をしていた所為か、>>50誰かにぶつかってしまった。] ……っ、ごめんなさい。 [慌てて謝ると、相手は男性のようだった。 中性な顔立ちにアンバー色の瞳。 オリーブグリーンからアンバーに移り変わる不思議な色合いの髪色。 染めている事も考えられるが、同族であると考える方が自然だった。] (53) 2021/09/29(Wed) 21:31:53 |
【人】 金緑石 アレクシア大丈夫です。 他所見をしていて、本当にごめんなさい。 [まじまじと見ていた事に気付いて、謝罪を重ねる。 少女は金緑石の宝石人間(ジェム)以外をを見た事がなかった。] ……貴方も、良い旅を。 [言ってくれた言葉に同じものを返せば、彼は少しだけ哀しそうな顔をして笑った。 少女は一度頭を下げると、雑踏の中に戻っていく。*] (54) 2021/09/29(Wed) 21:33:39 |
【人】 学生 ガラーシャ― 酒場 ― [どこか行きたいところに、とアンドレアスに伝えると、やはり彼は心当たりがあるのか、あまり迷う様子もなく、路地を進んでいく。 ぽつり、ぽつりと明るい光の灯った家が立ち並ぶ、そのうちの一つに入ると、店内は、外からは窺い知れないくらいの喧騒に包まれていた。 店内はさほど広くない。 しかし、どうやら長年やっている店のようで、地元の人間や、旅行客らしき一団、なんにせよ常連のような少し年上の客が多かった。 アンドレアスが彼らに軽く声を掛けて、席を空けてもらう。>>52 丁度2人座れるくらいの広さが出来た所に、二人で並んで腰かけた。 彼のおすすめを聞けば、うむ、と悩む。] 僕、馬乳酒って、飲んだことない…ですよ。 ジュースみたいな、ものです…か? …誰か、飲んでる人、いま、す? [アンドレアスにぐっと顔を近づけて、囁いた。 あの人のあれ、などと目で示されれば、それとなく店内を眺めまわしながら物を特定していった。] (56) 2021/09/29(Wed) 23:50:44 |
【人】 学生 ガラーシャマンティ… あ、あの人が食べてる奴、ですか。 あれ、いいですね。 ラグマン、は… あー、普通に、つまみにも、なりそう… [と、店内をきょろきょろしていれば、ついさっきまで結構食べていたにもかかわらず、大分お腹が空いてくる。 思わずじゃあ全部、そしてビール、と言いそうになり、首を振った。] いや、いや…! この飲みは、アンディさんの、旅出を祝う、会ですよ。 アンディさんが好きなの、頼んでくださ…い。 (57) 2021/09/29(Wed) 23:53:24 |
【人】 学生 ガラーシャ[辺りがそれなりに煩いため、顔を近くするなり大き目の声を出すなりしないと隣ですら良く聞こえない。 自分にしては大きな声を上げつつ、隣を見ると、彼の表情がどこか…彼が別れを告げた時より、どこか明るくなっているのがわかった。 思わず小さく微笑んで、彼に言った] 良かっ…た。 すいません、自分も、ちゃんと、昼間は祝えなかった…から。 その…驚いて、しまって。 でも、ちゃんと、お祝いします。 だから、アンディさんも、笑っていてください。 さあ、アンディさん、飲みたいもの、食べたいもの、全部頼んでくださ…い! 乾杯しましょ…う。 [自分はとりあえずビールを頼む。 飲み物が先に来れば、まずは彼と乾杯を交わしただろう。] (58) 2021/09/29(Wed) 23:54:05 |
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