【秘】 がらんどう ゲイザー → ENo.9 有葉理人 ルヴァ「そうです。元の世界にいてもどうしようもありませんから。あっちにいても意味などありません。生きる意味を失ってしまいましたもの」 ため息をついたのも束の間。怪訝そうに眉根を寄せる。 「……ここから出るのに、現実には帰らない……?」 嫌な予感がする。 「……ルヴァさん。貴方の話を聞かせてもらってもいいですか?死んだ後約束していたでしょう。話を聞くって。私もつまらないものでいいなら話しますから。 ……勿論、他人に喋りづらい事なら無理にとは言いませんけど」 (-29) 2021/04/30(Fri) 4:28:06 |
【人】 贄の羊 アンタレス音が鳴り、空を見上げる。 時間が来たと察すると裏口からギルドの中へと。 大切に想っていた家族の顔を最後に暫し見つめ、自室へと入って行った。 再びこの扉を開ける時は全てがリセットされて自分は今日までのアンタレスではなくなるのだろう。 ベッドへ横たわって目を閉じ、 ……さよなら と小さく自分と世界に別れを告げて静かに意識を手放した。 (31) 2021/04/30(Fri) 4:49:25 |
【秘】 ENo.9 有葉理人 ルヴァ → がらんどう ゲイザー「現実に幸せ、なかった。 俺の大事な人はもう死んでて、俺は何もできなかった。 かと言って、ここに残るのも虚無だなってね」 不自然でない自嘲を浮かべた。態度や口調に大きな差異はないものの、現在のルヴァはあなたに対して人間らしい反応を返す。 「全部思い出したよ。 俺、あの時『幸せだ』『好きだ』って確かに言った。 これが削除されていた言葉。 この世界に残るなら、また忘れてこれまでどおり自我のない気分屋続けるんだ。 だったらもう、今ここで終わろうと思う。」 そう言って、ポケットから白磁の小瓶を取り出した。 「ゲイザーちゃんは、どうして帰りたくないの?」 (-30) 2021/04/30(Fri) 5:19:08 |
【秘】 がらんどう ゲイザー → ENo.9 有葉理人 ルヴァ「今、ここで」 くらりと眩暈がする。鈍器で頭を殴られたかのよう。『ゲイザー』として死を迎えるまで休む暇さえ与えられずに殴り蹴られて壊されていたのに、それすらも軽いとさえ思ってしまいそうな程の衝撃。 『好き』や『幸せ』を聞いていたその時までは、確かに胸の内に温かさが芽生えていたのに。 自身のことを質問されたので先に答える。声は震えていないだろうか。 「……。私、いえ、 俺は。 現実世界でもお父さんに恋をしていたんです。家族構成は『私』と同じ。お母さんを早くに亡くして、二人暮らし。大きく違ったのは"父が大病を患っていた事"。 手を尽くしましたよ。でも具合が悪くなる一方。ですから、父は薄くなる意識の中で俺にこう言った。『もう楽になりたい』『お前に迷惑はかけられない』と。 想いを告げるどころじゃなかった。父としても大切だったあの人を助けたかった。 でも久しぶりに聞いた声で告げられた内容で頭が真っ白になっちゃって。投薬をやめる方向に切り替えました」 → (-33) 2021/04/30(Fri) 6:22:45 |
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