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【人】 生贄 セレン[ 廊下を進めば独りの空気は冷たく痺れるようで、 古城を歩く不安を和らげてくれる狼に近付きながら。 アッシュグレーの毛並みにそっと触れる。 人ではない体毛の感触が伝われば滲むのは安堵で、 誰も居ない場所での孤独を癒やされ、緩く微笑んで。 階段を降りて暫し、茫と周囲を見渡した。 道標の言葉を直ぐに忘れるほど愚図ではなく、 けれど浴室の右手に向かうでなく足は階段の奥の扉へ。 燭台の光を頼りに歩けば突き当りに扉があった。 窓を見れば薔薇の庭園が目に入り、 重い扉を両手で押し開いて薔薇の茂みへと近寄って。 夜気は身を苛み、痛い程だったけれど、 今はこの一輪を得る欲のまま無防備に摘み取れば。 棘に指が触れたか鈍く走る痛みに無感動に首を傾げ、 紅い血が一筋流れる落ちる前に、その指を舐める ] (684) 2019/04/11(Thu) 22:54:18 |
【人】 生贄 セレン……美味しいのかな [ 血を糧とする夜の怪物のお気に召す血なのだろうか。 無垢であれと村では知識だけしか詰め込まれておらず、 舐める仕草も稚いまま、薔薇をもう一輪摘み、息を吐く。 ───味はしなかった、けれど温かい。 感動も嫌悪もなく鮮血の感想はたったそれだけ。 故に興味も薄く、紅い薔薇の香りに促されて身を翻す。 そうだ、まだ、やることがある。 湯殿で身体を清めて、それから。 主の元へ向かって何かを話そうか、それとも何かをするか、 出来ることと言えば細やかなことでしかないのだけれど ] (685) 2019/04/11(Thu) 22:56:39 |
【人】 生贄 セレン[ 狼は必要以上に近寄らずに視線だけを向けていて、 だからこそ勝手に近づき、また首筋を撫でてから。 伴い向かうのは今度こそ湯殿だった。 ひとりしか住まわない──その時時に子供がいても、 主ひとりきりの城にしては広い場所に双眸を見開いて。 天窓を透して零れ入る、静謐とした夜の光。 その真中で濡れないように上着を脱いで籠に入れ、 身体に巻き付いている絹の布も無造作に剥ぎ取った。 見下ろせば白い肌の靭やかな身体がある。 輿入でもするかのように磨かれた肌は月光に浮かび、 羽織ものがあれば女と見紛うにも理解し苦笑する。 大人の都合で飾られる価値観を、 自ら脱ぎ捨てるには未だ抵抗感はあった。 これだって自分に付随した価値だと思えば尚更に、 けれど、それを主が望まないのならば意味のないことで ] (686) 2019/04/11(Thu) 22:58:10 |
【人】 生贄 セレンおいで [ 狼を手招いて、浴槽に座って湯を流す。 薔薇の1輪だけを浴槽に散らして匂いを馴染ませて、 そこに身を浸せば花の香は薔薇と差し替わるだろう。 後はゆっくり浸かるだけだ。 他人に色付けられた古い価値観を脱ぎ捨て洗い流し、 役に立つと決めた相手のためだけに自らに色彩を足す。 滑るように浴槽に身を沈め、 腕だけを伸ばして狼を撫でる指はゆるりと。 滴る湯水を嫌うならなるべく濡らさないように、 狼の瞳をじっと覗き込み、問いかける ] (687) 2019/04/11(Thu) 23:00:38 |
【人】 氷炎の剣士 フリーレ─カフェ リコリス─ [本当に”べつにぃ”という声音では無かった。>>668 深く追求をしなかったのは 別のそう喧嘩を売られたような気配>>584 視線を向けても交わらなかったので流した──が。] おまえ、ぼくのこと何だと思ってんだよ [むすっと機嫌を急降下させた。 いつもより声を潜めたのは 店内に似つかわしくない…気がしたから。 元々、北の大国のスラム産まれ 文字はいまだに読めない。 元々読めないが、馴染んだ造型ではあったか。] (688) 2019/04/11(Thu) 23:00:57 |
【人】 氷炎の剣士 フリーレ早く決めろよー。 [腹ぺこぺこだ、と告げて足を揺らす。 店内には聞き覚えのない歌の無い音楽が流れているようで カウンター席の男女3人は連れだろうか? 実際は違うがフリーレがそれを知る術はない。 似たような不思議な格好をしていた。] ん? [何となく。何となく。>>681 かすかに”伝わったもの”は何だろうか。 敢えてあらわすなら”懐かしさ” でも深く深く沈んで掬い取れなかった、もの。 普段よりおとなしい気がして調子が狂う。 店員の前だからだろうか。この悪魔が? 然れどフリーレは、黙して、肉を待つ事にした。] (689) 2019/04/11(Thu) 23:00:59 |
【秘】 氷炎の剣士 フリーレ → 青星 ロキ( だって、ぼくがおまえの立場なら おそらくそれは曝かれたくないものだ。 懐かしい故郷は 火 に沈んだ思い出すのはいつも降る 雪 灰色の空 固い パン に運のよい時だけヤギの ミルク ) (-268) 2019/04/11(Thu) 23:01:02 |
【秘】 氷炎の剣士 フリーレ → 青星 ロキ( この悪魔が… 悪魔になる前の少年が 自分の世界を火の海と化したのは… 何となく伝わってきていて ぼくは勝手で一方的な共感を覚えていた ) [ ああ。そうだと思い込んでいる ] ( だからどうしたって 聞けやしないことが あった ) ─…ぼくに同情したのか、なんて聞いたってどうしようもない (-269) 2019/04/11(Thu) 23:01:05 |
【人】 氷炎の剣士 フリーレ[ ─ひよこ豆のスープとはどんなのだろう? 好奇心に駆られていたフリーレだが オレンジジュースとチキングリルセットが届く>>599] お、なんか…すごい [何だろう。王侯貴族が食べるような食事だ。 いや、たまに街を救ってパーティーを催されたけど。 いつも視線が気になって碌に食べたことがなかった。 カトラリーのナイフとフォーク フリーレが知らない焼き野菜は香ばしい匂いがした。 ボリュームたっぷりで食欲そそられた。 これは…払えるのだろうか? ふと過ぎった疑問はさておき 恐らく程無くしてひよこ豆のスープも運ばれた。 暖かいタオルに関しては持ち帰りのオマケだろうか。 育ちの悪さを露呈させていた。] (690) 2019/04/11(Thu) 23:01:07 |
【人】 氷炎の剣士 フリーレこれってこれと、これで 切り分けるんだよな……? [声をひそめて尋ねた。 ここらではごく一般的な事かも知れない。 使い方も見たことはある。 上質な鶏肉にフォークをブッ刺して ナイフを引くけど切れなかった。 ギギギ…鉄板からそんな音がしてきそうな程力を込める。 なお、カウンターの会話は聞こえていないが。 世界基準では18才は成人である! (691) 2019/04/11(Thu) 23:01:09 |
【人】 巨人のアヴェンジャー クガネ[身体が浮かばなかった時は、それはもう焦った 実際は己のモリモリマッチョマンスタイルも多少影響してるらしく いや、それを加えて尚、着水した瞬間に 息止め身体すら強張らせたのが敗因か ……シロさんを困らせたくない されど、人一倍責任を感じやすいシロさんに対しては>>664 最初から例え微かな不安でも伝えるのが正解だったのだ。 強がりでまた失敗した己が深く反省したのも当然であり。 故に、申し訳なさが後の土下座ムーブに繋がったり>>665] 本当か!? ありがとうシロさん!! [了承を得られ、ぱぁと花開く笑みを浮かべる。 ーーそして、自分が今やらかしてることを 恥ずかしそうに告げられれば 己も漸く周りに気づき、顔を僅かに赤くしながらそそくさと移動したか] (694) 2019/04/11(Thu) 23:03:46 |
【人】 巨人のアヴェンジャー クガネ……わかった オレ、ガンバル [先の先で緊張しっぱなしである。 精神年齢的には適正である子どもプールにて、 シロさんの隣でプールレッスンだ。 水に顔をつけることはすんなり出来るかもしれない。 だが、そこから先が本番。浮くことから始めなければならず、 これは下手をすると今日一日が潰れてしまうかもしれない、と。 ーーそんな時。ふと、思いつく] (695) 2019/04/11(Thu) 23:05:23 |
【人】 巨人のアヴェンジャー クガネなァなァ、シロさん [ビート板片手にそっと屈んで耳打ち] 後で上手く泳げたら、なんかご褒美くれないか? ……その代わり、教えてくれたお礼に オレも"何でも"シロさんのお願いを叶えるからさ [な、良いだろ? 良いことを思いついたとばかりに笑む子どもに、 おそらく他意はない。 ど天然の本領発揮である **] (696) 2019/04/11(Thu) 23:06:24 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス ―傍白― [ お腹が空いたわ 憤慨する男は首を傾げた。 その様子に少女はまた地団駄を踏んだ。 人の子は食べないと死んじゃうの そうなのか。 初めて知ったとの様子に少女は頷く。 だから早く用意してちょうだい これではどちらが主人なのやら。 男は言われるままに用意した ] (697) 2019/04/11(Thu) 23:28:58 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ しかし初めてでうまくいくはずもなく、 結局二人で分かち合ったのは林檎一つ。 これはこれで美味しからいいわ お気に召した彼女に男は笑う。 でもあなたは普段血を吸うのよね 男は曖昧に表情を崩した。 いいの。最近吸っていないじゃない 男はたった一度だけ頷く。 薔薇の精気だけで生きていける?本当に? 男は口角を上げたまま微笑んだ ] (698) 2019/04/11(Thu) 23:29:54 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ そんな莫迦げた伝承を信じた愚か者はだれ 喉の渇きと飢え。 それらから目を背けた代償。 だが、あの日々は男にとって―― ] (700) 2019/04/11(Thu) 23:30:57 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ あの赤い薔薇も燃やしてしまおう。 手にかけようとした時、遡る記憶。 私、この花が好きだわ たった一言で伸びた手を下ろした。 人の言葉は、よくも悪くも他人に影響を及ぼす。 それはまるで呪いのように染み渡る。 名前ひとつですら簡単に縛ってしまう。 毎日呼び合っている度にきっと、まともではなくなっていた ] (701) 2019/04/11(Thu) 23:31:21 |
【人】 生贄 セレン[ 暖かい湯に浸ること幾分。 その間に流れたもの寂しいピアノは届かずに、 思いを馳せるのもきっと陽と宵闇ほどの差があった。 狼に話しかけるのは過去の疵で、 人ではない獣だからこそ無感動に痛みを綴る。 孤独の毒を。希望の猛毒を。絶望の甘さを。 諦めの囀りが心地よく、そう生きてたことを。 顔立ちだけは悪くなかったせいで、 幾度か生贄に決まる前は襲われることもあった。 花街に売られなかったのは、疎まれた目のおかげだ。 陽に弱くまともに陽射しを見れない灰は、 月に輝くのを見咎められ化け物だとも詰られた ] (702) 2019/04/11(Thu) 23:31:24 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス[ あなたの優しさが、あなたの寛容さが、 あなたの偉大さが、罪であり、罰なのだ。 ねぇ、 神様が、世界が、時間が、 私達の大切なものを奪っていくのだとするなら 私はきっと奪われる前に殺すわ。 だから安心しないで。怖がらないで。 私はきっとあなたの事が好きだから。 だから、ね――……? 男を殺したのは彼女達で あなたを殺したのは他でもない私達で 私は今日も誰かを殺す。 あなたは今日も誰かを殺す。 あなたが望んでいてもいなくとも、 私が望んでも、望まなくとも、だ。 言葉というのは、まるで呪いだ ]* (703) 2019/04/11(Thu) 23:32:03 |
【人】 古城の吸血鬼 ニクス ―現在:男の部屋― [ 結局庭園の花は今も咲き誇っている>>684 観るだけに留めているから棘の処理は甘く 白い指に血を浮かせているとは知らぬまま>>685 血を吸っても尚赤い薔薇は熟れており、 その度に苦々しい記憶を思い出す。 男はベッドに飾られた赤薔薇を見つめる。 そろそろ新しい物を用意する必要がありそうだ。 ついた膝を床から離せば立ち上がった。 隠し部屋を抜ける際、もう一度振り返る。 一瞥に留めて、自室へと戻った。 寝台に眠るのは白いドレスを見に纏った白骨死体だけ ]* (706) 2019/04/11(Thu) 23:32:50 |
【人】 生贄 セレン[ 願えば、伝わるのだろうか。 ならば独言のように語り聞かせた疵も、 明け透けに伝わってしまったのだろうか。 狼の瞳を覗き込むも静かで変化はなく、 暫し迷って、部屋に行かせてくださいと囁いた。 足を向けて貰うほどの用事ではない。 寧ろ、側にいたいのは己なのだから行くのが当然だろう ] (707) 2019/04/11(Thu) 23:35:09 |
【人】 生贄 セレン[ 伝えてしまえば行動は早かった。 どうやってこの城を維持しているのか不思議だけれど、 指先まで温まった湯を出て、バスタオルに包まれる。 湯気香る身体は仄かに薔薇の香りが漂って、 それこそ、村で施された生贄化粧よりも甘やかで。 それを意図せず水滴を拭いバスローブに身を包むと、 主の上着をまた羽織り、裸足のまま浴室を後にする。 目指すは厨房、湯を沸かして、紅茶を一客。 道具は奴隷であったころに使い方を憶えているから、 あとは薔薇の花弁を洗って紅茶に浮かべるだけ。 慣れない場所に少しは戸惑ったものの、 黄金の一滴まで理解したそれを両手で抱え、 足は急いで彼の部屋へ── 扉をいきなり開く不躾はせず、 とんとんと叩いて、様子を待った ]* (708) 2019/04/11(Thu) 23:36:48 |
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