【人】 「邪毒」 スカリオーネ[男の生活は貧相なものだ。 店をやるのにも薬代やら何やらかかるのに収入は先の通り。 矜持のために意地でも格を下げることなく上に戻るために必要な要素を何一つ見たせないままに燻った生活をしている。 故に男は今日もパンの耳を食んでいたところに>>26予約してない客がやってきた] この野郎。当店は予約優先でございますれば。 他のお客のご迷惑になりますからお帰りください。 [他の客は影も形もない上に店主は食事中ですらある] 前にも言ったよな? お客のプライベートな時間だから見せないって。 俺は何度言えば良いんだ? [さらに言えば本日の予約もないので見せられることは何もない、本当に何も。 男は言い終えるとパンの耳の残りを口に放り込みとてつもなく黒い珈琲を口に含み苦さに怖い顔を浮かべた**] (56) 2022/11/21(Mon) 18:33:41 |
【人】 踊子 リリー[ やり取りは、左程長いものでもなかった。 ただ、人と話すという行為を経るだけでも 抱えていた緊張は少しばかり解れていって。 その背を見送る時にはきっと、 血色を取り戻した頬を緩ませて見送ることだろう。 ] ご親切に、ありがとうございました。 ──貴方にとって、良いフェスになりますように。 [ そんな言葉も添えながら。* ] (58) 2022/11/21(Mon) 18:37:07 |
【人】 踊子 リリー[ 曰く。 ──彼の庇護下に抱えられるということは この街での成功≠ノ他ならない、と。 美を売り物にする者が、 喉から手が出る程に求め欲する、パトロン。 ] …………はい。 仰る通り、踊子のリリーで間違いありません。 探し物──ですか? [ 女が動けば、桃色と星空の髪が揺れ。 向けた瞳にも──よく見れば星が散っている。 有力者との会話というものに慣れぬ女は、 先とは別種の緊張を纏い、続く言葉を待った。 ] (60) 2022/11/21(Mon) 18:37:22 |
【人】 踊子 リリー[ そして。 継続した庇護や固定のパトロンというものを 未だ持ったことがない女には、 それだけで心臓が跳ねるような言葉が紡がれる。>>31 ] ……見て頂いたことがあるなんて、光栄です。 私で良ければ、お伺いを。 [ けれども、それを表に出すことはしないまま 柔らかに微笑んで女は言葉を返した。 この街で絶対的意味を持つ、其々の美。 ──女が武器とする美に、 権力や名声、庇護への媚びは不純物だ。 まさか彼が文字通り、物を探している訳ではあるまい。 予想立てを頭の中で組みながら 女は首元のリボンをふわりと揺らした。* ] (61) 2022/11/21(Mon) 18:37:26 |
【人】 大富豪 シメオン─ Bar passion ─ [それは怒りだろうか、それとも焦りか。 女の中に眠る激情が、情動が、荒れ狂う風となって男を襲う。音が音を超えて耳の奥へと響き渡る。] ……足りぬ…… [小さく呟かれた言葉。 ただしその『音』は女の奏でる音に絡みつく様に、もしくは隙間を縫うようにして女の耳に確かに届く。 その情念も情動も、叩きつけられる音の何もかもが女そのものである様に感じられて、だが故にその音はそれでしか無い。] (62) 2022/11/21(Mon) 19:12:44 |
【秘】 大富豪 シメオン → 奏者 イルムヒルト[男が見つめる。 女を確かにその視界に入れて。 値踏みする目では無い。 それは、獲物の隙を窺う狩人の目だ。 その 音 は確かに男の首元に食らいつき引き裂いた。だが男の首は落ちない。 引き裂かれた喉から滴るものは 命の音 ではなかった。] (-24) 2022/11/21(Mon) 19:13:13 |
【人】 大富豪 シメオン[それは確かに素晴らしい一音であった。] だが……まだまだだ。 [何かが足りない。 技術では無い、それは未だ伸び代があるのは確かだ。 楽器の質でも無い、それが超一流とは呼べないのも確かだ。 ではそれは何か。 何が彼女の『美』を未完成のままにしているのか。] (63) 2022/11/21(Mon) 19:14:13 |
【秘】 大富豪 シメオン → 奏者 イルムヒルト[男は目に力を込めた。 それは文字通り瞬きの間に女の首元へ刃として叩きつけられる。 その一瞬はは星のきらめきの如く。 それは確かに『美』と呼べる刹那の閃光だった。] (-25) 2022/11/21(Mon) 19:15:30 |
【人】 大富豪 シメオン[男は穏やかな雰囲気のまま女の演奏に耳を傾けていた。 リクエストなどはしない。 ただ女の奏でる音を聞いている。 穏やかな波間。 柔らかな木漏れ日。 情景が浮かぶ。 その演奏技術は確かなものだった。 歌姫を歌姫にしたのも、舞姫を舞姫にしたのも彼女の音なのかもしれない。 素晴らしい演奏と、それはわかっていたこと。 だが、『美』としては未だ未完成のまま。 男にはそう感じられた。*] (64) 2022/11/21(Mon) 19:16:22 |
【秘】 踊子 リリー → 「怪人」 ファントム…………無粋な方。 でも、そうですね。 ―― いつかは、そうなるかもしれませんね。 [ 煙に巻くような。 けれど全てを否定しない、そんな口調で。 ] (-26) 2022/11/21(Mon) 19:18:16 |
【人】 踊子 リリー[ が、意味あるものばかりが美しいとは限らない。 ──彼の歌劇はその類だ。 言葉が伝わらなくとも、人に爪痕を残す。 いつか誰かに聞いた昔の話、 ラ・コスタで人気を博した著名な歌劇の名手── 過去の存在、実際見聞きもしたこともない、 そんな人物を想起させるくらいには。 演目は滞りなく進んでいく。 軽やかにステージを降りる彼を拍手とともに見つめ、 くす、と微笑んだ。 ] (67) 2022/11/21(Mon) 19:18:22 |
【秘】 踊子 リリー → 「怪人」 ファントム≠フ美しさは、ご存知? [ 他の客からの歓声にも紛れてしまえば、 きっと女の言葉は、完全には聞こえない。 ] (-27) 2022/11/21(Mon) 19:18:28 |
【人】 踊子 リリー[ ドアを開けた音もしないのに、 気付けば青年の姿は拍手の波に雲隠れ。 一度の邂逅で、随分と印象的な彼のことを 女はきっと忘れることはないだろう。* ] (68) 2022/11/21(Mon) 19:18:31 |
踊子 リリーは、メモを貼った。 (a15) 2022/11/21(Mon) 19:20:27 |
「怪人」 ファントムは、メモを貼った。 (a16) 2022/11/21(Mon) 19:29:35 |
【秘】 奏者 イルムヒルト → 大富豪 シメオン[隙を伺うような眼差しは確かにもののふの 或いは狩人の目であった ――その眼差しに黄昏を向けて 女は喉元に音を食らわせるものの 零れた音もまた、確かに女のざらつく部分を撫でてゆく それは。突如の一閃に 奏でる手は留まることはなけれども 演奏の合間に零さぬ吐息1つが唇から漏れて それは感嘆。 その狂おしい程の執着の1つの果てを 間近で見たことによる、ざらつく何かへ刺さる疼き 嗚、このように研ぎ澄まされたものも1つの解 それがあなたの、美であるならば 私の答えは、何であろう] (-28) 2022/11/21(Mon) 19:30:05 |
【秘】 奏者 イルムヒルト → 大富豪 シメオン[きっと、私は未だ知らぬのだろう こうありたいはあれども、それに至るまでの過程を 執着も、情動も、情念も ――心と体を己自身が震わせる体験が 経験が、なかったが故に 未だ完成されぬ”美”は 今のままでは審美眼の肥えた男の耳にもまた 正しく、完成されぬように映るであろう それはどこか口惜しく ] (-29) 2022/11/21(Mon) 19:31:04 |
【人】 奏者 イルムヒルト[情景を奏でるリュートの旋律は無聊の慰めにはなれども 己自身の美としては未完成。 それは自分が誰よりも、理解している 置かれた金貨分の価値。それは今の私にあるのだろうか それに贖うに相応しきはどうすればと 暗中模索は、未だ。 爪弾く音には一切それは現れねども 憂う眼差しに、だけは*] (70) 2022/11/21(Mon) 19:31:25 |
【人】 奏者 イルムヒルト― 怪人との邂逅後:踊り子の娘と ― リリー。 [あの怪人がリリーへと何か声をかけ そして歌を奏でて姿を消したそのあとに 演奏を終え、私は彼女に声をかける いつも私の演奏を買ってくれてか 縁が重なる際には依頼をしてくれる彼女が 常とは少しだけ、違うように見えたのもあって 声をかけた貴女の心に 確かにあの怪人は爪痕を残したのでしょう>>67 何時も神秘的な中に花開く美しさを見せる貴女は あの青年が唄った前後で、どこか雰囲気が違うよう] 今日も素敵だったわ。 ……でも、そうね。 今日はどこか、普段よりも 楽しそうね。 [と、声をかけて談笑する程度には 貴女のことを親しく思っている、私で。 そしてこの娘の”美”の成功を祈る1人でも、ありました。*] (71) 2022/11/21(Mon) 19:37:58 |
【人】 大富豪 シメオン─ 中央広場 ─ 素晴らしい踊りだった。 踊りはどこで習ったのかな? [男の声は柔らかく優しい色であった。 それは雑踏の中でも女の耳によく届いた。 好々爺然としながらもその立ち姿には貫禄というものが備わっている。] しかし、女神に捧げる『美』には些か…… [「足りない」という言葉はあえて紡がれなかった。 それを口にする必要もない、男にとってそれは明らかなことだった。] (72) 2022/11/21(Mon) 19:40:23 |
【人】 大富豪 シメオンどうだろうか。 私に手助けをさせて貰えないだろうか。 [この街では誰しもが修練や研鑽を惜しまない。 だけどそれだけでは届かないのが現実だった。 どれだけ努力を積み上げても足りない届かないもの。] もしも君が自分の可能性を信じているのなら。 私と契約を交わそう。 [男は女に向けて手を差し出した。] (73) 2022/11/21(Mon) 19:40:42 |
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