【人】 III『女帝』 シャルレーヌ「皆に幸多からんことを。」 [ 幼い頃からずっと 当たり前のように口にしてきた祈り。 証持ちの私を、 「聖女」と崇めて大事にしてくれる村の人たち。 彼らが末永く幸せであってほしい、 と思う気持ちは本当。] (53) 2022/12/11(Sun) 4:43:14 |
【人】 III『女帝』 シャルレーヌ[ でも、洋館にいる間だけは、 あまり考えないでいることを許してほしい。 ううん、本当は洋館にいない時でも、きっと。] (54) 2022/12/11(Sun) 4:43:50 |
【人】 III『女帝』 シャルレーヌ── 洋館の片隅にて [ 遠くに聞こえる少女>>0:@0のはしゃぐ声で目が覚めた。いつのまに眠ってしまっていたのだろう? チェレスタ>>0:42の呼びかけに「素敵ね」と 張り切って手を上げて賛同したものの、 歌はあまり上手くない…ので コソ練をしていたのだ。 彼女が戻ってきたら指導してもらおう。 喉をいためないように、と、 瓶から橙のドロップを取り出して、口に放り込む。 ふんわりと甘い味が広がった。 自分自身、1週間後のお祝いを楽しみにしているからだろう。] (55) 2022/12/11(Sun) 4:46:29 |
【人】 III『女帝』 シャルレーヌ[ 個人的に用意した贈り物は、手作りの黒猫のぬいぐるみ。 首輪の代わりに赤いリボンを付けている。] ネコ…とわかってくれるかな? [ 最初はウサギを作ろうと思ったけれど、断念したのだ。ウサギの方がわかりやすかったかな? でも、あの特徴的な耳を上手に作る自信がなくて…。 自然と漏れるため息。だめね、一人でいると、つい出ちゃう。] (56) 2022/12/11(Sun) 4:47:29 |
【人】 III『女帝』 シャルレーヌ[ もうすぐ6歳になるアリス。 あの頃の自分が欲しかったモノ、と考えると。] 友だち。 [ 自分を特別視せずに接してくれる、年の近い友人。 ここにいれば、年は近くないけれど、 同じ証持ちの…仲間がいるけれど、 ずっと側にいてくれる友だち…、 いや、このネコのような何かを彼女がずっと側に置いてくれるかわからないけれど。] (57) 2022/12/11(Sun) 4:48:22 |
【人】 III『女帝』 シャルレーヌ[ ありのままを受け入れてくれる、大事な、人。 側にいると安心する、場所。 彼女にもそんな人が現れたらいいな。 彼女にとってここがそんな場所であったら、と。 私がそんな人の一人になれていたらいいな。] …そろそろ行こう。 [ 洋館にいる間、毎日必ず顔をだすあの場所へ。] (58) 2022/12/11(Sun) 4:49:20 |
【人】 III『女帝』 シャルレーヌ[ あなたは覚えているでしょうか? はじめて会った日のことを。 自分と同じ「証持ち」がいる場所だと言われ、 連れてこられた洋館で あなたと引き合わされた時、 涙が後からあふれだして、止まらなくって。 自分でもわけがわからなかったけれど、 あなたはもっと困ったでしょうね。 恥ずかしいから忘れていてほしい。 私はずっと忘れないけれど。] (59) 2022/12/11(Sun) 4:50:45 |
【人】 III『女帝』 シャルレーヌ──売店 フォルー。フォルー、いますか? [ ひょいとお店の中を覗き込めば、いつものように出迎えてくれただろうか。 もし店長が不在でも、ちゃっかりと会計場にある自分専用の椅子に腰掛けて、彼あるいはお客さんが来るのをのんびりと待つ。 彼あるいは店番をしている誰かさんがいれば、遊びに来たの、といつものように微笑んで**] (60) 2022/12/11(Sun) 4:51:52 |
III『女帝』 シャルレーヌは、メモを貼った。 (a10) 2022/12/11(Sun) 5:00:02 |
【独】 III『女帝』 シャルレーヌ/* すごい時間に!と言われてしまいそうですが、 夕方寝てるんで大丈夫です。 というかこれから寝ます。 楽しみにしてたタロット村。 ゆったり参加できそうなので嬉しいです。 よろしくお願いします! (-10) 2022/12/11(Sun) 5:03:29 |
【人】 ]『運命の輪』 クロ―三年前― うぅ……あぁ……うわぁあぁん…… [悲しいことがあったんだ。 とてもとても、悲しくて、僕は一人で泣いていたんだ。 目が痛くなっても涙は止まらなくて、森の中で一人、隠れるように。 そうして泣いている僕に、声をかけてくれたのが君だったんだ。] (61) 2022/12/11(Sun) 5:24:55 |
【人】 ]『運命の輪』 クロ僕は、クロって言います! よろしくお願いします! 僕はね、黒い羊なんだよー。 [洋館に着く頃にはすっかり元気になった「運命の輪」は、無邪気に挨拶をしていた。証持ちという「仲間」たちと会うことに、内心ドキドキしながらも。 黒い羊とは、かなり低い確率で生まれてくる突然変異の羊である。その珍しさから、滅多に生まれぬ証持ちになぞらえて村でそう呼ばれていたのだという。農業と酪農がメインの村であるが、クロの家では羊が飼われていたから、という理由もあったらしい。 笑顔のクロであったが、ただ一人。 「節制」を目にした時、心臓が跳ねるような気がして、呆気にとられたように、表情が消えてしまったのだ。*] (62) 2022/12/11(Sun) 5:27:41 |
【独】 ]『運命の輪』 クロ (-11) 2022/12/11(Sun) 5:29:02 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ[その少年は、北東の果ての古い村に生を受けた。 生まれながらにしてくっきりと、右の足首に痣を持っていた。 古い村の民というのは、互いの仲間意識が強く、生活においても自然と協力しあう。 そうした体制に慣れている彼らは、自身と仲間を守るため、少年を両親ごと、すっかり村の輪から追いやってしまった。 少年は一歩歩けば忌み子だ、悪魔の子だ、神の過ちだと口々に言われ続けて育った。] (64) 2022/12/11(Sun) 5:40:32 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ[けれど、その少年は信じていた。 洋館の仕組みさえ伝わっていないような村で、それでもひとり、いつか神様の使いが迎えに来てくれるのだとひたすらに信じていた。 教会の教えに残ってもいないのに、証の子は神に愛されているのだと、だからいつか神様が見つけてくれるのだと言っていた。 つらく苦しい身の上から逃げたい一心の思い込みがそうさせるのか、魂に刻まれた記憶がそう思わせるのか、少年にはわからない。 どちらでも構わなかった。 自身が神に愛されているのであれば。] (65) 2022/12/11(Sun) 5:41:03 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ[ 少年が十を迎えてから少ししたある日、家を出た両親はそのまま戻らなかった。 ]彼らはもう限界だった。 村の人々に祝福され、出産の無事を願われ、これから人生の一番幸福な時を迎えるのだと胸膨らませていたというのに。 その子供に証が刻まれていたが故に、仕事をしても金は満足にもらえず、口さがない言葉とともに石を投げられる。 薄いスープで腹を誤魔化して、ぼろの毛布に身を包んで眠る。 それを十年続けても、神の寵愛を信じて朗らかに笑い祈り信じ続ける息子が何より恐ろしかったのだ。 子ももう十だ。自分の世話くらいは自分でできよう。村人も鬼じゃない。子供を見殺しにまではしないだろう。 そう自分らの胸に言い聞かせ、両親は何処かへ逃げ出してしまった。 (67) 2022/12/11(Sun) 5:47:13 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ[ 少年はたったひとり家の中で立ち尽くした。 ]それでも、神様が迎えにいらっしゃる日までは生き延びなくてはならない。 幸いにして海が近かった。塩と水だけは豊富に手に入る環境だった。 海水をすすり、木の根や実をかじり、時折誰だかが置いていった家の裏に落ちている腐りかけのパンを食べて生きつないだ。 腹を壊し熱を出しても、涙は見せなかった。 そこに不安も孤独もなかった。 自身が神に愛されているのであれば。 (68) 2022/12/11(Sun) 5:47:51 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ[あれから季節が四度巡り、五度目。 小虫のわいたあばら家に、ひとりの使者がやってきた。 出迎える、どうにか生きつないだというだけの少年は、身体は痩せぎす、肉などほとんどこけてしまって、服はぼろぼろでひどく臭った。 それでも洋館から来たという青年に、ああついに待ち望んでいた日が来たのだと、神様は僕を見ていてくださったのだと、心からの幸福を目に浮かべ笑った。 ためらいなどない。何を憂う必要もない。 自身が神に愛されているのであれば。] (70) 2022/12/11(Sun) 5:48:38 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ[少年の名はユグと言った。せめて加護ぞあれと、月桂樹から取られた名だった。 だが呼ぶ人もいなくなって久しい。 なにせ自身を人とも思わぬ村人たちには証持ち、悪魔の子とだけ呼ばれ、怯えながらも震えた声でその名を繰り返してくれた両親は、とうの昔に戻らなくなってしまっていたのだから。 故に『吊された男』と証の名で呼ばれた際には、名を知られていなかったかと思い、ユグとお呼びくださいと名乗ったりもした。 けれどはじめて証の名を知った少年は、喜んでもいた。 それこそが、自身が神に愛されている証なのだから! ] (71) 2022/12/11(Sun) 5:49:08 |
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