【人】 第11皇子 ハールーン[武器庫の匂いは、無機質でも暖かだった。 皇子は早々に母親とは離される。乳母は居れど、寝食を共にする事はほぼない。食事は他の皇子たちと。眠るときはひとり。 8つの年も最後になる月に、母と妹は国を去り、10でここに来るまで逃げ回り。この家も安心安全とはいかない事は解っていた。 ──ただ『脱落』した者を咎めに来る程、他の皇子が暇じゃないだけだ。 (あのしつこい兄を除けば……あのひとは支配するのが趣味なんだ) 原則、乳母との添い寝は禁じられていたし、でも子供一人には広すぎる部屋で。だから屋根裏の天井の低さには安心した。暗くて狭くて埃と砂と油の匂いが守ってくれるような気持ちになって。使えもしない剣を抱いて寝ていた。 ──今、甘い香りと、誰か人の気配。 瞑った眼に光の気配を感じて、顔をあげる。] 『おはよう。』 [目が合えば、そう返されるのだろう>>16。 それはとても、暖かだった。] . (22) 2021/04/21(Wed) 12:08:59 |
【人】 第11皇子 ハールーン……おはよう。 [まだうまく頭が覚めなかったが、焼き上がりを教えるタイマーが良い感じに脳を揺らしてくれた。] わ!そうだった、 10分だけのつもりだったのに……! [焼いてすぐ冷ましたいお菓子だったから助かった、と、ダレンに改めて朝の挨拶を告げつつ。朝ご飯を用意したならば、今日の予定を立てよう。] . (23) 2021/04/21(Wed) 12:09:37 |
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