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【墓】 天狗 っ ……は、そうじゃ、それでいい 最初は無理せんと、ゆっくり覚えて行けばええよ [大きなものをしゃぶるのは大変だろうと一応は言うが止めはしない 茅が健気で愛しくて、好きにさせてやりたいと思ったし 初めての手腕で自分が達すると思っていない余裕もある もっとも、ここで吐き出したとて 茅を欲しいと思えばすぐに、天狗の鼻のごとく天を衝くのだが**] (+5) 2021/06/26(Sat) 12:52:50 |
【鳴】 ラサルハグ皮肉にもラサルハグは神でも人でもない。 どちらにもなれぬ不安定な存在。 しかし神の真似事の産物に変わりなく その本質は人間のソレに近いのだ。 故にラサルハグは人間の感情を知りたがり その様式美をなぞろうとする。 (=12) 2021/06/26(Sat) 13:24:00 |
【鳴】 ラサルハグしかしながら彼女は甘くない。 ソフィアは叡智(Sophia)に満ちている。 ラサルハグが敢えて目を瞑っていた事象を 水面に映る裏葉柳はまるで鏡のごとく。 寸分狂わず見逃しはしないのだろう。 進行をせき止める指先の感触に ラサルハグは不敵な笑みを浮かべる。 (=14) 2021/06/26(Sat) 13:25:20 |
【鳴】 ラサルハグ『花嫁』と『生贄』は同じ意味を成す。 つまりその覚悟は、この場では持つ義理もないもの。 『花嫁』のヴェールを取ったつもりでいて 結局『花嫁』に縋っていたのは己であると。 彼女はその事にも気づいているというのだろうか。 (=15) 2021/06/26(Sat) 13:26:44 |
【秘】 ラサルハグ → ソフィア「私は、お前を『物』と考えたことは一度もない。 私はただお前に傍に居てくれる事を望むだけだ。 それを人間がなんと形容するか。 その答えを知るには時間を貰わねばならぬが。 お前が私の傍にいたいと思わねば。 私がお前に想う望みは永遠に叶わぬのだ。」 (-26) 2021/06/26(Sat) 13:36:00 |
【秘】 ラサルハグ → ソフィア「お前はもはや『花嫁』ではない。 お前を縛る契りは何も無い。 それでもお前がいいと言うてくれるなら 私に少しだけ時間をくれまいか。」 (-27) 2021/06/26(Sat) 13:39:51 |
【秘】 ソフィア → ラサルハグ「 ……昔、貴方は言っていたわね>>0:127 『ここに神はいない、いるのは怪物』だって。 神様、ラサルハグ様、……ラサルハグ。 私は、貴方のことが知りたい。 知らなければいけないと思う。 貴方のこと、生贄のこと、 貴方の主だった人のこと。 それらを聞かなければ、答えられない。 だから、聞かせて。貴方のことを。 」 (-29) 2021/06/26(Sat) 15:52:45 |
【鳴】 ソフィアなにも知らないまま決めるのは 従っているのと同じこと。 同情か、憐憫か、依存か。 そのどれでもなく、私は貴方と向き合いたかった。 村の神様、崇められる存在。 でも、私は貴方のことを 『ただのラサルハグ』として、見たかったのだ。* (=19) 2021/06/26(Sat) 15:53:20 |
【妖】 土地神 リンさぁ、それはどうだか 粒や漉しでなく、鶯餡かも知れん [ 得意げに述べた屁理屈を すんなり受け入れられれば困り顔 反論されれば腹が立つ かといって何もなしは物足りない 餡に準えられた理由には思い至らず 二の句、三の句を思うままに継ぎ返し ] 茶で流すのはもったいない 食してなお甘味が残る それこそ大福の良いところ 我ならば味が消えるまで 茶など飲まずに楽しむが [ 余韻の楽しみ方もそれぞれ違う かといって、どちらが良いとも決められない 受け手により無数の捉え方が存在する それこそが物語の楽しみでもあるようで ] ($14) 2021/06/26(Sat) 16:04:34 |
【妖】 土地神 リン[ けれど、蘇芳と緋扇のこと 余韻と云われれば、はて?と返事に困り ] ──そも余韻とは 終わった後を指すもの だから、あの二人の物語は [ 余韻ではなく、続いている 言い返そうとして、言葉に詰まる もう長いこと、紡がれていない物語 呼びかけに応えることもなく 止まったままのそれを 続いているとは言い切れずに ] ……んや、考えるのはやめておく 鰻の日がなぜ年に二度かは知らんが 三度でも四度でもあれば良いのにな [ かちゃりと食器が音立てる 運ぶのは彼に任せ 己は差し出された手に手を重ね ] ($15) 2021/06/26(Sat) 16:05:04 |
【妖】 土地神 リン[ 伏せられた茶碗を二つ箸を二膳 布巾で拭き、棚の隅へと並べて戻す そうして彼が三味線を持ったなら こくりと一つ頷いて ] 緋扇の横にしておこう ながく放っておかれては あれも寂しいだろうから [ 橙の明かりの灯った部屋の中 手を引かれるまま、男の膝の上に腰下ろす 前の嫁の前で新しい嫁の膝に乗る それは、いままでの己なら 決してしなかったことであり── ] ……なぁ、冥桜 はよう、物語を [ 慣れ親しんだ場所なのに なぜだか、ここは酷く寒い 温もりを分けてもらおうと いっそう強く体を寄せ、物語を促して* ] ($16) 2021/06/26(Sat) 16:05:58 |
【妖】 五色 冥桜[ああ言えばこう言う。 阿吽の呼吸で返される言葉に然りと頷く] それもまた楽しみ方よな。 だがな。 鰻の日が多ければ多い程に。 他の楽しみがまた減るのだぞ。 [同じ音、同じ詩でも人により解釈は異なるものだ。 そしてそれは理の解釈もまた変わらぬ。 人の理、男の中での蘇芳と緋扇は還らぬ存在であるが。 リンの中では未だに終わらぬ物語なのだろう] 良い――。 [続いている物語を無理に終わらせることはなかろう。 考えるのを止めることを頷きもって肯定しよう。 それでも一時、節目をさせようとしているのは後になって悔やまぬようにということだけだ。 膝の上に腰を下ろすリンは未だ軽いままである。 黴臭い部屋の中、男はリンを三味線で身体との間に挟み込む。 撥を持ちて絃に触れ、弾けば南方に住まう白い大蛇の皮と絹製の絃が音を醸し出す] ($17) 2021/06/26(Sat) 16:55:39 |
【妖】 五色 冥桜 最初に聞かせたのは雷であったな。 雷は梅雨の入りを教えてくれ。 梅雨が終わる頃にもまた鳴るものらしい。 [音はしとしとと降る雨の如く。 静かに、穏やかに響いていく] 雨は霧の様であり。 初夏を迎え新緑が色濃くなり始める頃。 恵みを齎すそれは同時に全てを隠していく。 [それは季節や自然を謳う詩である。 村を中心とした自然の流れ、移ろいゆく季節。 長夏が過ぎれば夏となり、生命が活発に蠢く季節はもゆる紅に支配されていく。 男の物語は語るように、謳うように、音と共に紡がれていく] ($18) 2021/06/26(Sat) 16:56:38 |
【妖】 五色 冥桜[四季は巡る。 秋が冬となり、冬が春となろうともそこでは終わることはない。 次の年にはまた梅雨が始まり夏となる。 移ろう詩に合わせて音もまた移ろおう。 太陽は昇る。 昼間に輝いた太陽は橙の世界を魅せた後に夜を迎えるために姿を消す。 生きとし生けるものは最も輝く時間を過ごした後、静かに永く眠るのだ。 沈んだ太陽が昇らぬことはない。 眠りについた者たちは、いつか、どこかで、また目覚める。 ――それは元の場所とは違うかもしれないが] ($19) 2021/06/26(Sat) 16:56:44 |
【妖】 五色 冥桜 世は常に巡る。 澱みなく、流れていく。 川の水がやがては大海に至り。 そしてまた雨となって降り注ぐように。 [姿を変え、形を変え。 ――永く眠った者たちもまた巡っていく、と男は教えられてきたことを緩やかに語り] 寂しくもあり、悲しくもある。 物語は謳い続ければ終わることはない。 お主が予に聞かせておくれ。 予もまたお主に紡ぎ語ろう。 [新しく紡ぐことはできずとも残すことはできるものだと伝わると良いと。 一しきり語り終えた男の身体は熱を帯び。 額には汗が浮かばせながら、のう、とリンをその熱で覆ってやるのであった*] ($20) 2021/06/26(Sat) 16:59:54 |
【鳴】 ラサルハグ言葉を交わす意味など分からなかった。 人間ではないラサルハグにはその重みを 想像することはなし得ない。 長い時の中で、ラサルハグは初めてその重みを知り 同時に言葉にすることを求められる。 (=23) 2021/06/26(Sat) 18:45:42 |
【鳴】 ラサルハグソフィアが歩み寄るその姿に応えるかのごとく ラサルハグは洞窟の最奥へ招き入れる。 それからラサルハグは純白の煙に包まれ。 (=24) 2021/06/26(Sat) 18:48:26 |
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