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【人】 ウユニ*** 私は、弟妹の世話をしていたこともあって 家事は一通り、できるつもり。 掃除は特に、出来るだけ積極的にしていたの。 何故かって? 見たことのない花弁が いつも床に落ちていたら不自然でしょう? だから花咲病の痕跡を残さないように、と 出来る限り、私が使う部屋、 出入りする部屋は綺麗にしていた。 彼が触れて欲しくない物には触れないように 入ってもいい場所、触ってもいいものは 事前に確認していたから。 彼の気を悪くするようなことはしなかった… そのはずだけれど、どうだったのかしらね。 秘密を明かした後も、習慣づいてしまったものを 変えられなかった、というのはまた別の話。 (78) 2022/08/11(Thu) 0:48:45 |
【人】 ウユニ普段はそうやって家事をするだけではなくて。 街に出て、布を買ってきては 服や帽子を作って、 店に持ち込んで買い取ってもらう。 私はそんな風に生活にかかるお金を賄って。 住まわせてもらっている対価のつもりで 貴方へと稼ぎを渡そうとしていたけれど… 受け取ってもらえなかったのなら、 家のどこかに纏めて置いたままにしていたでしょう。 (79) 2022/08/11(Thu) 0:50:28 |
【人】 ウユニ裁縫が得意だとは彼にも伝えていたから。 彼の服のボタンが取れていたり ほつれていたりするのを見つけたときは 「それ、直しますよ? そのままだと着づらいでしょう?」 と言って、服を直そうとしたこともあった。 また、ある日には。 (80) 2022/08/11(Thu) 0:50:58 |
【人】 ウユニ「売り物にするには作りが甘くて。 もしよければ、貴方に貰って欲しいんです。」 と、もっともらしい理由をつけて 貴方にひざ掛けを作って渡そうとしたこともあった。 竜胆の刺繍飾りがついた、 充分売り物になりそうな、ひざ掛け。 (81) 2022/08/11(Thu) 0:51:29 |
【人】 ウユニ住まう場所を提供してくれる彼に 何かを返したい、そんな思いを形にした贈り物。 「使わないのなら、私が使いますし 無理に、とはもちろん言いませんから。」 押し付けるのは本意ではなかったから。 そう付け加えて、差し出したそれは 受け取ってもらえたんだったかしら…?* (82) 2022/08/11(Thu) 0:55:05 |
【秘】 サルコシパラ → ウユニ「花咲病…………」 知らないと言わんばかりに サルコシパラは彼女の告げた病を復唱する。 聞けば治療法は今も探している途中で この先どうなるかも分からないようだった。 彼女が恐れているのであろう拒絶よりも サルコシパラが思ってしまうのは強い不安。 病気などという不透明なもののせいで 家族 を失うかもしれないのだから。 (-35) 2022/08/11(Thu) 8:10:00 |
【秘】 サルコシパラ → ウユニサルコシパラは不安を胸に抱えながらも 怯えたようなウユニに向かって 正直に自身の思いを告げてみせる。 W普通Wの反応をよく知っているウユニは W普通Wの答えを強く恐れている。 サルコシパラにはそんな様に思えてならず 強い否定の気持ちが募っていく。 サルコシパラは気づけば ウユニの手を取り、強く握りしめていた。 (-37) 2022/08/11(Thu) 8:11:10 |
【秘】 サルコシパラ → ウユニ彼女が勇気を持って飛び越えた一線。 その一線はサルコシパラの強い感情を 理性の檻から解き放つことにもなる。 ウユニが自身と家族でありたいと そう思ってくれてるのだと考えれば これ以上の幸福などありはしない。 サルコシパラにとってそれは願いであり 望んだ未来の形そのもの。 (-38) 2022/08/11(Thu) 8:11:41 |
【秘】 サルコシパラ → ウユニ途切れた言葉のその先をなぞるように サルコシパラは真っ直ぐにウユニの瞳を覗く。 いてもいい、のではなく いてほしい、のだと。 その言葉の違いはウユニにしか伝わらない。 ウユニの想いの全てを知らないままの人間は 身勝手に、貪欲に、彼女を受け入れる。 それがサルコシパラの答えなのだ。 (-40) 2022/08/11(Thu) 8:13:44 |
【秘】 サルコシパラ → ウユニ結局はわがままと一緒だ。 彼女がこちら側に歩み寄ってくれたから サルコシパラも一線を超えることに もう耐えられなくなってしまったのだから。** (-41) 2022/08/11(Thu) 8:14:12 |
【人】 サルコシパラまたしばらくすれば 今度はウユニは自ら生計を立てる術を 身に付け、その手腕を発揮する。 裁縫が得意という言葉に嘘偽りなく。 確かにその力は本物だった。 なんと頼もしいことだろう。 そんな感心を抱くサルコシパラには 彼女の稼ぎを貰おうなどという発想などなく。 (85) 2022/08/11(Thu) 8:15:44 |
【人】 サルコシパラウユニがサルコシパラに稼ぎを 渡そうなどという時には仮面越しにも 伝わるほどの拒否感を滲ませて。 「それはあなたのものです。 もし私に渡そうなどというのなら 私は今すぐあなたの為に服を買います。」 なんて言って冗談交じりに 淑女が着るようなドレスのカタログを 見せたりもしたことだろう。 (86) 2022/08/11(Thu) 8:16:23 |
【秘】 サルコシパラ → ウユニたった数年とはいえ 共に過ごせば少しは性格も分かる。 ウユニが義理堅いことを知った サルコシパラはウユニがお金を使わずに 貯めているのではという考えに至れば。 「貴女に似合いそうなドレスですね。」 そう言ってニッコリと圧をかけながら ウエディングドレスの写真でも見せることも あったかもしれない。 (-42) 2022/08/11(Thu) 8:17:24 |
【人】 サルコシパラ幸せな日々というものを サルコシパラは日々感じるようになった。 ウユニの存在はそれだけ大きく。 次第にサルコシパラに強い感情も芽生えて。 それでもこの関係をより深めなかったのは 彼女が病に侵されているという事実が 頭の中にあったからだ。 (89) 2022/08/11(Thu) 8:19:25 |
【秘】 サルコシパラ → ウユニ彼女が病に侵されていても 自身の気持ちが変わることは無い。 しかしその身体が虚弱だったとしたら やはりどこか気は遣ってしまうもの。 けれど病のことを打ち明けられれば 今度はサルコシパラの強い感情が 彼女と一線を越えようと暴れ出す。 (-43) 2022/08/11(Thu) 8:20:53 |
【人】 サルコシパラウユニから病気のことを告げられた日の夜 サルコシパラは珍しく夜更けになっても 眠りにつかないまま自室にいた。 部屋が複数あるサルコシパラの自宅では リビングの他にサルコシパラの部屋と ウユニの為の部屋、そして空き部屋があり 夜は特段の用事がなければ 互いの部屋に入ることも滅多に無い。 脳裏によぎるのはもちろん ウユニの抱えている病のこと。 彼女の家族でありたいと願う者として 病のことを知るのは責務だと サルコシパラはそう考えていた。 (91) 2022/08/11(Thu) 8:39:15 |
【秘】 サルコシパラ → ウユニ それから普段なら眠りにつく所を サルコシパラは立ち上がり部屋を後にする。 そうして向かったのはウユニの 彼女が眠っているであろう部屋だった。 (-44) 2022/08/11(Thu) 8:39:50 |
【秘】 サルコシパラ → ウユニ彼女を起こさないように静かに扉を開ける。 普段被っている仮面を今だけは付けもせずに 彼女が寝静まるであろう時間を狙って サルコシパラは彼女の部屋に入ると。 暗がりの中、ベッドに座り ウユニの姿を視界に捉えて その頭を優しく撫でてみせる。 もしかしたら目覚めているかもしれない。 でも願わくばもう少しだけ目覚めないで欲しい。 そんな想いを抱えて。 (-45) 2022/08/11(Thu) 8:41:05 |
【秘】 サルコシパラ → ウユニ募っていく想い。 たとえ変人であろうとも 病に侵されていようとも 同じ屋根の下に男女が二人 何も起きないはずもなく。 サルコシパラは 髪を梳くように優しく撫でると。 (-46) 2022/08/11(Thu) 8:41:59 |
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