情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
【独】 民俗学 ユウキ>>秘話 叶 「そう、ですね……知りません。叶さんのこと、は……知らないこと、ばかり……です。 ここに来て、俺が見てきた分の貴方なら、知りましたとも」 恐ろしいものに怯えていて。 それから逃げることに必死で。 安全の為ならば、人を害する一線を踏み越える……或いは踏み外してしまう。 引き抜かれたガラスを見た。 ぬらりと光るそれをぼんやりと見つめながら、破れ裂かれた空洞から自分の体を巡っていた血がとめどなく溢れ流れていく感覚を味わっていた。 まっさらな白衣が穢されていく。 「同じ?違う? 何、も、同じだ、なんて……一言も言っていませんよ。貴方が、俺と同じなら……こん、な、手間を惜しまず命を削ってまで協力や許容なんて、するはずがない」 煌めく透明を見上げた。けれどそれはすぐに興味をなくし、青年の視線は貴方の顔へ。 「……でも、ふふ、おか、し、いな……。 平気じゃない?……ふ、ふふ。ご冗談を。 どれだけ嫌でも、怖くても、」 「人を殺すことは躊躇わないじゃないですか」 特に自分を殺すことなんて。 はじめから殺すために、呼び出したのだろう? 線を踏み越えることは容易く行っているじゃないか。 沢山沢山、免罪符を並べて積み上げて。 それらを踏み台にして、躊躇なく。 (-72) 2022/06/04(Sat) 23:55:34 |
【神】 猶大 ロク「あ〜あ。物資探しの次は死体探しねぇ。 そしたら次は──」 時間通り集まって、黙ったまま出て行ったり残ったりする人々を見ていた。 会議室を後にする者が何度か扉を潜った頃に椅子に凭れ掛かって口を開いた。 (G15) 2022/06/04(Sat) 23:55:40 |
【独】 民俗学 ユウキ>>秘話 叶 「ッ、あ゛ぁあぁああっ!!!」 中身の詰まった腹部に突き立てられる。 笑い声は霧散して、掠れた絶叫と共に青年の体が弓なりにしなった。 中を掻き分け蹂躙されれば、かろうじて手放さずにいた冷静さも呆気なく崩れ見る影もなく壊れていく。 「あ゛、ぐッ……ぁ、ぎっ……かな、叶、さ……!」 奥へ奥へと爪がねじ込まれるほど体は逃げ出そうと痙攣を繰り返し、細く長い手足はもがくようにばたついた。 衣摺れの音と自分の悲鳴の合間から聞こえる叶の糾弾はどこか遠くで放たれているように聞こえてならない。 ──どうせお前がここで死ぬことに意味なんか無い。 それだけは、聞こえた。 「かッ……ぃ゛、さん……、ぇ、そ……れ、……そ、れ……な、ら…………」 貴方はどうして意味の無い行為を必死にやろうとしている? 言葉を紡ごうとして、けれどそれはひっきりなしに上がる悲鳴に塗りつぶされて消えてしまった。 確かに結木の話はあまりに自分勝手、ただの自己満足だ。貴方が青年の死に意味を見出さないのなら、貴方にとっては何の価値もない。 けれど、貴方にとっても本当に何の意味もないのなら。殺す必要すらも無かったはずだ。 ▽ (-73) 2022/06/04(Sat) 23:56:11 |
【置】 未だピンボケ ライカ訪れた器具庫。 出入口の周辺に飛び散った血を視認して、ごくりと喉を鳴らす。 やけにその音が大きく聞こえたような気がした。 高鳴る胸を押さえながら、まずはスマートフォンで出入口付近の写真を撮る。 血の痕を追うように中に入って。 かしゃり、かしゃり。シャッター音は鳴らないものの、スマートフォンの中に画像ファイルが積み重なっていく。 散らばった道具を杖で除けながら、奥へと進んで。 ブルーシートに包まったそれを前にして、更に動悸が激しくなる。 ドク、ドクと 緊張がそのまま音になったようだ。 シートを外して、中身を確認してから。 持ってきた制服を着せようと手を掛ける。 硬直している身体は、石のようで青年の力では殆ど動かないものだから。 結局は肩にかけるだけになってしまうのだけれど。 ▽ (L7) 2022/06/04(Sat) 23:56:49 公開: 2022/06/05(Sun) 0:30:00 |
【独】 民俗学 ユウキ>>秘話 叶 「あ゛、あ゛ぎっ、ぃ、痛」 にちゃにちゃと水音が聞こえる。 時折ぶちりと何かが千切れた気がした。内臓の何かがもう使い物にならなくなったのだろう。 「血が、とま、ら……な……」 ごり、と硬い感触が己の中で響いた。 骨が響いて、体が陸に打ち上げられた魚のように無意味に跳ねる。 「かな、……ぃ゛、さ……っ……ぁ゛、あ、あっあっ」 こわれていく。 あたまも、からだも。 つきこまれて、かきまわされて。 ………… ……………… ▽ (-74) 2022/06/04(Sat) 23:57:14 |
ロクは、厭だ厭だ、と当然の如く一人で会議室を出た。 (a12) 2022/06/04(Sat) 23:57:45 |
【独】 民俗学 ユウキ>>秘話 叶 どれくらい経っただろう。 「……、…………ぁ、…………」 もはや息もしているか怪しいほど反応が小さくなった頃。 貴方を捉えているのかいないのか、涙や汗でどろどろになった青年の瞳が時折ぶれるように揺れながら貴方を見上げている……ように見える。 「…………か…………、ぃ、さ…………」 いったいどこにそんな力があったというのだろう。 右手が、すっかり血の気を失った指が、縋るように貴方の左手に伸ばされた。其方はガラスを纏っているだろうか。 「……………………」 唇が震えている。 "ごめんなさい"?"かないさん"? 果たしてそれは本当に言葉を紡ぐための動きだろうか。音になっていないなら、それは誰にも分かりやしない。 (-75) 2022/06/04(Sat) 23:57:57 |
【置】 猶大 ロク「……やっぱあんな奴は信用できねぇよ」 廊下を歩きながら顔合わせに不在だった彼の事を浮かべる。 何をしているのやら。 「別にどうでも良いけど」 護身くらいはしておくかと呟いて鉄パイプを手にしながら宛てもなく探索に向かった。 (L8) 2022/06/05(Sun) 0:03:05 公開: 2022/06/05(Sun) 0:05:00 |
【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ一先ず周囲は安全らしく一安心。ちゃんと扉は閉めました。 そして仮眠室の随所から出てきた様々を見て、 「こんなもの置いてる所で実験体にされるの嫌だなあ………」 かなりマジトーンの"嫌"が出てしまった。 職員の趣味が終わってる研究施設の被検体、なりたくないね。 何とも言えない気持ちで少女の方へ視線を戻して、 「あの神陰間さん今お幾つでしたっけ……?」 レディに年齢を訊ねるのもいかがなものか。 未成年の飛ばす冗句にしては過激でびっくりしちゃったんです。 それはそれとして、白衣が見付かった。 (-76) 2022/06/05(Sun) 0:13:23 |
【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ「……あ、こんな所に… 探しものはこれくらいで大丈夫そう、ですね」 適当な何処かからいいかんじのサイズの白衣を回収した。 うっかり忘れ物をしてくれた誰かが居たらしい。 名も知らぬ誰かに感謝して有り難く使わせてもらおう。 と、上着のポケットの中のものを白衣の方へ移し替えようとして 途中で何かに気付いてやめた。 そのままパーカーの上から羽織ればいいやと思ったみたいです。 (-77) 2022/06/05(Sun) 0:18:08 |
【置】 未だピンボケ ライカ「……ああ、この人であってた」 それなら、ちゃんと撮っておかないと。 "現場写真"は、大事だもの。 そこにあったものはちゃんと戻して、記録しておかないと。 それが自分の出来ることだから。 それが求められていることだから。 「ちゃんと、残しておかないと」 「僕は、そのためにここにいるんだ」 そのはずだ。 青年は自分の心が分かっているのかいないのか、満足いくまで写真を撮って。 何食わぬ顔で制服を回収し、ブルーシートにその人だったものを巻き直して その場を後にしたのだろう。 (L9) 2022/06/05(Sun) 0:27:35 公開: 2022/06/05(Sun) 0:30:00 |
【秘】 声無きを聞け マユミ → 跼蹐 カナイ『僕も嫌です。が、もう手遅れなのです』 過去完了形とは悲しいものですね。 『イマドキの子は進んでいるのですよ? 叶様はご興味がおありですか、こういうの』 一枚を口に咥えてにっこりしました。 場所によっては犯罪です。仮眠室なのでツーアウトですね。 (-78) 2022/06/05(Sun) 0:33:51 |
【秘】 声無きを聞け マユミ → 跼蹐 カナイ『見つかったようでなによりです?』 ゴムを咥えながらでも喋れるのが タブレットの利点です。利点かな? 『それで』 『その』 『見て頂いても?』 軽口を叩いてないと耐えられなかったのかもしれません。 少し目が泳いでいます。 (-79) 2022/06/05(Sun) 0:43:15 |
【神】 未だピンボケ ライカ「戻りました……」 けれど。気付けば多くの人が会議室から姿を消していた。 まあ、一人で行動していた自分がどうこういえることはないのだが。 持ちだした制服をもとにもどして、ホワイトボードに目を向けた。 (G17) 2022/06/05(Sun) 0:54:51 |
ライカは、ホワイトボードに「無事に帰れますように」と小さく書き留めた。 (a13) 2022/06/05(Sun) 0:55:12 |
【秘】 篝屋に来た カジヤマ → トラジディ フカワ『そーですか、 完全に勘違いみたいでした! そんな好都合なことありませんよね。 俺ちゃん〜、ちょっと薬を作った人とか…… なんで打ったのかそういうこと調べているんです。 だからなんか資料とかあったら教えて下さいね!』 『改めて始めましてってことで、ありゃ。 仕事以外がきついって…… どんなのか聞いちゃっても良いですか? リラックス以外で解決できないのは辛そーですね』 『俺ちゃんにできるのって薬を処方すること… っていってもまだ免許無いワ。 状況は変えらんねえからどーにでもきないんすけど。 話聞くなら出来るっすよ!』 (-80) 2022/06/05(Sun) 1:19:19 |
【秘】 篝屋に来た カジヤマ → 氷肌玉骨を手に ナオアキ『……。 あきちゃんどうかしましたか?』 『流石に様子が変っすよ。 一人で居るんじゃないっぽいのはわかりますけど。 俺ちゃんの頼んだことは用意してくれてどーも。 でも心配だし、はりーを見つけても安心できないんで 今行きますから、どこに居るか教えて下さい』 それはいつのことだったか。 声は真剣に、貴方の居場所を問うた。 (-81) 2022/06/05(Sun) 1:22:54 |
【秘】 篝屋に来た カジヤマ → 未だピンボケ ライカ「相変わらず真面目だね〜。 ま、俺ちゃんも無事に帰れたらって思ってんよ。 結構寝てばっかだけど……帰り道や原因は探してるし」 「道を切り開くのもいーけどさ、結構原因がわかってないと 二度目があるかも知れねーじゃん? だから理由聞いて回ったりしてるんだけど、 後輩は全然思いつかねーのな……カメラマンねー。 記録係だったりするのかも?」 「……なー。さとみん。 俺ちゃん怖がること辞めなくて良いと思うぜ。 ふつーに怖がって、ふつーに生きたくて、皆が無事って願う。 それでいいし、俺ちゃんが全部助けるっていわねーけど。 帰らせてやるし、できる限り手伝うぜ?」 「まあ、弱音って言うか。 今だけ吐いても誰も聞いてねーからさ、 言いたいのは抱え込んで無茶すんなってコト!」 (-82) 2022/06/05(Sun) 1:33:54 |
【独】 跼蹐 カナイ>>秘話 結木 部屋の外まで届くのではないかと思える程の絶叫。 神経の焼き付くような、想像を絶する痛みに 反射的に手足がじたばたともがいて逃れようとする動作。 それらが徐々に小さくなり、弱々しいものになって。 「あなたはひどい人だ……」 その全てを意に介さず拷問じみた凶行を続け、 僅かばかり落ち着きを取り戻した狂人はぶつぶつと独り言つ。 「人の為と嘯いて、がらんどうの上に人好きのする態度を乗せて その実誰の事も見ていないんだ……それがあなたという人だ」 それが事実とは限らない。 これは飽くまでも、叶 西路という人間の主観だ。 「あなたが好きなのは人間という種であって、 個々人の事なんて誰も彼もどうでもいいんでしょう……?」 あなたが出会う以前の叶の事を知らないように。 あなたの事を知らない叶から見たあなたという人間に過ぎない。 「誰でもいいんでしょう」 これは飽くまでも、叶 西路という人間の主観でしかない。 (-83) 2022/06/05(Sun) 1:57:32 |
【独】 跼蹐 カナイ>>秘話 結木 「あなたはわかっている気になっているだけだ……」 「僕の中に常日頃、理性や道徳観という形で どんなに人に危害を加える事への躊躇いと抵抗があって…… そして、それがどれだけやりたくない事であっても 解放される為ならと、やらなければと突き動かされるような どうしようもなく耐え難い恐怖の事なんて」 「あなたにはわからないでしょう」 叶 西路という人間は。 どんなに恐ろしいものからも殺してしまえば逃げられると、 そんな狂った答えを見出した狂人でこそあるけれど。 それでも、誰も殺した事は無かった。 こんな事になってしまうまでは。 その程度の道徳観と理性は持ち合わせていた。 けれどここで、こんな理不尽に巻き込まれて、 もはやそれでは耐えられないような恐怖に直面してしまった。 それが運の尽きだった。 この狂人にはきっと、もはや酌量の余地は無いけれど。 それだけは、運が無かったと言える事だったのかもしれない。 こんな事さえ起きなければ、人を殺す事は無かったのだから。 (-84) 2022/06/05(Sun) 1:59:29 |
【独】 跼蹐 カナイ>>秘話 結木 「…あなたの死にあなたが期待するほどの意味は無いんです」 幾度も引き裂かれ、内容物を引っ掻き回し、また裂いて ぐずぐずの血肉の混合物と化した腹部を見下ろしていた視線が ふと縋るように伸ばされた手を一瞥した。 左手は素手のまま、あなたの真横につかれている。 「だって僕は、あなたでなくともいいんだから……」 だからといって、誰でも良いわけでもないけれど。 この狂人が恐れるものは幾らでもあって、 順序を付けた結果こうしてあなたがまず標的になったのであって。 「……あなたである必要はないんですよ」 自身に向けられた視線の主を見返して、 もう一度、殆ど独り言のように呟いた。 (-85) 2022/06/05(Sun) 2:00:36 |
【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ「あるって言ったら問題があるんですよね………」 とはいえ無いと言うのもやっぱりいかがなものか。 いや年齢を考えれば無いと言うべきな気がする。正しい。 「Drop(放して)。 咥えゴムは髪ゴムだけにしましょうね…」 多分そっちの方が需要があるし。 どこに?どこかに…… (-86) 2022/06/05(Sun) 2:53:42 |
【秘】 跼蹐 カナイ → 声無きを聞け マユミ「……ん、と……うん、いいですよ。」 ふと、切り出された話と共に空気が変わったのを感じて。 その話の内容を察して、しっかりとあなたの方を向いた。 とはいえ特に急かすような事はせず。 (-87) 2022/06/05(Sun) 2:54:01 |
【独】 篝屋に来た カジヤマ>>ユウキ 『懐いてくれない感じだけど餌は食べてくれる感じのネズミ!』 貶してません(褒めています) 『そ〜? じゃあWin-Winってコトで。 よかったー気ぃ悪くしてないで。 そうそう俺バリバリインテリ〜、自分でいうのもなんだけど勉強出来るし。 資格とんないと薬つくれね〜からさ! 法律って面倒だよなー』 『ここの会社志望してたし、入るつもりだったんだぜ? んなのに、こうなっちゃって。びっくりした系。 食べ物もおそろで夢も結構似てるじゃん、うけるー。 んでも、人間の進化ってどうやって目にするん? 腕が3本になるとか? それとも頭にチップ入れられるようになるとか?』 (-88) 2022/06/05(Sun) 2:55:40 |
【置】 氷肌玉骨を手に ナオアキ>+4>+5 「やァねェ、騙したり裏切ったりする方が 10:0で悪いに決まってるじゃない、の」 気を抜いていたわけではなかった。 女の子になりたい男の子ならいざ知らず、 目の前の彼はきちんと男の子に思えていたから、尚のこと。 それでもこれくらい思い切って攻撃すれば、 普通はすぐには動けないはずだった。 それくらいの、“普通”に当てはめていたのがいけなかった。 液体はあなたの背中をすこぅし溶かして焼いて、 大部分は床に不規則なへこみを作るだけになる。 力の抜ける足、崩れた重心、後ろへ倒されれていく身体。 “ あァ駄目ね ” 喉元に届いた手に対して、そう判断してからは早かった。 (L10) 2022/06/05(Sun) 3:00:47 公開: 2022/06/05(Sun) 3:00:00 |
【置】 氷肌玉骨を手に ナオアキ>>L10 ガツンッ!! 痛みに呻くよりも先に、水入りのペットボトルが 伊縫の側頭部に叩きつけられた。腰に提げていたものだ。 同時に能力を発動。ガンガンと頭蓋の内側を直接 金槌で殴りつけられているかのような痛みに襲われる。 視界が明滅してぐちゃぐちゃになっても、 それでもやめない程度には奈尾も十分おかしかった。 “ ひとつの意思に呑まれている ” 液体は容器を溶かして、勢いそのまま あなたの頭の右半分にふりかかった。当然彼にも。 肉が薬品で溶ける音がする。 においは──よく分からなかったかもしれない。 血と比べてどちらが強烈かも分からない。 「あ゙、はっ・・・・・・」 「 は 」 「あはははははははははははは」 あなたが伸ばした手は何を為すためのものだっただろう。 頭を半分溶かしながらも、あなたは事を成し遂げられる。 (L11) 2022/06/05(Sun) 3:00:50 公開: 2022/06/05(Sun) 3:00:00 |
【秘】 声無きを聞け マユミ → 跼蹐 カナイ叶の返答に肩を竦めます。 ああ、これは勿論『問題』の方ですが。 それから咥えていたゴムをベッドに投げて、 おずおずと自らの和装に手を伸ばします。 指がその襟を緩め、するりと。 止める間もなく、上半身が露わになるでしょう。 白い肌。サラシによってかなりきつく締められ、 ひしゃげて潰れた相当なサイズであろう胸。 しかしそれよりなにより、目につくものがあります。 檸檬色 と葡萄色 の水晶。……いいえ、あれは飴でしょうか。 うろこ状の飴が、腕や肩の皮膚から生えています。 それらがみし、ぱきと身じろぎに合わせて軋み削れます。 俯いて、入力に集中します。 そしてタブレットの文字だけが向けられるでしょう。 『僕が思うに』 『食べた物などを身体から生やせる能力?なのです』 『もしくは―― 自分を造り変える 能力とか』『そのような感じだと思うのです』 そう見せて、あなたの反応を窺います。 (-89) 2022/06/05(Sun) 3:24:36 |
【独】 民俗学 ユウキ>>秘話 叶 「…………、……ぅ……」 微かに、ほんの微かに口角が上がった。 答えが返ってこなければそれは側から見ればただの決めつけに見えるだろう。 けれど。 貴方が見ても見ていなくても、青年は確かに答えを返した。 ご明察。 俺が好きなのは、俺が惹かれるのは、進化を続ける人類であって、けれど本質は変わらぬ愚かな種であって。 個人の細かな差異など問題では無いんだ。 音が喉から出ずとも、笑うようにまだ少しだけ熱を含む息を少しだけ吐き出した。 きっと、いや、確実に分からない。 貴方という、ただ平穏な夢を見続けていれば真に狂人にならずに済んだ哀れな人間のことを。 貴方がどうしても逃れたい、耐え難き恐怖のことを。 それもまたある種の興味を惹かれる観察対象の特徴としか見られないのだから。 ▽ (-90) 2022/06/05(Sun) 3:29:52 |
【独】 民俗学 ユウキ>>秘話 叶 "貴方である必要は無い"。 霞む意識の中で確かに拾った。 「……、……、ふ……」 笑い声にも似た吐息が溢れた。 自分個人に特別な意味を持って欲しい訳ではないのだから、無問題だ。 あまり価値が無いままもう観察する時間が失われるというのは非常に残念だが。 進化は日々の積み重ね。 自分を障害の一つとして、欠片でも何かの糧になって。 貴方が変化してくれればいい。 ……だから。 ▽ (-92) 2022/06/05(Sun) 3:30:44 |
【独】 民俗学 ユウキ>>秘話 叶 「……じゃ、ぁ」 いったい、どこにそんな力が残っていたというのだろう。 己のすぐそばにあった、無防備な左手を。 あらん限りの力を持って掴み、たった今貴方が壊し尽くしてぐちゃぐちゃになった腹部の中へと引き摺り込もうとする。 「おれだからやることを、しま、す」 言葉を吐いた拍子にごぽりと口から赤が流れた。 それでも、貴方の目の前に在るきょうふはわらっている。 今の貴方は錯乱こそしているものの、怪我をしているわけじゃない。 けれど、もう虫の息であった人間とは思えない力で左手を掴もうとしている。 振り払えこそするが、それなりに力を込めなければならないだろう。 (-93) 2022/06/05(Sun) 3:31:38 |
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新